○未来を拓く小松市創造的ものづくり振興条例

平成27年6月25日

条例第23号

霊峰白山を源とする豊かな自然と資源に恵まれた私たちのまち小松には,先人の長い営みの賜物として築かれてきた日本古来の伝統的ものづくりの技と心が,息づいています。

小松のものづくりの歴史は,2万年前,人々の生活の道具として始まります。弥生時代には,豊かな森と地下資源を活かし,先進的な技術による優れた木製品や石製品,弥生土器を生み出しました。特に,八日市地方の碧玉製玉作りは,当時の高級装身具として全国に流通し,古代には,北陸最大規模の製陶製鉄地帯を築くこととなります。そして,近世以降には,前田利常公が推奨した加賀絹や九谷焼,鉄鍛冶などの分野における個性豊かで品質の高い製品づくりにつながり,現代の多彩な産業を創出する源となっています。

これらの伝統的ものづくりは,多くの富を生み出し,小松の茶道や芸能,芸術などの文化を育むとともに,文化がものづくりに新たな発想や用途を生み出させるなど,生活と文化,産業が相互に影響し合い,小松の町衆文化の繁栄に大きな役割を果たしました。

私たち一人一人が,先人の築いた伝統的ものづくりの技と心が現代の小松の文化を支えているとの認識を深めるとともに,伝統的ものづくりを生活の中に活用することは,豊かで活力のある社会を実現する上で重要です。

もとより,ものづくりはひとづくりから。ものづくり振興においては,担い手の育成は最も重要な課題の一つです。職人の技を継承するとともに,蓄積された知識や経験を活かしながら,時代に応じた新たな価値を積み重ね,その魅力を高めることで,未来のものづくりをデザインする取組が求められます。

このような背景のもと,古きをたずね,新しきを知ることが,ものづくりのイノベーションであり,新たな伝統の創造であることを認識し,その未来を切り拓く挑戦を続けていかなければなりません。

ここに,私たち全ての市民が参加のもと,ものづくりのまちとしての伝統と誇りを継承するとともに,伝統的ものづくりを次の世代につながる創造的ものづくりに発展させ,豊かな社会を実現するため,この条例を制定するものです。

(目的)

第1条 この条例は,本市のものづくりについての基本理念等を定めるとともに,人材の育成,技術力の向上,マーケットの拡大等に向け,伝統的ものづくりの知識や経験を活かしつつ,新たな発想により本市のものづくりに新たな価値を生み出すための施策を総合的かつ計画的に推進することによって,本市のものづくりの地位の向上を図り,もって豊かな社会を実現することを目的とする。

(用語の意義)

第2条 この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 伝統的ものづくり 本市で伝統的に使用されてきた原材料を用いた製品づくり又は本市に伝統的に継承されてきた技術による製品づくりをいう。

(2) 創造的ものづくり 伝統的ものづくりを基礎とし,未来へ向けた新たな価値を生み出す製品づくりをいう。

(3) 事業者 生産者,卸売業者,小売業者その他のものづくり産業に関わる事業を行う者をいう。

(4) 産業関係団体 商工会議所,事業協同組合その他の事業者の事業活動の支援に関する事業を行う団体をいう。

(5) 教育機関 大学,高等学校その他の教育を行う機関をいう。

(基本理念)

第3条 ものづくりは,市民生活及び文化の向上を支え,本市の発展に重要な役割を果たしていることを認識し,未来を拓くために積極的に進められなければならない。

2 創造的ものづくりの振興は,伝統的ものづくりの技術及び知識を保存し,次世代へ継承するとともに,創造性豊かな人材の育成を図ることを基本として進められなければならない。

3 創造的ものづくりの振興は,小松独自のブランドの魅力を高め,国内外に広く発信することを基本として進められなければならない。

4 創造的ものづくりの振興は,伝統的ものづくりに最先端の技術及び知識を融合させ,新たなものづくりへ進化させることにより行われなければならない。

(市の役割)

第4条 市は,前条の基本理念にのっとり創造的ものづくりの振興に関する施策を策定し,総合的かつ計画的に推進しなければならない。

2 市は,創造的ものづくりの振興施策の策定にあたっては,国,石川県その他の関係機関と連携を図るよう努めなければならない。

3 市は,創造的ものづくりの振興施策の策定にあたっては,事業者,産業関係団体及び市民の意見を十分に得るよう努め,これらの者の理解と協力を得るよう努めなければならない。

(事業者の役割)

第5条 事業者は,ものづくり産業に関わる者として,自らが重要な役割を担っていることを認識し,地域貢献に取り組むとともに,本市が実施する創造的ものづくりの振興施策に協力するよう努めるものとする。

2 事業者は,次世代の担い手の確保及びその育成を図り,ものづくりの歴史及び技術を次世代に継承するよう努めるものとする。

3 事業者は,経済的社会的変化に応じて,経営の向上及び改善に努めるものとする。

4 事業者は,産業関係団体,教育機関,市民及び市と相互に連携し,創造的ものづくりの振興に努めるものとする。

(産業関係団体の役割)

第6条 産業関係団体は,事業者の経営向上及び改善の取組を積極的に支援するとともに,本市が実施する創造的ものづくりの振興施策に協力するよう努めるものとする。

2 産業関係団体は,事業者,他の産業関係団体,教育機関,市民及び市と相互に連携し,伝統的ものづくりに新たな用途や価値を積み重ねる取組を推進し,創造的ものづくり産業の育成に努めるものとする。

(教育機関の役割)

第7条 教育機関は,事業者,産業関係団体,市民及び市と連携し,ものづくりを担う人材の育成に努めるとともに,ものづくりに係る研究開発の成果等を積極的に活用し,創造的ものづくりの振興に資するよう努めるものとする。

(市民の役割)

第8条 市民は,伝統的ものづくりが市民生活の向上及び本市の発展に寄与していることを理解し,創造的ものづくりに関する施策に協力するよう努めるものとする。

2 市民は,伝統的ものづくり及びそれに係る製品に誇りを持ち,生活の中で活用するよう努めるものとする。

(ひとづくりの推進)

第9条 市は,伝統的ものづくりに関する技術を次世代へ継承するために必要な施策を講じるものとする。

2 市は,伝統的ものづくりの大切さについて,市民の理解と関心を深めるために必要な施策を講じるものとする。

3 市は,次世代を担う子どもたちの理解と関心を深めることができるよう,伝統的ものづくりに関する教育を推進するものとする。

(伝統的ものづくりに係る環境整備)

第10条 市は,伝統的ものづくりに係る事業環境を整備するため,事業者の経営基盤の強化に対する支援その他必要な施策を講じるものとする。

2 市は,伝統的ものづくりの魅力を広め,伝統的ものづくりの活用を推進するために必要な施策を講じるものとする。

(創造的ものづくりの推進)

第11条 市は,創造的ものづくりを推進するため,他産地,異業種及び異文化との交流を深め,新たなものづくりの創造に必要な施策を講じるものとする。

(戦略的な販路開拓の促進)

第12条 市は,本市独自の伝統的ものづくりに関わる製品のブランド力向上及び販路開拓の促進に必要な施策を講じるものとする。

2 市は,創造的ものづくりによる製品の販売及びプロデュースに関わる者が行う新たな取組を支援するために必要な施策を講じるものとする。

(委任)

第13条 この条例の施行に関し必要な事項は,市長が別に定める。

この条例は,公布の日から施行する。

未来を拓く小松市創造的ものづくり振興条例

平成27年6月25日 条例第23号

(平成27年6月25日施行)