○長崎大学組換えDNA実験安全管理規則
平成16年4月1日
規則第43号
(目的)
第1条 この規則は,遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(平成15年法律第97号),遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律施行規則(平成15年財務省・文部科学省・厚生労働省・農林水産省・経済産業省・環境省令第1号)及び研究開発等に係る遺伝子組換え生物等の第二種使用等に当たって執るべき拡散防止措置等を定める省令(平成16年文部科学省・環境省令第1号)(以下「法律等」という。)に基づき,長崎大学(以下「本学」という。)における組換えDNA実験(以下「実験」という。)の安全確保に関し必要な事項を定め,もって実験の安全かつ適切な実施を図ることを目的とする。
(定義)
第2条 この規則において「部局等」とは,実験を計画し,実施しようとする国立大学法人長崎大学基本規則(平成16年規則第1号)第31条の2から第31条の5までに規定する本部等並びに同基本規則第33条から第35条まで及び第38条から第40条の4までに規定する教育研究組織をいう。
2 専門用語の定義は,法律等に定めるところによる。
(学長及び部局等の長の責務)
第3条 学長は,法律等及びこの規則の定めるところにより,本学において行われる実験の安全確保に関し総括する。
2 部局等の長は,法律等及びこの規則の定めるところにより,当該部局等において行われる実験の安全確保に関して必要な措置を講じなければならない。
(安全委員会)
第4条 大学に,実験の安全かつ適切な実施を確保するため,長崎大学組換えDNA実験安全委員会(以下「安全委員会」という。)を置く。
第5条 安全委員会は,学長の諮問に応じ,又は独自に次に掲げる事項を調査審議する。
(1) 実験に関する規則等の制定及び改廃に関する事項
(2) 実験計画の法律等及びこの規則に対する適合性の審査に関する事項
(3) 実験に係る教育訓練及び健康管理に関する事項
(4) 事故発生の際の必要な措置及び改善策に関する事項
(5) その他実験の安全確保に関し必要な事項
2 安全委員会は,前項の規定により独自に調査審議した結果,必要があると認めた場合は部局等の長に勧告し,及び学長に意見を具申することができるものとする。
4 安全委員会は,長崎大学動物実験委員会の審査の対象となる動物を用いた実験については,同動物実験委員会と協議の上,必要な措置を講ずることができる。
第6条 安全委員会は,次に掲げる委員をもって組織する。
(1) 組換えDNA研究者である教授,准教授,専任の講師又は助教 若干人
(2) 実験に関係のある講座等の教授,准教授,専任の講師又は助教 2人
(3) 前2号以外の自然科学分野の教授,准教授,専任の講師又は助教 1人
(4) 人文・社会科学分野の教授,准教授,専任の講師又は助教 1人
(5) 予防医学を専攻する教授,准教授,専任の講師又は助教 1人
(6) 保健センターのセンター長,教授又は准教授
(7) 研究国際部長
(8) その他学長が必要と認めた者
2 委員は,学長が任命する。
第7条 安全委員会に委員長を置き,委員のうちから学長が指名する理事又は副学長が指名する者をもって充てる。
2 委員長は,会議を招集し,その議長となる。
3 委員会に副委員長を置き,委員長の指名する委員をもって充てる。
4 副委員長は,委員長を助け,委員長に事故等があるときは,その職務を代行する。
第8条 安全委員会は,委員の3分の2以上が出席しなければ,議事を開くことができない。
2 安全委員会の議事は,出席した委員の3分の2以上の同意をもって決する。
第9条 委員長が必要と認めたときは,委員会に委員以外の者を出席させ,意見を聴取することができる。
第10条 安全委員会の事務は,研究国際部学術支援課において処理する。
(安全主任者)
第12条 本学に,実験の安全確保に関し学長を補佐するため,組換えDNA実験安全主任者(以下「安全主任者」という。)1人を置く。
2 安全主任者は,法律等を熟知するとともに,生物災害の発生を防止するための知識及び技術並びにこれらを含む関連の知識及び技術に高度に習熟した者でなければならない。
3 安全主任者は,学長が任命する。
4 安全主任者の任期は,2年とする。ただし,再任を妨げない。
5 安全主任者に欠員が生じた場合の後任者の任期は,前任者の残任期間とする。
