○小松市「珠玉と歩む物語」保護条例
平成28年12月20日
条例第32号
小松の人々は,弥生時代の碧玉の玉つくりを始まりとして2300年にわたり,金や銅の鉱石,メノウ,オパール,水晶,碧玉の宝石群,良質の凝灰岩石材,九谷焼の陶石等の石の資源の価値を見出し,時代のニーズに応じて,高度な加工技術を磨き上げ,人・モノ・技術が交流する豊かな石の文化を築き上げてきた。
私たちは,これら石の文化を市民共有の財産として大切に守り,未来へ継承するため,この条例を制定する。
(趣旨)
第1条 この条例は,石の文化を適切に保護し,及び次世代に継承するため,基本理念,それぞれが担う役割,施策等に関し必要な事項を定めるものとする。
(定義)
第2条 この条例において「石の文化」とは,「珠玉と歩む物語・小松」として日本遺産に認定されたストーリーに記載された有形及び無形の様々な文化財群を総称していう。
(基本理念)
第3条 石の文化の保護及び継承の理念(以下「基本理念」という。)は,次のとおりとする。
(1) かけがえのないふるさと小松固有のものであることを認識して行われるものであること。
(2) 自然その他のふるさと小松の地域資源の保護・継承と合わせて行われるものであること。
(3) 教育を通じ,未来へつなぐ子供たちの理解及び共感を促進しつつ行われるものであること。
(4) 産業,観光,交流等の施策との連携を図り,市民等(市民及び市内への来訪者をいう。以下同じ。)が学ぶ機会を充実させつつ行われるものであること。
(5) 市民,行政等それぞれが連携協力して実施されるものであること。
(6) 積極的な情報発信を図ることにより,地域の振興につながる活用を図りつつ行われるものであること。
(市の責務)
第4条 市は,基本理念に基づき,石の文化の保護・継承のために必要な施策を講じるものとする。
(市民等の責務)
第5条 市民等は,基本理念を十分に踏まえ,石の文化への理解及び関心を深め,並びにその保護に積極的に協力するよう努めるものとする。
(建造物等の保護)
第6条 石の文化に係る建造物等(建造物その他の有体物であって規則で定めるものをいう。以下「建造物等」という。)の所有者及び占有者は,当該所有又は占有に係る建造物等の保護を図るよう努めるものとする。
(地質鉱物の保全)
第7条 土地の所有者及び占有者は,その所有又は占有に係る土地に存する地質鉱物(地質及び鉱物であって規則で定めるものに限る。以下「地質鉱物」という。)の保全に努めるものとする。
(保護等のための指示等)
第8条 市長は,建造物等にき損,損傷又は消失のおそれがあると認めるときは,当該建造物等の所有者又は占有者にその防止のため必要な措置を講じるよう求めることができる。この場合において,市長は必要があると認めるときは,その支援を行うことができる。
2 前項の規定は,地質鉱物が市民等により不法に持ち出されるおそれがあると認めるときに準用する。
3 市長は,次に掲げる事実が発生したことを知ったときは,告発その他の必要な措置を講じることができる。
(1) 建造物等のき損,損傷又は消失が故意に行われたとき。
(2) 地質鉱物が不法に持ち出されたとき。
(3) その他石の文化の保護・継承に対し支障を生じる重大な違法行為が発生したとき。
附則
この条例は,平成29年5月1日から施行する。