○甲府地区広域行政事務組合消防本部救急業務規程

平成26年3月28日

消本規程第4号

目次

第1章 総則(第1条・第2条)

第2章 救急業務の管理等及び教育訓練(第3条―第11条)

第3章 救急隊等(第12条―第14条)

第4章 救急活動(第15条―第45条)

第5章 健康管理等(第46条―第50条)

第6章 救急業務計画等(第51条―第54条)

第7章 報告等(第55条―第62条)

第8章 事後検証等(第63条―第65条)

第9章 応急手当の普及啓発等(第66条)

第10章 雑則(第67条―第69条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この規程は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)及び消防法施行令(昭和36年政令第37号。以下「政令」という。)に基づく救急業務及びこれに関連する業務並びに救急救命士法(平成3年法律第36号)に基づく救急救命士等の業務の効率的運営を図るために必要な事項を定めるものとする。

(用語の定義)

第2条 この規程において次の各号に掲げる用語の定義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 救急業務 法第2条第9項に定める業務をいう。

(2) 救急事故 法第2条第9項及び政令第42条に定める救急業務の対象である事故をいう。

(3) 救急活動 救急隊が出場から帰署(所)までの救急業務を行う活動又は医師等を搬送する活動をいう。

(4) 医療機関等 医療法(昭和23年法律第205号)第1条に定める病院及び診療所及びその他の場所をいう。

(5) 救急資器材 救急活動用、普及業務用、訓練用及びその他救急業務等を行うために必要な資器材をいう。

(6) 救急救命士 救急救命士法第2条第2項に規定する者をいう。

(7) メディカルコントロール体制 救急救命士に対する指示体制、救急救命士を含む救急隊員に対する指導体制及び助言体制、救急活動の事後検証体制並びに救急救命士の再教育体制等の充実により救急隊員の資質の向上を図るとともに、救命効果の向上を目的として、消防と医療機関等が連携し推進する体制をいう。

(8) 口頭指導 第16条に定める指導をいう。

(9) 感染症 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号。以下「感染症法」という。)第6条に定める感染症をいう。

(10) PA連携 救急隊と消防隊等が、連携して傷病者の搬出・救護処置を行う行動をいう。

第2章 救急業務の管理等及び教育訓練

(救急業務の管理責任)

第3条 消防長は、救急事象の実態を把握し、これに対応する救急業務の執行体制の確立を図るとともに、その所属職員を指揮監督し、救急業務の運営について万全を期するものとする。

第4条 消防署長(以下「署長」という。)は、消防長の指揮監督のもと救急体制の確立を図るとともに、その所属職員を指揮監督し、救急業務の運営について万全を期するものとする。

(救急高度化の推進)

第5条 消防長は、メディカルコントロール体制を確立し、救急隊員の資質と救命効果の更なる向上を図るため、救急業務の高度化を推進するものとする。

(関係機関との連携)

第6条 消防長は、救急業務等に関係ある機関及び団体(以下「関係機関等」という。)と緊密な連携を図り、救急業務等の効率的な運営に努めるものとする。

(技能管理)

第7条 消防長又は署長は、救急隊員の知識及び技術(以下「技能」という。)の向上を図るために必要な指導並びに審査を行い、技能管理の適正を期するものとする。

2 消防長は、救急救命士等が実施する救急救命処置について技能管理の適正を期するため、次の各号の定めるところにより教養を実施するものとする。

(1) 救急救命士法第6条第2項に規定する救急救命士免許証の交付を受けた者の就業前教養

(2) 定期的な再教育

(救急隊員の教育及び訓練)

第8条 消防長及び署長は、救急隊員の救急業務等に関する知識の修得及び技術の向上を図るため、必要な教育及び訓練を行うよう努めなければならない。

2 消防長は、救急救命士が救急業務に就業する前の教育、就業中の技能の維持と向上を図るための再教育等を別に定める山梨県メディカルコントロール協議会の救急救命士の再教育病院実習要領(平成15年6月)等に基づき行わなければならない。

3 消防長は、救急救命士以外の隊員に対しても、教育の機会を与えるよう努めるものとする。

4 消防長は、前項の教育が終了したときは、その教育内容について確認し、以後の教育が更に効果的になるよう努めなければならない。

(救急技術指導者の指定)

