○霞台厚生施設組合監査基準

平成10年3月25日

決定

目次

第1 通則

1 一般基準

2 監査実施基準

3 監査報告基準

第2 各則

1 事業の管理に関する監査基準

2 工事の実施に関する監査基準

3 予算の執行に関する監査基準

4 契約及び検収に関する監査基準

5 財産の管理及び出納,保管に関する監査基準

6 会計上の不正防止に関する審査基準

7 歳入歳出決算に関する審査基準

8 補助事業に関する監査基準

第1 通則

1 一般基準

1 監査委員は,事実の認定,処理の判断及び意見の表明を行なうに当っては,常に公正普遍の態度を保持しなければならないものとする。

2 監査委員は,組合行政の全般にわたりその動向推移に注意し,総合的に行政が伸張刷新されることを期待し,公正明朗な行政の運営がはかられるべきことを旨とし,その職務の遂行に当らなければならないものとする。

3 監査委員及びその事務を補助する職員は,職務上知り得た事項を正当な理由なく他に漏洩し及び自ら窃用してはならないものとする。

4 監査に際して作成された書類調書は,慎重な注意をもって整理し,相当の期間これを保存しなければならないものとする。

前項の書類は,監査を受けた側の諒解を得ないで,その全部または一部を外部に示してはならないものとする。

5 監査委員は,監査をするに当っては,不正過失の発見に努め重大な虚偽,錯誤または脱漏を看過してはならないが,監査が終ったことによって,不正過失の事実が皆無であることを証明するものではない。

2 監査実施基準

1 監査委員は,毎会計年度始前,翌年度中における監査実施予定を定めるものとする。

2 監査をするに当っては,その都度あらかじめ監査計画を作成し,これに基づいて秩序整然と監査をするものとする。

3 監査委員は,監査の目的を達成するためかつこれに必要な限度において,帳簿突合,計算突合,実査,立会,確認または質問等その時の実情に応じて使用し得る監査手段を選択適用し,最終的に監査報告を保証するに足る合理的な証拠を確かめなければならないものとする。

4 監査手段の選択は,監査さるべき項目の重要性または誤謬発生の危険の程度を考慮して,これを決定するものとする。

5 監査手段適用の範囲,方法及び日数は,監査の効果と犠牲とを比較検討し合理的にこれを決定しなければならない。

6 監査をするに当っては,事業の管理及び出納その他の事務の執行が法令,条例及び規則等に準拠して行なわれているかどうかを必ず確かめなければならないものとする。

7 監査をするに当っては,事業の管理及び出納その他の事務の執行に際して,組合の当事者が住民の福祉の増進に努めるとともに,最少の経費で最大の効果を挙げるようにしているかどうかに特に意を用いなければならないものとする。

8 監査委員は,監査に際し非違の事項を発見したときは,特にその非違の事項を生じた原因を究明するようにし,かつ将来再び同様の非違の事項を生ぜしめないために取るべき措置についての意見を提出するよう努めるものとする。

3 監査報告基準

1 監査結果の報告書及び監査結果の公表(以下単に「監査報告書」という。)には,監査委員が実施した監査の概要及びその意見を簡潔明瞭に記載するものとする。

2 監査の概要については,次の事項を記載するものとする。

(1) 監査を実施して監査委員の氏名

(2) 監査を実施した時期

(3) 監査の種類

(4) 監査の対象及び監査事項

(5) 監査の手段

3 監査の実施または監査委員の意見に関して監査委員の責任を限定しようとする場合には,その事項を監査報告書に明瞭に記載し,他の事項と明確に区分しておかなければならないものとする。

監査報告書に監査委員の責任を限定する事項を記載することによって,監査の結果に関する監査委員の意見が無意義となるおそれのある場合には,監査の概要を記載するにとどめ,意見の表明を差し控えるものとする。

4 監査委員は,監査に際して重大な誤りまたは処置に急を要する事件を発見したときは,監査報告書を提出する前,その所管に応じて管理者またはその他に急報するものとする。

