○北上市男女共同参画と多様性社会を推進する条例

平成31年3月22日

条例第2号

全ての人が、お互いの人権を尊重し、性別等にかかわりなく、多様性を認め合い、個性と能力を十分に発揮することができる社会の実現が求められています。男女共同参画社会基本法(平成11年法律第78号)では、少子高齢化の進展、社会経済情勢の急速な変化に対応していく上で、社会のあらゆる分野における男女共同参画社会の実現を21世紀の最重要課題と位置付けています。

北上市においても、社会環境の変動等に対応できる持続可能な社会の構築は、喫緊の課題です。人口減少時代における男女の就労状況の変化などからも、男女共同参画社会の実現の重要性は増しています。また、性別や障害の有無などの違いを理解し、個々人の多様性を尊重する社会の充実が必要であることから、一人ひとりが違った個性や能力を持つ個人として尊重される、男女共同参画の実現と多様性社会の形成により、お互いに責任を分かち合い、多様な人々が能力を発揮できるようになることは、この課題の解決につがなるものです。

そのため、性別、年齢、国籍等、それぞれの違いや共通点を認め合い、誰もが対等な立場であらゆる分野に参画し、いきいきと自分らしく暮らせる地域社会を目指して、この条例を制定します。

(目的)

第1条 この条例は、北上市における男女共同参画と多様性社会の推進に関し、基本理念に基づき、市、議会、市民、事業者及び教育に携わる者(以下「市等」という。)の役割を明らかにすることにより、誰もが多様性を認め合い、対等な立場で参画できる地域社会を実現することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 男女共同参画 男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、共に責任を担うことをいう。

(2) 多様性社会 年齢、障害の有無、国籍及び文化的背景の違い、性別並びに性的指向及び性自認にかかわらず、一人ひとりが違った個性及び能力を持つ個人として尊重され、それぞれの違い又は共通点を認め合い、多様な人々が能力を発揮できる調和のある社会をいう。

(3) 市民 市内に住む者、市内で働く者及び学ぶ者をいう。

(4) 事業者 市内で事業活動を行うものをいう。

(5) 教育に携わる者 市内の学校、地域、家庭その他の教育及び保育に携わる者をいう。

(6) 性的指向 人の恋愛感情及び性的な関心がどういう対象に向かうかの指向をいう。

(7) 性自認 自分の性をどのように認識しているかをいう。

(8) ドメスティック・バイオレンス 夫婦、恋人等のパートナー間において、身体的、社会的、経済的、性的、心理的な危害若しくは苦痛を与える行為又は与えるおそれのある行為をいう。

(9) ハラスメント 他者に対する発言及び行動等が、本人の意図に関係なく、相手及び周囲の者を不快にさせ、尊厳を傷つけ、不利益を与え、又は脅威を与えることをいう。

(10) セクシュアル・ハラスメント 相手の意に反する性的な発言及び行動によって、相手方に不快感や苦痛感又は不利益を与え、生活環境を害することをいう。

(基本理念)

第3条 男女共同参画と多様性社会を推進し、誰もが参画できる地域社会を実現するための基本理念(以下「基本理念」という。)は、次のとおりとする。

(1) 市民が、お互いの違い及び特性を認め合い、個人としての人権が尊重され、尊厳を持って生きることができること。

(2) 市民が、性別による固定的な役割分担意識に基づいた社会の様々な制度又は慣行によって、個人の活動が制限されることなく、自らの意思に基づき個性及び能力を発揮し、多様な生き方を選択することができること。

(3) 市民が、社会の対等な構成員として、あらゆる分野における活動方針の立案及び決定に参画する機会が確保されること。

(4) 市民が、相互の協力及び社会の支援のもとに、家庭生活及び社会生活並びに地域における活動の調和のとれた生活を営むことができること。

(5) 市民が、年齢、障害の有無、国籍及び文化的背景の違い、性別並びに性的指向及び性自認を理由とする差別によって困難な状況にある人へ配慮すること。

(6) 市民が、国際社会及び国内の男女共同参画と多様性社会に係る取組を積極的に理解すること。

(市の役割)

第4条 市は、前条の基本理念の実現に向けた施策を策定し、実施するものとする。

2 市は、前項の施策の実施に当たっては、国、岩手県及びその他の地方公共団体、関係機関等と連携を図るものとする。

3 市は、市民が相互に協力して、家庭生活及び社会生活、地域における活動に主体的に参画できるよう、取り組むものとする。

(議会の役割)

第5条 議会は、議決機関として、男女共同参画と多様性社会についての理解を深め、基本理念の実現に努めるものとする。

(市民の役割)

第6条 市民は、男女共同参画と多様性社会についての理解を深め、家庭、学校、地域、職場その他の活動において、基本理念の実現に努めるものとする。

(事業者の役割)

第7条 事業者は、男女共同参画と多様性社会についての理解を深め、その事業活動及び事業所の運営において、基本理念の実現に向けた必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

(教育に携わる者の役割)

第8条 教育に携わる者は、男女共同参画と多様性社会についての理解を深め、基本理念の実現に向けた教育を行うよう努めるものとする。

(協働の推進)

第9条 市等は、協働により基本理念の実現に努めるものとする。

(権利侵害行為の禁止等)

第10条 全ての人は、家庭、学校、地域、職場その他社会において、性別並びに性的指向及び性自認を理由とする差別的な取扱い、ドメスティック・バイオレンス、セクシュアル・ハラスメントその他ハラスメントに起因する権利侵害に当たる行為を行ってはならない。

2 市等は、情報の発信に当たっては、前項の権利侵害を助長又は連想させる表現を用いないよう配慮しなければならない。

3 市は、第1項の権利侵害に当たる行為の防止に努めるとともに、その被害を受けた者に対し、関係機関等と連携して必要に応じた保護及び支援を行うものとする。

(基本的施策)

第11条 市は、第3条の基本理念に基づき、次に掲げる施策を推進するものとする。

(1) 固定的な性別役割分担意識を解消し、家庭、地域、職場その他のあらゆる場において個性及び能力を発揮し、多様な生き方の選択を実現するための環境づくり

(2) あらゆる分野における活動方針の立案及び決定に参画する機会を確保する取組

(3) 多様な担い手が活躍できる地域活動の推進

(4) 家庭生活における活動及び学校、地域、職場等における活動の調和の取れた生活を営むための支援

(5) 年齢、障害の有無、国籍及び文化的背景の違い、性別並びに性的指向及び性自認を理由とする日常生活の支障を取り除くための取組

(6) 性別並びに性的指向及び性自認を理由とする差別的な取扱い、ドメスティック・バイオレンス、セクシュアル・ハラスメントその他ハラスメントの根絶のための取組

(7) 防災、災害対応、避難所の運営を含む被災者の支援その他災害に関し、男女共同参画と多様性の視点を取り入れた取組

(8) 生涯にわたる教育の場における学習機会の提供

(9) 広報啓発活動の充実及び調査研究並びに情報の収集及び提供

2 市は、前項の施策を効果的に推進するため、必要な措置を講ずるものとする。

(基本計画)

第12条 市長は、前条の施策を総合的かつ計画的に推進するための基本計画を定めるものとする。

附 則

この条例は、平成31年4月1日から施行する。

北上市男女共同参画と多様性社会を推進する条例

平成31年3月22日 条例第2号

(平成31年4月1日施行)