第9条 消防長は、山梨県メディカルコントロール協議会が認定した指導救命士及び救急救命士の資格取得後実務経験が10年以上であり、かつ、消防司令補以上の階級にある者の中から、救急技術指導者を指定することができる。

(救急研究会)

第10条 消防長及び署長は、救急業務等に関する知識及び技術の向上を図るため必要と認めた場合は、救急研究会を開くことができる。

2 前項の救急研究会を実施した場合は、その結果を消防長に報告するものとする。

(訓練)

第11条 消防長又は署長は、救急隊員の技能向上を図るため、次の訓練を定期的に実施するものとする。

(1) 基本訓練 救急隊員として救急活動に必要な基本的技術を習得するために行うものをいう。

(2) 総合訓練 救急隊員として救急活動全般に対応できる活動能力の向上を図るために行うものをいう。

第3章 救急隊等

(救急隊の編成等)

第12条 救急隊は、救急自動車1台に救急隊員3人以上をもって編成する。ただし、傷病者を1の医療機関から他の医療機関へ搬送するときは、当該医療機関に勤務する医師、看護師、准看護師又は救急救命士が救急自動車に同乗したときに限り、救急自動車1台に救急隊員2人をもって編成することができる。

2 救急隊員は、救急隊長(以下「隊長」という。)、救急隊員(以下「隊員」という。)及び救急機関員(以下「機関員」という。)とし、次の各号に掲げる職員をもって充てるものとする。

(1) 救急救命士

(2) 救急隊員の行う応急処置等の基準(昭和53年消防庁告示第2号)第5条第2項に規定する者

(3) 政令第44条第3項第1号又は第2号に規定する者

(4) 救急隊長の指名は、消防士長以上の階級にある職員とする。

3 署長は、前項の規定による救急隊員の他に予備の救急隊員を指名しておくものとする。

4 救急自動車には、応急処置等に必要な資器材及び通信、救出等に必要な資器材で別表に掲げるものを備えるものとする。

(救急隊員の責務等)

第13条 救急隊員は、救急業務の万全を期すため、常に自己研鑽に勤め、知識及び技術の向上を図るとともに、次の事項を自覚し、業務を遂行する。

(1) 隊長は、救急業務全般の責任者であることを自覚し、隊員等を指揮監督し効果的な救急活動を行うものとする。

(2) 隊員等は、積極的に隊長を補佐し、効果的な救急活動を行うものとする。

(3) 救急隊員は、救急業務を実施するとともに、これに関する事務の処理及び救急資器材の維持管理を行うものとする。

(救急隊員の心得)

第14条 救急隊員は、次の各号に掲げる事項を遵守しなければならない。

(1) 救急業務に関する法令について。

(2) 救急業務の重要性を自覚し、救急業務に関する知識の修得及び技術の向上に努めること。

(3) 救急業務の実施に際しては、懇切丁寧を旨とし、傷病者にしゅう恥又は不快の念を抱かせることのないよう言動に留意すること。

(4) 救急業務上、知り得た秘密を他に漏らさないこと。

(5) 応急処置に際しては、適切な判断により行うこと。

(6) 常に救急資器材の点検及び整備を励行し、使用に際しては適正を期すること。

(7) 救急自動車の運転は、安全を旨とし、特に傷病者の状態に応じた運行に配慮すること。

(8) 常に身体及び着衣の清潔保持に努めること。

第4章 救急活動

(救急隊の出動)

第15条 消防長又は署長は、救急事故が発生した旨の通報を受けたとき、又は救急事故が発生したことを知ったときは、当該事故の発生場所、傷病者の数及び傷病の程度等を確認し、直ちに所要の救急隊を出動させなければならない。

(口頭指導)

第16条 消防長は、救急要請時又は現場出動途上の救急自動車等から救急現場付近にある者に対し、電話等により応急手当の協力を要請し、その方法を口頭で指導するものとする。

2 前項の口頭指導は、別に定める救急要請受信時の口頭指導に関する実施基準に従い、行うものとする。

3 第1項に定める口頭指導を実施したときは、口頭指導記録票(第1号様式)に記録し、検証票とともに、保管しなければならない。

(救急活動の原則)

