○前橋市中小企業振興基本条例

平成25年9月17日

条例第50号

前橋市は、豊かな自然と詩情あふれる文化風土に恵まれ、群馬県の県都として、古くから多くの人々が集い、生活を続け、都市と自然が共生する街として発展してきました。

本市は、かつての製糸業の隆盛を背景に、製造・加工技術が発展し、現在でも輸送用機械器具製造業、食料品製造業、金属製品製造業などの業種が多く立地し、伝統的に「ものづくり」の精神が根付いた都市です。

「ものづくり」が発展してきた本市は、一方で、全国有数の農業生産額を誇るほか、卸・小売業や医療・福祉業等が数多く存在するなど、バランスの良い産業構造を保ちながら発展してきた都市でもあります。

本市の経済発展を支えた要因としては、自然災害が少なく、高速道路網の発展による交通結節機能が充実するほか、高度な研究機関や医療機関等が集積するなど、企業活動を行う環境に優れているということが挙げられます。

また、恵まれた条件を活かし発展を続けてきた本市の産業において、市内企業の中で大多数を占める中小企業が、本市経済を発展させる原動力となって貢献してきました。

本市経済をとりまく経済的、社会的環境は日々変化をしており、特に近年においては、グローバル経済の進展による大きな変化が幾度となく訪れております。

こうした変化に対応するため、中小企業者の自主的な経営基盤の強化や創意工夫による経営革新のほか、内陸型産業の弱みを強みに転換するとともに、本市の持つ特色の積極的な活用、さらには、高い技術の製造業、品質・品種に恵まれた農業、充実した高度医療機関等による業種を越えた連携など、本市の強みを活かし、経営資源・地域資源を最大限に活用することで、高い付加価値が産まれ、大きな発展が期待されております。

本市経済がより力強く、持続的に発展していくためには、経済成長をけん引し、市民の雇用や暮らしを支える極めて大きな役割を担う中小企業の活力ある事業の継続、発展が大変重要となります。

そのためには、中小企業者自らの努力はもちろん、地域社会を構成する各主体が手を取り合い、中小企業を支援していくことが必要となっております。

そこで、中小企業の振興に向けた基本理念と各主体の役割等を明らかにし、施策を総合的に推進するため、ここに、この条例を制定します。

(目的)

第1条 この条例は、市内中小企業の振興が、地域の活性化及び市民生活向上に資することの重要性を踏まえ、本市の責務、中小企業者の努力等について明らかにするとともに、市内中小企業の振興に関し本市の施策の基本となる事項を定めることにより、市内中小企業の健全な発展を図り、もって市民生活の向上に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 中小企業者 中小企業基本法(昭和38年法律第154号)第2条第1項各号に規定する中小企業者若しくは同条第5項に規定する小規模企業者又は中小企業等協同組合法(昭和24年法律第181号)に規定する事業協同組合若しくは企業組合であって、市内に事務所又は事業所を有するものをいう。

(2) 経済団体 商工会議所、商工会その他の市内における産業の振興を図ることを目的とした団体をいう。

(3) 大企業者 市内の事業者のうち中小企業者以外の者をいう。

(4) 大学等 市内において産業の振興に資する教育及び調査研究を行う大学その他の機関をいう。

(5) 金融機関等 市内の金融機関及び群馬県信用保証協会をいう。

(基本理念)

第3条 中小企業の振興は、次に掲げる基本理念にのっとり推進するものとする。

(1) 中小企業者自らの創意工夫、経営の改善、様々な環境に適応するための自助努力及び法令順守を基本とし、地域内の経済的循環を進めるとともに、地域外からの様々な資源の獲得を支援すること。

(2) 市、中小企業者、経済団体、大企業者、大学等、金融機関等及び市民のそれぞれが地域経済活性化の役割を担うべき主体となって中小企業を支えること。

(基本的施策)

