○神崎町公害防止条例
昭和47年7月10日
条例第18号
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、公害の防止について必要な事項を定めることにより、町民の健康を保護するとともに、生活環境を保全することを目的とする。
(1) 公害 事業活動その他の人の活動によつて生ずる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。以下同じ。)、土壌の汚染、騒音、振動、地下水位の著しい低下、地盤の沈下及び悪臭によつて、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。以下同じ。)に係る被害が生ずることをいう。
(2) ばい煙 次に掲げる物質をいう。
ア 燃料その他の物の燃焼によつて発生するいおう酸化物
イ 燃料その他の物の燃焼又は熱源としての電気の使用に伴い発生するばいじん
ウ 物の燃焼、合成、分解その他の処理(機械的処理を除く。)に伴い発生する物質のうち、カドミウム、塩素、弗化水素、鉛、窒素酸化物、硫化水素その他人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある物質(アに掲げるものを除く。)であつて規則で定めるもの。
(3) 粉じん 物の破砕、選別その他の機械的処理又はたい積に伴い発生し、又は飛散する物質をいう。
(4) ばい煙等 ばい煙、粉じん、汚水、廃液、土壌の汚染、騒音、振動、地下水位の著しい低下、地盤の沈下及び悪臭をいう。
(5) 特定施設 工場又は事業場(以下「工場」という。)に設置される機械及び施設のうち、ばい煙等を発生し、及び排出し、又は飛散させる機械若しくは施設であつて規則で定めるものをいう。
(6) 特定作業 ばい煙等を発生し、及び排出し、又は飛散させる作業のうち、業として行なわれる作業であつて規則で定めるものをいう。
(7) 特定建設作業 建設工事として行なわれる作業のうち、著しい騒音を発生する作業であつて規則で定めるものをいう。
(8) 規制基準 発生し、及び排出され、又は飛散するばい煙等の量、濃度又は程度(以下「ばい煙等の量等」という。)の許容限度(地下水位の著しい低下及び地盤の沈下にあつては、これらを発生する方法の許容限度)をいう。
第2章 公害防止に関する責務
(事業者の責務)
第3条 事業者は、その事業活動に伴つて生ずるばい煙、汚水、廃棄物等の処理等公害を防止するために必要な措置を講ずるとともに、町が実施する公害の防止に関する施策に協力しなければならない。
2 事業者は、規制基準に違反しないことを理由として、公害の防止のための努力を怠つてはならない。
(町の責務)
第4条 町は、公害の防止に関し、千葉県と密接な連携のもとに積極的な施策を講じ、もつて町民の健康で安全かつ快適な生活を確保するものとする。
(町民の責務)
第5条 町民は、公害を発生させることのないように努めるとともに、町が実施する公害の防止に関する施策に協力する等公害の防止に寄与するよう努めなければならない。
第3章 公害の防止に関する基本的施策
(地域公害防止計画の策定)
第6条 町長は、住民の健康を保護し、及び生活環境を保全するため、公害の防止に関する施策に係る総合的な計画を策定し、及びこれを達成するために必要な措置を講じなければならない。
(他の地方公共団体との協力)
第7条 町長は、他の地方公共団体に協力を求め、公害の発生原因、発生状況等についての監視調査及び研究等を共同して行なうよう努めるとともに、他の地方公共団体からの協力の求めに応じなければならない。
2 町長は、公害を防止するうえにおいて、千葉県の措置が必要であると認めるときは、千葉県知事に対し必要な措置をとるべきことを要請するものとする。
(知識の普及等)
第8条 町長は、公害に関する知識の普及を図るとともに、公害の防止の思想を高めるように努めなければならない。
第9条 削除
第10条 削除
第11条 削除
第4章 ばい煙等の排出等の規制
第1節 規制基準等
(規制基準の制定)
第12条 町長は、公害を防止するために必要な規制基準を規則で定めるものとする。
2 町長は、前項の規定により規制基準を定めようとするときは、神崎町公害対策審議会の意見をきかなければならない。これを変更し、又は廃止しようとするときも同様とする。
(規制基準の遵守義務)
第13条 ばい煙等を発生し、及び排出し、又は飛散させる者は、規制基準を遵守しなければならない。
(規制基準の定めがない公害の措置)
第14条 町長は、第12条の規定による規制基準の定めがないばい煙等により現に公害が発生し、または発生するおそれがあると認めるときは、当該公害に係るばい煙等を発生し及び排出し、又は飛散させる者に対し、公害を防止するため必要な措置をとるべきことを勧告することができる。
(ばい煙等の測定)
第15条 特定施設を設置している者のうち規則で定めるものは、規則で定めるところにより、当該特定施設に係るばい煙等の量等を測定し、その結果を記録しておかなければならない。
(事故時における措置)
第16条 特定施設を設置している者は、当該特定施設について故障、破損その他の事故が発生し、当該事故に係る特定施設から発生し、及び排出され、又は飛散するばい煙等の量等が規制基準に適合しないものとなつたとき、又はそのおそれがあるときは、直ちに、その事故について応急の措置を講ずるとともに、その旨を町長に届け出て、その事故をすみやかに復旧するように努めなければならない。
