○小松市景観条例
平成21年12月28日
条例第43号
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は,景観法(平成16年法律第110号)の規定に基づく必要な施策を実施するとともに,本市の景観の形成とそれを推進するまちづくりに関し,市,市民及び事業者の責務を明らかにして,それぞれの連携及び協力の下,市民の自主的かつ継続的なまちづくり活動を促進することにより,緑豊かな自然景観の保全や歴史・文化を映し出す都市景観の育成を図り,快適で魅力ある都市づくりを推進することを目的とする。
(1) 景観まちづくり 地域の特性を活かした魅力ある景観を保全,育成又は創造するため,総合的かつ計画的なまちづくりを行うことをいう。
(2) 住民等 小松市内に住所を有する者又は小松市内の土地若しくは建築物の所有者若しくはこれらについて使用することができる権利を有する者をいう。
(3) 建築物 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物をいう。
(4) 工作物 建築基準法第88条第1項に規定する工作物で広告物以外のもの及び規則で定めるものをいう。
(5) 広告物 屋外広告物法(昭和24年法律第189号)第2条第1項に規定する屋外広告物をいう。
(6) 建築物等 建築物,工作物及び広告物をいう。
(基本理念)
第3条 良好な景観は,美しく風格のある本市の形成と潤いのある豊かな生活環境の創造に不可欠なものであることにかんがみ,市民共通の資産として,現在及び将来の市民がその恵沢を享受できるよう,その整備及び保全が図られなければならない。
2 良好な景観は,地域の自然,歴史,文化等と人々の生活,経済活動等との調和により形成されるものであることにかんがみ,適正な制限の下にこれらが調和した土地利用がなされること等を通じて,その整備及び保全が図られなければならない。
3 良好な景観は,地域の固有の特性と密接に関連するものであることにかんがみ,地域住民の意向を踏まえ,それぞれの地域の個性及び特色の伸長に資するよう,その多様な形成が図られなければならない。
4 良好な景観は,観光その他の地域間の交流の促進に大きな役割を担うものであることにかんがみ,地域の活性化に資するよう,市,市民及び事業者により,その形成に向けて一体的な取組がなされなければならない。
5 良好な景観の形成は,現にある良好な景観を保全することのみならず,新たに良好な景観を創出することを含むものであることを旨として,行わなければならない。
(市の責務)
第4条 市は,この条例の目的を達成するため,景観まちづくりに関する総合的な施策を策定し,及び実施する責務を有する。
2 市は,景観まちづくりに関する市民の意識を高めるとともに,市民による景観まちづくりの活動を積極的に支援するものとする。
3 市は,前2項の施策の策定及び実施に当たっては,市民,事業者及び専門家の意見が十分反映されるよう努めなければならない。
4 市は,道路,公園その他の公共施設の整備を行うに当たっては,景観まちづくりを先導する役割を果たすよう努めなければならない。
5 市は,景観まちづくりに関し必要があると認めるときは,国,地方公共団体その他の公共団体に対し,必要な措置を講ずるよう協力を要請するものとする。
(市民の責務)
第5条 市民は,自らが景観まちづくりの主体であることを認識するとともに,相互に協力して景観まちづくりに積極的に貢献するよう努めるものとする。
2 市民は,市が実施する景観まちづくりに関する施策に協力するよう努めるものとする。
(事業者の責務)
第6条 事業者は,その事業活動の実施に当たっては,専門的知識,経験等を活用し,自らの責任と負担において景観まちづくりに積極的に貢献するよう努めるものとする。
2 事業者は,市が実施する景観まちづくりに関する施策に協力するよう努めるものとする。
第2章 景観計画及びこれに基づく措置
第1節 景観計画の策定等
(景観計画)
第7条 市は,景観の形成とそれを推進するまちづくりを総合的かつ計画的に推進するため,景観法第8条第1項に規定する景観計画(以下「景観計画」という。)を定めるものとする。
(景観計画において定める事項等)
第8条 市長は,景観法第8条第2項第1号に規定する景観計画区域(以下「景観計画区域」という。)内において,良好な景観の形成を推進するため,景観形成重要地域,特別地域及び景観形成促進地区を定めることができる。
2 景観形成重要地域とは,広域的かつ連続的な景観(主要な道路,海岸,河川等に沿って広域にわたり,かつ,連続する景観をいう。以下同じ。)が形成された地域,広域的かつ連続的な景観を形成する必要があると認められる地域又は地域の土地利用の動向等からみて広域的かつ連続的な景観が損なわれるおそれがあると認められる地域をいう。
