○双葉ダム管理規則
平成28年4月1日
規則第21号
双葉ダム管理規則(平成8年倶知安町規則第18号)の全部を改正する。
第1章 総則
(総則)
第1条 この規則は、双葉ダム管理条例(平成8年倶知安町条例第10号。以下「条例」という。)第2条及び第7条の規定に基づき、双葉ダム(以下「ダム」という。)の管理について必要な事項を定めるものとする。
(管理者の義務)
第2条 ダムの管理主任技術者(以下「管理者」という。)は、この規則の定めるところにより、ダムを管理するものとする。
2 管理者は、河川法(昭和39年法律第167号)第50条第1項に規定する資格を有する者でなければならない。
(異例の措置)
第3条 管理者は、この規則に定めのない事項を処理しようとするときは、あらかじめ町長の承認を得なければならない。ただし、非常事態の発生により緊急に措置を要する場合は、この限りでない。
2 前項ただし書の規定により処理を行ったときは、速やかに町長に報告し、その後の措置について指示を受けなければならない。
第2章 貯水、取水又は放流
第1節 ダムの水位及び貯水
(常時満水位)
第4条 ダムの常時満水位は、標高412.5メートルとする。
(最低水位)
第5条 ダムの最低水位は、標高389.5メートルとする。
(貯水位の基準)
第6条 ダムの水位(以下「貯水位」という。)は、取水塔に取り付けられた水位計の示度によるものとする。
(流水の貯留)
第7条 流水の貯留は、4月17日から9月9日とし、9月9日までに落水しなければならない。
(かんがい用水のための利用)
第8条 かんがい用水のための貯水の利用は、標高412.5メートルから標高389.5メートルまでの貯水位で容量最大930万9千立方メートルを利用して行うものとする。
第2節 取水
(かんがい用水のための取水)
第9条 管理者は、気象、水象及びかんがいの状況を考慮して受益地の必要な水量をダムから取水しなければならない。
2 管理者は、異常気象、渇水等により必要な水量を取水することが困難な場合には、町長に報告し、その指示を受けて適切な措置をとらなければならない。
(計画取水量)
第10条 かんがい用水のためのダムからの取水量は、次に掲げる量の範囲内とする。
(単位:毎秒立方メートル)
区分 | かんがい期間 | 備考 | |
月日 | (代かき期) 5月12日~5月31日 | (普通期) 6月1日~8月20日 | |
ダム注水用取水量 | 3.034 | 3.034 |
(取水及び流水の貯留の条件)
第11条 ダムにおける流水の貯留は、4月17日から9月9日までの期間において、ダムへの流入量が毎秒5.6立方メートルを超える場合に限り、その超える部分の範囲内において行うものとする。ただし、既にダムに貯留された流水を引き続き貯留するとき又はこれを取水するときは、この限りでない。
第3節 放流
(放流の制限)
第12条 ダムの貯留された水は、次の各号のいずれかに該当する場合に限り放流(取水のための放流を除く。)するものとする。
(1) 貯水位が常時満水位を超えるとき。
(2) 貯留を終了するとき。
(4) 条例第3条の規定により点検整備を行う必要があるとき。
(5) その他やむを得ない理由があるとき。
(放流量)
第13条 ダムから放流を行う場合の放流量は、下流の急激な変動を生じさせない範囲とする。
(放流の通知)
第14条 管理者は、ダムから放流することによって下流の水位に著しい変動を生ずると認めるときは、これによって生ずる危害を防止するため、別表第1に掲げる関係機関(以下「関係機関」という。)に通知するとともに、一般に周知させるための必要な措置をとらなければならない。
第3章 ゲート等の操作
(放流管バルブの操作)
第15条 放流管主バルブ及び副ゲートは、貯留期間以外の期間においては、全開の状態にしておかなければならない。
(1) 貯水位が標高380.0メートル以上標高389.5メートル未満の間にあり、第11条の規定により貯留制限する必要があるとき。
(2) かんがい期間終了後、貯水位が標高380.0メートル以上標高389.5メートル未満の間にあるとき。
(3) ダムその他貯水池内の施設又は工作物の点検若しくは整備のため必要があるとき。