2 前項の規定による届出をした者は、その届出に係る事故について復旧工事を完了したときは、すみやかにその旨を町長に届け出なければならない。
(異常気象等の発生時における措置)
第17条 町長は、濃霧の発生、異常渇水の継続等特別の事情の発生により、ばい煙等の発生及び排出又は飛散が住民の健康を害し、又は生活環境を著しくそこなうおそれがあると認めるときは、ばい煙等を発生し、及び排出し、又は飛散させる者に対し、必要な措置をとるべきことを求めなければならない。
第2節 特定施設及び特定作業の規制
(特定施設の設置の届出)
第18条 特定施設を設置しようとする者は、次の各号に掲げる事項を記載した届書により町長に届け出なければならない。
(1) 氏名(法人にあつては、名称及び代表者の氏名)及び住所
(2) 特定施設の設置に係る工場等の名称及び所在地
(3) 特定施設の種類及びその種類ごとの数
(4) 特定施設の構造
(5) 特定施設の使用の方法
(6) ばい煙等の防止又は処理の方法(以下「ばい煙等の防止方法」という。)
(7) その他規則で定める事項
2 前項に規定する届出書には、当該特定施設の配置図その他規則で定める書類及び図面を添付しなければならない。
(特定作業の実施の届出)
第19条 特定作業を行なおうとする者は、次の各号に掲げる事項を記載した届書により、町長に届け出なければならない。
(1) 氏名(法人にあつては、名称及び代表者の氏名)及び住所
(2) 特定作業の場所、実施の期間及び作業の時間
(3) 特定作業の目的に係る施設
(4) ばい煙等の防止方法
(5) その他規則で定める事項
2 前項に規定する届書には、当該特定作業の場所の附近の見取図その他規則で定める書類及び図面を添付しなければならない。
(構造等の変更等の届出)
第21条 第18条第1項、第19条第1項又は前条第1項の規定による届出をした者は、その届出に係る第18条第1項第3号から第7号まで又は第19条第1項第3号から第5号までに掲げる事項の変更をしようとするときは、その旨を町長に届け出なければならない。ただし、当該事項の変更が当該特定施設又は当該特定作業に係るばい煙等の量等の増加を伴わない場合は、この限りでない。
2 第18条第1項、第19条第1項、又は前条第1項の規定による届出をした者は、その届出に係る第18条第1項第1号若しくは第2号又は第19条第1項第1号若しくは第2号に掲げる事項に変更があつたとき、又はその届出に係る特定施設又は特定作業(以下「特定施設等」という。)を廃止したときは、その変更又は廃止の日から30日以内にその旨を町長に届け出なければならない。
3 前2項の規定による命令又は勧告を受けた者は、当該命令又は当該勧告に従い、当該措置を講じたときは、すみやかにその旨を町長に届け出なければならない。
(改善命令等)
第25条 町長は、特定施設等(騒音に係るものを除く。)に係るばい煙の量等が規制基準に適合しないと認めるときは、当該ばい煙等を発生し、及び排出し、又は飛散させる者に対し、期限を定めて当該特定施設等の使用の方法等の改善を命ずることができる。
2 町長は、前項の規定による命令を受けた者がその命令に従わないときは、審議会の意見を聞いて当該特定施設の使用の一時停止又は当該特定作業の一時停止を命ずることができる。
3 町長は、特定施設等に係る騒音が規制基準に適合しないことにより、その特定施設が設置されている工場等又は特定作業の場所の周辺の生活環境がそこなわれていると認めるときは、当該特定施設を設置している者又は当該特定作業を行なう者に対し、その事態を除去するために必要な限度において、期限を定めて騒音の防止の方法の改善、特定施設の使用の方法若しくは配置の変更又は特定作業の作業時間の変更を勧告することができる。
第26条 削除
第3節 特定建設作業の規制
(特定建設作業の実施の届出)
第28条 病院、学校等の施設の周辺の区域その他特に騒音の防止を図る必要がある区域であつて、規則で定める区域内において、特定建設作業を伴う建設工事を施行しようとする者は、当該特定建設作業の開始の日の7日前までに(災害その他非常の事態の発生により特定建設作業を緊急に行なう必要がある場合にあつては、すみやかに)次の各号に掲げる事項を記載した届出書により、町長に届け出なければならない。
(1) 氏名(法人にあつては、名称及び代表者の氏名)及び住所
(2) 建設工事の目的に係る施設又は工作物の種類
(3) 特定建設作業の場所および実施の期間
(4) 騒音の防止の方法
(5) その他規則で定める事項
2 前項に規定する届出書には、当該特定建設作業の場所の附近の見取図その他規則で定める書類及び図面を添付しなければならない。
(改善勧告及び改善命令)
第29条 町長は、前条第1項の規則で定める区域内において行なわれる特定建設作業に係る騒音が規制基準に適合しないことにより、その特定建設作業の場所の周辺の生活環境が著るしくそこなわれていると認めるときは、当該建設工事を施行する者に対し、その事態を除去するために必要な限度において、期限を定めて騒音の防止の方法の改善又は特定建設作業の作業時間の変更を勧告することができる。
