○村上市伝統的建造物群保存地区保存条例

令和3年12月20日

条例第36号

(目的)

第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第143条第1項の規定に基づき、本市が都市計画に定める伝統的建造物群保存地区に関し、現状変更の規制その他保存のために必要な事項を定めることにより、文化財を保存し、かつ、その活用を図り、もって市民の文化的向上に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「伝統的建造物群」とは、法第2条第1項第6号に規定する伝統的建造物群をいう。

2 この条例において「伝統的建造物群保存地区」とは、法第142条に規定する伝統的建造物群保存地区(以下「保存地区」という。)をいう。

(保存活用計画)

第3条 教育委員会は、本市が都市計画に保存地区を定めたときは、第11条に規定する村上市伝統的建造物群保存地区保存活用審議会(以下「審議会」という。)の意見を聴いて、当該保存地区の保存及び活用に関する計画(以下「保存活用計画」という。)を定めるものとする。

2 前項の保存活用計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

(1) 保存地区の保存及び活用に関する基本計画に関する事項

(2) 保存地区内における伝統的建造物群を構成している建築物その他の工作物(以下「伝統的建造物」という。)及び伝統的建造物群と一体をなす環境を保存するため、特に必要と認められる物件(以下「環境物件」という。)の決定に関する事項

(3) 保存地区内における建築物その他の工作物(以下「建築物等」という。)及び環境物件の保存整備計画に関する事項

(4) 保存地区内における建築物等及び環境物件に係る助成措置等に関する事項

(5) 保存地区の保存のため必要な管理施設及び設備並びに環境の整備に関する事項

3 教育委員会は、第1項の保存活用計画を定めたときは、これを告示しなければならない。

4 第1項及び前項の規定は、保存活用計画を変更する場合について準用する。

(現状変更行為の規制)

第4条 保存地区内における次に掲げる行為については、あらかじめ教育委員会の許可を受けなければならない。

(1) 建築物等の新築、増築、改築、移転又は除却

(2) 建築物等の修繕、模様替え又は色彩の変更でその外観を変更することとなるもの

(3) 宅地の造成その他の土地の形質の変更

(4) 木竹の伐採

(5) 土石類の採取

(6) 水面の埋立て又は干拓

2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる行為については、同項の規定による許可を受けることを要しない。

(1) 非常災害のため必要な応急措置として行う行為

(2) 次に掲げる工作物(建築物以外の工作物をいう。以下同じ。)の新築、増築、改築、移転又は除却

 仮設の工作物

 水道管、下水道管、井戸その他これらに類する工作物で地下に設けるもの

(3) 次に掲げる木竹の伐採

 間伐、枝打ち、整枝等木竹の保育のために通常行われる木竹の伐採

 枯損した木竹又は危険な木竹の伐採

 森林病害虫等を防除するための木竹の伐採

 自家の生活の用に充てるために必要な木竹の伐採

 仮植した木竹の伐採

(4) 前3号に掲げるもののほか、次に掲げる行為

 法令又はこれに基づく処分による義務の履行として行う行為

 新潟県公安委員会及び道路管理者が行う道路標識等の設置又は管理に係る行為

3 教育委員会は、第1項の規定による許可をする場合には、保存地区の保存のため必要な限度において条件を付すことができる。

(許可の基準)

第5条 教育委員会は、前条第1項各号に掲げる行為が次に定める基準に適合しないときは、同項の規定による許可をしてはならない。

(1) 伝統的建造物の増築若しくは改築又は修繕、模様替え若しくは色彩の変更でその外観を変更することとなるものについては、それらの行為後の伝統的建造物の位置、規模、形態、意匠又は色彩が当該伝統的建造物群の特性を維持していると認められるものであること。

(2) 伝統的建造物の移転(同一保存地区内における当該伝統的建造物の移築を含む。以下この号において同じ。)については、移転後の伝統的建造物の位置及び移転後の状態が当該伝統的建造物群の特性を維持していると認められるものであること。

