○目黒区公契約条例

平成29年12月7日

目黒区条例第36号

目黒区公契約条例

(目的)

第1条 この条例は、公契約の手続及び履行に係る基本的な方針等を定め、労働者等の適正な労働条件を確保することにより、優れた人材を確保できる環境の整備及び公契約の適正な履行の確保を図り、もって区民サービスの向上及び地域経済の活性化に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 公契約 目黒区(以下「区」という。)が締結する請負契約、業務委託契約及び地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項に規定する公の施設の管理に関する協定(以下「協定」という。)をいう。

(2) 受注者 区と公契約を締結した事業者をいう。

(3) 受注関係者 次に掲げる事業者をいう。

 区以外の事業者から公契約に係る業務の一部を請け負い、又は受託した事業者(次号イに掲げる事業者を除く。)

 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和60年法律第88号)第26条第1項に規定する労働者派遣契約に基づき受注者又はに掲げる事業者に対して次号アに掲げる者を派遣した事業者

(4) 労働者等 次に掲げる者(区長が別に定める者を除く。)をいう。

 受注者又は受注関係者に雇用され、公契約に係る業務に従事する者

 自らの労務の対価を得るために公契約に係る業務の一部を請け負い、又は受託した事業者

(適用範囲)

第3条 第7条第1項及び第8条から第19条までの規定は、次に掲げる公契約について適用する。

(1) 予定価格が5,000万円以上の工事の請負契約

(2) 予定価格が1,000万円以上の業務委託契約のうち、規則で定めるもの

(3) 協定のうち、規則で定めるもの

(基本方針)

第4条 公契約の手続及び履行に係る基本的な方針は、次のとおりとする。

(1) 公契約の入札、過程及び内容の透明性を確保すること。

(2) 公契約の入札に参加しようとし、又は公契約の相手方になろうとする事業者の間の公正な競争を促進すること。

(3) 談合その他の不正行為を排除すること。

(4) 区の区域内(以下「区内」という。)の事業者が公契約に係る業務を請け負い、又は受託すること及び区内の者が公契約に係る業務に従事することができる機会を確保するよう努めること。

(5) 労働者等の適正な労働条件を確保すること。

(6) 公契約の適正な履行を確保すること。

(区の責務)

第5条 区は、前条に規定する基本的な方針にのっとり、公契約に関する施策を総合的かつ効果的に推進しなければならない。

(受注者の責務)

第6条 受注者は、公契約に関わる者としての社会的な責任を自覚し、この条例その他の法令を遵守するとともに、労働者等の適正な労働条件を確保するよう努めなければならない。

2 受注者は、前条の施策に協力するよう努めなければならない。

(労働報酬下限額)

第7条 受注者及び受注関係者は、その労働者等に対して、労働報酬下限額(労働者等に対して支払われるべき1時間当たりの労務の対価の下限の額をいう。以下同じ。)以上の報酬を支払わなければならない。

2 区長は、次の各号に掲げる公契約に応じ、それぞれ当該各号に定める額その他の事情を勘案して、労働報酬下限額を定めるものとする。

(1) 工事の請負契約 農林水産省及び国土交通省が決定する公共工事の工事費の積算に用いるための労務の単価

3 区長は、前項の規定により労働報酬下限額を定めるときは、あらかじめ目黒区公契約審議会の意見を聴くものとする。

4 区長は、第2項の規定により労働報酬下限額を定めたときは、これを告示するものとする。

(一部改正〔令和2年条例4号〕)

(受注者の連帯責任)

第8条 受注者は、その受注関係者がその労働者等に対して支払った報酬の額が労働報酬下限額未満のときは、当該労働者等に対し、連帯して、当該報酬の額と労働報酬下限額との差額に相当する額を支払わなければならない。

(区内の事業者の活用)

第9条 受注者は、公契約に係る業務の一部を他の事業者(自らの労務の対価を得るために業務を請け負い、又は受託する事業者を除く。以下この条において同じ。)に請け負わせ、又は委託しようとするときは、区内の事業者に当該公契約に係る業務の一部を請け負わせ、又は委託するよう努めなければならない。