第4節 飲食店営業等における音響機器使用等の規制
(拡声機の使用の制限)
第30条 何人も、拡声機を使用する場合であつて、次の各号の1に該当するときは、拡声機の使用方法、使用の時間等について規則で定める事項を遵守しなければならない。
(1) 病院、学校その他これらに類する施設の周辺の区域であつて規則で定める区域において商業宣伝を目的として拡声機を使用するとき。
(2) 前号に規定するもののほか、屋外において又は屋内から屋外に向けて拡声機を使用するとき。
(1) 法令により認められた目的のために使用するとき。
(2) 広報その他の公共の目的のために使用するとき。
(3) 官公署、学校、工場等において時報等のために使用するとき。
(4) 祭礼、盆踊り、運動会その他の社会生活において相当と認められる一時的行事のために使用するとき。
(飲食店営業等における音響機器の使用時間の制限)
第31条 良好な住居の環境を保全するため、静穏の保持を特に必要とする区域として規則で定める区域において、飲食店営業その他の規則で定める営業(以下「飲食店営業等」という。)を行う者は、深夜(午後11時から翌日の午前6時までの間をいう。)においては、カラオケ装置その他の規則で定める音響機器を使用し、又は使用させてはならない。ただし、当該音響機器から発生する音が当該営業を行う場所の外部に漏れない場合は、この限りでない。
(飲食店営業等の騒音に係る改善命令等)
第31条の2 町長は、飲食店営業等に係る深夜等(午後7時から翌日の午前6時までの間をいう。次条において同じ。)における騒音(客の出入りに伴う騒音を含む。以下この条において同じ。)が規制基準に適合しないことにより、当該騒音を発生する場所の周辺の生活環境が著しく損なわれていると認めるときは、当該営業を行う者に対し、期限を定めて、当該騒音の防止方法の改善、当該営業の時間の制限その他必要な措置を講ずることを命ずることができる。
2 町長は、前条の規定に違反していることにより、当該騒音を発生する場所の周辺の生活環境が著しく損なわれていると認めるときは、当該営業を行う者に対し、期限を定めて、当該違反行為の停止、当該営業の時間の制限その他必要な措置を講ずることを命ずることができる。
(飲食店営業等に係る利用者の責務)
第31条の3 深夜等において、飲食店営業等を行う場所を利用する者は、みだりに付近の静穏を害する行為をしてはならない。
(屋外燃焼行為の禁止)
第32条 何人も、ゴム、いおう、ピツチ、皮革、合成樹脂その他の燃焼の際著しくばい煙又は悪臭を発生するおそれのある物質を屋外において多量に燃焼させてはならない。ただし、焼却炉の使用その他のばい煙又は悪臭の発生を最小限にする方法により燃焼させるときは、この限りでない。
第5章 雑則
(報告の徴収)
第34条 町長は、この条例の施行に必要な限度において、ばい煙等を発生し、及び排出し、若しくは飛散させる者に対し、ばい煙等の発生及び排出若しくは飛散の状況若しくはばい煙等の量等その他必要な事項に関し報告させることができる。
(立入検査)
第35条 町長は、この条例の施行に必要な限度において、当該職員に、ばい煙等を発生し、及び排出し若しくは飛散させる工場等に立ち入り、帳簿書類若しくはばい煙等を発生し、及び排出し、若しくは飛散させる施設その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
(苦情の相談)
第36条 町長は公害苦情相談員を置き、公害に関する苦情について町民の相談に応じるものとする。
(規則への委任)
第37条 この条例の施行に関し、必要な事項は規則で定める。
第6章 罰則
第40条 次の各号の1に該当する者は、3万円以下の罰金に処する。
(1) 第15条の規定による記録をせず、又は虚偽の記録をした者
(3) 第23条第1項の規定に違反した者
(4) 第34条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
(5) 第35条の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
(両罰規定)
第41条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前3条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。
附則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から3月以内において、規則で定める日から施行する。
(経過措置)
2 千葉県公害防止条例(昭和45年千葉県条例第4号。以下「県条例」という。)の規定に基づいてなされた届出、勧告、命令、調査その他の行為は、それぞれこの条例の相当規定に基づいてなされたものとみなす。この条例の施行の際現になされている届出、勧告、命令、調査その他の行為も同様とする。
3 この条例の施行の際現に県条例第2条第6号の特定建設作業が行なわれているときは、当該特定建設作業が終了するまでの間、県条例第29条の規定を適用する。
附則(昭和59年条例第5号)
この条例は、公布の日から起算して90日を経過した日から施行する。
附則(平成8年条例第12号)抄
(施行期日)
1 この条例は、平成9年7月1日から施行する。