○熊本市消費生活条例〔消費者センター〕

平成24年3月22日

条例第21号

目次

第1章 総則(第1条―第10条)

第2章 消費者の安全確保(第11条―第15条)

第3章 消費者の自立支援(第16条―第19条)

第4章 苦情の処理等(第20条―第22条)

第5章 雑則(第23条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力等の格差に鑑み、消費者の利益の擁護及び増進に関し、消費者の権利の尊重及びその自立の支援その他の基本理念を定め、市及び事業者の責務並びに事業者団体、消費者及び消費者団体の役割を明らかにするとともに、市が実施する施策等について必要な事項を定めることにより、市民の消費生活の安定及び向上を図ることを目的とする。

(基本理念)

第2条 消費者の利益の擁護及び増進に関する市の施策(以下「消費者施策」という。)の推進は、市民の消費生活における基本的な需要が満たされ、その健全な生活環境が確保される中で、次に掲げる消費者の権利を尊重するとともに、消費者が自らの利益の擁護及び増進のため自主的かつ合理的に行動することができるよう消費者の自立を支援することを基本として行われなければならない。

(1) 消費生活における安全が確保される権利

(2) 消費生活において、商品又は役務を適正に使用し、又は利用するための表示等により消費者の自主的かつ合理的な選択の機会が確保される権利

(3) 消費生活に関する必要な情報が提供される権利

(4) 消費生活に関する教育の機会が提供される権利

(5) 消費者の意見が消費者施策に反映される権利

(6) 消費生活において、消費者に被害が生じた場合に適切かつ迅速に救済される権利

2 消費者施策の推進は、消費者の年齢その他の特性に配慮して行われなければならない。

3 消費者施策の推進は、高度情報通信社会の進展に的確に対応することに配慮して行われなければならない。

4 消費者施策の推進は、環境の保全に配慮して行われなければならない。

(定義)

第3条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 消費者 事業者が供給する商品又は役務を使用し、又は利用して生活する者をいう。

(2) 事業者 商品又は役務の供給に関して商業、工業、サービス業その他の事業を行う者をいう。

(3) 消費者団体 消費者の権利の擁護又は利益の擁護及び増進のため消費者により組織された団体をいう。

(4) 事業者団体 事業者の共通の利益の増進のため事業者により組織された団体をいう。

(5) 商品 消費者が消費生活を営む上で使用する物をいう。

(6) 役務 消費者が消費生活を営む上で使用し、又は利用するもののうち、商品以外のものをいう。

(市の責務)

第4条 市は、第2条に規定する基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、市民の消費生活の安定及び向上を確保するため、本市における社会的及び経済的状況に応じた消費者施策を推進する責務を有する。

2 市は、消費者の自立の支援に当たっては、消費者が健全な消費生活を営むことができるよう情報提供を行うとともに、消費生活に関し、必要な啓発活動及び教育の推進に努めるものとする。

(事業者の責務)

第5条 事業者は、基本理念に鑑み、その供給する商品又は役務について、次に掲げる責務を有する。

(1) 消費者の安全及び消費者との取引における公正を確保すること。

(2) 消費者に対し必要な情報を明確かつ平易に提供すること。

(3) 消費者との取引に際して、消費者の年齢、知識、経験、判断能力及び財産の状況等に配慮すること。

(4) 消費者との間に生じた苦情を適切かつ迅速に処理するとともに、これに必要な体制の整備に努めること。

(5) 市が実施する消費者施策に協力すること。

2 事業者は、その供給する商品及び役務に関し環境の保全に配慮するとともに、当該商品及び役務について品質等を向上させ、その事業活動に関し自らが遵守すべき基準を作成すること等により消費者の信頼を確保するよう努めなければならない。

(事業者団体の役割)

第6条 事業者団体は、事業者の自主的な取組を尊重しつつ、事業者と消費者との間に生じた苦情の処理の体制の整備、事業者自らがその事業活動に関し遵守すべき基準の作成の支援その他の消費者の信頼を確保するための自主的な活動に努めるものとする。

(消費者の役割)

第7条 消費者は、自ら進んで、その消費生活に関して、必要な情報を収集し、必要な知識を修得する等自主的かつ合理的に行動するよう努めなければならない。

2 消費者は、消費生活に関し、環境の保全及び著作権その他の知的財産権等の適正な保護に配慮するよう努めなければならない。

(消費者団体の役割)

第8条 消費者団体は、消費生活に関する情報の収集及び提供並びに意見の表明、消費者に対する啓発及び教育、消費者の被害の防止及び救済のための活動その他の消費者の消費生活の安定及び向上を図るための健全かつ自主的な活動に努めるものとする。

(相互理解等)

第9条 市、事業者、事業者団体、消費者及び消費者団体は、この条例の目的を達成するため、それぞれの責務又は役割を相互に理解し、尊重し、及び協力するよう努めるものとする。

