○小松市いのちを守る防災・減災推進条例
令和2年9月25日
条例第31号
大規模な自然災害や広域的な複合災害の発生,未知のウイルスによる感染症のまん延等,災害リスクはこれまで経験したことのないほど高まっている。
これまで本市においては,「公助」による災害対応のほか,地縁的なつながりが持つ「地域力」によってそれぞれを思いやり助ける絆が災害の場面でも市民一人ひとりを救ってきたが,超高齢社会により高齢者や要支援者の自助には限界があり,市の区域を超えた広域的な災害に対しては広域的な連携が必要となっている。
今後更に増大していく災害リスクと地域資源の減少に対し,市,市民,事業者等が更に連携,協働して防災・減災対策に取り組むとともに,市町の境を超えた広域的な連携体制の構築やICT等の最先端の技術等,防災・減災のための実力を将来に向け高め,もって災害から市民のいのちと暮らしを守るため,この条例を制定する。
(目的)
第1条 この条例は,防災・減災に関し基本理念を定め,市,市民,事業者等の防災・減災における役割を明らかにし,及び防災・減災に関し必要な事項を定めることにより,市民の生命,身体及び財産を災害から守ることを目的とする。
(1) 災害 災害対策基本法(昭和36年法律第223号。以下「法」という。)第2条第1号に規定する災害のうち,暴風,豪雨,豪雪,洪水,高潮,地震,津波,噴火その他の異常な自然現象又は大規模な火事若しくは爆発等により生じる被害をいう。
(2) 感染症 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号)第6条第1項に規定する感染症をいう。
(3) 防災・減災 災害を未然に防止し,災害が発生した場合における被害の拡大を防ぎ,及び被害を最小限にとどめ,並びに災害の復旧を図ることをいう。
(4) 市民 本市の区域内に居住し,又は滞在する個人をいう。
(5) 事業者 本市の区域内において事業を営む法人その他の団体をいう。
(6) 自主防災組織 法第2条の2第2号の自主防災組織をいう。
(7) 防災関係機関等 警察,消防,自衛隊,法第2条第3号の指定行政機関,法第2条第5号の指定公共機関,法第2条第6号の指定地方公共機関及び公共的団体その他防災上重要な施設の管理者をいう。
(基本理念)
第3条 災害への対応は,市が災害対応を行う「公助」を基本としつつ,自分や自分の家族の命を自分で守る「自助」,近隣市民及び事業者が助け合って近所を守る「近助」,市民及び事業者が助け合って地域を守る「共助」の順に「公助」を補完し行われるものであることを認識し,市民,事業者及び市がそれぞれの責務及び役割を果たすとともに,相互に連携し,協働して,新たな感染症への対策を講じながら,防災・減災対策に取り組むことをこの条例の基本理念とする。
(地域防災計画への反映)
第4条 小松市防災会議(法第16条第1項により市に設置された防災会議をいう。)は,法第42条第1項の規定により小松市地域防災計画を策定し,又は修正するときは,前条の基本理念を尊重するものとする。
(市民の役割)
第5条 市民は,その役割として次の事項を行うよう努めるものとする。
(1) 自己及び家族の安全を確保するため,自ら災害に備えるとともに,災害の発生時には自己及び家族の安全を守るために主体的に行動すること。
(2) 相互に協力して防災・減災対策に取り組むことができるよう,近隣住民同士が互いに協力し合える良好な関係を形成するとともに,災害の発生時においては「近助」として高齢者,要支援者等の安全を守るよう行動すること。
(3) 市及び防災関係機関等が実施する防災・減災対策及び地域において実施される自主防災組織,事業者等による防災・減災対策に協力するとともに,災害の発生時には,市防災関係機関,自主防災組織,事業者等による災害対応に積極的に協力すること。
(事業者の役割)
第6条 事業者は,その役割として次の事項を行うよう努めるものとする。
(1) 従業員,事業所への来所者及び周辺地域の住民の安全を確保し,生命を守るため,施設及び設備の安全管理を行うとともに,災害の発生時には,これらの者に対する安全確保のため必要な対策を行うこと。
(2) 事業所防災計画及び事業継続計画を策定し,災害発生時において,事業活動を継続し,又は再開できる体制を整備すること。
(3) 市及び防災関係機関等が実施する防災・減災対策及び地域において実施される自主防災組織等による防災・減災のための活動に協力するとともに,災害の発生時においては当該予防活動を実践すること。
(4) 社会貢献として,市へ防災・減災に関する最新の技術支援や防災製品の提供を行うとともに,市との間で災害発生時を想定した応援協定を締結すること。
(市の責務)
第7条 市は,その責務として次の事項を行うよう努めるものとする。
(1) 防災・減災対策を確実に実施するため,長期的視点に立った必要な体制の整備及び強化を図ること。
(2) 市民,自主防災組織,事業者及び防災関係機関等と連携した防災・減災対策を推進すること。
(3) 災害時に迅速な応急対策を実施するため,事業者,団体及び他の地方公共団体等と平素の交流を図るとともに災害の発生時に相互の支援が可能となる体制の構築を図ること。
(4) 防災・減災対策を円滑に実施するため,必要なデータの整備及び保全並びにバックアップ体制の整備を推進すること。
(5) 防災・減災対策に資するための最新技術の調査研究を行い,その技術を導入すること。
(他の地方公共団体への支援等)
第8条 市は,次の事項につき,規則で定めるところによりあらかじめ定めておくよう努めるものとする。
(1) 他の地方公共団体において大規模な災害が発生した場合の支援に関する事項
(2) 災害時の協力に関する迅速かつ円滑な要請に関する事項
(3) 甚大な被害を受けた被災地及び被災者に対する支援に関する事項
(市の措置)
第9条 市は,これまでに経験のない災害及び複合災害等により,重大な被害が発生し,又は発生のおそれがある場合は,議会と協議し,又は国,県及び防災関係機関等と連携し,必要な措置を講じるものとする。
(市民防災の日)
第10条 市は,本市の観測史上,過去最高雨量を記録したが,市民一丸で重大被害を回避できたことを顕彰するとともに,本市で発生した災害の体験と教訓を風化させることなく将来にわたって継承するため,7月29日を市民防災の日と定める。
(委任)
第11条 この条例に定めるもののほか,この条例の施行に関し必要な事項は,別に定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は,令和2年12月1日から施行する。
(準備行為)
2 この条例を施行するために必要な準備行為は,この条例の施行の日前においても行うことができる。