○目黒区中高層建築物等の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例

昭和53年12月

目黒区条例第30号

目黒区中高層建築物等の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例

(題名改正〔平成19年条例47号〕)

(目的)

第1条 この条例は、中高層建築物、大規模建築物及び特定用途建築物(以下「中高層建築物等」という。)の建築等に係る計画の事前公開並びに紛争のあっせん及び調停に関し必要な事項を定めることにより、良好な近隣関係を保持し、もって地域における健全な生活環境の維持及び向上に資することを目的とする。

(一部改正〔平成19年条例47号〕)

(定義)

第2条 この条例において使用する用語(次項第6号に掲げるものを除く。)の意義は、建築基準法(昭和25年法律第201号。以下「法」という。)及び建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)において使用する用語の例による。

2 この条例において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 中高層建築物 建築物の高さが10メートルを超える建築物(第1種低層住居専用地域及び第2種低層住居専用地域にあっては、軒の高さが7メートルを超える建築物又は地階を除く階数が3以上の建築物)(大規模建築物に該当するものを除く。)をいう。

(2) 大規模建築物 次の又はに掲げる建築物をいう。

 延べ面積が1,500平方メートル以上で、かつ、建築物の高さが15メートル以上又は地階を除く階数が5以上の建築物

 住戸(居室の用に供する区画をいう。次号において同じ。)の数が20以上で、かつ、延べ面積が1,500平方メートル以上の建築物

(3) 特定用途建築物 次の又はに掲げる建築物をいう。

 床面積が40平方メートル未満の住戸の数が10以上で、かつ、その階数が3以上の建築物(当該住戸の数が建築物全体の住戸の数の3分の1以下のものを除く。)

 周辺の生活環境に影響を及ぼすおそれがあると区長が認める用途に供する建築物で、その用途に供する部分(階段、便所、作業場等を除く。)の床面積の合計が500平方メートルを超えるもの

(4) 紛争 次の又はに掲げる紛争をいう。

 中高層建築物又は大規模建築物の建築に伴って生ずる日照、通風及び採光の阻害、風害、電波障害等並びに工事中の騒音、振動等の周辺の生活環境に及ぼす影響に関する近隣関係住民と建築主との間の紛争

 特定用途建築物の用途の特性が周辺の生活環境に及ぼす影響に関する周辺関係住民と建築主との間の紛争

(5) 用途の変更 既存の建築物の用途を変更して特定用途建築物にすること(法第87条第1項において準用する法第6条第1項若しくは第6条の2第1項に規定する確認又は法第18条第2項に規定する通知を必要とするものに限る。)をいう。

(6) 建築主 中高層建築物等に関する工事の請負契約の注文者若しくは請負契約によらないで自らその工事をする者又はその用途の変更をする者をいう。

(7) 近隣関係住民 次の又はに掲げる者をいう。

 中高層建築物又は大規模建築物の敷地境界線から当該建築物の高さの2倍の水平距離の範囲内にある土地又は建築物に関して権利を有する者及び当該範囲内に居住する者

 中高層建築物又は大規模建築物による電波障害の影響を著しく受けると認められる者

(8) 隣接関係住民 中高層建築物等の敷地境界線から当該建築物の高さと等しい水平距離の範囲内に居住する者をいう。

(9) 周辺関係住民 特定用途建築物の敷地境界線から規則で定める距離の範囲内にある土地又は建築物に関して権利を有する者及び当該範囲内に居住する者をいう。

(一部改正〔平成11年条例33号・19年47号〕)

(区長の責務)

第3条 区長は、紛争を未然に防止するよう努めるとともに、紛争が生じたときは、迅速かつ適正に調整するよう努めなければならない。

(当事者の責務)

第4条 建築主は、紛争を未然に防止するため、中高層建築物等の建築又は用途の変更を計画するに当たっては、周辺の生活環境に及ぼす影響に十分配慮するとともに、良好な近隣関係を損なわないよう努めなければならない。

