(趣旨)

第1条　この条例は、部分林の設定により市基本財産を造成し、もって民生の安定及び山林資源愛護精神の教育効果を図るため、国有林野の管理経営に関する法律(昭和26年法律第246号)による部分林の造成に必要な事項について定めるものとする。

(事業)

第2条　前条の目的を達成するため、次に掲げる事業を行う。

(経費)

第3条　部分林造成のため経費は、市費、寄附金、補助金をもってこれに充てる。

(経営の委嘱)

第4条　市は、設定した部分林について、別に定める契約により、その一切の行為を市民又は市内文化団体に委嘱することができる。

(保護義務)

第5条　市は、部分林の保護取締のため、次の事項を行う義務を負う。

(看守人の配置)

第6条　市は、前条の義務を達成するため、看守人を常置し、部分林を巡視させるほか、春季火災危険期には適宜看守人を増員して保護取締の万全を期さなければならない。

(看守人の届出)

第7条　看守人を置き、又はこれを変更した場合は、速やかに住所氏名を管轄する国の機関に届けなければならない。

第8条　部分林に対し市民は常に火災、盗伐、誤伐、侵墾、漫用その他加害行為の予防及び境界標その他の標識の保存に努めなければならない。

(火災発見時の処置)

第9条　市民は、部分林に火災を発見したときは、直ちに消火に努めるとともに市又は管轄する国の機関に急報するものとする。部分林附近に火災を発見し造林地に延焼のおそれのある場合も、また同様とする。

(被害発見時の処理)

第10条　市民は、部分林に次の各号の被害を発見したときは、直ちに市又は管轄する国の機関に届けなければならない。

第11条　前2条の場合、市又は管轄する国の機関の指揮があった場合は、これに従わなければならない。

第12条　部分林に対し管轄する国の機関より保護方法等の指示をうけたときは、その指示に従わなければならない。

(制札の設置)

第13条　市は部分林の要所には、火災、盗伐その他の加害行為を防止するため、制札を設けなければならない。

(標識の設置)

第14条　市は部分林に境界標並に面積、期間及び造林契約者の氏名を記載した標識を設置しなければならない。ただし、管轄する国の機関の承認をうけた場合は、この限りでない。

(林産物の採取)

第15条　市民は採取を許可された次の産物を無償をもって採取することができる。ただし、第5条第1項の規定により部分林の造成について市から委託された部分林については、その委託をうけた地域住民又は団体に限り採取することができる。

(入林鑑札)

第16条　市民が部分林において前条産物を採取しようとするときは、市の許可をうけ、入林鑑札の交付をうけなければならない。ただし、第10条及び第12条の違反者に対しては、市は許可を拒否し、又は取消しをすることができる。

(入林鑑札の携帯提示)

第17条　入林鑑札は、採取の際携帯し、市、看守人又は管轄する国の機関がその提示を要求したときは、これを拒むことができない。

第18条　産物の採取、搬出の方法及び期間については、管轄する国の機関の指揮に従うものとする。

第19条　産物採取に関する条項に違反した者又は保護義務に違反した者に対しては、3ケ年以内産物の採取を停止することができる。

(看守人の報酬)

第20条　看守人に対する報酬は、別に定めるところによる。

(部分林運営委員会)

第21条　市は、部分林の造成を円滑にし、その目的を達成するため、部分林運営委員会を設けることができる。