(安全主任者の任務)
第13条 安全主任者は,実験の安全確保のため,次に掲げる任務を果たすものとする。
(1) 実験が法律等及びこの規則に従って適正に遂行されていることを確認すること。
(3) その他実験の安全確保に関する必要な事項の処理に当たること。
2 安全主任者は,その任務を果たすに当たり,安全委員会と十分連絡をとり,必要な事項について安全委員会に報告するものとする。
(副安全主任者等)
第13条の2 本学に,安全主任者の業務を補佐するため,副安全主任者1人を置く。
2 副安全主任者は,第12条第2項に規定する能力を有する者のうちから学長が任命する。
3 副安全主任者の任期は,2年とする。ただし,再任を妨げない。
4 副安全主任者は,安全主任者に事故等があるときは,その職務を代行する。
5 前項の場合又は副安全主任者に事故等がある場合は,学長は,副安全主任者の業務を行わせるため,臨時に副安全主任者代理を置くことができる。この場合において,副安全主任者代理の任期の末日は,副安全主任者の任期の末日を超えることができない。
(実験責任者)
第14条 実験を実施しようとするときは,実験計画ごとに当該実験に従事する者(以下「実験従事者」という。)のうちから実験責任者を置くものとする。
2 実験責任者は,法律等及びこの規則を熟知するとともに,生物災害の発生を防止するための知識及び技術並びにこれらを含む関連の知識及び技術に習熟した者でなければならない。
3 実験責任者が事故によりその職務を行うことができない場合には,その期間中代理者を置くものとする。
4 実験責任者は,実験計画の遂行について責任を負い,次に掲げる任務を果たすものとする。
(1) 実験計画(実験計画の変更を含む。以下同じ。)を立案すること。
(2) 実験計画の立案及び実施に際しては,法律等及びこの規則を十分に遵守すること。
(3) 法律等及びこの規則への適合性を確認し,安全主任者との緊密な連絡の下に,実験全体の適切な管理及び監督に当たること。
(4) 実験従事者に対して,実験の安全確保のため,第28条に規定する教育訓練を行うこと。
(5) その他実験の安全確保に関し,法律等及びこの規則に定められた必要事項を実施すること。
5 実験責任者は,その任務を果たすに当たり,安全主任者と十分連絡をとり,必要な事項については,所属部局等の長を経て安全主任者又は安全委員会に報告するものとする。
(実験従事者)
第15条 実験従事者は,微生物に係る標準的な実験方法,実験に特有な操作方法及び関連する実験方法に精通し,熟知する者でなければならない。
2 実験従事者は,実験の実施に当たっては,実験責任者の指示に従わなければならない。
3 実験従事者は,実験の安全確保に関して法律等及びこの規則に定められた必要な事項を守らなければならない。
4 実験従事者は,自己の健康管理に配慮し,健康に異常を認めたときは,実験責任者及び部局等の長に報告しなければならない。
(実験の種類)
第16条 実験は,その実施に当たり必要とされる手続により次の2種類に分類するものとする。
(1) 文部科学大臣の確認を受けることが法律等に定められ,文部科学大臣の確認及びこれに基づく学長の承認を必要とする実験(以下「大臣確認実験」という。)
(2) 学長の承認を必要とする大臣確認実験以外の実験(以下「機関承認実験」という。)
(大臣確認実験の手続)
第17条 実験責任者は,大臣確認実験を行うに当たっては,第二種使用等拡散防止措置確認申請書(別記様式第1号)に必要に応じて資料を添え,所属部局等の長を経て学長に申請しなければならない。
2 学長は,前項の申請があったときは,安全委員会の審査を経て,その実験計画について文部科学大臣に確認を申請するものとする。
3 学長は,文部科学大臣から確認の通知を受けたときは,当該確認に基づいて承認を与えるか否かの決定を行い,速やかに所属部局等の長を経て,実験責任者に通知するものとする。
4 実験責任者は,実験結果の報告が求められた場合には,所属部局等の長を経て学長に報告しなければならない。
5 学長は,前項の報告があったときは,その実験結果について文部科学大臣に報告するものとする。
(機関承認実験の手続)
第18条 実験責任者は,機関承認実験を行うに当たっては,安全委員会が別に定める様式により,所属部局等の長を経て学長に申請しなければならない。
2 学長は,前項の申請があったときは,安全委員会の審査を経て,その実験計画について承認を与えるか否かの決定を行い,速やかに所属部局等の長を経て,実験責任者に通知するものとする。
