○倶知安町中小企業振興基本条例

平成24年12月14日

条例第27号

倶知安町は、明治25年に未開の原野に開拓の鍬がおろされて以来、先人たちの苦闘とたゆまぬ努力により、後志地域の中心都市へと発展を遂げてきた。

えぞ富士・羊蹄山からの湧水と清流・尻別川は、この地に肥沃な大地とじゃがいも、メロン、ビートなど農作物の豊穣をもたらし、ニセコ連峰と羊蹄山を中心とした盆地形は、世界の人々が認める良質なパウダースノーをこの地に与え、昭和39年の姉妹都市締結以来、恒久的な友好関係を継続しているスイス・サンモリッツと同じく国際リゾート都市へ向け、さらなる発展を続けている。

しかしながら、社会構造を変える急速な少子高齢化の進展や不安定な国内経済に加え、近年の国境を越えたボーダーレス経済の進展とそれに伴う競争の激化、インターネットを通じた消費者の行動の変化など、本町においても経済を取り巻く環境は極めて厳しい状態が続いている。また、転勤等による毎年の人口流動、道央圏の利便性、福祉施設の集積、海外資本による不動産取引など、後志地域の中心都市及び国際リゾート都市へ向けた本町特有の課題が加わり、これら社会的・経済的実情に対応することが急務となっている。

小売、飲食、建設などの商工業はもとより、日本一の生食用馬鈴薯生産量を担う個人農家、世界を魅了する観光業など、町内の大多数を占める中小企業は、地域経済を根幹から支え、まちづくりや雇用、災害時の助け合いなど、地域社会へ貢献しながら本町の発展に寄与してきた。地域経済の活性化が、中小企業の利益や住民の所得の増加を産み出し、倶知安町の税収の増加につながることで、町民への行政施策が実現できるという好循環を生み出してきたことを改めて認識する必要がある。

町内経済の持続的な発展のためには、中小企業の意欲的で創造的な活動を支援することが不可欠であり、この基本的な考え方を推進するための基本方針等を明らかにし、町内経済の中核をなす中小企業が生き生きと躍動する倶知安町を築くため、この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、本町における地域産業の発展に果たす中小企業の重要性にかんがみ、中小企業の振興に関して基本となる事項を定めることにより、その基盤の強化及び健全な発展を促進し、もって地域経済の発展及び町民生活の向上に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 町内中小企業者 中小企業基本法(昭和38年法律第154号)第2条第1項各号のいずれかに該当する者で、町内に主たる事務所又は事業所を有するものをいう。

(2) 町内中小企業団体 中小企業等協同組合法(昭和24年法律第181号)第3条各号のいずれかに該当する者で、町内に主たる事務所を有するものをいう。

(3) 大企業者等 町内中小企業者以外の事業者で、町内に事務所又は事業所を有するものをいう。

(町の責務)

第3条 町は、この条例の趣旨にのっとり、中小企業の振興に関する施策を総合的に策定し、及び実施しなければならない。

2 町は、中小企業の振興に関する施策を策定し、及び実施するにあたっては、国、道、町内中小企業者、町内中小企業団体、大企業者等及び町民と協力して、効果的に実施するよう努めなければならない。

(町内中小企業者の努力)

第4条 町内中小企業者は、経営の革新(中小企業基本法第2条第2項に規定する経営の革新をいう。以下同じ。)、経営基盤の強化及び経済的社会的環境の変化への即応のために、自主的に取り組むよう努めなければならない。

2 町内中小企業者は、町が実施する中小企業の振興に関する施策に協力するよう努めるものとする。

3 町内中小企業者は、地域社会を構成する一員として社会的責任を自覚し、地域社会との調和を図り、緊急災害への対応をはじめとして暮らしやすい地域社会の実現に貢献するよう努めるものとする。

(町内中小企業団体の役割)

第5条 町内中小企業団体は、町内中小企業者の経営の向上及び改善に積極的に取り組むとともに、町が実施する中小企業の振興に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(大企業者等の役割)

第6条 大企業者等は、地域社会を構成する一員としての社会的責任を自覚することはもとより、町内中小企業者が自らの事業活動の維持及び発展に欠くことのできない重要な存在であることを認識し、町内中小企業者との連携・協力に努めるものとする。

2 大企業者等は、中小企業の振興が町内経済の発展において果たす役割の重要性を理解し、町が実施する中小企業の振興に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(町民の理解と協力)

第7条 町民は、中小企業の振興が町民生活の向上において果たす役割の重要性を理解し、中小企業の健全な発展に協力するよう努めるものとする。

(児童、生徒の勤労観等の醸成)

第8条 町は、学校教育における勤労観及び職業観の醸成が町内中小企業者に必要な人材の確保及び育成に資することにかんがみ、児童、生徒に対する職業に関する体験の機会の提供、その他の必要な施策を講ずるものとする。

2 町内中小企業者は、児童、生徒に対する職業に関する体験の機会の提供に協力するよう努めるものとする。

(施策の基本方針)

第9条 町は、中小企業の振興に関する施策の策定及び実施にあたっては、この条例の趣旨にのっとり、次に掲げる事項を基本として行わなければならない。

(1) 町内中小企業者の経営基盤の強化を助長し、資金供給の円滑化のための施策を推進すること。

(2) 町内中小企業者の経営の革新及び創業の促進を図ること。

(3) 町内中小企業者に必要な人材の確保及び育成を図ること。

(4) 町が行う工事の発注、物品及び役務の調達等にあっては、予算の適正な執行並びに透明かつ公正な競争及び契約の適正な履行の確保に留意しつつ、発注、調達等の対象を適切に分離し、又は分割すること等により、町内中小企業者の受注機会拡大に努めること。

(5) 中小企業の振興に関する町民の理解を深め、協力を促進するための施策を推進すること。

(6) 前各号に掲げる事項を基本とする施策を推進するために必要な財政上の措置を講ずること。

附 則

この条例は、公布の日から施行する。

倶知安町中小企業振興基本条例

平成24年12月14日 条例第27号

(平成24年12月14日施行)