○倶知安町子どものいじめの防止に関する条例

平成26年6月19日

条例第20号

(目的)

第1条 この条例は、いじめ防止対策推進法(平成25年法律第71号。以下「法」という。)の下、子どもに対するいじめの防止、いじめの早期発見及びいじめへの対処(以下「いじめの防止等」という。)に関する基本理念を定めることにより町、学校、保護者、地域社会、関係機関等の責務を明らかにするとともに、いじめの防止等のための基本方針を策定することなど、いじめの防止等についての対策を定め、子どもが安心して生活し、学ぶことができる環境をつくることを目的とする。

(用語の定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) いじめ 子どもが、一定の人間関係にある他の子どもから、心理的又は物理的な影響を受けること(インターネットを通じて行われるものを含む。)により心身の苦痛を感じているものをいう。

(2) 子ども 小学生及び中学生をいう。

(3) 学校 町内の小学校及び中学校をいう。

(4) 保護者 親権を行う者、未成年後見人その他子どもを現に監護する者をいう。

(5) 地域社会 町内に居住する者又は町内に通勤若しくは通学する者、事業を営む者並びに町内の自治組織及び各種団体をいう。

(6) 関係機関等 児童相談所、警察署、法務局等子どものいじめの問題に関わる機関、団体等をいう。

(基本理念)

第3条 いじめ防止の対策は、町、学校、保護者、地域社会、関係機関等が子どもが安心して生活し、学ぶことができる環境をつくるため、それぞれの責務を自覚し、主体的かつ相互に連携して、いじめの防止及びいじめの問題の解決に取り組むことを旨として行うものとする。

2 いじめ防止の対策は、いじめが心身に深刻な影響を及ぼすこと、及び全ての子どもがいじめを行わず、人との豊かな人間関係を築き、互いに相手を尊重しなければならないことについて、子どもの理解を深めることを旨として行うものとする。

3 いじめ防止の対策は、いじめを受けた子どもの心身を保護することが最も重要であることを認識し、社会全体でいじめの問題を克服することを目指して行うものとする。

(いじめの禁止等)

第4条 子どもは、いかなる理由があってもいじめを行ってはならない。

2 いじめを発見した子どもは、これを放置せず、学校又は保護者に通報又は相談するよう努めるものとする。

(倶知安町いじめ防止基本方針)

第5条 町長及び教育委員会は、法第11条の規定による国のいじめ防止基本方針を参酌し、共同して、いじめの防止等のための対策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針(以下「倶知安町いじめ防止基本方針」)という。)を定めるものとする。

2 町長及び教育委員会は、倶知安町いじめ防止基本方針を定めるに当たっては、あらかじめ、倶知安町いじめ防止専門委員会の意見を聴かなければならない。

(町の責務)

第6条 町長は、いじめの防止等のために、必要な施策を講じなければならない。

2 教育委員会は、いじめの防止等のための施策を適正に実施するとともに、学校設置者として学校に対し必要な指導、助言又は援助を行うなど、学校と一体となって必要な措置を講じなければならない。

(学校及び教職員の責務)

第7条 学校は、国のいじめ防止基本方針及び倶知安町いじめ防止基本方針を参酌し、その学校の実情に応じ、自らの学校を対象とする学校いじめ防止基本方針を定め、これを公表するものとする。

2 学校及び教職員は、基本理念にのっとり学校全体で子どもの見守りに努め、いじめの未然防止に取り組むとともに、早期発見と早期対応に努めなければならない。

3 学校及び教職員は、さまざまな教育活動を通じて、人と人との関わりが豊かなものとなるように配慮し、子どもがいじめを許さない心情や態度を育むための教育活動の充実に努めなければならない。

4 学校及び教職員は、いじめの通報や相談を受けた場合は、速やかにその事実を確認し、組織的対応を講ずるとともに、教育委員会に報告し、必要に応じて町、関係機関等と連携して解決に当たらなければならない。

(保護者の責務)

第8条 保護者は、いじめの防止等のために、学校、その他の関係機関と連携及び協力するとともに、子どもに対し、いじめは、絶対に許されない行為であることを理解させるよう努めるものとする。

2 保護者は、いじめを発見し、又はいじめのおそれがあると思われるときは、速やかに学校、教育委員会、関係機関等に通報又は相談をするように努めるものとする。

(地域社会の役割)