3 特別地域とは,景観形成重要地域内において,建築物等の形態意匠等が景観に及ぼす影響が特に大きいと認められる地域をいう。
4 景観形成促進地区とは,当該地区の個性又は特色を活かした独自の基準を定めることにより,良好な景観の形成を積極的に図る必要がある地区をいい,まちづくり誘導地区とまちづくり協定地区に区分する。
5 まちづくり誘導地区とは,文化施設,観光施設,駅等の交流施設が集積している地区において,建築物等の形態意匠等が景観に及ぼす影響が特に大きいと認められる地区をいい,次に掲げる地区に区分する。
(1) 近代的景観地区(小松駅周辺の近代的な景観形成を誘導する地区)
(2) 伝統的景観推進地区(次号を除く北国街道沿いの小松駅周辺の中心市街地及び小松城址の伝統的な景観形成を誘導する地区)
(3) 伝統的景観重点地区(北国街道沿いの曳山八町を中心とした伝統的な景観形成を特に誘導する地区)
6 まちづくり協定地区とは,第26条第1項に規定する景観まちづくり協定を締結した地区において,小松らしさを代表し,かつ,拠点的な地区として景観まちづくりを推進する必要があると認められる地区をいい,次に掲げる地区に区分する。
(1) 景観まちづくり推進地区(景観まちづくりを推進する必要があると認められる地区)
(2) 景観まちづくり重点地区(特に景観まちづくりを誘導し,優れた都市景観と都市環境を保全,育成又は創造する必要があると認められる地区)
(景観計画の策定手続)
第9条 市長は,景観計画を定めようとするときは,景観法第9条の規定によるほか,あらかじめ,小松市景観まちづくり審議会(以下第4章までにおいて「審議会」という。)の意見を聴かなければならない。
2 景観法第9条第6項の規定による景観計画の告示及び縦覧は,規則で定めるところにより,行わなければならない。
3 前2項の規定は,景観計画の変更(規則で定める軽微な変更を除く。)について準用する。
(景観計画の策定等の提案をすることができる団体)
第10条 景観法第11条第2項の条例で定める団体は,第24条の景観まちづくり協議会とする。
第2節 行為の制限等
(行為の制限)
第11条 市長は,景観計画において,景観計画区域又は景観形成重要地域,特別地域若しくは景観形成促進地区のそれぞれの区域又は地域若しくは地区ごとに良好な景観の形成のための行為の制限に関する基準(以下この節において「景観形成基準」という。)を定めることができる。
2 景観法第16条第1項各号に掲げる行為をしようとする者の当該行為は,景観形成基準に適合するものでなければならない。ただし,次に掲げる行為については,この限りでない。
(1) 景観法第16条第1項又は第2項の規定による届出を要しない行為
(2) 航空法(昭和27年法律第231号)その他の法令又は条例の規定により義務付けられたものの実施に係る行為
(3) その他市長が特に認める行為
(届出等)
第12条 景観法第16条第1項又は第2項の規定による届出は,規則で定めるところにより行わなければならない。ただし,第8条第6項のまちづくり協定地区内において,当該地区で別に定める基準があるものについては,この限りでない。
3 景観法第16条第1項第4号の条例で定める行為は,次に掲げる行為とする。
(1) 土地の開墾,土石の採取,鉱物の掘採その他の土地の形質の変更(次項第2号に該当するものを除く。)
(2) 屋外における土石,廃棄物(廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第2条第1項に規定する廃棄物をいう。),再生資源(資源の有効な利用の促進に関する法律(平成3年法律第48号)第2条第4項に規定する再生資源をいう。)その他の物件の堆積
(3) 水面の埋立て又は干拓
4 景観法第16条第7項第11号の条例で定める行為は,次に掲げる行為とする。
(1) 仮設の建築物の建築等(新築,増築,改築若しくは移転,外観を変更することとなる修繕若しくは模様替又は色彩の変更をいう。)
(2) 農業,林業又は漁業を営むために行う土地の形質の変更
(3) 他の法令又は条例の規定に基づき,許可若しくは認可を受け,又は届出若しくは協議をして行う行為のうち,良好な景観の形成のための措置が講じられるものとして規則で定めるもの
(4) 規則で定める工作物の建設等(新築,増築,改築若しくは移転,外観を変更することとなる修繕若しくは模様替又は色彩の変更をいう。)
(5) 景観法第16条第1項各号に掲げる行為で,規則で定める規模のもの
(特定届出対象行為)
第13条 景観法第17条第1項の条例で定める行為は,建築物の建築等及び工作物の建設等とする。
(景観計画区域内における指導等)
第14条 市長は,景観法第16条第1項各号に掲げる行為をしようとする者又はした者に対し,良好な景観を形成するために必要な措置をとるよう指導することができる。