第17条 救急活動は、傷病者の救命を主眼とし、傷病者の観察及び必要な応急処置を行い、速やかに傷病者の状態に適応する医療機関に搬送することを原則とし、次の各号の定めるところにより基本行動を行うものとする。

(1) 常に傷病者の立場に立ち、安全、迅速、確実な行動をする。

(2) 救急現場では、個人的な行動を慎み、救急隊員相互の連携を図り行動する。

(3) 不安感や焦燥感のある家族や衆人の目前で活動することを認識し、冷静な態度で行動する。

(4) 行動や言動が事務的となり、粗暴、粗雑にならないように注意する。

(5) 医師が同乗する場合の救急活動等における傷病者への観察、処置、搬送先医療機関の選定等については、医師の指示の下において活動するものとする。

(遵守事項)

第18条 救急活動の遵守事項については、次の各号の定めるところによるものとする。

(1) 推測した傷病者の傷病程度、予後等について言及しない。

(2) 医療機関の施設、観察能力、風評等に関することは口外しない。

(3) 傷病者のプライバシーの保護には、細心の注意を払う。

(4) 家族等関係者に、救急隊到着以前に行った応急手当で過誤があったと認められる場合でも、これをたしなめるなど、自尊心を傷つけるような言動は厳に慎む。

(観察等)

第19条 救急隊員は応急処置を行う前に、傷病者の症状に応じて救急隊員の行う応急処置等の基準(昭和53年消防庁告示第2号。以下「応急処置等の基準」という。)第5条第1項及び第2項に定められた観察等を行うものとする。

2 救急隊員は応急処置等の判断に資するため、傷病者本人又は関係者から主訴、原因及び既往症等を聴取するものとする。

3 第1項に定める観察等は、傷病者の症状に応じた応急処置等を行うため、傷病者の周囲の状況、救急事故の形態及び傷病者の状況等について把握するため行うものとする。

(救急隊員の行う応急処置)

第20条 救急隊員は前条の観察等に従い、傷病者を医療機関その他の場所に収容し、医師の管理下に置かれるまでの間又は救急現場に医師が到着するまでの間において、傷病者の状態その他の条件から応急処置を施さなければ、その生命が危険であり、又はその症状が悪化するおそれがあると認められる場合に、応急処置等の基準第6条に定める応急処置を行うものとする。

(救急処置拒否時の措置)

第21条 傷病者に救急処置を実施する必要性を認め、その旨を説得したにもかかわらず、傷病者又は保護者が救急処置を拒否した場合は、実施しないことができる。

2 医療機関へ搬送する場合は、拒否された以外の救急処置を実施する。

3 救急処置を拒否した場合は、実施した観察結果、相手への説明内容、拒否理由等を救急活動救急救命処置記録票(第2号様式)に明記すること。

(医師の指示又は指導若しくは助言)

第22条 救急救命士は、救急救命士法施行規則(平成3年厚生省令第44号)第21条で定める処置(以下「特定行為」という。)を行う場合は、別に定める「山梨県救急活動プロトコル等」に鑑みて、山梨県メディカルコントロール体制下の指示医師(以下「指示医師」という。)の具体的な指示(以下「具体的指示」という。)を受けなければならない。

2 救急隊員は、指示医師が臨場した場合等は、その医師に具体的指示又は指導若しくは助言を求めることができる。

(医師の要請)

第23条 指令課通信員及び隊長は、次の各号に掲げる場合は、速やかに救急現場に医師を要請し、必要な措置を講ずるものとする。

(1) 傷病者の状態からみて搬送することが生命に危険であると認められる場合

(2) 傷病者の状態からみて搬送可否の判断が困難な場合

(3) 傷病者の救助にあたり、医療を必要とする場合

(4) 傷病者の搬送及び受入れの実施に関する基準(以下「実施基準」という。)第7号に関する基準に定める場合

(5) 集団災害事故発生時の救急救護活動計画により同時多数の傷病者が発生した事故等の現場で、診療又は診断が必要とみとめられる場合

(医師の同乗要請)

第24条 救急自動車への医師の同乗要請は、次の各号に掲げる場合に行うことができる。

(1) 救急現場にある医師が、医師の管理のもとに医療機関に搬送する必要を認めた場合

(2) 傷病者の搬送途上で、容態の急変により一時的な医療処置を受けるために立ち寄った医療機関の医師が、目的医療機関まで医療を継続する必要を認めた場合

(3) 前号に定めるもののほか、救急隊長が傷病者の状態から医師の同乗が必要であると認めた場合

(救急現場付近にある者への協力要請)

