○村上市議会議員政治倫理条例
令和4年12月26日
条例第54号
(目的)
第1条 この条例は、村上市議会議員(以下「議員」という。)が、村上市議会の最高規範である村上市議会基本条例(平成23年村上市条例第41号)の理念に基づき、政治倫理の基本となる事項を定めることにより、議員の政治倫理意識の向上及び確立を図り、もって市民に信頼される公正で民主的な市政の発展に寄与することを目的とする。
(議員及び市民の責務)
第2条 議員は、市民全体の代表として高い倫理的義務があることを常に自覚し、良心と責任感を持ってその責務を果たすとともに、市民の代表としての品位の向上に努めなければならない。
2 議員は、政治倫理規準に違反する事実があるとの疑惑をもたれ、政治的又は道義的な批判を受けたときは、自ら誠実な態度をもって当該疑惑を解明するよう努めなければならない。
3 市民は、主権者として自らも市政を担い、公共の利益を実現する責任を負うことについて自覚を持ち、議員に対して、その権限や地位に基づく影響力を不正に行使させるような働きかけを行ってはならない。
(政治倫理規準)
第3条 議員は、次に掲げる政治倫理規準を遵守しなければならない。
(1) 市民全体の奉仕者として、その品位と名誉を損なうおそれのある行為及びその職務に関し不正の疑惑を招くおそれのある行為をしないこと。
(2) 常に市民全体の利益の実現を目指して行動し、その地位を利用していかなる金品も授受しないこと。
(3) 市及び市が関係する団体(以下「市等」という。)が締結する売買、貸借、請負その他の契約に関し、特定の業者を推薦し、又は紹介する等有利な取り計らいをしないこと。
(4) 市職員等の公正な職務執行を妨げ、又は当該職員の権限若しくは地位による影響力を不正に利用するよう働きかけをしないこと。
(5) 市等が行う許可、認可、請負その他の契約に係る企業、団体及び事業主から政治活動に関する寄附を受けないこと。また、その後援団体についても政治的、道義的批判を受けるおそれのある寄附を受けないこと。
(6) 市職員等の採用、昇任又は人事異動に関して、特定の個人を推薦し、又はこれらの人事に介入しないこと。
(7) 暴力団等反社会的勢力を利用しない、暴力団等反社会的勢力に利用されない、又は暴力団等反社会的勢力に関与しないこと。
(8) セクシャルハラスメント、パワーハラスメント、その他の人権侵害のおそれのある行為をしないこと。
(請負契約等に関する遵守事項)
第4条 議員は、村上市に対する請負について議員の兼業禁止を定めた地方自治法(昭和22年法律第67号)第92条の2の規定の趣旨を尊重し、適正な行政の運営と議員活動の公正に努めなければならない。
(補助等を受けている団体等の役員への就任)
第5条 議員は、市から活動や運営の全てに対して補助金又は助成金の交付を受けている団体等の正副代表、理事、監事その他役員には就任しないものとする。
(審査の請求)
第6条 市民又は議員は、議員が前3条の規定(以下「政治倫理規準等」という。)に違反する疑いがあると認められるときは、市民にあっては議員の選挙権を有する者(公職選挙法(昭和25年法律第100号)第22条の規定による選挙人名簿の登録が行われた日において選挙人名簿に登録された者をいう。)の総数の100分の1以上の者の連署をもって、議員にあっては議員定数の8分の1以上の議員の連署をもって、違反する疑いがあることを証する資料を添付して、文書により議長に審査を請求することができる。
(審査会の設置等)
第7条 議長は、前条の審査の請求があったときは、議会運営委員会に諮り、村上市議会議員政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を設置する。
2 審査会の委員は、8人以内とし、議長が議会運営委員会に諮って選任する。
3 審査会に委員長及び副委員長1人を置き、委員の互選により選任する。
4 審査会の委員の任期は、審査の結果を議長に報告したときまでとする。
5 審査会の委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする。
6 審査会の委員は、公平かつ適切にその職務を遂行しなければならない。
(審査会の審査)
第8条 審査会は、当該審査請求の適否及び政治倫理規準等に違反すると認められるか否かについて審査する。
2 審査会が審査請求者及び審査対象議員に対して、会議への出席の要請、審査に必要な資料の提出その他の協力を求めたときは、審査請求者及び審査対象議員はこれに従い、かつ、誠実に応える義務を負う。
3 審査会は、審査対象議員から審査会において釈明したい旨を求められたときは、その機会を保障しなければならない。
4 審査会の会議は、非公開とする。ただし、出席委員の過半数の同意を得たときは、これを公開することができる。
(審査会の調査結果)
第9条 審査会は、審査が終了したときは、速やかに審査の結果を報告書により議長に報告しなければならない。
(審査結果の尊重)
第10条 議長は、審査会から報告を受けた事項を尊重し、政治倫理規準等に違反したと認められる対象議員に対して、議会の名誉と品位を守り、市民の信頼を回復するため、必要な措置を講ずるものとする。
(議員及び議会の措置)
第11条 審査対象議員は、自らの行為が政治倫理規準等に違反している旨の指摘がなされたときは、これを尊重し、政治倫理の確保のために必要と認められる措置を講じなければならない。
2 議会は、審査対象議員が前項の措置を自ら講じないときは、議会の名誉と品位を守り、市民の信頼を回復するために必要と認められる措置を講ずるものとする。
(議長職務の代行)
第12条 議長が審査の対象となったときは副議長が、議長及び副議長がともに審査の対象となったときは年長の議員が、この条例に規定する議長の職務を行う。
(委任)
第13条 この条例の施行に関し必要な事項は、議長が別に定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。
(村上市議会基本条例の一部改正)
2 村上市議会基本条例(平成23年村上市条例第41号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略