(勧告及び公表)
第15条 市長は,景観法第16条第3項の規定により設計の変更その他の必要な措置をとることを勧告しようとするときは,必要に応じ,審議会の意見を聴くものとする。
2 市長は,前項の規定による勧告を受けた者が,正当な理由なく当該勧告に従わないときは,当該勧告を受けた者の氏名又は名称,住所及び当該勧告の内容を公表することができる。
3 市長は,前項の規定による公表をしようとするときは,当該勧告を受けた者に対し,意見を述べ,又は証拠書類を提出する機会を与えなければならない。
(変更命令等の手続)
第16条 市長は,景観法第17条第1項の規定により設計の変更その他の必要な措置をとることを命じ,又は同条第5項の規定により原状回復若しくはこれに代わるべき必要な措置をとることを命じようとするときは,必要に応じ,審議会の意見を聴くものとする。
第3節 景観重要建造物等
(景観重要建造物等の指定の手続)
第17条 市長は,景観法第19条第1項の景観重要建造物又は同法第28条第1項の景観重要樹木(以下「景観重要建造物等」という。)の指定をしようとするときは,同法第19条又は第28条の規定によるほか,あらかじめ,審議会の意見を聴かなければならない。
(景観重要建造物等の所有者等の変更等の届出)
第18条 景観重要建造物等の所有者,占有者又は管理者は,これらの者でなくなったとき,又はその氏名若しくは住所を変更したときは,遅滞なく,規則で定めるところにより,市長に届け出なければならない。
2 景観重要建造物等の所有者,占有者又は管理者は,当該景観重要建造物等が滅失又はき損したときは,遅滞なく,規則で定めるところにより,市長に届け出なければならない。
(原状回復命令等の手続)
第19条 市長は,景観法第23条第1項(同法第32条第1項において準用する場合を含む。)の規定により景観重要建造物等の原状回復又はこれに代わるべき必要な措置をとることを命じようとするときは,必要に応じ,審議会の意見を聴くものとする。
(景観重要建造物等の管理の方法の基準)
第20条 景観法第25条第2項の条例で定める基準は,景観重要建造物の修繕は原則として当該修繕前の外観を変更することのないようにすることその他規則で定めるものとする。
2 景観法第33条第2項の条例で定める基準は,景観重要樹木の滅失,枯死等を防ぐため病害虫の駆除その他の必要な措置をとることその他規則で定めるものとする。
(管理に関する命令又は勧告の手続)
第21条 市長は,景観法第26条又は第34条の規定により景観重要建造物等の管理に関し必要な措置をとることを命じ,又は勧告しようとするときは,必要に応じ,審議会の意見を聴くものとする。
(指定の解除の手続)
第22条 市長は,景観法第27条第2項又は第35条第2項の規定により景観重要建造物等の指定の解除をしようとするときは,あらかじめ,審議会の意見を聴かなければならない。
第4節 景観重要公共施設
(景観重要公共施設の整備等)
第23条 市長は,景観計画区域内の道路,河川,公園等の公共施設で,景観形成において特に重要な景観資源として位置付けられるものを景観重要公共施設として景観計画で定め,公共施設管理者等との協議により,景観形成のための整備に関する事項その他景観形成のための必要な事項についての基準を定めることができる。
2 市長は,景観重要公共施設を景観計画で定めようとするときは,あらかじめ,当該公共施設管理者等と協議するとともに,審議会の意見を聴かなければならない。
第3章 市民主体の景観まちづくり
(景観まちづくり協議会)
第24条 住民等は,景観まちづくりを推進する自主的な活動を行う団体として景観まちづくり協議会(以下「協議会」という。)を組織し,規則で定めるところにより,市長に登録の申請をすることができる。
2 市長は,次の各号に掲げる要件のいずれにも該当すると認める協議会について登録するものとする。
(1) 協議会の構成員の過半数が,一定の地区内の住民等(以下「地区住民等」という。)であること。
(2) 協議会の活動が,地区住民等の多数に支持されていると認められるもの
(景観まちづくり計画の提案)
第25条 協議会は,当該一定の地区の景観まちづくりを推進する計画(以下「景観まちづくり計画」という。)を策定し,市長に提案することができる。
(1) 建築物等の用途,位置及び外観等に関する事項
(2) 建築敷地等に関する事項
(3) 緑の保全及び緑化に関する事項
(4) その他地区住民等が必要と認める事項
3 協議会は,景観まちづくり計画を策定するに当たっては,市が策定した景観まちづくりに関連する計画等と調和するよう努めるものとする。
(景観まちづくり協定)
第26条 地区住民等は,互いに当該一定の地区の景観まちづくりを推進する協定(以下「景観まちづくり協定」という。)を締結することができる。
