○美濃加茂市債権管理条例
平成28年3月22日
条例第2号
(目的)
第1条 この条例は、市の債権の管理に関し必要な事項を定めることにより、市の債権の管理の適正を図り、もって市民負担の公平を確保し、及び円滑な行財政運営に資することを目的とする。
(1) 市の債権 金銭の給付を目的とする市の権利をいう。
(2) 公債権 市の債権のうち、消滅時効が完成した場合に時効の援用を要することなく消滅する債権をいう。
(3) 強制徴収公債権 公債権のうち、地方税法(昭和25年法律第226号)の規定に基づく徴収金に係るもの及び法令の規定に基づき国税又は地方税の滞納処分の例により処分することができるものをいう。
(4) 非強制徴収公債権 公債権のうち、強制徴収公債権以外の債権をいう。
(5) 私債権 市の債権のうち、公債権以外の債権をいう。
(6) 非強制徴収債権 非強制徴収公債権及び私債権をいう。
(他の法令等との関係)
第3条 市の債権の管理については、法令、条例又はこれらに基づく規則(地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第2項に規定する規程及び地方公営企業法(昭和27年法律第292号)第10条に規定する企業管理規程を含む。以下同じ。)に特別の定めがある場合を除くほか、この条例の定めるところによる。
(市長の責務)
第4条 市長(水道事業及び下水道事業の管理者の権限を行う市長を含む。)は、法令、条例又はこれらに基づく規則の定めるところにより、市の債権を適正に管理しなければならない。
(管理台帳の整備)
第5条 市長は、市の債権を適正に管理するため、規則で定める事項を記載した管理台帳(電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。)を含む。)を整備しなければならない。ただし、市の債権の管理の便宜上、市長が特に必要がないと認める場合は、この限りでない。
(徴収計画)
第6条 市長は、市の債権を計画的に徴収するため、毎年度徴収計画を策定しなければならない。
(債務者の生活再建に資する指導助言)
第7条 市長は、市の債権の管理に関する事務を遂行するに当たり、債務者が著しい生活困窮に陥っていることが判明した場合、債務者の生活再建に資するよう当該事務を通して適切な指導又は助言を行うものとする。
2 市長は、前項に定める指導又は助言を行うための関係部局の連絡調整体制を構築しなければならない。
(庁内の情報共有)
第8条 市長は、市の債権について履行期限までに履行されない場合において、第10条から第16条までの規定又はこれらの規定に相当する法令若しくは他の条例の規定に基づく措置若しくは処分(以下この項において「措置等」という。)の判断に資すると認める限りにおいて、その措置等に係る債務者の当該市の債権以外の市の債権に係る滞納の有無(滞納がある場合は、その滞納している額を含む。)及び市長が行った措置等の情報を、同一の実施機関(美濃加茂市個人情報の保護に関する法律施行条例(令和5年美濃加茂市条例第1号)第2条第1項に規定する実施機関をいう。以下この条において同じ。)内において利用し、他の実施機関に提供し、又は他の実施機関から収集することができる。
2 前項に規定する場合において、債務者の所在が明らかでないときは、市長は、当該市の債権以外の市の債権に関して保有する当該債務者の氏名、生年月日並びに住所、電話番号その他当該債務者との連絡に必要な情報を同一の実施機関内において利用し、他の実施機関に提供し、又は他の実施機関から収集することができる。
(督促)
第9条 市長は、市の債権について、履行期限までに履行しない者があるときは、履行期限後30日以内にこの条例その他の法令、条例又はこれらに基づく規則の定めるところにより、期限を指定してこれを督促しなければならない。
(1) 担保の付されている非強制徴収債権(保証人の保証がある非強制徴収債権を含む。)については、当該非強制徴収債権の内容に従い、その担保を処分し、若しくは競売その他の担保権の実行の手続をとり、又は保証人に対して履行を請求すること。
(2) 債務名義のある非強制徴収債権(次号に規定する措置により債務名義を取得したものを含む。)については、強制執行の手続をとること。
(履行期限の繰上げ)
第11条 市長は、市の債権について履行期限を繰り上げることができる理由が生じたときは、遅滞なく、債務者に対し、履行期限を繰り上げる旨の通知をしなければならない。ただし、第14条第1項各号のいずれかに該当する場合その他特に支障があると認める場合は、この限りでない。
(債権の申出等)
第12条 市長は、市の債権について、債務者が強制執行又は破産開始手続の決定を受けたこと等を知った場合において、法令の規定により市が債権者として配当の要求その他債権の申出をすることができるときは、直ちに、そのための措置をとらなければならない。