第25条 救急隊員は、救急現場において救急活動上緊急の必要があると認めるときは、付近にある者に対し協力を求めるものとする。

(傷病者の重症度・緊急度及び傷病者の搬送)

第26条 隊員は、別に定める救急搬送における傷病者の重症度・緊急度判断基準により、傷病者に対する適切な観察及び応急処置並びに医療機関の選定について適正に対処しなければならない。

(医療機関の選定)

第27条 傷病者の搬送に当たっては、傷病者の病状に適応した医療が速やかに受けられ、かつ、最も近い医療機関を選定するものとする。

2 前項の傷病者の搬送は、「実施基準」を遵守しなければならない。

3 傷病者又は傷病者の家族等から特定の医療機関へ搬送を依頼されたときは、次の各号に基づき医療機関を選定することができる。

(1) 消防本部管轄外の医療機関へ搬送を依頼された場合は、救急現場が隣接市町との境界に近く、かつ、傷病者の症状又は救急業務上の支障の有無を判断し、可能な範囲において依頼された医療機関に搬送することができる。

(2) 特殊な傷病で傷病者の症状に適応する治療が消防本部管轄内の医療機関で困難な場合は、傷病者又は関係者と搬送先医療機関の医師との間で、傷病者の受け入れについての了承がなされている場合は、当該医療機関を選定することができる。

(傷病者の搬送)

第28条 傷病者の搬送に当たっては、傷病者の状態からみて搬送可能と認められる場合に限り当該傷病者を搬送するものとし、傷病者が複数の場合は、症状が重いと認められる者を優先するものとする。ただし、傷病者又はその保護者が搬送を拒んだ場合は、この限りでない。

(不搬送時等の同意署名)

第29条 前条ただし書きの規定により傷病者を搬送しない場合は、不搬送同意書(第3号様式)に傷病者等に理由及び署名を求めて、救急活動救急救命処置記録票に添付するものとする。

2 前項の同意署名は、次の各号のいずれかに該当する傷病者等には求めないものとする。

(1) 未成年者

(2) 意識が清明ではない又は精神上の障害、認知症等により事理を弁識することが困難であると思われる者

(3) 保護者であっても状況から傷病者を保護することが妥当でないと思われる者

3 「不搬送同意書」が取れなかった場合は、その理由を詳細に救急活動記録票に記載しておくものとする。

(傷病者の搬送制限)

第30条 救急隊は、傷病者が次の各号のいずれかに該当するときは、当該傷病者を搬送しないものとする。

(1) 傷病者が明らかに死亡している場合

(2) 医師が死亡していると診断した場合

(3) 感染症法第6条に定まる1類感染症、2類感染症、指定感染症、新感染症又は新型インフルエンザ等感染症の場合及び同法第8条、第21条又は第26条に該当する場合

2 前項第1号に規定する明らかに死亡している場合とは、次の各号のいずれかに該当する場合をいう。

(1) 頭部や体幹の離断又は脳脱等の身体損壊が生じている場合

(2) 腐乱、炭化及びミイラ化が生じている等、生存状態と矛盾する身体への損害がある場合

(3) 観察結果から次に掲げる事項のすべてが確認できる場合

 意識がJCS300であること

 呼吸が全く感じられないこと

 総頸動脈で脈拍が全く触知できないこと

 瞳孔の散大が認められ、対光反射が全くないこと

 体温が感じられず、冷感が認められること

 死後硬直又は死斑が認められること

 心電図モニター上、「心静止」であること(ペースメーカーのスパイク波に注意する必要あり)

(4) 前項第3号の観察結果から死亡していると判断する事項すべてに該当していても、偶発性低体温や中毒等による心肺停止及び死後経過時間から判断して蘇生の可能性がある場合は、指示医師から、指導及び助言を受け、最大限の救命処置を施し医療機関に搬送しなければならない。

(感染症が疑われる傷病者を搬送した場合)