2 景観まちづくり協定には,前条第2項各号に規定する事項のほか,次に掲げる事項を定めるものとする。
(1) 景観まちづくり協定の名称
(2) 景観まちづくり協定の目的
(3) 景観まちづくり協定の対象となる区域
(4) 景観まちづくり協定を締結した者の氏名及び住所(法人にあっては,その名称及び主たる事務所の所在地)
(5) 景観まちづくり協定を締結した者の代表者
(6) 景観まちづくり協定の有効期間
(7) 景観まちづくり協定の廃止又は変更の手続
(8) その他景観まちづくりに必要な事項
3 第1項の景観まちづくり協定を締結した者は,規則で定めるところにより,市長に認定の申請をすることができる。
4 市長は,景観まちづくり協定を認定しようとするときは,あらかじめ,審議会の意見を聴かなければならない。
5 市長は,景観まちづくり協定を認定したときは,これを告示しなければならない。
(景観まちづくり協定の変更等)
第27条 景観まちづくり協定の認定を受けた地区住民等が,当該景観まちづくり協定を変更しようとするときは,規則で定めるところにより,市長の認定を受けなければならない。
2 景観まちづくり協定の認定を受けた地区住民等が,当該景観まちづくり協定を廃止したときは,規則で定めるところにより,市長へ届け出なければならない。
(景観まちづくり協定の遵守等)
第28条 市民及び事業者は,第26条の規定により認定された景観まちづくり協定に係る区域内において,景観法第16条第1項各号に規定する行為をしようとするときは,当該景観まちづくり協定の内容を十分理解し,これを遵守しなければならない。
(地区計画等の案の申出)
第29条 景観まちづくり協定の認定を受けた地区住民等は,当該景観まちづくり協定の内容となっている事項について,地区計画等(都市計画法(昭和43年法律第100号)第4条第9項に定めるものをいう。以下同じ。)として都市計画に定めるよう市長に申し出ることができる。
2 市長は,前項の申出があった場合において,当該景観まちづくり協定が地区計画等に適合すると認めるときは,小松市地区計画等の案の作成手続に関する条例(平成3年小松市条例第11号)に規定する手続を行うものとする。
第4章 景観まちづくりへの支援
(景観まちづくり行為に対する支援)
第30条 市は,市民,第24条第1項に規定する協議会及び事業者が実施する景観まちづくり行為に対し,その経費の一部を助成することができる。
(顕彰)
第31条 市長は,景観形成に関し顕著な活動を行ったと認められる個人又は団体を,別に定めるところにより,顕彰することができる。
第5章 小松市景観まちづくり審議会
(審議会)
第32条 市長の諮問機関として小松市景観まちづくり審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は,この条例の規定によりその権限に属させられた事項を処理するほか,市長の諮問に応じ,景観形成に関する事項を調査審議するものとする。
(組織)
第33条 審議会は,委員13人以内で組織する。
2 委員は,市長が委嘱し,又は任命する。
3 委員の任期は,3年とする。ただし,委員が欠けた場合における補充委員の任期は,前任者の残任期間とする。
4 委員は,再任されることができる。
(専門委員)
第34条 審議会に,専門の事項を調査審議させるため,専門委員を置くことができる。
2 専門委員は,市長が任命する。
3 専門委員は,当該専門の事項に関する調査審議が終了したときは,解任されるものとする。
(会長)
第35条 審議会に会長を置き,委員の互選によってこれを定める。
2 会長は,会務を総理し,審議会を代表する。
3 会長に事故があるときは,会長があらかじめ指名する委員が,その職務を代理する。
(会議)
第36条 審議会の会議は,委員の過半数が出席しなければ,開くことができない。
2 審議会の議事は,出席した委員の過半数で決し,可否同数のときは,会長の決するところによる。
(雑則)
第37条 この章に規定するもののほか,審議会の運営に関し必要な事項は,会長が審議会に諮って定める。
第6章 雑則
附則
2 景観計画は,この条例の施行前においても,定めることができる。
(旧条例の廃止)
3 美しいこまつの景観を守り育てるまちづくり条例(平成14年小松市条例第57号。以下「旧条例」という。)は,廃止する。
(経過措置)
4 第7条の規定による景観計画の策定前においては,景観法第8条の規定により石川県が定めた景観計画のうち,小松市の区域に係る部分を小松市の景観計画とみなす。
6 旧条例第23条の規定により置かれた小松市景観まちづくり審議会(次項において「旧審議会」という。)は,審議会となり,同一性をもって存続するものとする。
8 この条例の公布の日から施行前までの間は,旧条例第21条及び第22条の規定による景観まちづくり行為及び協議会の活動に対する助成は,なお従前の例による。