(3) 伝統的建造物の除却については、除却後の状態が当該伝統的建造物群の特性を維持していると認められるものであること。

(4) 伝統的建造物以外の建築物等の新築、増築若しくは改築又は修繕、模様替え若しくは色彩の変更でその外観を変更することとなるものについては、それらの行為後の当該建築物等の位置、規模、形態、意匠又は色彩が当該保存地区の歴史的風致を著しく損なうものでないこと。

(5) 前号の建築物等の移転については、移転後の当該建築物等の位置及び移転後の状態が当該保存地区の歴史的風致を著しく損なうものでないこと。

(6) 第3号の建築物等の除却については、除却後の状態が当該保存地区の歴史的風致を著しく損なうものでないこと。

(7) 前条第1項第3号から第6号までの行為については、それらの行為後の地貌その他の状態が当該保存地区の歴史的風致を著しく損なうものでないこと。

(8) 前各号に定めるほか、当該行為後の建築物等又は土地の用途等が当該伝統的建造物群の保存又は当該保存地区の環境の維持に著しい支障を及ぼすおそれがないものであること。

(許可に関する特例)

第6条 国若しくは地方公共団体の機関又は法令の規定により国の行政機関若しくは地方公共団体とみなされた法人(以下「国の機関等」という。)が行う行為については、第4条第1項の規定による許可を受けることを要しない。この場合において、当該国の機関等は、同項の許可に係る行為をしようとするときは、あらかじめ教育委員会に協議しなければならない。

第7条 文化財保護法施行令(昭和50年政令第267号)第4条第6項各号に規定する行為及びこれらに類する行為で保存地区の保存に著しい支障を及ぼすおそれがないものとして教育委員会が規則で定める行為については、第4条第1項及び前条の規定は適用しない。この場合において、第4条第1項の許可又は前条の協議に係る行為をしようとする者は、あらかじめ、教育委員会にその旨を通知しなければならない。

(助言等)

第8条 教育委員会は、保存地区の保存のために必要があると認めるときは、保存地区内において第4条第1項各号に掲げる行為をしようとする者又はした者に対して必要な助言、指導又は勧告をすることができる。

(許可の取消し等)

第9条 教育委員会は、次の各号のいずれかに該当する者に対して、保存地区の保存のため必要な限度において、第4条第1項の規定によってなした許可を取り消し、又は工事その他の行為の停止を命じ、若しくは相当の期限を定めて建築物等の改築、移転又は除却その他違反を是正するため必要な措置を執ることを命ずることができる。

(1) この条例の規定又はこれに基づく処分に違反した者

(2) この条例の規定又はこれに基づく処分に違反した工事の注文主若しくは請負者(請負工事の下請人を含む。)又は請負契約等によらないで自らその工事をしている者若しくはした者

(3) 第4条第3項の規定により付された条件に違反している者

(4) 詐欺その他不正な手段により、第4条第1項の規定による許可を受けた者

2 教育委員会は、前項の規定により処分をし、又は必要な措置を執ることを命じようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴き、かつ、当該処分又は措置を命ずべき者について聴聞を行わなければならない。ただし、緊急を要する場合については、この限りでない。

(経費の補助等)

第10条 教育委員会は、保存地区内における建築物等及び環境物件の管理、修理、修景又は復旧について、自ら保存のため適当な措置を行い、又は当該物件の所有者等に対しその経費の一部を補助することができる。

(審議会の設置等)

第11条 本市における歴史的な集落や町並みの保存及び活用の推進に関し必要な事項を調査審議する機関として、審議会を設置する。

(委任)

第12条 この条例の施行に関し必要な事項は、教育委員会が別に定める。

この条例は、令和4年1月1日から施行する。

村上市伝統的建造物群保存地区保存条例

令和3年12月20日 条例第36号

(令和4年1月1日施行)