○紀の川市職員倫理規則

平成24年5月29日

規則第17号

(目的)

第1条 この規則は、職員が全体の奉仕者であってその職務は市民から負託された公務であることに鑑み、職員の職務に係る倫理の保持に資するため必要な措置を講ずることにより、職務の執行の公正さに対する市民の疑惑や不信を招くような行為の防止を図り、もって公務に対する市民の信頼を確保することを目的とする。

(定義等)

第2条 この規則において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 職員 地方自治法(昭和22年法律第67号)第162条に規定する副市長、地方公務員法(昭和25年法律第261号)第3条第2項に規定する地方公務員(臨時的任用職員及び会計年度任用職員を含む。)及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和31年法律第162号)第3条に規定する教育長をいう。

(2) 事業者等 法人(法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものを含む。)その他の団体及び事業を行う個人(当該事業の利益のためにする行為を行う場合における個人に限る。)をいう。

2 この規則の規定の適用については、事業者等の利益のためにする行為を行う場合における役員、従業員、代理人その他の者は、前項第2号の事業者等とみなす。

(利害関係者)

第3条 この規則において、利害関係者とは、職員が職務として携わる次の各号に掲げる事務の区分に応じ、当該各号に定める者をいう。ただし、職員の職務との利害関係が潜在的なものにとどまる者、職員の裁量の余地が少ない職務に関する者その他の職務の執行の公正さに対する市民の疑惑や不信を招くおそれのない者を除く。

(1) 許認可等(行政手続法(平成5年法律第88号)第2条第3号に規定する許認可等をいう。)をする事務 当該許認可等を受けて事業を行っている事業者等、当該許認可等の申請をしている事業者等又は個人及び当該許認可等の申請をしようとしていることが明らかである事業者等又は個人

(2) 補助金等(本市が本市以外の者に対して交付する補助金、負担金その他の給付金をいう。以下同じ。)を交付する事務 当該補助金等の交付を受けて当該交付の対象となる事務又は事業を行っている事業者等又は個人、当該補助金等の交付の申請をしている事業者等又は個人及び当該補助金等の交付の申請をしようとしていることが明らかである事業者等又は個人

(3) 立入検査、監査又は監察(法令等の規定に基づき行われるものに限る。以下この号において「検査等」という。)をする事務 当該検査等を受ける事業者等又は個人

(4) 不利益処分(行政手続法第2条第4号又は紀の川市行政手続条例(平成17年紀の川市条例第11号)第2条第5号に規定する不利益処分をいう。)をする事務 当該不利益処分をしようとする場合における当該不利益処分の名宛人となるべき事業者等又は個人

(5) 行政指導(行政手続法第2条第6号又は紀の川市行政手続条例第2条第6号に規定する行政指導をいう。)をする事務 当該行政指導により現に一定の作為又は不作為を求められている事業者等又は個人

(6) 地方自治法第234条第1項に規定する契約に関する事務 当該契約を締結している事業者等又は個人、当該契約の申込みをしている事業者等又は個人及び当該契約の申込みをしようとしていることが明らかである事業者等又は個人

2 職員に異動があった場合において、当該異動前の職に係る当該職員の利害関係者であった者が、異動後引き続き当該職に係る他の職員の利害関係者であるときは、当該利害関係者であった者は、当該異動の日から起算して3年間(当該期間内に、当該利害関係者であった者が当該職に係る他の職員の利害関係者でなくなったときは、その日までの間)は、当該異動があった職員の利害関係者であるものとみなす。

3 他の職員の利害関係者が、その職員の職に基づく影響力を当該他の職員に行使させることにより自己の利益を図るためその職員と接触していることが明らかな場合においては、当該他の職員の利害関係者は、その職員の利害関係者でもあるものとみなす。

(職員が遵守すべき職務に係る倫理原則)

第4条 職員は、市民から信頼される職員となるよう倫理意識の高揚に努め、民主的で透明性の高い市政の運営に当たらなければならない。

2 職員は、法令等を遵守し、常に公正な職務の執行に当たらなければならない。

3 職員は、市民全体の奉仕者であり、市民の一部に対してのみの奉仕者ではないことを自覚し、職務上知り得た情報について市民の一部に対してのみ有利な取扱いをする等市民に対し不当な差別的取扱いをしてはならない。

