○長崎市環境基本条例

平成11年9月27日

条例第22号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第6条)

第2章 環境の保全及び創造を推進するための基本的施策

第1節 施策の基本方針等(第7条―第9条)

第2節 環境の保全及び創造に関する施策等(第10条―第25条)

第3章 長崎市環境審議会(第26条―第34条)

附則

私たちのまち長崎市は、長崎港を中心とした諸外国との交流の中から多様な文化や伝統を生み出した歴史あるまちであるとともに、起伏に富んだ地形が、美しい斜面市街地を形成し、海と山がおりなす豊かな自然に恵まれたまちである。

昭和20年8月9日、本市に原子爆弾が投下され、多くの尊い生命とともに、それまでに築き上げられてきた数々の歴史的文化的な遺産や、豊かな自然が一瞬にして失われた。

この惨禍から市民の英知と努力によつて見事に復興を遂げた本市は、被爆都市として、核の廃絶を訴え続ける使命を担い、世界平和の拠点となるべく発展してきた歴史的な経過がある。

一方、近年の都市活動の拡大、生活様式の変化等に伴い、大量生産、大量消費及び大量廃棄を続ける社会経済活動が、生活の利便性を高める反面で、環境への負荷を増大させ、自然の生態系のみならず地球全体の環境に影響を及ぼすに至つている。

私たちは、健康で文化的な生活を営むことができる健全で恵み豊かな環境の恵沢を享受する権利を有するとともに、その環境を保全及び創造し、将来の世代に引き継ぐ責務を有している。

このような認識の下、環境への負荷の少ない資源循環・環境共生型社会の構築を目指すとともに、地球環境の保全に貢献していくために、この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、環境の保全及び創造について、基本理念を定め、並びに市、事業者及び市民の責務を明らかにするとともに、環境の保全及び創造に関する施策の基本となる事項を定めることにより、環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もつて現在及び将来の市民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であつて、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。

(2) 地球環境保全 人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であつて、人類の福祉に貢献するとともに市民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。

(3) 公害 環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴つて生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下(鉱物の掘採のための土地の掘削によるものを除く。)及び悪臭によつて、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。)に係る被害が生ずることをいう。

(基本理念)

第3条 環境の保全及び創造は、現在及び将来の市民が健康で文化的な生活に欠くことのできない健全で恵み豊かな環境の恵沢を享受するとともに、人類の存続の基盤である環境が将来にわたつて維持されるように適切に行われなければならない。

2 環境の保全及び創造は、環境への負荷の少ない持続的な発展が可能な社会が構築されること及び環境の保全上の支障が未然に防がれることを目的として、すべての者が連携し、公平な役割分担の下に自主的かつ積極的に行われなければならない。

3 地球環境保全は、人の日常生活や事業活動が地球全体の環境と密接に係わつていることにかんがみ、すべての者の参加による環境の保全に関する地域的取組みにより、積極的かつ着実に推進されなければならない。

(市の責務)

第4条 市は、前条に定める環境の保全及び創造についての基本理念(以下単に「基本理念」という。)にのつとり、環境の保全及び創造に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。

(事業者の責務)

第5条 事業者は、基本理念にのつとり、その事業活動を行うに当たつては、これに伴つて生ずる公害を防止し、又は自然環境を適正に保全するために、必要な措置を講ずる責務を有する。

2 事業者は、基本理念にのつとり、環境の保全上の支障を防止するため、その事業活動に係る製品その他の物が廃棄物となつた場合に、その適正な処理が図られることとなるように、必要な措置を講ずる責務を有する。

3 前2項に定めるもののほか、事業者は、基本理念にのつとり、環境の保全上の支障を防止するため、その事業活動に係る製品その他の物が使用され、又は廃棄されることによる環境への負荷の低減に資するように努めるとともに、その事業活動において、再生資源その他の環境への負荷の低減に資する原材料、役務等を利用するように努めなければならない。