第2 各則

1 事業の管理に関する監査基準

1 事業の監査をするに当っては,監査委員は,その事業の目的を正しく理解し,次の事業を確かめるものとする。

(1) その事業が住民の福祉の増進,組合財政の確立その他本来の目的に即応して管理運営されているかどうか。

(2) 事業の目的を達成するために計画的に執行されているかどうか。

(3) 事業の目的または計画の重点は,住民生活の実情その他社会経済情勢からみて,変更または廃止の用がないかどうか。

(4) 事業施設の立地条件は,その目的を達成するために適当であるかどうか。

2 事業の監査をするに当っては,監査委員は,その事業の成果について,次の事項を確かめるものとする。

(1) 事業の実績は,計画に対して所期の成果をおさめているかどうか。

(2) 当該年度間に企画された事業量は,事業の目的を達成するために必要な量であったかどうか。

(3) 予算計画は,事業計画に適合し,かつ合理的に精算されているかどうか。

3 事業の監査をするに当っては,監査委員は,その事業の利用の状況について次の事項を確かめるものとする。

(1) その事業が住民によって充分に利用されているか。利用の状況が不充分であるとすれば,その原因はどこにあるか。

(2) 事故を起して住民の利用に供することのできなかったようなことはなかったかどうか。

(3) 使用の料金は適正か。使用の手続きは,複雑すぎはしないかどうか。

(4) その事業を利用している者が,特定の一部の住民に限られているようなことはないかどうか。

(5) 事業の内容,利用の方法等に関し住民に周知させる方途は常に講ぜられているかどうか。

4 監査委員は,事業執行の組織及び執務の体制等がその事業の目的達成のために適当であるかどうかについて,次の事項を確かめるものとする。

(1) 各事務組織には,それぞれ必要な機能が明確にされているか。また機能はいかなる単位事務によって構成されているか。

(2) 機能は重複していないかどうか。

(3) 機能間の連絡協調は適切になされているかどうか。

(4) 機能ごとにまたは数個の機能を総合した責任者は明確にされているかどうか。

(5) それぞれの機能に対する職員配置において,個人間の事務量に不均衡はないか。各係等の組織間には事務量に比較して人員の不均衡はないか。監督者は多すぎないか。或いは部下は多すぎないかどうか。

(6) 監督者及び一般職員は,それぞれ責任の度合に応じて有効かつ合理的に事務を分担処理しているかどうか。

(7) その他事務手続の手段方法,環境等の合理化,能率化等について充分な配慮が為されているかどうか。

2 工事の実施に関する監査基準

1 工事の監査をするに当っては,監査委員は,工事に実施計画と予算計画が符合するかどうかを確かめ,実施計画を変更している場合には,その理由及び手続は適正であるかどうかを確かめるものとする。