4 職員は、常に公私の別を明らかにし、いやしくもその職務や地位を自らや自らの属する組織のための私的利益のために用いてはならない。

5 職員は、法令等により与えられた権限の行使に当たっては、当該権限の行使の対象となる者からの贈与等を受けること等の市民の疑惑や不信を招くような行為をしてはならない。

6 職員は、職務の執行に当たっては、公共の利益の増進を目指し、全力を挙げてこれに取り組まなければならない。

7 職員は、勤務時間外においても、自らの行動が公務の信用に影響を与えることを常に認識して行動しなければならない。

(管理監督職員の責務)

第5条 管理監督職員(職員を管理し、又は監督する地位にある職員をいう。以下同じ。)は、その地位の重要性を自覚して、管理又は監督の対象となる職員に対し、職務に係る倫理の保持のために必要な指導を行うものとする。

2 管理監督職員は、公正な職務の執行を確保するため、前条に掲げる倫理原則を踏まえ、職務の執行の方法を常に検討し、その改善を図るとともに、管理又は監督の対象となる職員の自律性を高め、良好な職場風土の形成に努めなければならない。

(禁止行為)

第6条 職員は、次の各号に掲げる行為を行ってはならない。

(1) 利害関係者から金銭、物品又は不動産の贈与(せん別、祝儀、香典又は供花その他これらに類するものとしてされるものを含む。)を受けること。

(2) 利害関係者から金銭の貸付け(業として行われる金銭の貸付けにあっては、無利子のもの又は利子の利率が著しく低いものに限る。)を受けること。

(3) 利害関係者に債務の弁済、担保の提供又は保証をさせること。

(4) 利害関係者から又は利害関係者の負担により、無償で物品又は不動産の貸付けを受けること。

(5) 利害関係者から又は利害関係者の負担により、無償で役務の提供を受けること。

(6) 利害関係者から未公開株式(金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第16項に規定する金融商品取引所に上場されておらず、かつ、同法第67条の11第1項の店頭売買有価証券登録原簿に登録されていない株式をいう。)を譲り受けること。

(7) 利害関係者から供応接待を受けること。

(8) 利害関係者と共に飲食をすること。

(9) 利害関係者と共に遊技(ゴルフ等)をすること。

(10) 利害関係者と共に旅行(公務のための旅行を除く。)をすること。

2 前項の規定の適用については、職員が、利害関係者から、物品若しくは不動産を購入した場合、物品若しくは不動産の貸付けを受けた場合又は役務の提供を受けた場合において、それらの対価がそれらの行為が行われた時における時価よりも著しく低いときは、当該職員は、当該利害関係者から、当該対価と当該時価との差額に相当する額の金銭の贈与を受けたものとみなす。

(禁止行為の例外)

第7条 前条第1項の規定にかかわらず、職員は、次の各号に掲げる行為を行うことができる。

(1) 利害関係者から宣伝用物品又は記念品であって広く一般に配布するためのものの贈与を受けること。

(2) 多数の者が出席するパーティー等(飲食物が提供される会合で、立食形式その他公開性の高い形式で行われるものをいう。以下同じ。)において、利害関係者から記念品の贈与を受けること。

(3) 職務として利害関係者を訪問した際に、当該利害関係者から提供される物品を使用すること。

(4) 職務として利害関係者を訪問した際に、当該利害関係者から提供される自動車(当該利害関係者がその業務等において日常的に利用しているものに限る。)を利用すること(当該利害関係者の事務所等の周囲の交通事情その他の事情から当該自動車の利用が相当と認められる場合に限る。)

(5) 職務として出席した会議その他の会合において、利害関係者から茶菓の提供を受けること。

(6) 多数の者が出席するパーティー等において、利害関係者から飲食物の提供を受け、又は利害関係者と共に飲食をすること。

(7) 職務として出席した会議において、利害関係者から簡素な飲食物の提供を受け、又は利害関係者と共に簡素な飲食をすること。

(8) 利害関係者と共に自己の費用を負担して飲食をすること。ただし、夜間における飲食(職務として出席した会議その他打合せのための会合の際における簡素な飲食を除く。)にあっては、任命権者が、公正な職務の執行に対する市民の疑惑や不信を招くおそれがないと認めて許可したものに限る。