2 建築主、近隣関係住民及び周辺関係住民は、紛争が生じたときは、相互の立場を尊重し、互譲の精神をもって、自主的に解決するよう努めなければならない。

(一部改正〔平成19年条例47号〕)

(標識の設置等)

第5条 建築主は、中高層建築物等の建築又は用途の変更をしようとするときは、近隣関係住民又は周辺関係住民(以下「近隣関係住民等」という。)にその計画の周知を図るため、当該建築敷地の見やすい場所に、規則で定めるところにより標識を設置しなければならない。

2 建築主は、前項の規定により標識を設置したときは、速やかにその旨を規則で定めるところにより、区長に届け出なければならない。

(一部改正〔平成19年条例47号〕)

(説明会の開催等)

第6条 次の各号に掲げる行為を行う建築主は、それぞれ当該各号に掲げるものに対し、規則で定めるところにより、説明会の開催等を行い、その計画の内容について説明しなければならない。

(1) 中高層建築物の建築 隣接関係住民及び説明の申出があった近隣関係住民

(2) 大規模建築物の建築 隣接関係住民及び説明の申出があった近隣関係住民

(3) 特定用途建築物の建築又は用途の変更 隣接関係住民及び説明の申出があった周辺関係住民

(4) 大規模建築物若しくは特定用途建築物の建築又は用途の変更(周辺の生活環境に及ぼす影響を勘案して規則で定めるものに限る。) 規則で定める団体

2 建築主は、前項の規定により説明(近隣関係住民等に対するものを除く。)を行ったときは、規則で定めるところにより、その内容について区長に報告しなければならない。

3 区長は、必要があると認めるときは、建築主に対し、第1項の規定により行った説明(近隣関係住民等に対するものに限る。)の内容について報告を求めることができる。

(全部改正〔平成19年条例47号〕)

(あっせん)

第7条 区長は、建築主と近隣関係住民等の双方から紛争の調整の申出があったときは、あっせんを行う。

2 区長は、前項の規定にかかわらず、建築主又は近隣関係住民等の一方から紛争の調整の申出があった場合において、相当な理由があると認めるときは、あっせんを行うことができる。

3 区長は、当事者間をあっせんし、双方の主張の要点を確かめ、紛争が解決されるよう努めなければならない。

(一部改正〔平成19年条例47号〕)

(あっせんの打切り)

第8条 区長は、当該紛争について、あっせんによっては紛争の解決の見込みがないと認めるときは、あっせんを打ち切ることができる。

(調停)

第9条 区長は、前条の規定によりあっせんを打ち切った場合において、必要があると認めるときは、当事者に対し、調停に移行するよう勧告することができる。

2 区長は、前項に規定する勧告をした場合において、当事者の双方がその勧告を受諾したときは、調停を行う。

3 区長は、前項の規定にかかわらず、当事者の一方が第1項に規定する勧告を受諾した場合において、相当な理由があると認めるときは、調停を行うことができる。

4 区長は、調停を行うに当たって必要があると認めるときは、調停案を作成し、当事者に対し、期間を定めてその受諾を勧告することができる。

5 区長は、調停を行うに当たっては、目黒区建築紛争調停委員会(以下「調停委員会」という。)の意見を聴かなければならない。

(調停の打切り)

第10条 区長は、当事者間に合意が成立する見込みがないと認めるときは、調停を打ち切ることができる。

2 前条第4項の規定による勧告が行われた場合において、定められた期間内に当事者の双方から受諾する旨の申出がないときは、当該調停は打ち切られたものとみなす。

(調停委員会)

第11条 区長の付属機関として、調停委員会を置く。

2 調停委員会は、第9条第5項の規定による区長の意見の求めに応じ、必要な調査審議を行い意見を述べるとともに、区長の諮問に応じて、紛争の予防と調整に関する重要事項について調査審議する。

