○桂川町男女共同参画推進条例

平成29年3月24日

条例第1号

目次

第1章 総則(第1条―第9条)

第2章 男女共同参画推進のための基本施策(第10条―第16条)

第3章 桂川町男女共同参画推進委員(第17条―第26条)

第4章 苦情及び救済の申出の処理(第27条―第36条)

第5章 桂川町男女共同参画施策推進協議会(第37条)

第6章 雑則(第38条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、桂川町(以下「町」という。)における男女共同参画社会を実現するため、町、町民、自治組織、教育に携わる者及び事業者等の責務を明らかにし、男女共同参画の基本理念と推進に関する施策について必要な事項を定め、男女共同参画を総合的かつ計画的に推進することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号の定めるところによる。

(1) 男女共同参画 男女が社会の対等な構成員として、自らの意思で社会のあらゆる分野における活動に参画する機会を確保され、そのことによつて男女が等しく政治的、経済的、社会的及び文化的な利益を受けることができ、かつ、共に責任を担うことをいう。

(2) 町民 町内に居住する者、町内に通勤する者、町内に通学する者又は町内を活動の拠点とする個人をいう。

(3) 自治組織 行政区、分館その他の町内の一定の区域に住所を有する者の地縁に基づいて形成された組織をいう。

(4) 教育に携わる者 町内において、学校教育その他の生涯にわたる教育の分野において教育活動を行う者をいう。

(5) 事業者等 町内において、事業又は活動を行う個人、法人及び団体をいう。

(6) 固定的性別役割分担意識 男女を問わず個人の能力等によつて役割の分担を決めることが適当であるにもかかわらず、男性又は女性という性別によつて役割を固定的に分けようとする意識のことをいう。

(7) ドメスティツク・バイオレンス 配偶者(元配偶者を含む。)、恋人等親密な関係にある者から受ける身体的、精神的、性的、経済的若しくは言語的な暴力又は虐待(子どもを巻き込んでの暴力を含む。)をいう。

(8) セクシュアル・ハラスメント 相手方の意に反した性的な言動により、相手方の尊厳を傷つけ、不利益を与え、又はその生活環境を害することをいう。

(9) ワーク・ライフ・バランス 全ての人が、やりがい及び充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭、地域生活等において子育て期、中高年期等の人生の各段階に応じた多様な生き方を選択し、及び実現できることをいう。

(基本理念)

第3条 男女共同参画は、次に掲げる事項を基本理念として、推進されなければならない。

(1) 男女が個人としての尊厳を重んじられ、性別による直接的又は間接的な差別的取扱いを受けることなく、個人として能力を発揮できる機会が確保されること。

(2) 固定的性別役割分担意識に基づく社会の制度又は慣行が男女の社会における活動の自由な選択に対し影響を及ぼすことがないよう配慮されること。

(3) 男女が性別にかかわりなく、地域、学校、家庭、職場その他の社会のあらゆる分野における意思決定の場に、対等な構成員として平等に参画する機会が確保されること。

(4) 男女が家庭生活における相互の協力及び社会の支援の下に、子どもの養育、家族の介護その他の家庭生活における活動について役割を果たし、かつ、地域、学校、職場等における活動を行うことができるよう配慮されること。

(5) 男女が対等な関係の下に、互いの性に理解を深めるとともに、妊娠、出産等に関して、自らの意思が尊重され、生涯にわたり安全な環境の下で健康を保持することができるよう配慮されること。

(6) 学校教育、社会教育その他のあらゆる分野の教育の場において、人権教育及び男女平等教育が推進されること。

(7) ドメスティツク・バイオレンス、セクシュアル・ハラスメント等の性別に起因する人権侵害が根絶されること。

(8) 男女共同参画の推進が、国際社会における取組と密接な関係を有していることを考慮し、国際的協調の下に行われること。

(町の責務)

第4条 町は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)に基づき、男女共同参画の推進に関する施策(以下「推進施策」という。)を総合的に策定し、実施しなければならない。

2 町は、国及び他の地方公共団体と連携を図るとともに、町民、自治組織、教育に携わる者及び事業者等(次項において「町民等」という。)と協力して推進施策を実施しなければならない。

3 町は、町民等の模範になるよう、率先して男女共同参画の推進に取り組まなければならない。

(町民の責務)

第5条 町民は、基本理念に基づき、男女共同参画について理解を深め、地域、学校、家庭、職場その他の社会のあらゆる分野において、男女共同参画の推進に取り組むよう努めなければならない。

