○前橋市文化振興条例

平成27年3月30日

条例第6号

芸術や芸能、スポーツ、教育、産業といった生活全般の多岐にわたる文化は、人々の人間性を育み、創造性や感性を豊かにし、生活に潤いと喜びを与えるものである。また文化は、地域のアイデンティティを高め、郷土を愛する心を育むとともに、地域の産業や観光などの重要な地域資源として、魅力と活力あるまちづくりの原動力となるものである。

前橋は、雄大な赤城山を背景に利根川、広瀬川などの美しい流れと緑豊かな自然に恵まれている。また、古墳をはじめとする数多くの歴史的遺産は、古代から営々と築いてきた前橋特有の文化的風土を今に伝え、さらに、近代以降の製糸業を中心とした絹産業の隆盛が、日本の近代化の礎と県都としての繁栄の基盤となった。そして、多くの詩人を輩出するなど、前橋は「水と緑と詩のまち」とうたわれる詩情豊かな文化的薫りを醸成してきた。

今日、工業化社会から高度な知性・創造性と多様性を志向する知識情報化社会へと社会構造が転換する中にあって、将来にわたり市民が心豊かに暮らし、前橋が魅力と活力のある都市として成長し続けるためには、文化を基盤としたまちづくりが求められている。

そのため、市並びに市民、文化活動を行う団体及び事業者(以下「市民等」という。)が文化ビジョンを共有し、先人が育んできた文化を見つめ直すとともに、新たな文化を創造し、将来の世代に引き継いでいく必要がある。

ここに、市と市民等が協働で文化を振興し、心の豊かさが実感できるまちづくりを推進するとともに、市民力と英知を結集し、郷土に愛着を感じ、地域の内外に誇れる前橋の文化(以下「前橋文化」という。)を創造するため、この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、文化の振興に当たっての基本理念を定め、市の責務及び市民等の役割を明らかにするとともに、文化の振興に関する施策の基本となる事項を定めることにより、文化の振興に関する施策を総合的に推進し、もって市民等が文化を享受し、前橋文化の創造及び文化を基盤としたまちづくりの実現に寄与することを目的とする。

(基本理念)

第2条 文化の振興は、次に掲げる基本理念にのっとり、推進されるものとする。

(1) 文化の振興に当たっては、文化が持つ多様性並びに市民等の自主性及び創造性を尊重することを旨とし、市民等の生活の充実が図られること。

(2) 文化の振興に当たっては、文化活動の担い手である人材を発掘し、及び育成するとともに、その能力を十分に発揮することができる環境の整備が図られること。

(3) 文化の振興に当たっては、文化を知識情報化社会における重要な地域資源と位置付け、産業、観光等の振興に関する施策と連携が図られること。

(4) 文化の振興に当たっては、地域の内外に広く文化が発信され、文化による交流及び広域的な連携が図られること。

(5) 文化の振興に当たっては、文化が長い時間をかけて培われ、及び根付き、並びに次代に継承される点を考慮し、長期的かつ継続的な視点で取り組むこと。

(市の責務)

第3条 市は、前条の基本理念にのっとり、文化の振興に関する施策を総合的かつ計画的に推進するものとする。

(市民等の役割)

第4条 市民及び文化活動を行う団体は、文化の担い手として主体的に文化を振興し、及び文化を創造するとともに、多様な文化活動を理解し、及び尊重し、並びに相互の交流に努めるものとする。

2 事業者は、前項に規定する役割並びに市民及び文化活動を行う団体の活動を支援する役割を果たすよう努めるものとする。

(財政上の措置)

第5条 市は、文化の振興に関する施策を実施するために必要な財政上の措置を講ずるものとする。

(基本方針)

第6条 市長は、文化の振興に関する施策を総合的かつ計画的に実施するため、文化の振興に関する基本的な方針(以下この条において「基本方針」という。)を定めなければならない。

2 基本方針は、文化の振興に関する施策を総合的かつ計画的に実施するための基本的な事項その他必要な事項について定めるものとする。

3 市長は、基本方針を定めるに当たっては、市民の意見を適切に反映することができるよう必要な措置を講じなければならない。

4 市長は、基本方針を定めたときは、速やかにこれを公表しなければならない。

5 前2項の規定は、基本方針の変更について準用する。

(環境の整備)

第7条 市は、市民等が等しく文化を享受し、及び創造し、並びに市民等の文化活動が活発に行われるため、多様な機会の確保及び環境の整備に努めるものとする。

2 市は、文化に係る交流が促進されるよう必要な施策を講ずるものとする。

(人材の育成)

第8条 市は、文化の担い手となる人材を育成し、及び活用するための必要な施策を講ずるものとする。

2 市は、次代を担う子どもたちの豊かな創造性及び感性を育むため、文化に関する教育の充実、子どもが行う文化活動に対する支援その他必要な施策を講ずるものとする。

(文化的な資源の保存及び活用)

第9条 市は、文化財、歴史的遺産、景観等の地域に根ざした文化的な資源を保存し、及び活用するための必要な措置を講ずるものとする。

(産業、観光等の振興に関する施策との連携)

第10条 市は、文化の振興に関する施策及び産業、観光等の振興に関する施策の連携を図り、魅力と活力のある文化を基盤としたまちづくりに資するよう配慮するものとする。

(前橋文化の創造及び発信)

第11条 市は、地域の文化的な資源及び人材を生かし、市民等と協働して前橋文化を創造し、各方面に発信するように努めるものとする。

(顕彰)

第12条 市は、文化の振興に関し功績のあった者の顕彰に努めるものとする。

(施策の推進のための措置)

第13条 市は、文化の振興に関する施策を効果的に推進するため、市民、文化活動を行う団体及び文化に関し専門的知識を有する者の意見を求め、これを適切に施策に反映させるための制度を整備するものとする。

(委任)

第14条 この条例に定めるもののほか、必要な事項は、市長が別に定める。

附 則

この条例は、平成27年4月1日から施行する。

前橋市文化振興条例

平成27年3月30日 条例第6号

(平成27年4月1日施行)