(消費者行政推進計画)

第10条 市長は、消費者施策を総合的かつ計画的に推進するため、消費者行政推進計画を策定するものとする。

2 市長は、前項の消費者行政推進計画を策定するときは、事業者、事業者団体、消費者及び消費者団体の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならない。

第2章 消費者の安全確保

(安全の確保)

第11条 事業者は、消費者の消費生活における安全の確保のため、その供給する商品又は役務に関し、法令及び熊本県消費生活条例(昭和52年熊本県条例第51号。以下「県条例」という。)に定めのあるもののほか、消費者に対する必要な情報の提供その他の被害の発生又は拡大を防止するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

(不当な取引行為の防止)

第12条 事業者は、消費者との間で行う取引に関し、法令並びに県条例及びこれに基づく規則(以下「関係法令等」という。)に定めのある事項を遵守するほか、消費者の意思を尊重し、次に掲げる行為を行わないよう努めなければならない。

(1) 消費者が住居等への貼り紙等によりあらかじめ勧誘を拒絶する旨の意思を表示しているにもかかわらず、契約の締結を勧誘し、又は契約を締結させること。

(2) 消費者が電話機等の通信機器への事業者からの着信に対し、当該機器に附属する録音その他の機能を利用して、勧誘を拒絶する旨の意思を表示したにもかかわらず、契約の締結を勧誘し、又は契約を締結させること。

2 市長は、消費者からの申出等により、事業者と消費者との間で行われる取引に関する行為が前項各号に掲げる行為のいずれかに該当し、又は該当するおそれがあると認めるときは、当該事業者に対し、当該行為について、説明又は資料の提出を求め、必要な調査を行うものとする。

(実態調査)

第13条 前条第2項に定めるもののほか、市長は、事業者と消費者との間で行われる取引に関する行為について、消費者に被害が発生し、又は発生するおそれがあると認めるときは、必要に応じ、その実態等について情報の収集その他の調査を行うものとする。

2 市長は、前項の調査の実施に当たっては、必要に応じ、熊本県知事に対し協力を求め、連携を図るものとする。

(指導)

第14条 市長は、第12条第2項又は前条第1項の調査を行った場合において、事業者が消費者の利益を侵害し、又は侵害しているおそれがあると認めるときは、当該事業者に対し、消費者の保護に関し、必要な指導をすることができる。

(情報提供)

第15条 市は、消費者の被害の発生及び拡大の防止のために必要があると認めるときは、事業者を特定する情報を除き、商品及び役務の取引方法及び内容に関する情報を市民に提供することができる。

2 市は、国及び熊本県が公表した、消費者に被害が発生し、又は発生するおそれがある商品及び役務の取引方法及び内容に関する情報を速やかに消費者に周知するよう努めるものとする。

第3章 消費者の自立支援

(啓発活動の推進)

第16条 市は、消費者の消費生活における自立を支援するため、消費生活に関する知識の普及及び情報の提供等の消費者に対する啓発活動を推進するものとする。

(消費生活に関する教育の推進)

第17条 市は、消費者が消費生活において自主的かつ合理的に行動ができるようにするため、消費生活に関する教育を充実する等必要な施策を推進するものとする。

(消費者団体の活動の促進)

第18条 市は、市民の消費生活の安定及び向上を図るため、消費者団体の健全かつ自主的な活動が促進されるよう必要な消費者施策を講ずるものとする。

(消費者意見の反映)

第19条 市は、消費生活に関する消費者の意見を把握し、消費者施策に反映させるよう努めるものとする。

第4章 苦情の処理等

(苦情の処理)

第20条 市長は、商品及び役務に関し事業者と消費者との間に生じた苦情が専門的知見に基づいて適切かつ迅速に処理されるようにするため、苦情の処理に必要な助言、あっせん等の措置を講ずるよう努めるものとする。

2 市長は、前項に規定する措置を講ずるために必要があると認めるときは、当該苦情に係る事業者その他の関係者に資料の提出又は説明を求めることができる。

(専門的な人材の確保等)

第21条 市は、前条第1項に規定する措置を講ずるため、専門的知識及び経験を有する人材の確保及び資質の向上等に努めるものとする。

(多重債務問題改善への取組)

第22条 市は、多重債務(金銭の借受け等に起因する社会的経済的生活に著しい支障が生じる程度の重畳的又は累積的な債務をいう。以下同じ。)に係る問題の改善のため、多重債務を有する者が相談又は助言その他の支援を受けることができるよう必要な施策の推進に努めるものとする。

第5章 雑則

(委任)

第23条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

附 則

この条例は、平成24年6月1日から施行する。

熊本市消費生活条例

平成24年3月22日 条例第21号

(平成24年6月1日施行)