○釧路市環境基本条例

平成17年10月11日

釧路市条例第128号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第6条)

第2章 環境の保全及び創造に関する基本方針等(第7条―第9条)

第3章 環境の保全及び創造に関する基本的施策(第10条―第29条)

第4章 地球環境保全及び国際協力(第30条・第31条)

第5章 環境審議会(第32条)

附則

釧路市は、広大な太平洋に臨み、タンチョウをはじめ数多くの野生生物が生息する国際的にも貴重な釧路湿原などのすぐれた自然にいだかれ、そのかけがえのない環境から絶えることなく豊かな恵みを受けつつ、今日まで発展してきた。

一方、今日の私たちの社会は、豊かさや利便性が高まった反面、日常生活や経済活動等の人の営みが拡大し、大量の資源やエネルギーが消費され、環境への負荷が増大し、その影響は地域の環境のみならず、今や人類の生存基盤である地球環境全体に及ぶまでに至った。

もとより、すべての市民は、環境からの恵沢を受け良好な環境の下に生活する権利を有しており、将来にわたりこの環境を健全で恵み豊かなものとして次の世代に引き継いでいくことは、私たちの願いであり、また、責務でもある。

このため、私たちは、地域の自然環境や生活環境を良好なものとするとともに、環境への負荷を増大させている現在の経済社会構造のあり方や生活様式を見直し、かけがえのない地球に生きるものの一員としての自覚の下に地球環境の保全に貢献していかなければならない。

このような考え方に立って、市、事業者及び市民のすべてが、環境の問題を自らの課題として認識し、それぞれの責任の下に相互に連携しながら役割を果たしていくことにより、環境への負荷を低減するとともに、循環を基調とした持続的発展が可能な社会をつくるため、釧路市環境基本条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、良好な環境の保全並びに快適な環境の維持及び創造(以下「環境の保全及び創造」という。)について、基本理念を定め、並びに市、事業者及び市民の責務を明らかにするとともに、施策の基本となる事項を定めることにより、その施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の市民が健康で文化的な生活を営むうえで必要とする良好な環境を確保することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「環境への負荷」とは、人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。

2 この条例において「地球環境保全」とは、人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとともに市民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。

3 この条例において「公害」とは、環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下(鉱物の掘採のための土地の掘削によるものを除く。)及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。以下同じ。)に係る被害が生ずることをいう。

(基本理念)

第3条 環境の保全及び創造は、市民が健康で文化的な生活を営むうえで必要とする健全で恵み豊かな環境を確保し、これを将来の世代へ継承していくことを目的として行われなければならない。

2 環境の保全及び創造は、市、事業者及び市民のすべての者がそれぞれの責任を認識し、公平な役割分担の下、自主的かつ相互に連携協力して推進されなければならない。

3 環境の保全及び創造は、人と自然が共生し、循環を基調とした環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会が実現されるように行われなければならない。

4 地球環境保全は、人類共通の課題であるとともに、市民の健康で文化的な生活を将来にわたって確保するうえで重要であることから、すべての者が自らの課題であることを認識し、日常生活及び事業活動において積極的に推進されなければならない。

(市の責務)

第4条 市は、市民の意見を適切に反映して、環境の保全及び創造に関する総合的かつ計画的な施策を策定し、及び実施しなければならない。

2 市は、自ら率先して環境への負荷の低減に努めなければならない。

(事業者の責務)

第5条 事業者は、その事業活動を行うに当たっては、これに伴って生ずる公害を防止し、又は自然環境を適正に保全するために必要な措置を講じなければならない。

2 事業者は、環境の保全上の支障を防止するため、物の製造、加工又は販売その他の事業活動を行うに当たって、その事業活動に係る製品その他の物が使用され、又は廃棄されることによる環境への負荷の低減に努めるとともに、廃棄物となった場合に適正な処理が図られるように必要な措置を講じなければならない。

3 事業者は、環境の保全上の支障を防止するため、その事業活動において再生資源その他の環境への負荷の低減に資する原材料、役務等を利用するように努めなければならない。

4 前3項に定めるもののほか、事業者は、その事業活動に関し、環境に与える影響を認識し、自ら環境への負荷の低減に努めるとともに、市が実施する環境の保全及び創造に関する施策に協力しなければならない。

