○健康なこころとからだ・健全な地域社会を育む条例
令和2年9月25日
条例第30号
「こころとからだ」がともに健康であることは,全ての人にとって幸せに生活を送る上で最も重要な基盤です。
そして,「こころとからだ」の健康のためには,一人ひとりの日々の取組みはもちろん,家族や職場,地域において人とひととのつながりである絆の維持・強化も同じくらい大切なものです。しかしながら,超高齢社会の進展,近年の予期せぬ自然災害の発生,感染症の流行等,社会を取り巻く状況が大きく変化し,不安感の高まりによる他者への中傷の発生等,絆の弱まりも懸念される情勢にあります。
この情勢の下,改めて公衆衛生の重要性についてそれぞれが認識を共有し,協働してその取組みを実践するとともに,人とひととのつながりである絆の価値を確認することにより,誰一人取り残すことのない地域の全ての人が健幸である地域社会を育み,もって一人ひとりが「こころとからだ」の健康を追求できるひとづくり・まちづくりを目指すため,この条例を制定します。
(目的)
第1条 この条例は,健康なこころとからだ・健全な地域社会を育むための基本理念を定め,ステークホルダーの責務及び役割を明らかにすることにより,予期せぬ感染症等にも対応できる公衆衛生の力を高め,健康なこころとからだ・健全な地域社会を育むことを目的とする。
(1) 事業者 市内で事業活動を行う個人及び法人その他の団体
(2) 地域で活動する団体 市内の町内会その他の地域を基盤に形成された団体や生活する地域を活動の場とする団体
(3) 健康づくり関係者 市内で保健,医療,福祉,教育その他の健康づくりに携わる個人及び団体
(基本理念)
第3条 この条例の基本理念は,次のとおりとする。
(1) 市民一人ひとりが「こころとからだ」の健康の維持増進は自らの問題であることを意識し,「こころとからだ」の健康づくりに必要な正しい知識を持ち,その取組みを主体的,かつ,継続的に実施する。
(2) 市民,事業者,地域で活動する団体,健康づくり関係者及び市は,「こころとからだ」の健康のために必要な取組みを協働して実践するとともに,人とひととのつながりである絆を尊重し,差別や偏見を排しつつ,健全な地域社会の実現のために必要な取組みを行う。
(3) 市民,事業者,地域で活動する団体,健康づくり関係者及び市は,それぞれの計画や方針を定めながら,戦略的に前号の取組みを実施する。
(4) この条例によりそれぞれが果たす役割・責務及び実施する取組み等は,人類の英知を結集し,常に最新の知見に基づき見直される。
(市民の役割)
第4条 市民は,次の項目に取り組むよう努めるものとする。
(1) 一人ひとりの健康な「こころとからだ」を守る活動は,自らの実践なくして実現しないことに十分留意して行う必要な正しい知識の修得
(2) 家族や地域社会の一員としてのそれぞれの置かれた状況等の理解及び家族や地域の人たちとの相互尊重を深めながら行う市民力の向上による健全な地域社会の育成
(事業者の役割)
第5条 事業者は,次の項目に取り組むよう努めるものとする。
(1) 働く人々の健康管理を経営的視点から捉え,戦略的に実践する「健康経営」を柱として行う組織的な衛生対策活動及び事業所に働く人々自身の健康づくりに取り組みやすい環境の整備
(2) テレワークやオンライン会議システム等,最新の科学技術を活かした多様,かつ,柔軟な新しいスタイルの働き方を取り入れた働く人々及びその家族の健康づくりの推進
(3) 働く人々への働きかけを通じて行う事業所内及び地域における人とひととの絆が保たれた健全な状態の維持増進
(地域で活動する団体の役割)
第6条 地域で活動する団体は,次の項目に取り組むよう努めるものとする。
(1) 主体的な衛生対策と健康づくりを取り入れた活動の実施
(2) 自らの活動が地域社会と密接な関係にあることを自覚して行う人とひととの絆が保たれた健全な地域社会の育成
(健康づくり関係者の役割)
第7条 健康づくり関係者は,次の項目に取り組むよう努めるものとする。
(1) 市民,事業者及び地域で活動する団体が必要な情報と適切な保健福祉サービスを受けられるための積極的な関与及び「こころとからだ」の健康づくりに関する普及啓発
(2) それぞれの分野における地域の公衆衛生の向上に資する研究等の実施及び健康づくりに資する情報の提供等
(市の責務)
第8条 市は,この条例の基本理念にのっとり,次の施策を推進する責務を有する。
(1) 市民一人ひとりが行う自らの健康な「こころとからだ」を守る活動の実施のため,市民に対する公衆衛生に関する正しい情報の提供及び社会環境の変化に柔軟に対応した実践を可能にする働きかけの実施
(2) 市民,事業者,地域で活動する団体及び健康づくり関係者が安心できる衛生環境及び健康な「こころとからだ」を守る活動に取り組みやすい環境の整備
(3) ICTを活用した健康づくりのための施策や良好なコミュニケーションを促進する科学技術の導入
(4) 安心して暮らし続けられる家庭及び健全で誰一人取り残さない共生の地域づくりの推進
(財政上の措置)
第9条 市は,この条例の基本理念に基づく施策を推進するため,必要な財政上の措置を講じるよう努めるものとする。
(委任)
第10条 この条例の施行に関し必要な事項は,市長が別に定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は,令和2年12月1日から施行する。
(準備行為)
2 この条例を施行するために必要な準備行為は,この条例の施行の日前においても行うことができる。