(実験計画の変更)
第19条 前条の規定は,機関承認実験の実験計画を変更しようとする場合に準用する。
(実験の終了又は中止の報告)
第20条 実験責任者は,実験を終了し,又は中止したときは,組換えDNA実験終了(中止)報告書(別記様式第2号)を所属部局等の長を経て学長に提出しなければならない。
2 実験の終了又は中止時に,組換え体又は関連試料が残存し,かつ,当該実験の実験責任者がその管理を継続することを希望しないとき又はその管理が困難であると学長が判断したときは,学長は,安全主任者による適切な移管者の斡旋等の所要の措置を講じるものとする。
(組換え体の譲渡)
第21条 実験責任者は,組換え体を他の大学等の研究者等から譲渡を受けようとするとき(輸入する場合を含む。)又は他の大学等の研究者等に譲渡しようとするとき(輸出する場合を含む。)は,法律等を遵守しなければならない。
2 前項の手続のほか,安全委員会が別に定める様式により,事前に委員長に提出し,安全委員会の確認を受けるものとする。
(審査基準)
第22条 安全委員会は,第17条第2項の審査に際しては,実験計画の安全性に関し,法律等に定める物理的封じ込め及び生物学的封じ込めに関する基準に対する適合性並びに実験従事者の訓練及び経験の程度等に基づき,審査するものとする。
(実験区域及び設備の管理保全)
第23条 部局等の長は,実験を行う区域(以下「実験区域」という。)及び設備について,法律等に定める物理的封じ込めの基準に適合するよう,その管理及び保全に努めなければならない。
2 実験責任者は,実験区域及び設備について定期的に検査を行わなければならない。
3 実験責任者は,前項の検査の結果異常を認めたときは,必要な措置を講ずるとともに,その旨を所属部局等の長及び安全主任者に報告しなければならない。
4 部局等の長は,前項の報告を受けたときは,必要に応じて学長に報告するものとする。
(実験区域への立入り制限)
第24条 実験区域に立ち入る者は,実験責任者の許可を得なければならない。
2 前項の許可を得た者は,実験責任者の指示に従わなければならない。
(実験に係る標示)
第25条 実験責任者は,実験中は実験区域の入口に次に掲げる事項の標示をしなければならない。
(1) 実験区域内で実験が行われていること。
(2) 物理的封じ込めのレベル
(3) 実験責任者の氏名及び連絡先
2 実験責任者は,組換え体保管設備には,その旨の標示をしなければならない。
(実験試料の取扱い等)
第26条 実験責任者は,実験従事者に対し,実験開始前及び実験中において,実験に用いられるDNA供与体,宿主及びベクターが常に所要の生物学的封じ込めの条件を満たすものであることを厳重に確認させなければならない。
2 実験従事者は,実験試料の取扱いについては,物理的封じ込めのレベルに応じて,法律等に定められた拡散防止措置を執らなければならない。
3 実験従事者は,実験中に汚染が生じないよう十分配慮しなければならない。
4 組換え体,組換え体を含む試料及びこれらによって汚染された物の廃棄については,すべて滅菌の上行うものとする。
5 実験従事者は,組換え体を含む試料及び廃棄物(以下「試料等」という。)の保管及び運搬に当たっては,法律等に定める拡散防止措置をとらなければならない。
(試料等の保管及び運搬の記録)
第27条 実験責任者は,試料等の保管及び運搬に関する記録を作成し,保存しなければならない。ただし,P2レベル以下の物理的封じ込めを必要とする試料等に係る記録については,実験の記録をもって代えることができる。
(教育訓練)
第28条 部局等の長及び実験責任者は,実験開始前に実験従事者に対し,法律等及びこの規則を熟知させるとともに,次に掲げる事項について教育訓練を行わなければならない。
(1) 危険度に応じた微生物安全取扱い技術
(2) 物理的封じ込めに関する知識及び技術
(3) 生物学的封じ込めに関する知識及び技術
(4) 実施しようとする実験の危険度に関する知識
(5) 事故発生の場合の措置に関する知識
(健康管理)
第29条 部局等の長は,実験従事者に対し,安全委員会の助言を得て,健康管理を行わなければならない。
2 前項の健康管理のうち,実験従事者に対して行う健康診断及びその結果の記録の取扱い並びに事後措置等で職員に係るものについては,長崎大学安全衛生管理規則(平成16年規則第38号)の定めるところによる。