4 前3項に定めるもののほか、事業者は、基本理念にのつとり、その事業活動に関し、これに伴う環境への負荷の低減その他環境の保全及び創造に自ら努めるとともに、市が実施する環境の保全及び創造に関する施策に協力する責務を有する。

(市民の責務)

第6条 市民は、基本理念にのつとり、環境の保全上の支障を防止するため、その日常生活に伴う環境への負荷の低減に努めなければならない。

2 前項に定めるもののほか、市民は、基本理念にのつとり、環境の保全及び創造に自ら努めるとともに、市が実施する環境の保全及び創造に関する施策に協力する責務を有する。

第2章 環境の保全及び創造を推進するための基本的施策

第1節 施策の基本方針等

(施策の基本方針)

第7条 市は、環境の保全及び創造に関する施策を策定し、及び実施するに当たつては、基本理念にのつとり、次に掲げる基本方針に基づき、各種の施策相互の有機的な連携を図りつつ総合的かつ計画的に行わなければならない。

(1) 大気、水、土壌その他の環境の自然的構成要素が良好な状態に保持されること。

(2) 生態系の多様性の確保、野生生物の種の保存その他の生物の多様性の確保が図られるとともに、森林、農地、水辺地等における多様な自然環境が地域の自然的社会的条件に応じて体系的に保全されること。

(3) 人と自然との豊かな触れ合いが保たれること。

(4) 廃棄物の減量及び適正処理並びに資源の循環的な利用及びエネルギーの有効利用を促進し、環境への負荷の低減が図られること。

(5) 緑化、ごみの散乱防止等の推進、良好な景観の形成、歴史的文化的な遺産の保存及び活用等による快適な生活環境の保全及び創造が図られること。

(環境基本計画)

第8条 市長は、環境の保全及び創造に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、環境の保全及び創造に関する基本的な計画(以下「環境基本計画」という。)を定めなければならない。

2 環境基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

(1) 環境の保全及び創造に関する総合的かつ長期的な施策の大綱

(2) 前号に掲げるもののほか、環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

3 市長は、環境基本計画に市民、事業者又はこれらの者が組織する団体(以下「市民等」という。)の意見が反映されるように、必要な措置を講ずるものとする。

4 市長は、環境基本計画を定めるに当たつては、あらかじめ、長崎市環境審議会の意見を聴かなければならない。

5 市長は、環境基本計画を定めたときは、速やかに、これを公表しなければならない。

6 前3項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。

(年次報告)

第9条 市長は、毎年、環境の状況並びに環境の保全及び創造に関する施策について報告書を作成し、これを公表しなければならない。

第2節 環境の保全及び創造に関する施策等

(施策の策定に当たつての配慮)

第10条 市は、環境に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、及び実施するに当たつては、環境の保全及び創造について配慮しなければならない。

(環境影響評価の推進)

第11条 市は、土地の形状の変更、工作物の新設その他これらに類する事業を行う事業者が、その事業の実施に当たりあらかじめその事業に係る環境への影響について自ら適正に調査、予測又は評価を行い、その結果に基づき、その事業に係る環境の保全及び創造について適正に配慮することを推進するため、必要な措置を講ずるものとする。

(公害の防止及び自然環境保全のための規制の措置)

第12条 市は、公害を防止するため、公害の原因となる行為に関し、必要な規制の措置を講じなければならない。

2 市は、自然環境の保全を図るため、自然環境の適正な保全に支障を及ぼすおそれがある行為に関し、必要な規制の措置を講じなければならない。

3 前2項に定めるもののほか、市は、環境の保全上の支障を防止するため、必要な規制の措置を講ずるように努めるものとする。

(経済的措置)

第13条 市は、市民等が行う環境への負荷の低減に資する施設の整備その他の適切な事業を促進するため、必要な助成その他の経済的措置を講ずるように努めるものとする。

(環境の保全及び創造に関する事業の推進)

第14条 市は、次に掲げる環境の保全及び創造に関する施設の整備その他の事業を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。

(1) 下水道、廃棄物の処理施設、環境への負荷の低減に資する交通施設(移動施設を含む。)その他の環境の保全上の支障の防止に資する公共的施設の整備及び森林の整備その他の環境の保全上の支障の防止に資する事業

