○長崎市中高層建築物等の建築紛争の予防に関する条例
平成17年3月31日
条例第4号
(目的)
第1条 この条例は、法令に定めがあるもののほか、中高層建築物等の建築に関し、建築紛争の予防を図るため、建築主等の講ずべき措置を定め、もつて近隣住民の居住環境の保全及び近隣住民と建築主等との良好な関係の形成に資することを目的とする。
(2) 共同住宅等 長屋又は共同住宅(他の用途と併せたものを含む。)のうち、階数が2以上で、かつ、住戸の数が10以上(商業地域内に存するものにあつては、15以上)のものをいう。
(3) 大規模工作物 最高の高さが15メートルを超える鉄塔、鉄筋コンクリート造の柱、鉄柱、木柱その他これらに類するもの(旗ざお並びに架空電線路用及び電気事業法(昭和39年法律第170号)第2条第1項第17号に規定する電気事業者の保安通信設備用のものを除く。)をいう。
(4) 大規模店舖 小売業を行うための店舖で、延べ面積が1,000平方メートルを超えるものをいう。
(5) 遊技場 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号)第2条第1項第7号又は第8号に規定する施設で、延べ面積が1,000平方メートルを超えるものをいう。
(6) 中高層建築物等 前各号に掲げるものをいう。
(7) 建築 法第2条第13号から第15号までに規定する建築、大規模の修繕若しくは大規模の模様替若しくは用途の変更又は工作物の築造をいう。
(8) 最高の高さ 大規模工作物にあつては設置面からの高さを、その他のものにあつては最下位の平均地盤面から最高部分(屋上に設置される広告物その他の工作物を含む。)までの高さをいう。
(9) 建築主等 建築主、設計者、工事監理者及び工事施工者をいう。
(10) 隣接住民 次のいずれかに該当する者をいう。
ア 中高層建築物等の敷地に接する土地及び当該土地に存する建築物の所有者又は管理者及び居住者
イ 幅員が12メートル未満の道路、河川、線路敷その他これらに類するものを隔てて中高層建築物等の敷地に接する土地及び当該土地に存する建築物の所有者又は管理者及び居住者
(11) 周辺住民 中高層建築物等の敷地境界線からの水平距離が50メートルの範囲内に存する建築物の居住者(隣接住民を除く。)をいう。
(12) 近隣住民 隣接住民及び周辺住民をいう。
(13) 建築紛争 中高層建築物等の建築が居住環境に及ぼす影響に関する中高層建築物等の建築主等と近隣住民との間の紛争をいう。
(平28条例13・一部改正)
(適用区域)
第3条 この条例は、都市計画法(昭和43年法律第100号)第7条に規定する市街化区域及び市街化調整区域内に限り、適用する。
(適用除外)
第4条 この条例は、法第85条に規定する仮設建築物については、適用しない。
2 第10条の規定は、法第18条第3項の規定による確認済証の交付を受けて建築する共同住宅等については、適用しない。
(市の責務)
第5条 市は、建築紛争を未然に防止するよう努めるとともに、建築紛争が生じたときは、適正かつ公平な指導を行わなければならない。
(建築主等の責務)
第6条 建築主等は、中高層建築物等の建築又は管理に関し、近隣住民の居住環境に十分配慮するとともに、近隣住民との良好な関係を損わないよう努めなければならない。
(自主解決の原則)
第7条 近隣住民及び建築主等は、建築紛争が生じたときは、相互の立場を尊重し、互譲の精神により誠意をもつて、自主的な解決に当たらなければならない。
(電波の受信障害の防止)
第8条 建築主等は、中高層建築物、大規模工作物、大規模店舗又は遊技場を建築しようとするときは、あらかじめ調査を行い、テレビジョン又はラジオの電波の受信に障害が生じるおそれがあるときは、その障害を受けるおそれのある者に説明を行うとともに、必要な措置を講じなければならない。
(建築工事に伴う被害の防止)