2 工事の監査をするに当っては,監査委員は,設計及び起工について,次の事項を確かめるものとする。

(1) 設計書(設計内訳書,工事仕様書及び設計図面を含む。)は作成されているかどうか。

(2) 人的物的単価及び歩掛は適当であるかどうか。

(3) 支給材料がある場合はそれが明示されているかどうか。

(4) 諸掛費の内容は適当であるかどうか。

(5) 設計変更は真にやむを得ないものであったかどうか。またその手続は適正であったかどうか。

(6) 起工伺の作成及び決裁について遺憾の点はなかったかどうか。

3 工事の監査をするに当っては,監査委員は,別項の「契約及び検収に関する監査基準」に従って,工事の請負契約事務手続が適正であったかどうかを確かめるものとする。

4 工事の監査に当っては,監査委員は,工事の実施について次の事項を確かめるものとする。

(1) 議会の議決前に工事に着手しているようなことはないかどうか。

(2) 正式契約締結前に工事に着手しているようなことはないかどうか。

(3) 事業財源の収入率に応じて施行されているかどうか。財源更正を要するものはないかどうか。

(4) 工事は予定どおり進捗しているか。工事延長は真にやむを得なかったかどうか。

(5) 工事監督に遺憾な点はないかどうか。

(6) 工事日誌,材料検査簿,材料交付簿,賃金台帳等は備え付け,整理記帳されているかどうか。

(7) 工事着手届,工程表,工期延長願等は整備されているかどうか。

(8) 持込材料の検収は適正であるかどうか。

(9) 支給材料の交付時期,数量等は工事の進行に合致しているかどうか。

(10) 工事中止,契約解除等に伴う諸手続は適正であるかどうか。

(11) 損害賠償金の負担額または延滞違約金の徴収に誤りはないかどうか。

(12) 出来高検査及び出来高払いに遺憾な点はないかどうか。

(13) 設計変更に伴い,支給材料及び業者購入材料については,どのような措置がとられているか。

5 工事の監査をするに当っては,監査委員は,竣工及び精算について次の事項を確かめるものとする。

(1) 竣工検査願は提出されているかどうか。

(2) 竣工検査は「設計書どおりに竣工しているか。粗雑な点はないか等」の点につき厳正に行われているか。また検査証は作成されているかどうか。

(3) 工事精算書に必要な書類(予算科目内訳書,精算書,出来高調書,竣工図面,竣工届)は添付されているかどうか。

(4) 工事精算書の内容に誤りはないかどうか。

(5) 工事の支払いについて遺憾な点はないかどうか。

(6) 発生材の処理は適正であるかどうか。

3 予算の執行に関する監査基準

1 監査委員は,予算の執行が合理的でない等のために,次のような事例を生じていることはないかどうかを確かめるものとする。

(1) 事務事業の目的が充分に達せられていないこと。

(2) 事務事業の執行が形式に流れていること。

(3) 事務事業が渋滞していること。

(4) 事務事業の目的から見て不必要と思われる支出をしていること。

(5) 不要不急な物品若しくは財産を購入しまたは事業を執行していること。

(6) 予算計画に対する事務事業実績が著しく低調であること。

(7) 予算の配当が資金繰りと合致していないこと。

(8) 事業執行計画が予算配当と合致していないこと。

(9) 事業の着工及び進捗が遅く,このため年度末に事業が集中していること。

(10) 予算目的以外の支出をしていること。

(11) 費目流用が濫用されていること。

(12) 収支の不均衡な経理が行われていること。

2 監査委員は,経費の使用が効率的でないものとして次のような事例を生じていることはないかどうか確かめること。

(1) 予算の配当,執行委任等の時期及び金額が適切でないため,事務事業の効果が挙がっていないこと。或いは架空経理の原因をなしていること。

(2) 必要以上にぜいたくな工事の施行または物品の購入をしていること。

(3) 必要以上に多量な物品または不要不急の土地建物等を購入していること。

(4) 事務事業量からみて,必要以上に多数量の人夫や馬車等を雇い上げていること。

(5) 変価し易い物品を一時にしかも多量に購入していること。

(6) 時価に比較して著しく高価なものを購入していること。

(7) 機械器具建物等の経常的な維持補修を怠ってきたために,一時に多額の経費支出を余儀なくさせられていること。

(8) 工事の設計がずさんであったために割高な工事費を支払いまたは当初計画外の経費を支出せざるを得なくなったこと。

(9) 当然1件を契約すべきものを数件に分割して処理したため,諸経費を重複して支出していること。

(10) 請負契約の締結に当り業者の選定を誤ったため,契約が完全に履行されず,その結果,組合が損害を蒙っていること。