(2) 公園、緑地その他の公共的施設の整備その他の自然環境の適正な整備及び健全な利用のための事業

(3) 希少な野生動植物の保護増殖その他の環境の保全上の支障を防止するための事業

(廃棄物の減量及び適正処理の促進等)

第15条 市は、県及び他の市町村と協力して、環境への負荷の低減を図るため、市民等による廃棄物の発生の抑制、再生利用等による減量及び適正な処理が促進されるように、必要な措置を講ずるものとする。

2 市は、環境への負荷の低減を図るため、市民等による資源の循環的な利用及びエネルギーの有効利用が促進されるように、必要な措置を講ずるものとする。

3 市は、環境への負荷の低減を図るため、市の施設の建設及び維持管理その他の事業の実施に当たつて、廃棄物の適正な処理を行うとともに、廃棄物の発生の抑制、再生利用等による減量並びに資源の循環的な利用及びエネルギーの有効利用に積極的に努めるものとする。

(水環境及び森林の保全及び創造)

第16条 市は、市民の憩いの場であるとともに、社会経済活動の場でもある美しい川、海、海岸等の水環境を保全し、及び創造するため、必要な措置を講ずるものとする。

2 市は、水源のかん養、二酸化炭素の吸収その他の機能を有する森林を保全し、及び創造するため、必要な措置を講ずるものとする。

(快適な生活環境の保全及び創造)

第17条 市は、市民等と一体となつて、緑化、ごみの散乱防止等の推進、良好な景観の形成、歴史的文化的な遺産の保存及び活用等により、快適な生活環境の保全及び創造が図られるように、必要な措置を講ずるものとする。

(教育及び学習の振興等)

第18条 市は、市民等が環境の保全及び創造についての理解を深めるとともに、市民等の環境の保全及び創造に関する活動を行う意欲が増進されるようにするため、環境の保全及び創造に関する教育及び学習の振興並びに広報活動の充実その他の必要な措置を講ずるものとする。

(市民等の自発的活動の促進)

第19条 市は、市民等が自発的に行う環境の保全及び創造に関する活動が促進されるように、必要な措置を講ずるものとする。

(事業者の環境管理に関する取組みの促進)

第20条 市は、事業者が行う環境管理(事業活動に伴つて生じる環境への負荷の低減を図るための目標の設定並びに達成状況の評価及び検証を自主的に実施することをいう。)に関する取組みが促進されるように、必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

(情報の提供)

第21条 市は、市民等の環境の保全及び創造に関する活動を促進するため、個人及び法人の権利利益の保護に配慮しつつ、環境の保全及び創造に関する情報を適切に提供するように努めるものとする。

(調査及び研究の実施等)

第22条 市は、環境の状況の把握、環境の変化の予測又は環境の変化による影響の予測その他の環境を保全し、及び創造するために必要な調査及び研究を実施し、その成果の普及に努めるものとする。

(体制の整備等)

第23条 市は、環境の状況を把握し、並びに環境の保全及び創造に関する施策を適正に実施するために必要な監視、巡視、観測、測定、試験及び検査の体制の整備に努めるものとする。

2 市は、環境の保全及び創造に関する施策の総合的な調整及び計画的な推進を図るために、必要な体制の整備に努めるものとする。

3 市は、環境の保全及び創造に関する施策を効果的に推進するため、市民等と協働することができるように努めるものとする。

(地球環境保全の推進)

第24条 市は、市民等と連携して、地球環境保全に関する施策の推進に努めるものとする。

2 市は、国際機関、国、他の地方公共団体その他の関係団体等と連携し、地球環境保全に関する国際協力の推進に努めるものとする。

(国及び他の地方公共団体との協力)

第25条 市は、環境の保全及び創造に関する施策で、広域的な取組みを必要とするものについては、国及び他の地方公共団体と協力して、その推進に努めるものとする。

第3章 長崎市環境審議会

(設置)