3 職員以外の者に係る前項の措置については,職員に準じて行うものとする。
第30条 部局等の長は,第15条第4項の報告を受けたときは,直ちに必要な措置を講ずるとともに,必要に応じて学長及び安全委員会に報告しなければならない。
(緊急事態発生時の措置)
第31条 実験区域が組換え体によって汚染され,若しくは汚染されるおそれのある事態又は火災その他の災害による緊急事態(以下「緊急事態」という。)を発見した者は,直ちに実験責任者,部局等の長又は安全主任者に通報しなければならない。
2 前項の通報を受けた実験責任者,部局等の長又は安全主任者は,相互に連絡をとり,事態の状況を正確に把握するものとする。
5 部局等の長は,事態の状況及び講じた措置について学長及び安全委員会委員長に報告しなければならない。
6 安全委員会委員長は,前項の報告を受けたときは委員会を招集し,当該実験の再開,中止その他の適切な措置について調査審議し,その結果に基づき学長に意見を具申するものとする。
2 学長は,前項の規定により実験の承認の取消しを行おうとする実験が大臣確認実験であるときは,その経過及び結果を文部科学大臣に報告しなければならない。
(実験の記録)
第32条 実験責任者は,実験に係る安全の確保のため,必要な事項を組換えDNA実験記録簿(別記様式第3号)に記録しなければならない。
2 前項の記録は,実験の終了及び中止後,その写しを学長に提出しなければならない。
(実験関係書類の保存)
第33条 実験に係る関係書類は,別表に定めるところにより,実験終了後5年間保存するものとする。
(他の大学等の研究機関等における実験)
第34条 実験従事者は,他の大学等の研究機関等において実験を行う場合は,あらかじめ別記様式第4号により所属部局等の長を経て学長に報告しなければならない。
(実験結果の公表)
第35条 実験責任者は,実験結果を公表したときは,別刷(学会発表の場合は,抄録等の写し)を学長に提出するものとする。
(補則)
第36条 実験責任者及び実験従事者は,実験の実施に当たっては,法律等及びこの規則のほか,長崎大学生物災害等防止安全管理規則(平成16年規則第42号)を遵守しなければならない。
附則
この規則は,平成16年4月1日から施行する。
附則(平成18年3月31日規則第24号)
この規則は,平成18年4月1日から施行する。
附則(平成19年2月23日規則第8号)
この規則は,平成19年4月1日から施行する。
附則(平成19年5月22日規則第26号)
この規則は,平成19年5月22日から施行する。
附則(平成20年3月31日規則第33号)抄
1 この規則は,平成20年4月1日から施行する。
附則(平成20年6月11日規則第37号)
この規則は,平成20年6月11日から施行する。
附則(平成20年6月30日規則第41号)
この規則は,平成20年7月1日から施行する。
附則(平成20年10月11日規則第48号)
この規則は,平成20年10月11日から施行する。
附則(平成21年3月31日規則第11号)
この規則は,平成21年4月1日から施行する。
附則(平成23年3月28日規則第11号)抄
1 この規則は,平成23年4月1日から施行する。
5 改正後の長崎大学組換えDNA実験安全管理規則の規定にかかわらず,生産科学研究科については,当該研究科が存続する間,なお従前の例による。
附則(平成23年6月1日規則第31号)抄
1 この規則は,平成23年6月1日から施行する。
附則(平成25年3月26日規則第5号)抄
1 この規則は,平成25年4月1日から施行する。
附則(平成28年3月29日規則第12号)抄
1 この規則は,平成28年4月1日から施行する。
附則(平成30年6月26日規則第34号)抄
1 この規則は,平成30年7月1日から施行する。
附則(平成31年4月26日規則第22号)
この規則は,令和元年5月1日から施行する。
附則(令和元年11月12日規則第25号)
この規則は,令和元年11月12日から施行する。
附則(令和2年4月1日規則第20号)
この規則は,令和2年4月1日から施行する。
附則(令和2年9月29日規則第50号)
この規則は,令和2年10月1日から施行する。
附則(令和3年3月31日規則第22号)
この規則は,令和3年4月1日から施行する。
附則(令和4年3月29日規則第24号)
この規則は,令和4年4月1日から施行する。
別表(第33条関係)
(注) 健康管理に関する書類の保存年限は,実験従事者の離職後5年間とする。