第9条 地域社会は、子どもに対する見守り、声かけ等を行い、子どもが安心して過ごすことができる環境をつくるよう努めるものとする。

2 地域社会は、いじめを発見し、又はいじめのおそれがあると思われるときは、速やかに学校、町又は関係機関等に情報を提供するなど、町及び学校が行ういじめの防止等のための措置に協力するよう努めるものとする。

(相談体制の充実)

第10条 学校及び教職員は、いじめを防止し、かつ、早期に発見するため、子どもや保護者等が、いつでも安心して相談できる環境を整えるものとする。

2 町は、子ども、保護者及び地域社会からのいじめに関する通報又は相談のための体制を整えるものとする。

(啓発活動等)

第11条 町は、学校、関係機関等と連携し、いじめ防止等に関する必要な広報その他啓発活動を行うものとする。

2 教育委員会は、子どもが自他の生命や人権を大切にする態度を育めるよう学校教育の充実を図るものとする。

(いじめ防止専門委員会の設置)

第12条 教育委員会の附属機関として、倶知安町いじめ防止専門委員会(以下「専門委員会」という。)を設置する。

2 専門委員会は、次に掲げる事務を所掌する。

(1) 教育委員会の諮問に応じ、いじめの防止等のための対策を推進する重要事項の調査及び審議を行うこと。

(2) 第14条第1項の規定による重大事態の調査及び審議をすること。

3 専門委員会は、前2項に規定する所掌事項を行うために必要があると認めるときは、関係者に対して資料の提出、説明等協力を求めることができる。

4 専門委員会の委員は、5人以内とし、次に掲げる者のうちから教育委員会が任命する。

(1) 学識経験を有する者

(2) いじめの防止等に関する知見を有する者

5 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

6 委員は、再任することができる。

7 専門委員会に委員長を置き、会務を総理する。

8 専門委員会の会議は、委員長が招集し、会議の議長となる。

9 会議の議事は、出席した委員の過半数で決し、可否同数のときは、委員長が決するところによる。

10 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。

11 専門委員会は、所掌事務についてその結果を速やかに教育委員会に答申し、又は報告しなければならない。

12 教育委員会は、前項の規定による答申又は報告を受けたときは、その内容を町長に報告しなければならない。

(専門委員会への協力)

第13条 学校、保護者、地域社会及び関係機関等は、専門委員会の活動に協力するものとする。

(重大事態への対処)

第14条 学校は、法第28条第1項各号に規定する重大事態(以下「重大事態」という。)が生じたときは、速やかに教育委員会に報告し、教育委員会は、専門委員会において調査及び審議をさせなければならない。

2 学校は、重大事態が生じたときは、法第30条第1項の規定により、教育委員会を通じて速やかに町長にその旨を報告しなければならない。

3 町長は、前項の規定による報告を受けた結果、当該報告に係る重大事態への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のため必要があると認めるときは、次条のいじめ調査委員会に第1項の専門委員会による調査の結果について調査をさせることができる。

4 町長は、前項の規定による調査が終了した場合において、必要があると認めるときは、関係者に対し是正の措置を要請し、その対応状況を報告させるものとする。

5 町長は、第3項の調査が終了したときは、その結果を議会に報告しなければならない。この場合において、前項の規定による是正要請の対応状況についても合わせて報告するものとする。

(いじめ調査委員会の設置)

第15条 町長は、法第30条第2項の規定による調査を行う必要があると認めるときは、町長の附属機関として倶知安町いじめ調査委員会(以下「調査委員会」という。)を設置することができる。

2 調査委員会の委員は、5人以内とし、次に掲げる者のうちから町長が任命する。

(1) 学識経験を有する者

(2) いじめの防止等に関する知見を有する者

(3) 前2号に掲げる者のほか、町長が適当と認める者

3 委員の任期は、町長が任命した日から、当該調査に関する審議が終了したときまでとする。

4 委員は、専門委員会の委員と兼ねることができない。

5 調査委員会に委員長を置き、会務を総理する。

6 調査委員会の会議は、委員長が招集し、会議の議長となる。

7 会議の議事は、出席した委員の過半数で決し、可否同数のときは、委員長が決するところによる。

8 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。

(委任)

第16条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則又は教育委員会規則で定める。

この条例は、公布の日から施行する。

倶知安町子どものいじめの防止に関する条例

平成26年6月19日 条例第20号

(平成26年6月19日施行)