第31条 隊長は、感染症法第6条に規定する1類感染症、2類感染症、3類感染症、4類感染症の一部、新感染症、新型インフルエンザ等感染症及び指定感染症を疑われる傷病者を搬送した場合は、隊員及び救急自動車等の汚染に留意し、直ちに所定の消毒を行い、この旨を消防長に報告するとともに、当該傷病者に対する医師の診断結果を確認し、所要の措置を講じるものとする。

(転院搬送)

第32条 現に医療機関にある傷病者を医療上の理由により他の医療機関に搬送する場合(以下「転院搬送」という。)は、当該医療機関の医師の要請がある場合及び搬送先医療機関が確保されている場合に行うものとする。

2 前項の転院搬送を行う場合は、当該医療機関の医師を同乗させるものとする。ただし、医師が同乗による病状管理の必要がないと認め、搬送中における病状管理に関して必要な措置を講じた場合に限り、医師を同乗させることなく搬送することができる。

3 当該医療機関に勤務する医師、看護師、准看護師又は救急救命士が救急自動車に同乗したときに限り、救急自動車1台に救急隊員2人をもって転院搬送することができる。

(関係者の同乗)

第33条 隊長は、傷病者の搬送に当たっては、必要により救急現場にある関係者の同乗を求めるものとする。

2 未成年者又は意識等に障害があり正常な意思表示ができない傷病者を搬送する場合は、原則として関係者に同乗を求めるものとする。

3 救急隊員は、救急業務の実施に際し、関係者又は警察官が同乗を求めたときは、努めてこれに応ずるものとする。

(身元の確認及び所持品の取扱)

第34条 身元確認等のため、やむを得ず所持品を調べる場合は、警察官、医師等の第三者の立会いのもとに行い、所持品の取扱いについては十分留意するものとする。

2 傷病者の搬送に当たっては、その所持品及び遺留品の取扱いに留意し、紛失、錯誤等の防止に努める。

3 傷病者が自己の所持品を管理ができない状態にあるときの所持品の保管については、保護者、警察官及び医師等に依頼するなど、保管先を明らかにしておく。

4 傷病者の所持する金品の取扱いは、特に慎重に行う。

5 隊長は、身元不明者又は生活保護に該当する被保護者又は要保護者と認められる傷病者を保護したときは、その旨を関係機関に連絡し、指示を受けるものとする。

(傷病者管理等)

第35条 傷病者への対応は、身体的な損傷だけにとらわれるのではなく、相手の心情を十分把握し、全人格的な対応を行うこと。

2 傷病に対する傷病者本人又は家族等の反応が様々であり、個々の特性に応じて的確に対応することとする。

(傷病者の関係者への連絡)

第36条 隊長は、傷病者の状況により必要があると認めるときは、家族その他関係者に対して傷病の程度、収容先医療機関等その他必要な事項を連絡するものとする。

(現場保存)

第37条 救急隊員は、救急業務の実施に際し、傷病の原因に犯罪の疑いがあると認めた場合は、速やかに所轄の警察署長に通報するとともに努めて現場保存に留意しなければならない。

(特殊傷病者の取扱い)

第38条 特殊傷病者の取扱いについては、次の各号によるものとする。

(1) 麻薬及び向精神薬取締法(昭和28年法律第14号)第2条に定める麻薬中毒者及び覚せい剤その他により中毒症状を呈する者の搬送はしないものとする。ただし、他に傷病があり、その生命が危険な場合又はその症状が悪化するおそれがあると認められる場合は、保護義務者又は警察官により救急隊員の安全が確保された上でこれを搬送することができる。

(2) 放射性同位元素(以下「放射性物質」という。)の貯蔵又は取扱施設において放射性物質により汚染を受けた者への対応は、同施設の放射線管理者等と密接な連携を図り行うものとする。

(3) 前各号に定めるもののほか、特殊な傷病者を対象とする場合は、関係機関又は関係者と密接な連絡をとり、適切な措置を講ずるものとする。

(精神障害の疑いがある者の取扱い)

第39条 隊長は精神障害の疑いがある者を取扱う場合には、次に規定する事項に留意するものとする。

(1) 救急業務に該当する傷病が認められ、自傷他害のおそれがないと認めるときは、当該傷病に適応する医療機関に搬送するものとし、自傷他害のおそれがあると認めるときは、警察官又は保護義務者等により救急隊員の安全が確保された後、警察官等の同乗の上搬送するものとする。