2 町民は、町が実施する推進施策に協力するよう努めなければならない。

(自治組織の責務)

第6条 自治組織は、自らが地域社会における主たる自治の担い手として重要な役割を果たす存在であることを考慮して、町が実施する推進施策に協力するよう努めなければならない。

(教育に携わる者の責務)

第7条 教育に携わる者は、教育が男女共同参画社会の形成に重要な役割を果たすことを考慮して、学校教育、社会教育その他のあらゆる分野の教育の場において、男女共同参画の推進に努めなければならない。

(事業者等の責務)

第8条 事業者等は、その事業又は活動が男女共同参画社会の形成に重要な役割を果たすことを考慮して、男女共同参画の推進に努めなければならない。

2 事業者等は、町が実施する推進施策に協力するよう努めなければならない。

3 事業者等は、雇用の分野において、就労者の雇用上の均等な機会及び待遇を図るとともに、就業と家庭生活を両立できるよう就労に関する条件及び環境を整備し、ワーク・ライフ・バランスの実現に努めなければならない。

(性別を理由とした人権侵害の禁止)

第9条 全ての人は、地域、学校、家庭、職場その他の社会のあらゆる分野において、性別を理由とした差別的行為を行つてはならない。

2 全ての人は、ドメスティツク・バイオレンス、セクシュアル・ハラスメント等人権を侵害する行為を行つてはならない。

第2章 男女共同参画推進のための基本施策

(男女共同参画に係る基本計画等)

第10条 町は、推進施策を総合的かつ計画的に実施するため、男女共同参画に係る基本的な計画(以下「基本計画」という。)を策定しなければならない。

2 町は、基本計画を策定し、又は変更しようとするときは桂川町男女共同参画施策推進協議会の意見を聴かなければならない。

3 町は、基本計画を策定し、又は変更したときは、速やかに公表しなければならない。

4 町は基本計画の実施状況について、毎年公表しなければならない。

(町における男女共同参画推進の取組)

第11条 町は、男女共同参画の推進のために、次に掲げる事項の推進に努めるものとする。

(1) 町長その他の執行機関の附属機関として設置する審議会等の委員を任命し、委嘱し、又は選任するときは、男女の委員の数の均衡を図るように努めること。

(2) 男女の別なく、能力及び意欲に応じた職員登用に努めること。

(情報の公表に際しての配慮)

第12条 町は、公表する情報について、固定的性別役割分担意識を助長する表現又は性別による人権侵害に結び付く表現を行わないように努めなければならない。

(教育の充実)

第13条 町は、基本理念に基づき、学校教育、社会教育その他のあらゆる分野の教育の場において、人権意識の向上と男女平等を促進する教育の充実に努めるものとする。

(家庭生活と社会活動との両立支援)

第14条 町は、性別にかかわりなく全ての人が共に家事、子育て、介護その他の家庭生活における活動と地域、学校、職場等における活動とを両立して行うことができるよう、情報の提供その他の必要な支援に努めるものとする。

2 町は、職員が育児休業、介護休暇等家庭生活を支援する制度を性別にかかわりなく活用できる職場環境の整備に努めるものとする。

(調査研究)

第15条 町は、男女共同参画の推進に関し、必要な調査研究を行うものとする。

(男女共同参画の推進の拠点)

第16条 町は、男女共同参画の推進に向けて、推進施策を総合的かつ計画的に実施するため、桂川町総合福祉センター(桂川町総合福祉センターの設置及び管理等に関する条例(平成12年条例第14号)第2条に規定する施設をいう。)の中に、町民及び事業者等と連携して男女共同参画の推進を図る拠点を置く。

第3章 桂川町男女共同参画推進委員

(男女共同参画推進委員の設置)

第17条 町長は、次に掲げる事項を処理するため、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第138条の4第3項の規定に基づき、桂川町男女共同参画推進委員(以下「推進委員」という。)を置く。

(1) 町が実施する男女共同参画施策若しくは措置又は男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策若しくは措置についての苦情

(2) 性別による差別的取扱いその他の男女共同参画の推進を阻害する要因によつて人権が侵害された場合(以下「人権侵害」という。)における被害者の救済

2 推進委員の定数は、2人とし、その構成は、男女各1人とする。

3 推進委員は、男女共同参画施策に関して優れた識見を有し、性別による差別の解決に熱意があり、社会的信望の厚い者のうちから、町長が委嘱する。

(職務)