3 調停委員会は、法律・建築又は環境等の分野に関し優れた知識及び経験を有する者のうちから区長が委嘱する委員6人以内をもって組織する。

4 委員の任期は2年とし、補欠委員の任期は前任者の残任期間とする。ただし、再任を妨げない。

5 調停委員会に会長を置き、委員のうちから互選により定める。

6 会長は、調停委員会を代表し、会務を総理する。

7 会長に事故があるときは、あらかじめ会長の指名する委員がその職務を代理する。

8 調停委員会は、区長が招集する。

9 調停委員会は、委員の半数以上の出席がなければ、会議を開くことができない。

10 調停委員会の議事は、出席した委員の過半数をもって決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。

11 前2項の規定にかかわらず、第9条第5項の規定による調停委員会の意見は、会長が事案ごとに指名する3人以上の委員の合意によることができる。

(出頭)

第12条 区長は、あっせん又は調停のため必要があると認めるときは、当事者の出頭を求め、その意見を聴くことができる。

(関係図書の提出)

第13条 区長は、あっせん又は調停のため必要があると認めるときは、当事者に対し、関係図書の提出を求めることができる。

(工事着手の延期等の要請)

第14条 区長は、あっせん又は調停のため必要があると認めるときは、建築主に対して、期間を定めて工事の着手の延期又は工事の停止を要請することができる。

(公表)

第15条 区長は、次の各号のいずれかに該当し、かつ、必要があると認めるときは、その旨を公表することができる。

(1) 建築主が第5条第1項の規定による標識設置をしないとき。

(2) 建築主が第5条第2項の規定による届出をしないとき。

(3) 建築主が第6条第2項の規定による報告をしないとき。

(4) 第12条の規定による出頭の求めを受けた当事者がその求めに正当な理由がなく従わないとき。

(5) 第13条の規定による関係図書の提出の求めを受けた当事者がその求めに正当な理由がなく従わないとき。

(6) 前条の規定による工事の着手の延期又は工事の停止の要請を受けた建築主がその要請に正当な理由がなく従わないとき。

(全部改正〔平成11年条例33号〕、一部改正〔平成19年条例47号〕)

(東京都中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例の適用関係)

第16条 東京都中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例(昭和53年7月東京都条例第64号)の適用を受ける中高層建築物等については、この条例は適用しない。ただし、第1条から第6条まで及び第17条の規定に限り、第5条第1項中「設置しなければならない」とあるのは「設置するよう努めなければならない」と、同条第2項中「届け出なければならない」とあるのは「届け出るよう努めなければならない」と、第6条第1項中「説明しなければならない」とあるのは「説明するよう努めなければならない」と、同条第2項中「報告しなければならない」とあるのは「報告するよう努めなければならない」と読み替えて適用する。

(追加〔平成19年条例47号〕)

(委任)

第17条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(一部改正〔平成19年条例47号〕)

1 この条例は、公布の日から起算して3月を超えない範囲内において規則で定める日から施行する。

(昭和54年規則第2号で、昭和54年2月20日から施行)

2 区が建築主である中高層建築物等については、第7条から第15条までの規定は適用しない。

(一部改正〔平成19年条例47号〕)

(平成8年3月15日条例第12号)

1 この条例の施行期日は、規則で定める。

(平成8年規則第87号で、平成8年5月31日から施行)

2 この条例の施行の際現にこの条例による改正前の東京都目黒区中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例の規定に基づき行われている中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整については、なお従前の例による。

(平成11年12月1日条例第33号)

1 この条例は、平成12年4月1日から施行する。

2 この条例の施行の際現に目黒区中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例第5条第1項の規定による標識設置をしている中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整については、なお従前の例による。

(平成19年11月30日条例第47号)

(施行期日)

1 この条例は、平成20年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例による改正後の目黒区中高層建築物等の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例(以下「新条例」という。)第5条第1項の規定を適用するとしたならば、同項の規定によりこの条例の施行の日の前日までに標識の設置を行わなければならないこととなる建築物については、新条例の規定は適用せず、なお従前の例による。

(職員の特殊勤務手当に関する条例の一部改正)

3 職員の特殊勤務手当に関する条例(平成11年3月目黒区条例第7号)の一部を次のように改正する。

(次のよう略)

目黒区中高層建築物等の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例

昭和53年12月 条例第30号

(平成20年4月1日施行)