○黒部市議会議員政治倫理条例
令和2年12月7日
黒部市条例第37号
(目的)
第1条 この条例は、黒部市議会議員(以下「議員」という。)の政治倫理に関する基本となる事項を定めることにより、議員が、市民全体の代表者として政治倫理のより一層の向上に努めるとともに、市民に信頼される議会づくりを進め、もって市勢の健全な発展に寄与することを目的とする。
(議員の責務)
第2条 議員は、市民の信頼に値する倫理性を自覚し、市民に対し自ら進んでその高潔性を明らかにしなければならない。
2 議員は、政治倫理に反するような事実があるとの疑惑を持たれたときは、自らその疑惑を解明し、その責任を明らかにするよう努めなければならない。
(政治倫理基準)
第3条 議員は、次の各号に掲げる政治倫理基準(以下単に「政治倫理基準」という。)を遵守しなければならない。
(1) 市民全体の代表者として、法令を遵守し、品位及び名誉を損なう一切の行為を慎み、不正の疑惑を持たれるおそれのある行為をしないこと。
(2) 政治活動に関して企業又は団体等から道義的批判を受けるおそれのある寄附等を受けないこと。
(3) 市又は市が資本金、基本金その他これらに準じるものを出資している法人若しくは市の施設の指定管理者が行う許可又は請負その他の契約等に関し、特定の者のために有利な取扱い又は不利な取扱いをするよう働き掛けをしないこと。
(4) 本市職員の公正な職務執行を妨げ、又はその権限若しくは地位による影響力を不正に使用するよう働き掛けをしないこと。
(5) 職員の採用、異動、昇任その他の人事に関与しないこと。
(6) 議員は、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第92条の2の規定の趣旨を尊重するとともに、議会の審議、調査権又は議決権等を通じて市の事務や事業に対して影響力を持つことを認識し、市に対して行う請負その他の契約に関して、市民の疑念を招くことのないようにしなければならない。
(政治倫理審査会の設置)
第4条 議長は、政治倫理基準に抵触していると認められるとき、又はおそれがあるときは、速やかに黒部市議会議員政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を設置し、審査を付託する。
2 審査会の委員の定数は7人とし、議員の中から選出し、議長が任命する。
3 審査会の委員の任期は、当該審査終了までとする。
4 審査会の会議は、原則公開するものとする。ただし、非公開とするときは、委員定数の3分の2以上の同意を得なければならない。
5 審査会に委員長及び副委員長各1人を置き、委員の互選により定める。
6 審査会の委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。
(市民の審査請求権)
第5条 市民は、議員が政治倫理基準に違反する疑いがあると認められるときは、これを証する事由及び資料を添えて、法第18条に規定する選挙権を有する者の総数の100分の1以上の連署をもって、議長に審査を請求することができる。
2 前項の規定により審査の請求がなされたときは、議長は、直ちに審査会に審査請求書及び添付資料の写しを提出し、審査を求めなければならない。
(審査会の職務)
第6条 審査会は、議長から審査を付託されたときは、審査請求の適否及び政治倫理基準違反の行為の存否について審査する。
2 審査会は、前項の規定による審査を行うため、関係人から事情聴取及び資料提供等必要な調査を行うことができる。
3 審査会は、第1項の規定による審査を行うため、専門的知識を有する者を参考人として出席させ、意見を聴くことができる。
4 審査会は、議長から審査を付託された日から起算して90日以内に、その審査結果を議長に文書で報告しなければならない。
(議員の協力義務等)
第7条 審査請求の対象となった議員(以下「審査対象議員」という。)は、審査会の要求があるときは、審査に必要な資料を提出し、又は審査会の会議に出席して意見を述べなければならない。
(弁明)
第8条 審査対象議員は、審査会において口頭又は文書により弁明することを請求できる。
2 審査対象議員は、第6条第4項による審査結果について文書により弁明することができる。
(審査結果の公表)
第9条 議長は、第6条第4項による報告があった場合は、速やかにその写しを審査請求者及び審査対象議員に送付するとともに、当該報告の要旨を市民に公表しなければならない。
(審査結果による措置)
第10条 議長は、審査会から報告を受けた事項を尊重し、審査対象議員に対して、政治の名誉と品位を守り、市民の信頼を回復するため、議会に諮り次に掲げる措置を講ずることができる。
(1) 政治倫理基準を遵守させるための警告を発すること。
(2) 議員の辞職勧告を行うこと。
(3) その他議長が必要と認めること。
(規則への委任)
第11条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
この条例は、公布の日から施行する。