(4) その他やむを得ない必要があるとき。
(取水管バルブの操作)
第16条 取水管主バルブ及び副ゲートは、貯留期間以外の期間においては、全開の状態にしておかなければならない。
(1) 貯水位が標高389.5メートル以上標高415.52メートルの間にあり、第11条の規定により貯留制限する必要があるとき。
(2) かんがい期間終了後、貯水位が標高389.5メートル以上標高415.52メートルの間にあるとき。
(3) かんがい期間において、取水する必要があるとき。
(4) ダムその他貯水池内の施設又は工作物の点検若しくは整備のため必要があるとき。
(5) その他やむを得ない必要があるとき。
(土砂吐ゲートの操作)
第17条 土砂吐主ゲート及び副ゲートは、貯留期間以外の期間においては、全開の状態にしておかなければならない。
(1) 貯水位が標高380.0メートル以下にあり、第11条の規定により貯留制限する必要があるとき。
(2) かんがい期間終了後、貯水位が標高380.0メートル以下にあるとき。
(3) ダムその他貯水池内の施設又は工作物の点検若しくは整備のため必要があるとき。
(4) その他やむを得ない必要があるとき。
第4章 緊急事態における措置
第1節 洪水
(洪水及び洪水時)
第18条 この規則において「洪水」とは、貯水池への流入量(以下「流入量」という。)が毎秒260立方メートル以上であることをいい、「洪水時」とは、洪水が発生しているとき(貯留期間及びかんがい期間に限る。以下同じ。)をいう。
(予備警戒体制)
第19条 京極町を対象として大雨に関する注意報が発せられ、又は洪水が発生するおそれがあると認められるときは、関係機関と協議し、予備警戒体制をとらなければならない。
(洪水警戒体制)
第20条 京極町を対象として大雨に関する警報(特別警報含む)が発せられ、又は洪水が発生するおそれが大きいと認められるときは、関係機関と協議し、洪水警戒体制をとらなければならない。
(予備警戒体制時における措置)
第21条 予備警戒体制時においては、次に掲げる措置をとらなければならない。
(1) 洪水時において、ダムを適切に管理することができる要員の確保
(2) ダムを操作するために必要な機械及び器具の点検並びに整備
(3) 気象官署が行う気象観測の結果の的確かつ迅速な収集
(4) ダムの水位、ゲートの開度、放流量及び流入量、時間雨量、累計雨量、危害防止のための措置に関する事項等ダムの操作に関する記録の作成
(5) その他ダムの管理上必要な措置
(1) 北海道開発局小樽開発建設部公物管理課に通知するとともに、関係市町村、土地改良区その他の機関との連絡並びに気象、水象に関する観測及び情報の収集を密接に行うこと。
(2) 最大流入量、洪水総量、洪水継続時間及び流入量の時間変化を予測すること
(3) 洪水調節計画をたて、予備放流を行う必要があるときは、その水位を定めること。
(4) ゲート並びにゲートの装備に必要な機械及び器具の点検、整備、予備電源設備の試運転その他ダムの操作に関し必要な措置をとること。
(2) その他ダムの管理上必要な措置
(予備警戒体制又は洪水警戒体制の解除)
第24条 管理者は、気象及び水象の状況により予備警戒又は洪水警戒の必要がなくなったと認めたときは、堤体等の異常の有無を点検し、異常を認めたときは速やかに必要な措置をとり、予備警戒体制又は洪水警戒体制を解除するものとする。
第2節 干ばつ
(干ばつ時における措置)
第25条 管理者は、ダムの貯水状況及び長期にわたる降雨量の予報等を勘案して、干ばつのおそれがあると認めたときは、町長及び関係土地改良区の意見を聴いて取水に関する節水計画をたて、これにより取水を行わなければならない。
第3節 地震
第4節 その他
(異常かつ重大な状態に関する報告)
第27条 ダム又は貯水池に関する異常かつ重大な状態が発見されたときは、直ちに北海道開発局小樽開発建設部公物管理課に通報しなければならない。
第5章 観測及び調査
(気象及び水象の観測)
第28条 管理者は、気象及び水象について、次に掲げる事項を定期的に観測しなければならない。
(1) 気象関係 天気、気温、湿度、風向、風速、気圧、降雨量等