(11) 検査または検収事務が形式に流れているため,粗雑な工事が施工されまたは粗悪な物品が納入され,その結果不経済な支出となっていること。

(12) 理由なく事務手続を遅延したため延滞金を支払っていること。

(13) 効果の少ない補助その他の財政援助を行っていること。

3 監査委員は,収入の確保について,次の事項を確かめるものとする。

(1) 調定はすべて法令または契約に適合しているか。

(2) 調定事務は公正でかつ能率的であるかどうか。

(3) 調定の時期に誤りはないかどうか。

(4) 事後調定は,すべて完全に行われているかどうか。

(5) 調定額の算出基礎に誤りはないかどうか。

(6) 前年度収入済額は,確実に調定の繰越がなされているかどうか。

(7) 減額更正には正当な理由があるかどうか。

(8) 徴収に当り,通知事務,催促事務,収納事務,滞納処分事務,執行停止事務不納欠損処分事務等が厳正確実に処理されているかどうか。

4 監査委員は,関係法規に照照らし違法不当の支出がないかどうかについて次の事項を確かめるものとする。

(1) 予算の議決前執行はないかどうか。

(2) 会計年度独立の原則は守られているかどうか。

(3) 出納閉鎖期日は厳守されているかどうか。

(4) 各会計間の独立性はおかされていないかどうか。

(5) 予算額(配当予算額,執行委任予算額)を超過して支出していないかどうか。

(6) 予算外の事業執行はないかどうか。

(7) 予算目的外の支出はないかどうか。

(8) 支出負担行為は,すべての支出項目について決議され,明確に整理されているか。

(9) 管理者以外の支出命令権者は,管理者から正当に委任されているか。または,補助執行,専決の協議規程等が明確であるか。

(10) 立替払による領収書により,事後支出命令をしていないか。

(11) 支払証明の適否

(12) 過誤払等の戻入の手続(支出負担行為,戻入命令,返納通知書)は,適正か。

(13) 私人に支払事務を委託した場合における資金の交付,支払及び精算の手続は適正か。

(14) 繰替払の記帳もれはないか。

(15) 収支の混同経理はないかどうか。

(16) 繰上げ充用について遺憾な点はないかどうか。

(17) 費目流用に当を得ないものはないかどうか。

(18) 予備費の充用に当を得ないものはないかどうか。

(19) 収入支出科目を誤っているものはないかどうか。

(20) 前金払,資金前渡し,概算払について遺憾の点はないかどうか。

(21) 補助金,交付金,補償金,貸付金等の事務処理に遺憾の点はないかどうか。

(22) 組合が負担する義務のない経費を支出していることはないかどうか。

(23) 事実と相違した支出をしていることはないかどうか。

(24) 必要な帳簿は完全に整備されているかどうか。

(25) 記帳及び計算に誤りはないかどうか。

(26) 各種の原議書類,証拠書類の取扱及び保存に遺憾の点はないかどうか。

4 契約及び検収に関する監査基準

1 契約に関する監査をするに当っては,監査委員は,契約をする前提としての事前決裁が正規になされているかどうかを確かめるものとする。特に起工決裁または購買決定前に係員の専断によって事実上契約が締結されているようなことはないかどうかに注意するものとする。

2 契約の締結に関する事務については,次の事項を確かめるものとする。

(1) 予算の議決前に契約が締結されているようなことはないかどうか。

(2) 支出負担行為の決議は,あらかじめなされているか。

(3) 予算の範囲内で契約が締結されているかどうか。

(4) 予定価格は公正妥当であるかどうか。

(5) 契約種別に遺憾の点はないか。当然1件として契約すべきものを殊更に数件に分割しているものはないかどうか。

(6) 指名競争入札,随意契約またはせり売りは,地方自治法施行令第167条,第167条の2及び第167条の3に該当する場合のみ行われているか。

(7) 一般,指名競争入札の参加者の資格は,確認しているか。

(8) 一般競争入札の公告は,適正に行われているか。

(9) 指名競争入札の指名は,公正に行われているか。

(10) 入札保証金は,徴しているか。その出納保管は,歳計現金の例により,厳正に行われているか。

(11) 入札の方法は,公正か。

(12) 随意契約の方法は,公正か。

(13) 契約書の内容及び取り交しに遺憾の点はないか。

(14) 契約保証金は徴しているか。その出納,保管は,歳計現金の例によっているか。

3 契約に関する監査をするに当っては,監査委員は,請負金額,仕様書に記載してある単価及び歩掛が設計内訳書のそれと著しい相違がないかどうかを確かめ,かつ業者と契約事務担当者との間または業者相互の間において談合したと思われる事実はないかどうかについても確かめるものとする。