第4条 市が行うべき中小企業振興の基本的施策は、次のとおりとする。

(1) 経済情勢の変化及び社会情勢の変化に柔軟に対応するため、技術力、経営力等を高度化し、経営基盤を強化するための施策を推進すること。

(2) 中小企業者が、市内外からの受発注機会を拡大するための施策を推進すること。

(3) 事業活動の多角化により、中小企業者の事業活動の安定及び拡大を図るための施策を推進すること。

(4) 他の事業者や大学等との連携を推進することで、独自技術の開発による競争力の向上を図るための施策を推進すること。

(5) 環境への配慮及び市民生活との調和に配慮した事業活動の維持に資する施策を推進すること。

(6) 中小企業者の積極的な人材育成を促進するための施策を推進すること。

(7) 中小企業者が、雇用の促進及び継続をするための施策を推進すること。

(8) 本市における新たな事業活動を推進し、市内の経済活動を活性化するため、起業及び創業を促進するための施策を推進すること。

(9) 本市が有する地域資源を活用し、産業の枠を越えた新たな事業の創出を図るための施策を推進すること。

(10) 未来を担う世代が市内中小企業において活躍できる環境整備を促進するための施策を推進すること。

(市の責務と役割)

第5条 市は、前2条の規定に基づき、中小企業の振興に関する施策等を総合的かつ計画的に推進するものとする。

2 市は、中小企業の振興施策を実施するため、中小企業者の状況を把握し、必要な財政上の措置を講ずるものとする。

3 市は、中小企業の振興施策の実施に当たっては、必要に応じて、国、群馬県、経済団体、大学等、金融機関等との連携を図るものとする。

(中小企業者の役割と努力)

第6条 中小企業者は、事業活動を行うに当たり、自らの事業の発展、経営の革新、そのための有益な情報の積極的な収集に努めるものとする。

2 中小企業者は、人材の育成、雇用の促進、福利厚生の充実及び後継者の育成に努めるものとする。

3 中小企業者は、事業活動を行うに当たり、地域社会の一員として地域貢献の積極的な取組に努めるものとする。

4 中小企業者は、事業活動を行うに当たり、周辺環境との調和及び市民生活の安全の確保に配慮するものとする。

(経済団体の役割)

第7条 経済団体は、中小企業者の事業活動を支援するとともに、市が行う中小企業の振興施策に協力するものとする。

(市民の理解と協力)

第8条 市民は、中小企業の振興が市民生活の安定及び向上並びに地域社会の健全な発展に寄与することを理解し、中小企業の成長発展に協力するよう努めるものとする。

2 市民は、中小企業の継続的な振興及び発展のため、本市が実施する中小企業の振興に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(大企業者の役割)

第9条 大企業者は、事業活動を行うに当たり、中小企業者及び大企業者が地域社会の健全な発展のために欠くことのできない重要な役割を持つことを認識し、連携及び協力に努めるものとする。

2 大企業者は、中小企業者が生産し、製造し、又は加工する製品を扱い、中小企業者が行うサービスを利用するよう努めるものとする。

(大学等の役割)

第10条 大学等は、中小企業者及び市と連携し、中小企業の振興に寄与するよう努めるものとする。

2 大学等は、中小企業の振興に資する人材の育成に努めるとともに、輩出された人材が中小企業において活躍できる機会を増やせるよう、必要な情報の収集及び提供に努めるものとする。

3 大学等は、市及び中小企業者に対し、中小企業の振興に資する知識又は情報の提供に努めるものとする。

(金融機関等の役割)

第11条 金融機関等は、中小企業者の活性化及び健全な事業活動の継続が、市民生活の安定及び向上並びに地域社会の健全な発展に寄与するという考えの下、中小企業者の事業活動に対し支援するよう努めるものとする。

2 金融機関等は、市及び大学等と連携し、中小企業の振興に寄与するよう努めるものとする。

3 金融機関等は、市内における起業及び創業に対し積極的な支援に努めるものとする。

(会議の開催等)

第12条 市は、この条例の目的を達成するため、必要な会議の開催その他必要な措置を講じるものとする。

(委任)

第13条 この条例に定めるもののほか、必要な事項は、市長が別に定める。

附 則

この条例は、平成25年10月1日から施行する。

前橋市中小企業振興基本条例

平成25年9月17日 条例第50号

(平成25年10月1日施行)