(2) 救急業務に該当する傷病が認められず、自傷他害のおそれがないと認めるときは、精神科救急受診相談センター及びかかりつけ医療機関等へ相談しその指示に従うものとし、自傷他害のおそれがあると認めるときは、警察官の派遣を要請し、当該警察官到着後不搬送とすることができるものとする。

(犯罪等による傷病者の取扱い)

第40条 隊長は、次の各号に掲げる傷病者を取り扱った場合は、速やかに災害発生場所を管轄する警察署長へ連絡するとともに証拠の保全に留意するものとする。

(1) 傷病の原因が犯罪による疑いがあると認められる場合

(2) 交通事故による場合

(3) 労働災害事故による場合

(4) 自殺企図者を救護した場合

(5) 自殺の傷病者を取り扱った場合

(泥酔している傷病者の取扱い)

第41条 隊長は、泥酔している傷病者を搬送するときは、その関係者又は警察官の同乗を求めるものとする。

2 隊長は、泥酔している傷病者を搬送しないときは、関係者へ連絡するか警察官に保護を依頼するものとする。

(警察官への協力要請)

第42条 隊長は、傷病者が暴力的行動、錯乱状態、泥酔等のため隊員及び付近にある者に対して危害を及ぼすおそれがあると認められる場合、又は救急活動上必要があると認められる場合は、警察官の協力を要請するものとする。

(応援の出動及び要請)

第43条 消防長は、救急業務に関し消防組織法に基づく消防相互応援協定が締結されている場合は、当該協定の定めるところにより応援の出動又は要請をすることができる。

(消防隊との連携)

第44条 指令課長は、救急要請受信時に必要があると判断した時は、別に定める甲府地区広域行政事務組合消防本部救急隊と消防隊等との連携活動実施要綱(平成25年1月)に従い、消防隊等を出場させるものとする。

2 救急隊は、前項の規定により出場した消防隊等と相互に連携を図るとともに、救急業務を効果的に実施する。

(救急薬剤保管管理)

第45条 救急業務で使用する救急薬剤の保管及び管理については、別に定める甲府地区消防本部救急薬剤保管管理実施要綱(平成20年6月)に基づき、適性に保管及び管理を実施しなければならない。

第5章 健康管理等

(救急隊員の健康管理)

第46条 救急隊員は、常に自己の健康状態を最良に保持するよう努めなければならない。

2 署長は、救急隊員が救急活動に従事したときは、必要に応じ次の各号に掲げる措置を講じ、健康管理に万全を期さなければならない。

(1) 帰所後、速やかに洗身、洗眼、切傷の消毒等を励行させること。

(2) 感染症の患者等を搬送した場合は、必要な消毒を行うほか、医師の診察を受けさせること。

(3) 放射性物質貯蔵施設等で救急活動に従事したときは、医師の診察を受けさせること。

(安全管理)

第47条 救急現場における安全管理の主体は、救急隊員とする。

2 救急隊員は、安全確保の基本が自己の管理にあることを認識し、救急現場における安全監視、危険要因の排除等二次的災害の防止に努めなければならない。

3 前2項に定めるもののほか、救急隊員の安全管理については、甲府地区広域行政事務組合消防安全管理規程(昭和59年8月消本規程第5号)によるものとする。

(消毒)

第48条 救急自動車及び積載品等の消毒は、次に定めるところにより行うものとする。

(1) 定期消毒 週1回

(2) 使用後消毒 毎使用後

2 前項第1号による定期消毒を実施したときは、その旨を救急自動車定期消毒実施記録簿(第4号様式)に記録しておくものとする。

(感染防止対策)

第49条 消防長は、救急隊員等が救急業務等の実施に際し、感染症に感染しないための対策を講じるものとする。

(感染性廃棄物の処理)

第50条 署長は救急業務の実施に際し、感染症等による感染を防止するため、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第3条第1項の規定に基づき、感染性病原体が含まれ、若しくは付着している廃棄物又はこれらのおそれのある廃棄物(以下「感染性産業廃棄物」という。)を適正に処理しなければならない。

2 感染性産業廃棄物の処理に関して必要な事項は、別に定める。

第6章 救急業務計画等

(救急業務計画)