第26条 環境基本法(平成5年法律第91号)第44条の規定に基づき、長崎市環境審議会(以下「審議会」という。)を置く。

(所掌事務)

第27条 審議会は、次に掲げる事項を調査審議する。

(1) 第8条第4項(同条第6項において準用する場合を含む。)の規定による環境基本計画に関する事項

(2) 環境の保全及び創造に関する基本的事項及び重要事項

(組織)

第28条 審議会は、委員20人以内で組織する。

2 委員は、次に掲げる者のいずれかのうちから市長が委嘱する。

(1) 学識経験のある者

(2) 関係行政機関の職員のうち、市長が定める職にある者

(3) 市議会議員

(4) 市民

3 市長は、前項第4号に掲げる委員の選任に当たつては、公募の方法により、これを行うものとする。

(平22条例8・平27条例40・令元条例64・一部改正)

(任期)

第29条 委員の任期は、2年とし、再任されることを妨げない。

2 委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

3 前条第2項第2号に掲げる者のうちから委嘱された委員が、同号の規定に該当する者でなくなつたときは、前2項に定める任期中であつても、当該委員の委嘱は解かれたものとする。

4 第1項の規定にかかわらず、委員(前条第2項第3号に掲げる委員を除く。)の任期については、委嘱の際現に委員である者の任期満了の日を勘案し、必要があると認めるときは、2年を超えない期間とすることができる。

(平27条例40・平29条例13・令元条例64・一部改正)

(会長)

第30条 審議会に会長を置き、委員の互選によつてこれを定める。

2 会長は、会務を総理し、審議会を代表する。

3 会長に事故があるときは、会長があらかじめ指名する委員が、その職務を代理する。

(会議)

第31条 審議会の会議は、会長が招集する。

2 審議会は、委員の過半数が出席しなければ、会議を開き、議決をすることができない。

3 審議会の議事は、出席した委員の過半数をもつて決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。

(関係人の出席)

第32条 審議会は、必要があると認めるときは、関係人の出席を求め、その意見を聴くことができる。

(庶務)

第33条 審議会の庶務は、環境部において処理する。

(平23条例20・平27条例56・一部改正)

(委任)

第34条 この条例に定めるもののほか、審議会の運営に関し必要な事項は、会長が審議会に諮つて定める。

附 則

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。

(長崎市環境審議会条例の廃止)

2 長崎市環境審議会条例(平成6年長崎市条例第16号)は、廃止する。

(経過措置)

3 この条例の施行の際現に廃止前の長崎市環境審議会条例第3条第2項の規定により委嘱された委員は、その任期が満了するまでの間、この条例の相当規定により委嘱された委員とみなす。

附 則(平成22年6月29日条例第8号)

この条例は、公布の日から施行する。

附 則(平成23年7月11日条例第20号)

(施行期日)

1 この条例中第1条及び次項から附則第12項までの規定は平成23年8月1日から、第2条の規定は平成24年4月1日から、第3条の規定は平成27年4月1日から施行する。

附 則(平成27年9月30日条例第40号)

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。

附 則(平成27年12月28日条例第56号)

(施行期日)

1 この条例は、平成28年4月1日から施行する。

附 則(平成29年3月23日条例第13号)

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の際現にこの条例による改正前のそれぞれの条例の相当規定により委嘱され、又は任命された委員等は、この条例による改正後のそれぞれの条例の相当規定により委嘱され、又は任命された委員等とみなす。

附 則(令和元年9月27日条例第64号)

この条例は、公布の日から施行する。

長崎市環境基本条例

平成11年9月27日 条例第22号

(令和元年9月27日施行)

体系情報
第10類 生/第5章 環境保全
沿革情報
昭和46年7月 条例第15号
平成6年6月 条例第16号
平成8年12月 条例第39号
平成11年9月27日 条例第22号
平成22年6月29日 条例第8号
平成23年7月11日 条例第20号
平成27年9月30日 条例第40号
平成27年12月28日 条例第56号
平成29年3月23日 条例第13号
令和元年9月27日 条例第64号