2 職員は、私的な関係(職員としての身分にかかわらない関係をいう。以下同じ。)がある者であって、利害関係者に該当するものとの間においては、職務上の利害関係の状況、私的な関係の経緯及び現在の状況並びにその行おうとする行為の態様等に鑑み、公正な職務の執行に対する市民の疑惑や不信を招くおそれがないと認められる場合に限り、前条第1項の規定にかかわらず、同項各号に掲げる行為を行うことができる。

3 職員が、任命権者の要請に応じ特別職地方公務員等(地方公務員法第29条第2項に規定する特別職地方公務員等をいう。以下同じ。)となるため退職し、引き続き特別職地方公務員等として在職した後、引き続いて当該退職を前提として職員として採用された場合(一の特別職地方公務員等として在職した後、引き続き一以上の特別職地方公務員等として在職し、引き続いて当該退職を前提として職員として採用された場合を含む。)における前項の規定の適用については、同項中「職員としての身分」とあるのは、「職員又は特別職地方公務員等(地方公務員法第29条第2項に規定する特別職地方公務員等をいう。)としての身分」とする。

(利害関係者以外の者等との間における禁止行為)

第8条 職員は、利害関係者に該当しない事業者等であっても、その者から供応接待を繰り返し受ける等通常一般の社交の程度を超えて供応接待又は財産上の利益の供与を受けてはならない。

2 職員は、自己が行った物品若しくは不動産の購入若しくは借受け又は役務の受領の対価を、その者が利害関係者であるかどうかにかかわらず、それらの行為が行われた場に居合わせなかった事業者等にその者の負担として支払わせてはならない。

(任命権者の責務)

第9条 任命権者は、職員の職務に係る倫理の保持に資するため、研修その他の必要な措置を講じなければならない。

(贈与等の報告等)

第10条 職員は、事業者等から、金銭、物品その他の財産上の利益の供与又は供応接待(以下「贈与等」という。)を受けたとき(当該贈与等を受けた時において職員であった場合に限り、かつ、当該贈与等により受けた利益の価額が1件につき5,000円を超える場合に限る。)は、贈与等を受けた日から14日以内に、次に掲げる事項を記載した贈与等報告書(別記様式)を、任命権者に提出しなければならない。

(1) 当該贈与等により受けた利益の価額

(2) 当該贈与等により利益を受けた年月日及びその基因となった事実

(3) 当該贈与等をした事業者等の名称及び住所

(4) 前3号に掲げるもののほか必要な事項

2 贈与等報告書は、これを受理した任命権者において、これを提出すべき期間の末日の属する年度の翌年度から起算して5年を経過する年度まで保存しなければならない。

(違反行為があった場合の調査)

第11条 任命権者は、職員にこの規則に違反する行為を行った疑いがあると思料するときは、当該行為に関して必要な調査を行うものとする。

(体制の整備及び調整等)

第12条 市長は、職員の職務に係る倫理の保持を図り職務の公正な執行を確保するため、必要な体制を整備するとともに、他の任命権者による措置及び調査に関して必要な調整を行うものとする。

2 職員の職務に係る倫理の保持を図るため、職員の倫理を監理する職員を置く。

(その他)

第13条 この規則の施行に関し必要な事項は、別に定める。

この規則は、公布の日から施行する。

(平成27年2月19日規則第3号)

(施行期日)

1 この規則は、平成27年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 この規則の施行の際現に在職する教育長(地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律(平成26年法律第76号。以下「改正法」という。)による改正前の地方教育行政の組織及び運営に関する法律第16条第1項の教育委員会の教育長をいう。以下同じ。)については、改正法附則第2条第1項の規定により引き続き教育長として在職する間は、適用しない。

(令和元年12月20日規則第17号)

(施行期日)

1 この規則は、令和2年4月1日から施行する。

(令和3年4月28日規則第36号)

この規則は、公布の日から施行する。

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紀の川市職員倫理規則

平成24年5月29日 規則第17号

(令和3年4月28日施行)