4 検収に関する監査をするに当っては,監査委員は,次の事項を確かめ,かつこれに伴う代金支払事務が適正に行なわれているかどうかに注意するものとする。

(1) 納期または工期は厳守されているかどうか。

(2) 納品は,契約書どおりの規格,寸法,品質,数量となっているかどうか。

(3) 工事は,契約書(設計書)どおりに竣工しているかどうか。

(4) 引渡場所は守られているかどうか。

(5) 検収は引渡場所において行なわれているかどうか。

(6) 引渡場所の変更があった場合の処置は適切にとられているかどうか。

(7) 検収の結果,不適格品または目減り(工事の場合は粗雑工事)等のあった場合の処置は適切にとられているかどうか。

(8) その他契約の不履行または履行遅滞等に伴う諸手続は厳格になされているかどうか。

(9) 検収員または立会人は正式に任命され,かつ契約事務担当者と別人であるかどうか。

(10) 納品書または竣工届は提出されているかどうか。

(11) 検査証を作成されているかどうか。

(12) 部分払は,適正な対価か。

(13) 対価の支払いは,検査合格後実施しているか。

(14) 長期継続契約は,その性質上この契約に親しむものか。

5 財産の管理及び出納,保管に関する監査基準

1 財産の取得,管理及び処分の状況を監査するに当っては,監査委員は,それらの事務が適正かつ効率的に運用されているかどうかを監査の基本とするものとし,なお財産の管理事務については,事務組織上改善を要するものがないかどうかについて確かめるものとする。