第51条 大規模災害等により傷病者が多数発生した場合の救急活動計画は、別に定める甲府地区広域行政事務組合消防計画及び集団災害事故発生時の救急救護活動計画による。

2 消防長は、前項に定める計画に基づき毎年1回以上の訓練を行うものとする。

(救急調査)

第52条 署長は、救急業務の円滑な実施を図るため、次に定めるところにより調査を行うものとする。

(1) 地勢及び交通の状況

(2) 救急事故が発生するおそれがある対象物の位置及び構造

(3) 医療機関の位置及びその他の事項

(4) その他救急業務の円滑な実施を図るため必要と認める事項

(追跡調査)

第53条 隊長は、心肺機能停止傷病者等を医療機関に搬送した場合及び県等からの調査依頼に該当する傷病者を搬送した場合は、搬送後おおむね1か月以内においてその傷病者の転帰等について追跡調査に努めるものとする。

(患者等搬送事業者の指導)

第54条 消防長は、患者等搬送事業者に対し利用者の安全性を確保するため、指導を行うものとする。

2 患者等搬送事業者の指導に関し、必要な事項は、別に定める。

第7章 報告等

(証人等の出頭)

第55条 隊員は、救急業務に関して法令の規定に基づき、司法機関、捜査機関等に出頭し、若しくは供述し、又は資料を提出しようとするときは、消防長の許可を受けなければならない。

2 隊員は、前項の出頭等をしたときは、その内容等について消防長に報告するものとする。

(救急業務に関する照会)

第56条 消防長は、裁判所若しくは裁判所以外の官公署若しくは弁護士会又は本人等から法的根拠を示して救急業務について照会があった場合は、回答するものとする。

(救急搬送証明)

第57条 署長は、救急隊が取り扱った傷病者又は関係者から証明を求められたときは、甲府地区広域行政事務組合消防本部救急搬送証明に関する事務処理規程(平成元年12月消防規程第5号)に定めるところにより証明書を交付するものとする。

(出場報告等)

第58条 隊長は、救急業務を行った場合は、救急活動救急救命処置記録票(第2号様式)により所要事項を消防OAシステムに入力し、署長及び消防長に報告するものとする。ただし、特別な事案等で必要があると認められるときは、直ちに報告しなければならない。

2 隊長は、傷病者を搬送し医療機関に収容した場合は、初診した医師に対して傷病者との接触時の所見等を記入した救急搬送引継書(第5号様式)を手渡し、当該医師が所見等を記入署名した後、それぞれ1部を保管するものとする。

3 隊長は、特定行為のため、医師に対し指示要請を行った場合は、必要項目及び処置内容等を行った場合は、救急活動救急救命処置記録票(第2号様式)により所要事項を消防OAシステムに入力し、署長及び消防長に報告するものとする。

4 前項の特定行為に係る事後検証票等の事務処理要領は、別に定めるものとする。

5 署長は、救急活動救急救命処置記録票及び救急活動に関連する記録等を5年間保存しなければならない。

(救急月報)

第59条 署長は、救急月報(別に定める様式)により、毎月の活動状況を翌月の初日までに消防長に報告しなければならない。

(救急即報等)

第60条 署長は、救急事故が次の基準に該当する場合は、速やかに救急・救助即報(第6号様式)により消防長に報告するものとする。

(1) 死者5人以上の救急事故

(2) 死者及び負傷者の合計が15人以上の救急事故

(3) 要救助者が5人以上の救助事故

(4) 覚知から救助完了までの所要時間が5時間以上を要した救助事故

(5) その他報道機関に取り上げられる等社会的影響度が高い救急・救助事故(社会的影響が高いことが判明した時点での報告を含む。)

2 消防長は、前項の報告を受けた場合は、速やかに火災・災害等即報要領(昭和59年10月消防災第267号)により、県に報告しなければならない。

(救急年報報告)

第61条 署長は、救急事故等報告要領(昭和39年自消甲教発第18号)により、毎年の管内の救急活動状況について、消防長に報告しなければならない。

(救急業務日誌)

第62条 救急隊員は、救急業務実施状況を救急業務日誌(第7号様式)に記録するものとする。

第8章 事後検証等

(事後検証体制)