第9条 建築主等は、中高層建築物等の建築工事による騒音、振動、ほこり等の飛散、道路交通の障害その他建築工事により生じるおそれのある被害若しくは事故を防止し、又は軽減するため、必要な措置を講じなければならない。
(共同住宅等の管理)
第10条 建築主は、共同住宅等を適正に管理するため、管理人を定め、管理人の氏名及び連絡先を当該共同住宅等に表示しなければならない。
2 建築主は、共同住宅等の管理に関する規約を定め、当該共同住宅等の入居者に当該規約を遵守するよう指導しなければならない。
(標識の設置)
第11条 建築主は、中高層建築物等の建築の計画を周知させるため、標識を設置しなければならない。
(1) 中高層建築物(最高の高さが15メートルを超えるものに限る。)、大規模工作物、大規模店舗及び遊技場 第15条の規定による届出の日の15日前
3 前2項の規定による標識は、当該中高層建築物等の工事に着手する日まで設置しなければならない。
(建築の計画の届出)
第12条 建築主は、前条の標識を設置したときは、直ちに当該中高層建築物等の建築の計画について、市長に届け出なければならない。
(事前説明)
第13条 建築主は、隣接住民に対し、中高層建築物等の建築の計画を直接説明しなければならない。ただし、市長が特にやむを得ない理由があると認めるときは、この限りでない。
2 建築主は、周辺住民から中高層建築物等の建築の計画の説明を求められたときは、これに応じるよう努めなければならない。
3 建築主は、前2項の説明を設計者、工事監理者又は工事施工者に行わせることができる。
2 建築主は、別表第2に掲げる中高層建築物に該当しない大規模店舗又は遊技場を建築しようとするときは、説明会を開催し、近隣住民に対し、建築の計画を説明しなければならない。
3 建築主は、前2項の説明会を設計者、工事監理者又は工事施工者に行わせることができる。
(説明報告書等の届出)
第15条 建築主は、中高層建築物等に係る法第6条第1項若しくは法第6条の2第1項の規定による確認の申請又は法第18条第2項の規定による通知(以下「確認申請等」という。)を行う前までに、建築の計画の事前説明に関する報告書、電波の受信障害の防止に関する計画書その他市長が別に定める書類を市長に届け出なければならない。
(電波の受信障害対策の報告)
第17条 建築主は、第8条の規定による電波の受信障害に対する措置の結果について、当該中高層建築物、大規模工作物、大規模店舗又は遊技場の建築工事の完了後、速やかに市長に報告しなければならない。
(指導又は勧告)
第18条 市長は、建築主等に対し、この条例を遵守するよう指導し、又は勧告することができる。
(委任)
第19条 この条例の施行について必要な事項は、市長が定める。
附則
(施行期日等)
1 この条例は、平成17年7月1日から施行する。
附則(平成28年3月14日条例第13号)
この条例は、平成28年4月1日から施行する。
別表第1(第2条関係)
地域又は区域 | 建築物 |
第1種低層住居専用地域 第2種低層住居専用地域 | 地階を除く階数が3以上のもの |
第1種中高層住居専用地域 第2種中高層住居専用地域 第1種住居地域 第2種住居地域 準住居地域 近隣商業地域 準工業地域 | 最高の高さが10メートルを超え、かつ、地階を除く階数が3以上のもの |
商業地域 | 最高の高さが15メートルを超え、かつ、地階を除く階数が3以上のもの |
市街化調整区域 | 最高の高さが10メートルを超え、かつ、地階を除く階数が3以上のもの |
別表第2(第14条関係)
地域又は区域 | 中高層建築物 | |
住居系地域 | 第1種低層住居専用地域 第2種低層住居専用地域 第1種中高層住居専用地域 第2種中高層住居専用地域 第1種住居地域 第2種住居地域 準住居地域 | 最高の高さが20メートルを超えるもの |
近隣商業地域 準工業地域 商業地域 市街化調整区域 | 最高の高さが20メートルを超え、かつ、中高層建築物の外壁からの水平距離が当該中高層建築物の高さの1.5倍以内の住居系地域に冬至日の午前8時から午後4時までの間に日影を生じさせるもの |