○熊本市中小企業・小規模企業振興基本条例

平成24年12月26日

条例第128号

熊本市は、九州の中央に位置する地理的特性を生かし、九州における行政機能の中心的な役割を担い栄えてきた。また、本市経済は、清冽な水と肥沃な大地をはじめとした豊かな地域資源を生かし、商業及びサービス業を中心としながら、農業を基盤とした産業も発達させ、九州屈指の拠点都市として今日の発展を遂げてきた。

その発展のための大きな力となったのは、本市の事業者のほとんどを占める中小企業者であり、その多くは従業員が少ない小規模な事業者や個人事業者である。こうした本市の中小企業者・小規模企業者は、これまで、生産、流通等の本市の経済活動及び地域の歴史、伝統、文化等の全般において重要な役割を果たすとともに、地域におけるまちづくりの担い手として、雇用と経済を支え、市民生活の向上をもたらしてきた。

近年、経済活動の国際化、少子高齢化や人口減少社会の急速な進展等により、経済的社会的環境が大きく変化するとともに、経営者の高齢化や後継者不足等、本市の中小企業者・小規模企業者は、極めて厳しい経営環境に置かれているものの、本市経済においてこれまでにも増して大きな役割を果たしていくことが強く期待されている。

本市が今後ますます経済を発展させ、さらには熊本県全体の経済の発展を主導していくためには、自主的な努力を基本としつつ経営の向上に取り組む中小企業者・小規模企業者を社会全体で支援し、希望と活力を与えることにより、その健全な発展を促進し、中小企業・小規模企業の振興を図ることが不可欠である。

とりわけ、経営資源の確保が特に困難であることが多い小規模企業については、その地域における役割の重要性に鑑み、小規模企業を中心に据えた新たな施策の体系を構築すべく、国において小規模企業振興基本法(平成26年法律第94号)が制定されており、本市でも、より一層小規模企業の持続的発展を図るための諸施策を推進していく必要がある。

そこで、中小企業・小規模企業の振興に向けた基本理念等を明らかにし、施策を総合的に実施するため、この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、中小企業が本市経済において果たす役割の重要性に鑑み、中小企業の振興の基本となる事項を定め、中小企業者の健全で持続可能な発展及び市民生活の向上を図ることを目的とする。

(平30条例95・一部改正)

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 中小企業者 中小企業基本法(昭和38年法律第154号)第2条第1項各号に規定するものをいう。

(2) 小規模企業者 中小企業基本法第2条第5項に規定するものをいい、個人事業者を含む。

(3) 中小企業団体 商工会議所、商工会、中小企業団体中央会その他の中小企業に関する団体をいう。

(4) 大企業者 中小企業者以外の事業者をいう。

(平30条例95・一部改正)

(基本理念)

第3条 中小企業の振興は、次に掲げる事項を基本理念として推進されなければならない。

(1) 中小企業者の創意工夫及び自主的な努力を促進すること。

(2) 人材、技術、産業基盤、自然、歴史、伝統、文化等の地域資源の持続的な活用を図ること。

2 小規模企業の振興は、小規模企業者の経営資源に大きな制約があることを踏まえ、その活力が最大限に発揮され、事業の持続的な発展が図られることを旨として行われなければならない。

(平30条例95・一部改正)

(市の責務)

第4条 市は、前条に規定する基本理念にのっとり、中小企業の振興に関する施策を総合的に策定し、及び実施するものとする。

2 市は、中小企業の振興に関する施策を実施するに当たっては、国、熊本県その他関係地方公共団体、中小企業者、中小企業団体、大企業者、大学等の研究機関、金融機関等の関係団体及び市民と協力して、効果的に実施するよう努めるものとする。

3 市は、中小企業の振興に関する施策を実施するに当たっては、経営資源の確保が困難であることが多い小規模企業者の事情に配慮するよう努めるものとする。

(平30条例95・一部改正)

(中小企業者等の努力等)