第18条 推進委員は、次に掲げる職務を行う。

(1) 申出又は推進委員の発意に基づき、前条第1項第1号に規定する苦情を処理するための調査又は勧告等を行うこと。

(2) 申出又は推進委員の発意に基づき、前条第1項第2号に規定する救済を処理するための調査、勧告又は要請等を行うこと。

(3) 制度改善のための意見を表明すること。

(4) 勧告、要請又は意見表明等の内容を公表すること。

(独任制)

第19条 推進委員は、独立してその職務を行う。ただし、重要な事項については、合議を要する。

(代表推進委員)

第20条 推進委員の互選により、代表推進委員を定める。

2 代表推進委員は、合議事項につき推進委員を代表する。

(任期)

第21条 推進委員の任期は、3年とする。ただし、補欠推進委員の任期は、前任者の残任期間とする。

2 推進委員は、再任されることができる。ただし、推進委員の任期は、通算して6年を超えることができない。

(責務)

第22条 推進委員は、男女共同参画及び人権の擁護者として、公平かつ公正にその職務を遂行しなければならない。

2 推進委員は、その職務上の地位を政治的目的、営利目的等のために利用してはならない。

(兼職の禁止)

第23条 推進委員は、国会議員、地方公共団体の議会の議員若しくは長又は政党その他の政治団体の役員と兼ねることができない。

2 推進委員は、町と取引関係のある法人その他の団体の役員又は推進委員の公平かつ公正な職務の遂行に影響を及ぼすおそれのある職業等と兼ねることができない。

(守秘義務)

第24条 推進委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。職を退いた後も、同様とする。

(身分の保障)

第25条 推進委員は、次の各号のいずれかに該当すると認める場合でなければ、委嘱を解くことができない。

(1) 心身の故障等のために職務の遂行ができないと認められる場合

(2) 職務上の義務に違反した場合

(3) その他推進委員として著しく不適切な言動等があると認められる場合

(関係機関等との連携)

第26条 推進委員は、その職務の遂行に当たつては、町、県及び国の関係機関又は民間の関係団体と連携を図るよう努めなければならない。

第4章 苦情及び救済の申出の処理

(苦情及び救済の申出)

第27条 町民及び事業者等は、推進委員に対し、町が実施する男女共同参画施策又は男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策若しくは措置について、苦情の申出をすることができる。

2 何人も、町、町民又は事業者等から性別による人権侵害を受けたときは、推進委員に救済の申出をすることができる。

(推進委員の処理の対象としない事項)

第28条 前条に定める苦情又は救済の申出(以下「苦情等の申出」という。)次の各号に掲げる事項のいずれかに該当するときは、前条の規定にかかわらず、推進委員の処理の対象としない。

(1) 判決、裁決等により確定した事案に関する事項

(2) 裁判所において係争中の事案又は行政庁において審査請求の審理中の事案に関する事項

(3) 国会又は地方公共団体の議会に請願、陳情等を行つている事項

(4) 推進委員が行つた苦情等の申出の処理に関する事項

(5) その他処理することが適当でないと推進委員が認める事項

2 前項の場合において、推進委員は、苦情等の申出人に対し、理由を付した書面により、延滞なく通知しなければならない。

(調査)

第29条 推進委員は、苦情等の申出があつたときは、必要な調査を行うものとする。この場合において、必要と認めるときは、関係人から事情を聴取し、記録の提出を求め、又は実地調査を行うことができる。

2 前項後段の場合においては、推進委員は、あらかじめ、当該関係人に通知しなければならない。

3 町は、第1項の調査を拒んではならない。

4 町民及び事業者等は、第1項の調査に協力するよう努めなければならない。

(推進委員の処理の中止)

第30条 推進委員は、処理を開始した後において苦情等の申出が第28条第1項各号のいずれかに該当することが判明したとき又は申出に理由がないと認めるときは、処理を中止するものとする。

2 前項の場合において、推進委員は、苦情等の申出人に対し、理由を付した書面により、遅滞なく通知しなければならない。

(是正又は改善の勧告)

第31条 推進委員は、第27条第1項の苦情の申出があつた場合において、町の施策又は措置が男女共同参画の推進を阻害するものと認めるときは、町の機関に対し、是正又は改善の措置を講ずるよう勧告(以下「是正勧告」という。)をすることができる。