(2) 水象関係 水位、流入量、放流量、取水量、水温等
(ダムの堆砂状況の調査)
第29条 管理者は、少なくとも毎年1回、ダムの堆砂状況を調査しなければならない。
(堤体の調査)
第30条 管理者は、堤体に設置された測定機器により、堤体の温度、変形、揚圧力及び漏水量について観測又は調査を行わなければならない。
(管理日誌)
第31条 管理者は、ダム管理日誌を備え、次に掲げる事項について記録しなければならない。
(2) ダムの状況及び点検整備に関する事項
(3) 緊急時における措置に関する事項
(4) ゲートの操作を行ったときは、操作の理由、操作の時刻、開度及び取水量又は放流量
(5) その他ダムの管理に関する事項
2 管理者は、毎月10日までに前月分の管理日誌を取りまとめ、町長にその内容を報告しなければならない。
附則
この規則は、平成28年4月1日から施行する。
附則(令和5年8月1日規則第18号)
この規則は、公布の日から施行し、この規則による改正後の別表第1の規定は、令和4年4月1日から適用する。
別表第1(第14条関係)
関係機関 | 連絡先 |
北海道開発局 | 小樽開発建設部公物管理課 |
北海道 | 小樽建設管理部真狩出張所 後志総合振興局産業振興部農村振興課 |
北海道倶知安警察署 | 倶知安警察署地域課、京極警察官駐在所 |
倶知安町 | 倶知安町役場 |
京極町 | 京極町役場 |
共和町 | 共和町役場 |
別表第2(第23条関係)
ダム諸元
ダム名 双葉ダム
流域面積 | 63.4km2 | 貯水池面積 | 0.643km2 |
総貯水量 | 10,450千m3 | 有効貯水量 | 9,309千m3 |
ダム天端標高 | EL=418.30m | ダム高 | 61.35m |
設計洪水位 | EL=415.52m | 常時満水位 | EL=412.50m |
設計洪水流量 | 780m3/s | 計画日雨量 | 180.9mm/日 |
水文記録等
※ 年 月 日 時
発信者
受信者
項目 | 時間最大雨量 | ダム最大貯水位 | 最大流入量 | 最大越流量 | 累計雨量 | 特記事項 |
時刻 | 日 時 | 日 時 | 日 時 | 日 時 | 日 時~ 日 時 | |
数値 | mm/h | m | m3/s | m3/s | mm |
※西暦で記載する。
別表第3(第23条関係)
年 月 日災害に際しての
ペーペナイ川の双葉ダムの操作について
1 概要
2 ダム操作状況について
(1) ゲート操作記録について
(2) ダム管理施設等と記録の信頼度について
(3) ダム操作状況について
3 ダム操作と水文状況について
(1) ダム上下流における降雨状況について
(2) ダム上下流における出水状況について
(3) ダム操作と水文状況について
4 水文資料の検討に基づくダム操作の適否について
(1) 水文資料による上下流の流出量の検討について
(2) ダム操作の適否について
5 その他の検討事項
通報、通知の確認について
6 添付資料
(1) ゲート操作記録
(2) 1/50,000災害平面図
(3) 管理規程
(4) その他
別表第4(第26条関係)
臨時点検については、主に目視による外観点検(以下「一次点検」という。)及び一次点検後の詳細な外観点検と計測による点検(以下「二次点検」という。)に区分する。
地震発生後にそれぞれの時点で次の事項を電話等により速やかに報告すること。
Ⅰ) 地震発生後おおむね1時間以内
a) 地震発生時間と最大加速度又は気象庁震度階
Ⅱ) 地震発生後おおむね3時間以内
a) 一次点検結果
b) 二次点検の実施時期
二次点検の実施が夜間に及ぶ場合には、一次点検において、被災が確認されない場合に限り、地震後の出水の可能性等に配慮しつつ、即時点検の必要性や夜間視認の不確実性を考慮の上、二次点検を翌日の早朝に実施することができるものとする。
Ⅲ) 地震発生後おおむね24時間以内
a) 二次点検結果
別図第1(第15条、第16条、第17条関係)
取水管と放流管の切換え時期は以下のとおり
貯留時:LWL到達後に放流管主バルブを全閉とし、取水管主バルブの開度調整を実施
落水時:LWL到達前までに取水管主バルブを全閉とし、放流管主バルブの開度調整を実施