第5条 中小企業者は、経済的社会的環境の変化に応じ、自主的にその経営の向上及び改善に努めるものとする。

2 中小企業者は、事業活動を行うに当たっては、地域社会を構成する一員としての社会的責任を自覚するとともに、中小企業者相互の連携及び協力に努めるものとする。

3 中小企業者は、雇用機会の確保及び人材の育成に努めるものとする。

4 中小企業者は、中小企業団体が中小企業の振興に関する活動を実施するときは、当該活動に協力するよう努めるものとする。

5 小規模企業者は、経済的社会的環境の変化に応じ、事業の持続的な発展を図るため、自主的にその円滑かつ着実な事業の運営を図るよう努めるものとする。

6 小規模企業者以外の者であって、その事業に関し小規模企業と関係があるものは、市が行う小規模企業の振興に関する施策の実施について協力するよう努めるものとする。

(平30条例95・一部改正)

(中小企業団体の役割)

第6条 中小企業団体は、中小企業者の事業活動を支援し、又は事業活動を行うに当たっては、中小企業者とともに、第3条に規定する基本理念の実現に主体的に取り組み、特に小規模企業者に対しては、きめ細かな支援と対策を講じるよう努めるものとする。

(平30条例95・追加)

(大企業者の役割)

第7条 大企業者は、事業活動を行うに当たっては、地域社会を構成する一員としての社会的責任を自覚するとともに、中小企業者との連携及び協力に努めるものとする。

2 大企業者は、中小企業の振興が本市経済の発展において果たす役割の重要性を理解し、市が実施する中小企業の振興に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(平30条例95・旧第6条繰下)

(市民の理解と協力)

第8条 市民は、中小企業の振興が本市経済の活性化及び市民生活の向上に資することを理解し、その健全な発展に協力するよう努めるものとする。

(平30条例95・旧第7条繰下)

(施策の基本方針)

第9条 市は、中小企業の振興に関する施策を実施するに当たっては、支援体制の充実及び強化を図りながら、次に掲げる事項を基本として行うものとする。

(1) 中小企業者の経営の革新及び創業の促進を図ること。

(2) 中小企業者の新製品、新技術等を利用した事業活動の促進を図ること。

(3) 中小企業者の事業活動に必要な人材の育成及び確保並びに資金供給の円滑化を図ることにより、中小企業者の経営基盤の強化を促進すること。

(4) 市が行う工事の発注、物品及び役務の調達等に当たっては、予算の適正な執行並びに透明かつ公正な競争及び契約の適正な履行の確保に留意しつつ、中小企業者の受注機会の増大に努めること。

2 前項各号に掲げる事項のほか、市は、小規模企業の振興に関する施策を実施するに当たっては、関係者相互の連携及び協力を推進し、その事業の持続的な発展を図ることができるよう、次に掲げる事項を基本として行うものとする。

(1) 多様な需要に応じた商品の販売又は役務の提供の促進及び新たな事業の展開の促進を図ること。

(2) 経営資源の有効な活用並びに小規模企業に必要な人材の育成及び確保を図ること。

(3) 地域経済の活性化並びに地域住民の生活の向上及び交流の促進に資する小規模企業の事業活動の推進を図ること。

(4) 小規模企業への適切な支援を実施するための支援体制の整備を図ること。

(平30条例95・旧第8条繰下・一部改正)

(財政上の措置)

第10条 市は、中小企業の振興に関する施策を推進するため必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

(平30条例95・旧第9条繰下)

(中小企業活性化会議)

第11条 市長の附属機関として、熊本市中小企業活性化会議(以下「会議」という。)を置く。

2 会議は、市長の諮問に応じ、第9条に掲げる基本方針に基づく中小企業の振興に関する施策その他の事項を審議するものとする。

3 前2項に定めるもののほか、会議の組織及び運営に関し必要な事項は、市長が別に定める。

(平30条例95・旧第10条繰下・一部改正)

(議会への報告)

第12条 市長は、毎年、議会に中小企業の振興に関する施策の実施状況並びに会議における審議の経過及び結果を報告しなければならない。

(平30条例95・旧第11条繰下)

(基本計画)

第13条 市は、第4条第1項の規定に基づく中小企業の振興に関する施策を計画的かつ効果的に実施するための基本的な計画を策定するものとする。

(平30条例95・追加)

附 則

この条例は、平成25年4月1日から施行する。

附 則(平成30年12月27日条例第95号)

この条例は、平成31年4月1日から施行する。

熊本市中小企業・小規模企業振興基本条例

平成24年12月26日 条例第128号

(平成31年4月1日施行)