(労働者等に対する周知)

第10条 受注者は、次に掲げる事項を公契約に係る業務を実施する場所の見やすい場所に掲示し、若しくは備え付け、又は当該事項を記載した書面を労働者等に交付しなければならない。

(1) 労働者等の範囲

(2) 労働報酬下限額

(3) 第13条の規定による申出をするときの申出先

(健康保険法による被保険者の資格等に関する情報の報告)

第11条 受注者は、その労働者等に係る健康保険法(大正11年法律第70号)による被保険者の資格等に関する情報を区長が指定する期日までに区長に報告しなければならない。

(台帳の作成及び提出)

第12条 受注者は、その労働者等の氏名、職種及び労働報酬下限額その他区長が別に定める事項を記載した台帳を作成し、区長が指定する期日までに区長に提出しなければならない。

(労働者等の申出)

第13条 労働者等は、公契約に係る業務に係る報酬が支払われるべき日において労働報酬下限額以上の当該報酬の額が支払われないときは、その事実を区長、当該労働者等を雇用する受注者若しくは受注関係者又は当該労働者等に当該業務を請け負わせ、若しくは委託した受注者若しくは受注関係者に申し出ることができる。

(不利益な取扱いの禁止)

第14条 受注者及び受注関係者は、前条の規定による申出があったときは、当該申出をした労働者等に対し、誠実に対応するとともに、当該申出を理由に解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

(報告等の要求及び立入調査)

第15条 区長は、第13条の規定による申出があったとき又は公契約の履行に係る調査の必要があると認めるときは、受注者若しくは受注関係者に必要な報告若しくは資料の提出を求め、又は区の職員に受注者若しくは受注関係者の事務所若しくは事業所に立ち入り、必要な調査をさせることができる。

2 前項の調査を行う職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。

(是正措置)

第16条 区長は、前条第1項の規定による報告等の要求又は立入調査の結果、受注者又は受注関係者がこの条例に違反していると認めるときは、当該受注者又は受注関係者に対して、当該違反を是正するために必要な措置を講ずることを求めるものとする。

2 受注者又は受注関係者は、前項の措置を講じたときは、区長が指定する期日までに当該措置の内容を区長に報告しなければならない。

(公契約の解除)

第17条 区は、受注者又は受注関係者が次のいずれかに該当するときは、公契約を解除することができる。

(1) 第15条第1項の報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告若しくは資料の提出をし、又は同項の調査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。

(2) 前条第1項の措置を正当な理由なく講じないとき又は同条第2項の報告をせず、若しくは虚偽の報告をしたとき。

(公表)

第18条 区は、前条の規定による解除をしたときは、その旨を公表するものとする。

(損害賠償)

第19条 区は、受注者に対し、第17条の規定による解除により生じた損害の賠償を請求することができる。

2 区は、第17条の規定による解除により受注者に生じた損害を賠償する責任を負わない。

(目黒区公契約審議会)

第20条 区長は、労働報酬下限額その他区長が必要と認める事項について調査審議するため、区長の付属機関として、目黒区公契約審議会を置く。

2 目黒区公契約審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。

(委任)

第21条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

1 この条例は、平成30年10月1日から施行する。ただし、第7条第2項から第4項まで及び第20条の規定は、同年2月1日から施行する。

2 第7条第1項及び第8条から第19条までの規定は、この条例の施行の日以後に行う地方自治法施行令(昭和22年政令第16号)第167条の6第1項の規定による公告又は同令第167条の12第1項の規定による指名に係る請負契約及び業務委託契約、同日以後に随意契約により締結する請負契約及び業務委託契約(区長が別に定める請負契約又は業務委託契約を除く。)並びに平成31年4月1日以後に締結する協定(同日前に締結した協定に基づき締結する協定を除く。)について適用する。

(令和2年3月6日条例第4号)

この条例は、令和2年4月1日から施行する。

目黒区公契約条例

平成29年12月7日 条例第36号

(令和2年4月1日施行)