2 是正勧告を受けた当該機関は、当該是正勧告を尊重しなければならない。

3 推進委員は、必要があると認めるときは、当該機関に対し、どのような措置を講じたかについての報告を期限を定めて求めることができる。

4 推進委員は、是正勧告及び前項の報告を遅滞なく苦情の申出人に通知するとともに、これを公表しなければならない。ただし、公表に当たつては、プライバシー等人権に必要な配慮がなされなければならない。

(救済勧告)

第32条 推進委員は、第27条第2項の救済の申出(町に係るものに限る。)があつた場合において、町が性別による差別その他の人権侵害を行つたと認めるときは、被害を受けた者に対し、必要な助言その他の支援を行い、町の機関に対し、人権侵害を排除し、又は抑止する等の救済の措置を講ずるよう勧告(以下「救済勧告」という。)をすることができる。ただし、救済勧告は、推進委員の合議を要する。

2 救済勧告を受けた当該機関は、当該救済勧告を尊重しなければならない。

3 第1項の場合において、前条第4項の規定を準用する。

(制度改善のための意見表明)

第33条 推進委員は、苦情等の申出(町に係るものに限る。)があつた場合において、法令の定め、地方公共団体の権限の制約その他正当な理由により、町の施策又は措置を直ちに是正し、又は改善することが困難であると認めるときは、制度改善のための意見表明(以下「意見表明」という。)をすることができる。ただし、意見表明は、推進委員の合議を要する。

2 前項の場合において、第31条第4項の規定を準用する。

(町以外のものによる人権侵害の救済措置)

第34条 推進委員は、第27条第2項の救済の申出(町に係るものを除く。)があり、調査の結果、必要があると認めるときは、人権侵害により被害を受けた者を救済するため必要な助言その他の支援を行うとともに、救済の申出に係る状況を是正するため、町長に報告し、町長が改善のための要請を行うよう求めることができる。

2 前項の場合において、推進委員は、救済の申出人に対し、遅滞なくその旨を通知しなければならない。

3 推進委員は、次条第1項の要請にもかかわらず、救済の申出に係る状況が改善されていないと認めるときは、町長に対し、人権侵害に係る状況を公表するよう求めることができる。

4 第1項の規定による報告及び要請の求め並びに前項の規定による公表の求めは、推進委員の合議を要する。

(町長の要請及び公表)

第35条 町長は、前条第1項の要請を求められたときは、関係人に対し、改善のための要請を行うことができる。

2 町長は、前条第3項の規定による公表を求められたときは、人権侵害に係る状況の必要な事項について公表をすることができる。

3 前2項に規定する場合において、町長は、推進委員の求めを尊重しなければならない。

4 町長は、第2項の規定により公表しようとするときは、あらかじめ当該公表に係る町民又は事業者等に意見を述べる機会を与えなければならない。

5 町長は、第1項の要請及び第2項の公表を行つたときは、推進委員に対し、遅滞なくその内容を通知しなければならない。

(自己の発意による苦情等の処理)

第36条 推進委員は、必要があると認めるときは、自己の発意に基づく事案につき、調査を行い、必要な措置を執ることができる。

2 前項の場合において、次項に定めるもののほか、第29条及び第31条から第34条までの規定を準用する。ただし、推進委員の合議を要する。

3 推進委員は、自己の発意に基づく人権侵害に係る事案につき、調査を行うときは、人権侵害により被害を受けたと認められる者の同意を得るものとする。

4 町長は、推進委員の発意に基づく事案につき、前条第1項の要請及び同条第2項の公表を行うときは、人権侵害により被害を受けたと認められる者の同意を得るものとする。

第5章 桂川町男女共同参画施策推進協議会

(桂川町男女共同参画施策推進協議会の設置)

第37条 町における男女共同参画の推進を図るため、地方自治法第138条の4第3項の規定に基づき、桂川町男女共同参画施策推進協議会(以下「協議会」という。)を設置する。

2 協議会の運営に関し必要な事項は、町長が別に定める。

第6章 雑則

(委任)

第38条 この条例の施行に関し必要な事項は、町長が別に定める。

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行前に男女共同参画社会基本法(平成11年法律第78号)第14条第3項の規定により策定した桂川町男女共同参画基本計画(平成28年3月策定)は、第10条の基本計画とみなす。

(平成29年条例第12号)

この条例は、公布の日から施行する。

桂川町男女共同参画推進条例

平成29年3月24日 条例第1号

(平成29年6月19日施行)

体系情報
第7編 生/第1章 社会福祉/第6節 男女共同参画
沿革情報
平成29年3月24日 条例第1号
平成29年6月19日 条例第12号