(市民の責務)

第6条 市民は、環境の保全上の支障を防止するため、その日常生活において、廃棄物の適正処理及び排出の抑制、資源やエネルギーの節減及び環境への負荷の低減に資する製品等の利用に努めなければならない。

2 前項に定めるもののほか、市民は、その日常生活において、環境に与える影響を認識し、自ら環境への負荷の低減に努めるとともに、市が実施する環境の保全及び創造に関する施策に協力しなければならない。

第2章 環境の保全及び創造に関する基本方針等

(施策の基本方針)

第7条 市は、基本理念にのっとり、次に掲げる基本方針に基づく環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進するものとする。

(1) 人の健康の保護及び生活環境の保全を図るため、大気、水、土壌等を良好な状態に保持すること。

(2) 人と自然との共生を図るため、生物の多様性を保全するとともに、湿原、水辺地等多様な自然環境を適正に保全すること。

(3) 地域の特性を生かした良好な景観の形成、歴史的文化的遺産の保全等により、潤い、ゆとり、安らぎ等心の豊かさが感じられる環境を確保すること。

(4) 廃棄物の発生の抑制及び適正な処理、資源の循環的利用並びにエネルギーの有効利用等により、環境への負荷の少ない循環型社会の構築を図ること。

(5) 地球環境保全のため、地域における環境への負荷の低減を進めるとともに、国際協力を推進すること。

(環境基本計画)

第8条 市長は、環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、環境の保全及び創造に関する基本的な計画(以下「環境基本計画」という。)を策定しなければならない。

2 環境基本計画は、環境の保全及び創造に関する長期的な目標及び施策の大綱その他必要な事項について定めるものとする。

3 市長は、環境基本計画を策定するに当たっては、市民の意見を適切に反映するとともに、釧路市環境審議会の意見を聴かなければならない。

4 市長は、環境基本計画を策定したときは、速やかに、これを公表しなければならない。

5 前2項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。

(釧路市環境白書)

第9条 市長は、毎年、環境の現況及び環境の保全及び創造に関する施策の実施状況等を明らかにするため、釧路市環境白書を作成し、公表しなければならない。

第3章 環境の保全及び創造に関する基本的施策

(市の事業に係る環境への配慮)

第10条 市は、環境に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、及び実施に当たっては、環境への負荷が低減されるよう、十分に配慮するものとする。

(規制の措置)

第11条 市は、環境の保全上の支障を防止するため、必要な規制の措置を講ずるものとする。

(経済的措置)

第12条 市は、市民及び事業者が環境の保全及び創造に資する措置をとることを促進するため必要があるときは、適正な助成その他の措置を講ずるよう努めるものとする。

2 市は、環境への負荷の低減を図るため、特に必要があるときは、市民又は事業者に適正な経済的負担を求める措置を講ずるものとする。

(環境影響評価)

第13条 市は、環境に著しい影響を及ぼすおそれのある事業を行おうとする者が、あらかじめその事業に係る環境への影響について自ら適正に調査、予測及び評価を行い、その結果に基づき、その事業に係る環境の保全について適正に配慮することを推進するため、必要な措置を講ずるものとする。

(環境の保全及び創造に資する施設の整備等)

第14条 市は、廃棄物処理施設、下水道その他の環境の保全上の支障を防止するための施設の整備を推進するように努めるものとする。

2 市は、公園、緑地等の公共的施設の整備その他の快適な環境の維持及び創造に資する事業を推進するように努めるものとする。

(市民及び事業者の活動の促進)

第15条 市は、市民及び事業者が自発的に行う環境の保全及び創造に関する活動を促進するため、必要な措置を講ずるものとする。

(環境教育及び学習の推進)

第16条 市は、市民及び事業者が環境の保全及び創造についての理解を深め、自発的に活動することを促進するため、環境の保全及び創造に関する教育及び学習(以下「環境教育及び学習」という。)の推進に努めるものとする。

2 前項の場合において、市は、特に将来を担う世代について、積極的に環境教育及び学習を推進するように努めるものとする。

(情報の収集及び提供)

第17条 市は、市民及び事業者の自発的な活動の促進並びに環境教育及び学習の推進に資するため、環境の保全及び創造に関する情報を収集し、これを適切に提供するように努めるものとする。