2 前項に規定するもののほか、市長は、市の債権を保全するため必要があると認めるときは、債務者に対し、担保の提供(保証人の保証を含む。)を求め、又は仮差押え若しくは仮処分の手続をとる等必要な措置をとらなければならない。
(徴収停止)
第13条 市長は、非強制徴収債権で履行期限後相当の期間を経過してもなお完全に履行されていないものについて、次の各号のいずれかに該当し、これを履行させることが著しく困難又は不適当であると認めるときは、以後その保全及び取立てをしないことができる。
(1) 法人である債務者がその事業を休止し、将来その事業を再開する見込みがなく、かつ、差し押さえることができる財産の価額が強制執行の費用を超えないと認められるとき。
(2) 債務者の所在が不明であり、かつ、差し押さえることができる財産の価額が強制執行の費用を超えないと認められるときその他これに類するとき。
(3) 債権金額が少額で、取立てに要する費用に満たないと認められるとき。
(履行延期の特約等)
第14条 市長は、非強制徴収債権について、次の各号のいずれかに該当する場合においては、その履行期限を延長する特約又は処分をすることができる。この場合において、当該非強制徴収債権の金額を適宜分割して履行期限を定めることを妨げない。
(1) 債務者が無資力又はこれに近い状態にあるとき。
(2) 債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であり、かつ、その現に有する資産の状況により、履行期限を延長することが徴収上有利であると認められるとき。
(3) 債務者について災害、盗難その他の事故が生じたことにより、債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であるため、履行期限を延長することがやむを得ないと認められるとき。
(4) 損害賠償金又は不当利得による返還金に係る非強制徴収債権について、債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であり、かつ、弁済につき特に誠意を有すると認められるとき。
2 市長は、履行期限後においても、前項の規定により履行期限を延長する特約又は処分をすることができる。この場合においては、既に発生した履行の遅滞に係る損害賠償金その他の徴収金(以下「損害賠償金等」という。)に係る非強制徴収債権は、徴収すべきものとする。
(免除)
第15条 市長は、前条の規定により債務者が無資力又はこれに近い状態にあるため履行延期の特約又は処分をした非強制徴収債権について、当初の履行期限(当初の履行期限後に履行延期の特約又は処分をした場合は、最初に履行延期の特約又は処分をした日)から10年を経過した後において、なお、債務者が無資力又はこれに近い状態にあり、かつ、弁済することができる見込みがないと認められるときは、当該非強制徴収債権及びこれに係る損害賠償金等を免除することができる。
3 前2項の免除をする場合については、議会の議決は、これを要しない。
(1) 債務者が破産法(平成16年法律第75号)第253条第1項、会社更生法(平成14年法律第154号)第204条第1項その他の法令の規定により、当該非強制徴収債権につきその責任を免れたとき。
(2) 当該非強制徴収債権(消滅時効について時効の援用を要しない非強制徴収債権を除く。)について、消滅時効に係る時効期間が満了したとき。ただし、債務者が消滅時効の援用をしない特別の理由がある場合は、この限りでない。
(3) 債務者が生活困窮状態(生活保護法(昭和25年法律第144号)の適用を受けている状態又はこれに準ずる状態をいう。)にあり、資力の回復が困難で、かつ、相当の期間を経ても債務の弁済することができる見込みがないと認められるとき。
(4) 当該非強制徴収債権について第13条の規定による徴収停止の措置をとった場合において、当該措置をとった日から相当の期間を経過した後においても、なお履行させることが著しく困難又は不適当であると認められるとき。
(5) 債務者が死亡し、その債務について限定承認があった場合、相続人全員が相続放棄をした場合又は相続人の存在が明らかでない場合であって、その相続財産の価額が強制執行をした場合の費用並びに他の優先して弁済を受ける市の債権及び市以外の者の権利の金額の合計額を超えないと見込まれるとき。
(6) 保証人の保証がある非強制徴収債権について、保証人が死亡したとき。
(7) 当該非強制徴収債権の存在につき法律上の争いがある場合おいて、市長が勝訴の見込みがないものと決定したとき。
2 市長は、前項の規定により非強制徴収債権を放棄したときは、これを議会に報告しなければならない。
(委任)
第17条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。
附則
この条例は、平成28年4月1日から施行する。
附則(令和4年12月16日条例第36号)抄
(施行期日)
1 この条例は、令和5年4月1日から施行する。
附則(令和5年3月24日条例第3号)
この条例は、令和5年4月1日から施行する。