2 公有財産に関する事務については,監査委員は,次の事項を確かめるものとする。

(1) 財産の現況の把握は,正確であるか。

(2) 財産台帳は,整備されているか。

(3) 財産は,必要なものは登記または登録をしているか。

(4) 財産の評価換は,規則の定めるところにより定期に評価しているか。

(5) 財産の取得理由,用途,取得価格,取得方法について遺憾の点はないか。

(6) 維持,補修は,適切であるか。

(7) 防火,防災上の注意は万全であるか。

(8) 無目的のままいたずらに放置しているものはないか。

(9) 不法占拠されているものはないか。

(10) 行政財産は,目的外使用以外,貸付,交換,売却,譲与若しくは出資の目的としまたは私権を設定していることはないか。

(11) 行政財産の目的外使用は,行政財産の効率的利用の見地からみて,適当であるか。

(12) 行政財産の目的外使用は,許可の条件(許可の相手方,使用目的,使用期間等)に反して使用されていないか。

(13) 普通財産の貸付,交換,売却,譲与は,その理由,評価額,方法について遺憾の点はないか。

(14) 貸付料は,社会,経済情勢に照らして適当であるかどうか。

(15) 有価証券の出納は,長の通知なくして行なわれていないか。

3 物品の出納,保管事務については,監査委員は次の事項を確かめるものとする。

(1) 物品の管理と出納,保管はその所管が明確であるか。

(2) 物品の出納通知及び出納事務は明確かつ合理的か。

(3) 物品出納事務は,正規の帳簿,書類,諸票に基づいて処理されているか。

(4) 物品の現況把握は,備品台帳及び出納簿によって明確か。

(5) 物品の購入及び売払いは,現金の支出または収入と対照して符合しているか。

(6) 物品の払出量は,所要量からみて適当であるかどうか。

(7) き損,廃棄,目減り等に関する手続は,適正に処理されているかどうか。

(8) 不急不要の物品を購入していないか。

(9) 物品は,常に良好な状態で供用し得るように保管しているか。

(10) 保管上不取締の点はないか。

(11) 程度をこえて,多量に保管していることはないか。

(12) 遊休品で他に転活用し得るものを保管してはいないか。

(13) 保管物品の配列,整理区分は適当であるか。

(14) 不用品または再生可能品を漫然と保管しているようなことはないか。

4 債権管理事務については,監査委員は,次の事項を確かめるものとする。

(1) 債権は,その経済的価値がそこなわれるような不適正な管理はないか。

(2) 未納にかかる債権は,必ず催促しているか。

(3) 債権の保全及び取立てについては,適法厳正に行なわれているか。

(4) 徴収停止の認定は,適法か。

(5) 履行延期の特約または処分の認定は,適法か。

(6) 免除の認定は適法か。

(7) 債権管理の手続(催促,保全,取立て,徴収停止,履行延期及び免除)は,規則に基づき適時適正に行なわれているか。

(8) いたずらに放置し,時効により消滅したものはないか。

5 基金運用事務については,監査委員は,次の事項を確かめるものとする。

(1) 基金の目的は明瞭であり,かつ確実効率的に運用されているか。

(2) 基金の台帳は,現況に符合しているか。

(3) 基金の目的外に処分しているようなことはないか。

(4) 基金運用の手続は,財産の種類に応じ,規則に則り行なわれているか。

6 会計上の不正防止に関する審査基準

1 現金及び物品の出納事務を監査または検査するに当っては,監査委員は,担当職員が不正を行なうことの困難なように事務執行の手続方法が定められ,かつこれが厳格に守られているかについて,以下に掲げるような配慮をもって望み,不正の防止及び早期発見に努めるものとする。

2 監査委員は,会計事務上の内部牽制組織において欠くるところがないかどうかについて,次の事項を確かめるものとする。

(1) 会計事務に関する起案から完結に至るまでの一連の事務処理が2人以上の職員によって分担され,これを同一係員の独占的支配下におかれているようなことはないか。特に命令系統に属する事務と出納系統に属する事務は画然と区別されているかどうか。

(2) 会計事務の処理に当り,帳簿に記載される以前において,記帳係員以外の職員によってその正否を照査検証されているかどうか。

(3) いかなる係員によってなされた記録計算も必ず他の職員によってその正否を照査検証されているかどうか。

(4) いかなる会計事務の処理に当っても,先ず担当職員が自己の責任を明らかにするため捺印をし,また監査責任者がこれに証印しているかどうか。

3 監査委員は,現金の取扱に関する事務の組織について,次の事項を確かめるものとする。

(1) 収納事務と支払事務は,各別の職員をして担当させているかどうか。

(2) 現金取扱者に自己担当の現金出納簿のほか,これに関連した会計事務を管掌させているようなことはないかどうか。例えば,調定簿,徴収簿,歳入内訳簿,歳出内訳簿等の記帳及び支出命令書または納付書の作成等の事務を,同一職員をして担当させているようなことはないかどうか。

(3) 俸給,賃金等の支払に当っては,支給基本額の計算と控除金の計算を別人が行ない計算の審査は更に別人が行なうような配慮がなされているか。また現金を袋に入れて交付する場合に責任者が立会の上2人以上の職員によってこれがなされているかどうか。

4 監査委員は,現金の取扱に関する事務の手続について,次の事項を確かめるものとする。

(1) 納入通知書,納付書,払込書,請求書,領収証書及び調定通知書,支払命令書その他金銭の収支に関する証拠書類の首標金額を表示する場合において,壱,弐,参,拾の文字(またはアラビヤ数字の印)を用いているかどうか。

(2) 壱,弐,参,拾の文字を用いる場合はその初頭に「一金」の文字を,アラビヤ数字を用いる場合はその初頭に「¥」の文字を併記しているかどうか。

(3) 収支に関する証拠書類及び帳簿の金額,数量を訂正する場合は朱線2条を引き,その右側または上位に正書して,かつ訂正削除した文字を明らかに読み得るようにしているかどうか。