(調査研究の実施)

第18条 市は、環境に関する現状を把握し、環境の保全及び創造に関する施策を推進するため、必要な調査研究の実施及びその成果の活用に努めるものとする。

(監視等の体制整備)

第19条 市は、環境に関する現状を把握し、環境の保全及び創造に関する施策を適正に実施するため、必要な監視、測定及び検査等の体制の整備に努めるものとする。

(自然環境の保全)

第20条 市は、タンチョウ、シマフクロウその他野生生物の保護管理並びに釧路湿原、春採湖をはじめとする湿原、森林、水辺地その他の多様な自然環境の保全及び適正な利用の促進が図られるように努めるものとする。

(公害の防止)

第21条 市は、市民の健康の保護及び生活環境の保全が図られるよう、公害を防止するために必要な措置を講ずるものとする。

(快適な都市空間の形成)

第22条 市は、安らぎと潤いのある快適な都市空間の形成を図るため、歴史的文化的遺産の保全及び水辺の整備等必要な措置を講ずるものとする。

(良好な景観の形成)

第23条 市は、自然と調和した、地域の特性を生かした良好な景観を形成するために必要な措置を講ずるものとする。

(緑化の推進)

第24条 市は、緑豊かな生活環境の確保が図られるよう、緑化を推進するために必要な措置を講ずるものとする。

(都市美化の推進)

第25条 市は、ごみの投棄や散乱の防止等都市美化を推進するために必要な措置を講ずるものとする。

(廃棄物の発生の抑制及び資源の循環的利用等の推進)

第26条 市は、環境への負荷の低減を図るため、市民及び事業者による廃棄物の発生の抑制及び適正処理、資源の循環的利用並びにエネルギーの有効利用が促進されるように必要な措置を講ずるものとする。

2 市は、環境への負荷の低減を図るため、市の施設の建設及び維持管理その他の事業の実施に当たっては、廃棄物の発生の抑制及び適正処理、資源の循環的利用並びにエネルギーの有効利用に努めるものとする。

3 市は、環境への負荷の低減に資する製品等の利用が促進されるように努めるものとする。

(国及び他の地方公共団体等との連携協力)

第27条 市は、環境の保全及び創造に関する施策を推進するに当たり、国、他の地方公共団体等との連携協力に努めるものとする。

2 前項の場合において、市は、釧路湿原の保全等特に広域的に取り組む必要があるときは、関係する地方公共団体等との連携協力に努めるものとする。

(施策の推進体制の整備)

第28条 市は、その機関相互の施策の調整を図り、環境の保全及び創造に関する施策を総合的に推進するための体制を整備するものとする。

(財政上の措置)

第29条 市は、環境の保全及び創造に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるように努めるものとする。

第4章 地球環境保全及び国際協力

(地球環境保全の推進)

第30条 市は、地球環境保全に資するため、地球温暖化の防止、生物の多様性の保全等に関する施策の積極的な推進に努めるものとする。

(国際協力の推進)

第31条 市は、国及び他の地方公共団体等と連携し、地球環境保全に関する国際協力の推進に努めるものとする。

2 市は、特に自然環境保全に関し、国際機関、国及び他の地方公共団体その他関係する団体等と連携して、情報交換、調査研究及び人材交流等を行うことにより国際協力の推進が図られるように努めるものとする。

第5章 環境審議会

(釧路市環境審議会)

第32条 環境の保全及び創造に関する基本的事項を調査審議するため、釧路市環境審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、市長の諮問に応じ、次に掲げる事項を調査審議する。

(1) 環境基本計画に関すること。

(2) 前号に掲げるもののほか、環境の保全及び創造に関する基本的事項

3 審議会は、市長が委嘱し、又は任命する委員18人以内をもって組織する。

4 委員の任期は、2年とし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。ただし、再任を妨げない。

5 特別の事項を調査審議するために必要があるときは、審議会に臨時委員を置くことができる。

6 専門の事項を調査させるため必要があるときは、審議会に調査委員を置くことができる。

7 前各項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。

附 則

この条例は、平成17年10月11日から施行する。

釧路市環境基本条例

平成17年10月11日 条例第128号

(平成17年10月11日施行)

体系情報
第9類 生/第1章 環境衛生
沿革情報
平成17年10月11日 条例第128号