第63条 消防長は、隊員の医学的知識及び応急処置の高度化を図るため、医師等による事後検証体制を構築し、隊員の再教育を図るものとする。

(事後検証の区分)

第64条 事後検証は、内部検証及び医師検証に区分し、その内容は、次に掲げるとおりとする。

(1) 内部検証 救急技術指導者により、迅速性、協調性、他の救急隊との連携等の観点を含めた救急活動全般に関する検証を行うものとする。

(2) 医師検証 メディカルコントロール担当医療機関の検証医により、医学的観点から救急活動の検証を行うものとする。

(事後検証)

第65条 隊長は、山梨県メディカルコントロール体制で定められた心肺停止等の救急事故を取り扱った場合は、速やかに別に定める事後検証票を作成し、必要と認める他の資料を添えて救急技術指導者に報告しなければならない。

2 救急技術指導者は、前項の規定により報告を受けた都度、内部検証を行い事後検証票の救急技術指導者所見欄に検証結果を記入するものとする。

3 救急技術指導者は、前項の規定により内部検証を行った後、事後検証票を救急援助課長を経由して、メディカルコントロール体制で定められた担当者及び担当医療機関の検証医に送付し、医師検証を受けるものとする。

4 救急技術指導者は、検証医から返送された事後検証票の検証結果について、症例検討会等の機会を通じて隊員に伝達を行うものとする。

5 前項の規定により返送された事後検証票は、5年間保存しなければならない。

第9章 応急手当の普及啓発等

(住民に対する普及啓発)

第66条 消防長は、別に定める甲府地区広域行政事務組合消防本部応急手当の普及啓発活動に関する実施規程(平成17年3月消本規程第5号)に基づき、住民に対する応急手当の普及啓発活動を計画的に推進しかつ、柔軟に対応しなければならない。

第10章 雑則

(指輪の離脱)

第67条 隊長等は、リングカッター等による指輪の離脱を求められたときは、誓約書(第8号様式)に署名押印を得た後行うものとする。

(同乗実習)

第68条 消防長は、医療に従事する者等から救急自動車同乗実習申請書(第9号様式)により同乗実習の申請があったときは、これを承認することができる。この場合において、消防長は、救急自動車同乗実習承認書(第10号様式)を交付するものとする。

(その他)

第69条 この規程に定めるもののほか、必要な事項は、別に定める。

附 則

この規程は、平成26年4月1日から施行する

附 則(平成27年消本規程第3号)

この規程は、公布の日から施行する。

別表(第12条関係)

分類

品名

分類

品名

分類

品名

観察用資器材

血圧計

呼吸・循環管理用資器材

気道確保用資器材

通信用資器材

携帯電話

血中酸素飽和度測定器

吸引器一式

情報通信端末

検眼ライト

喉頭鏡

無線装置

心電計

酸素吸入器一式

その他の資器材

懐中電灯

体温計

自動式人工呼吸器一式

救急バック

聴診器

自動体外式除細動器

トリアージタッグ

血糖値測定器

手動式人工呼吸器一式

膿盆

呼吸・循環管理用資器材

気道確保用資器材

マギール鉗子

はさみ

吸引器一式

創傷等保護用資器材

固定用資器材

ピンセット

喉頭鏡

創傷保護用資器材

分娩用資器材

酸素吸入器一式

保温・搬送用資器材

雨おおい

冷却用資器材

自動式人工呼吸器一式

スクープストレッチャー

汚物入

自動体外式除細動器

担架

在宅療法継続用資

器材

手動式人工呼吸器一式

バックボード

その他

必要と認められる資器材

マギール鉗子

保温用毛布

呼気二酸化炭素測定器具

救出用資器材

救命網

自動式心マッサージ器

救命浮環

ショックパンツ

万能斧

心肺蘇生用背板

切断用器具

特定行為用資器材

感染等防止用資器材

感染防止用資器材

ビデオ硬性挿管用喉頭鏡

消毒用資器材

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甲府地区広域行政事務組合消防本部救急業務規程

平成26年3月28日 消防本部規程第4号

(平成27年11月16日施行)

体系情報
第8編 務/第1章 防/第4節
沿革情報
平成26年3月28日 消防本部規程第4号
平成27年11月16日 消防本部規程第3号