(4) 帳簿は,調定通知書,支出命令書または証拠となるべき合規の書類より記入されているかどうか。

(5) 収支に関する証拠書類は,会計関係規程の定めるところにより合規の保管がなされているかどうか。

(6) 郵送金は,規定上外来文書を収受すべき課所の長において収受し,金券送付簿により収入役または出納員に送付されているかどうか。

(7) 現金の徴収に当っては,必ず領収証書を発行するとともに,次の措置がとられているかどうか。

ア 領収証書は,特に定めのある場合のほかは複写式または控用紙附のものが使用され,かつ各用紙に一連番号を附して偽造散逸を防止しているか。

イ 控用紙附のものは,本書と控書の間に割印を押しているか。

ウ 書損領収証書用紙は消印をし,控書に添付してあるか。

エ 未使用の領収証用紙は,使用者以外の責任者が厳重に保管しているか。

オ あらたに領収証書用紙を使用者に交付する場合において,領収証書用紙受払簿にその年月日,領収証書用紙番号及び数量を明記し,受領印を徴してあるか。

カ 領収証書を納付人に交付する際には必ず領収年月日を明記しているか。

(8) 現金の支払に当っては,必ず領収証書を徴するとともに,次の措置がとられているかどうか。

ア 領収証書をそのつど受け取り難い支払いについては,あらかじめ用意した伝票に支払いの内容を記入した上,受取人に署名或いは捺印をさせているか。

イ 受取人の署名または捺印を得難い場合は,所管課所長の支払証明によりこれを処理しているか。

ウ 領収証書には,必ず支払年月日(領収年月日)が明記されているか。

(9) 資金前渡しを受けたものは,毎日資金の受払いについて確実に記録し,関係証拠書類を整備しているか。

前渡し資金の残高は所定の期間内に確実に返納手続をとっているか。また給料俸給等,報償費,賃金等の未渡金または控除金で一時保管するものは,これを記録整理して受払のつど所属長の認印を受けた上,資金前渡し職員が保管しているか。又長期にわたり多額の現金を保有しているようなことはないか。

5 監査委員は,物品の購入及び保管の事務については,先ずその事務取扱の組織において,次の事務がそれぞれ別人をして担当させているかどうかを確かめるものとする。

ア 購入先,数量,品質,代金を決定する事務

イ 購入品を検収する事務

ウ 購入品の検収に立ち会う事務

エ 購入品を帳簿に受払登記する事務

オ 代金の支払事務

カ 購入品を保管する事務

6 監査委員は,物品の購入及び保管の事務手続について,次の事項を確かめるものとする。

(1) 購入は,所定の決裁を経て行なわれているかどうか。

(2) 購入品を納入させるに当っては,必ず納品書を徴しているか。

(3) 検査は責任者によって行なわれているか。

(4) 物品の受払は必ず所定の手続によって行なわれているか。

(5) 保管物品の年度繰越は確実に実施されているか。

(6) 保管責任者は,その保管物品について亡失き損その他の事故があったことを知ったときは,遅滞なく所定の手続をしているか。

7 歳入歳出決算に関する審査基準

1 監査委員は,決算の審査に当っては,先ず,年間の収入支出が計画的に執行され,それが無秩序に行なわれたために組合財政の将来に禍根を残すようなことがなかったかどうかを確かめるものとする。

2 次いで監査委員は,決算の全部について計算が正しいかどうか及び決算における各計数は,関係所帳簿及び証拠書類の金額と符合するかどうかを確かめるものとする。

3 監査委員は,歳入予算についてはその編成及び執行の状況について次の事項を確めるものとする。

(1) 見積不足または見積過大のために,予算の追加または更正を要すべきものはなかったかどうか。

(2) 法令等の制定改廃により,当然予算に計上またはこれを更正すべきものが放置され,そのため決算に不都合を生じている例はないかどうか。

(3) 収入に当り予算科目を誤っているものはないか。或いは予算の編成に当り科目を誤ったために決算に不都合を生じている例はないかどうか。

(4) 特定収入を財源とした予算の執行に当り,収入の状況と支出の状況に均衡を失しているものはないかどうか。

4 監査委員は,徴収決定の状況について次の事項を確かめるものとする。

(1) 徴収の決定が法令,条例,規則及び契約に基づいて適切に処理されているか。

(2) 調定増または調定減が行なわれていた場合は,その金額及び理由並びに手続は正当であったかどうか。

(3) 徴収決定額が予算額に比し著しく増減を生じているものについては,その理由はどこにあったか。

5 監査委員は,収入の状況について次の状況を確かめるものとする。

(1) 納入の時期が著しく遅延したものはないかどうか。ある場合はその理由はどうか。

(2) 収入未済額が徴収決定額に比し著しく多いものはないか。あった場合はその理由はどうか。

(3) 収入未済整理のために組合においてとった処置は適切であったかどうか。

(4) 「収入未済額」は,滞納繰越簿と符合するか。

(5) 出納員及びその他の会計職員の収納金の処理状況は適切であったかどうか。

6 監査委員は,不納欠損がある場合は,その理由が真にやむを得ないものであるかどうか。また時効は完成しているかどうかについて確かめるものとする。

7 監査委員は,歳出予算の執行について,次の事項を確かめるものとする。

(1) 各課所に対する予算配当及び令達は,その時期及び金額が適当であったかどうか。

(2) 予算の目的外に経費を支出したり,みだりに費目の流用を行なっているようなことはないか。予算の性質上適当でない科目の間で流用が行なわれているようなことないかどうか。

(3) さして必要でない物件を購入したり,時価にくらべて不相当な価格で物件を購入したりして,経費がその目的を達成するための必要かつ最小限度を超えて支出されているようなことはないかどうか。

(4) すべて経費は,その経済的効果を十分考慮して支出されているかどうか。

(5) 支出が会計法規に照らして次の点に差し支えないかどうか。

ア 支出は法令,条例,規則,契約等の根拠があってなされたものであるか。

イ 支出命令は庶務規程に定められた権限のある者の決裁を経て出されたものであるか。

ウ 年度所属区分に誤りはないか。

エ 支出科目に誤りはないか。

オ 正当債主に支払われているか。

カ 債務の履行期が到来しているか。

キ 資金前渡し,前払金,概算払及び繰替払の取扱は法令規則により正しく行なわれているか。

(6) 予備費充用の理由は正当か。当然予算措置をすべきにもかかわらずこれをしないで予備費により賄ったものはないか。

(7) 収入役の支出負担行為審査に欠くところはなかったかどうか。

(8) 私人に支出事務を委託した場合の精算はしているか。

(9) 立替払はないか。

(10) 予算の赤字支出をなし,後日追加予算の措置をとったような例はないかどうか。

(11) 寄附金または補助金の支出の目的,金額及び時期等が適当であったか。また概算の補助金については精算をされているかどうか。

(12) 事業の執行が計画性に乏しかったため,年度末において予算流用または科目更正等をしたものはないか。また多額の不要額を生じているものはないかどうか。

(13) 予算執行が遅延したため,その効果の軽減されたものはないか。また年度末に予算消化のため多量の物品を購入し或いは無用の出張をしているような例はないか。

(14) 財源の全部または一部を特定収入(寄附金,補助金,負担金,起債等)に求めている場合の事業の執行は,収入の確定後に着手されているか。

(15) 過年度支出,過誤納還付等はやむを得ないものであったかどうか。

8 監査委員は,翌年度歳入の繰上げ充用を行なった場合または著しく多額の繰越金を生じた場合は,改めて歳入歳出予算の編成及び執行の全体を検討してその原因を確かめるものとする。

9 監査委員は,最後に収入支出を明らかにすべき証拠書類に違算,不備,不整理の点はないか。重要な職印,小切手,領収証書用紙等の保管に遺憾はないか。関係諸帳簿は正確に記録され,完全に整備されているかどうかを確かめるものとする。

8 補助事業に関する監査基準

1 監査委員は,組合が補助金,交付金,負担金,貸付金,損失補償,利子補給その他財政的援助(以下「補助」と総称する。)を行なうことを決定したことについて,次の事項を確かめるものとする。

(1) 法令,条例,規則,要綱等に違反して補助しているものはないかどうか。

(2) 組合の現実の財政に全く余裕がないのに補助をしているものはないかどうか。

(3) 公益の程度の薄弱なものに対しまたは情実により補助をしているものはないかどうか。

(4) 社会経済情勢の変動等により,補助の必要性が軽減しているものに対し,補助の打切りまたは減額その他適当な措置がとられているか。

(5) 補助金交付申請書の審査に不備な点はないかどうか。

霞台厚生施設組合監査基準

平成10年3月25日 決定

(平成10年3月25日施行)

体系情報
第2編 議会・監査/第2章
沿革情報
平成10年3月25日 決定