○那覇市動物の愛護及び管理に関する条例
令和3年3月26日
条例第1号
目次
第1章 総則(第1条―第6条)
第2章 動物の適正飼養等(第7条―第10条)
第3章 動物の収容等(第11条―第16条)
第4章 緊急時の措置等(第17条―第19条)
第5章 雑則(第20条―第24条)
第6章 罰則(第25条・第26条)
付則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号。以下「法」という。)に基づき、人と動物との調和のとれた共生社会の推進について基本となる理念並びに動物の愛護及び管理に関し必要な事項を定めることにより、市民の動物愛護の精神の高揚を図り、並びに動物の健康及び安全を保持するとともに、動物による人の生命、身体及び財産(以下「人の生命等」という。)に対する侵害を防止し、もって人と動物が調和し、及び共生する地域社会の実現に寄与することを目的とする。
(1) 動物 法第44条第4項各号に掲げる動物をいう。
(2) 飼い主 動物の所有者又は占有者をいう。
(3) 飼い犬 飼い主のある犬をいう。
(4) 適正飼養 動物の健康及び安全を保持するとともに、動物が人の生命等を侵害し、生活環境の保全上の支障を生じさせ、又は人に迷惑を及ぼすことのないようにすることをいう。
(5) 係留 丈夫な綱、鎖等で固定したものにつなぎ、その行動を制御すること又は柵、おりその他の障壁を設けて、逸走を防止することをいう。
(基本理念)
第3条 人と動物との調和のとれた共生社会は、市、市民及び飼い主が動物は命あるものであり、その命は尊ぶべきものであることを共に認識した上で、それぞれの責務を果たしていくとともに、互いに密接に連携を図りながら、衛生的な生活環境が確保されたまちづくりを実践することを基本理念として、その実現が推進されるものでなければならない。
(市の責務)
第4条 市は、前条の基本理念にのっとり、動物の愛護及び管理に関する施策を策定し、及び実施することに努めなければならない。
2 市は、広報その他の活動を通じて、動物の愛護に関する思想及び適正飼養の啓発に努めるものとする。
(市民の責務)
第5条 市民は、動物の愛護及び管理についての理解を深めるとともに、市が実施する動物の愛護及び管理に関する施策に協力するよう努めなければならない。
(飼い主等の責務)
第6条 飼い主は、その所有し、又は占有する動物の習性、生理、生態等を理解すること及び適正飼養をすることに努めるとともに、その動物について、次に掲げる事項に努めなければならない。
(1) 終生飼養(命を終えるまで適正飼養をすることをいう。次項において同じ。)をすること。
(2) 繁殖して自ら適正飼養をすることが困難となるおそれがあると認められる場合は、その繁殖を防止するために必要な措置を講ずること。
(3) 動物に起因する感染症に関する正しい知識を持ち、感染を予防するために必要な措置を講ずること。
(4) 迷子札、マイクロチップ等の装着その他動物が自己の所有又は占有に係るものであることを明らかにするために必要な措置を講ずること。
(5) 災害等が発生した場合に備え、市長が定める措置を講ずること。
2 飼い主になろうとする者は、動物の飼養に先立ち、動物の習性、生理、生態等を理解するとともに、飼養の目的、環境等を考慮し、及び終生飼養ができる動物を選ぶよう努めなければならない。
第2章 動物の適正飼養等
(飼い主の遵守事項)
第7条 飼い主は、その所有し、又は占有する動物について、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) その種類、発育状況等に応じて適正に給餌及び給水を行うこと。
(2) 疾病の予防その他の日常の健康管理に努めるとともに、疾病にかかり、又は負傷した場合は適切な措置を講ずること。
(3) 飼養場所の汚物及び汚水を適正に処理し、常に清潔に保つこと。
(4) 道路、公園その他の公共の場所並びに他人の土地及び建物(以下「公共の場所等」という。)を損傷し、又は不潔にしないこと。
(5) 異常な鳴き声、飛散する毛、羽毛、臭気等により人に迷惑を及ぼさないこと。
(6) 逸走を防止する対策を講ずるとともに、逸走が発生した場合は、自らの責任において速やかに捜索し、及び収容する等適切な措置を講ずること。
(犬の飼い主の遵守事項)
第8条 犬の飼い主は、その飼い犬について、前条各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 次のいずれかに該当する場合を除き、飼い主以外の者に接触しないよう、常に係留しておくこと。
ア 警察犬、身体障害者補助犬(身体障害者補助犬法(平成14年法律第49号)第2条第1項に規定する身体障害者補助犬をいう。第21条第2号において同じ。)等をその目的のために使用する場合
イ 制御できる者が、訓練又は運動を目的とする施設で訓練又は運動をさせる場合
ウ 綱、鎖等を保持することによりその行動を制御した状態で移動、訓練又は運動をさせる場合
エ 展覧会、競技会その他これらに類する催しのため飼い犬を使用する場合
オ 生後91日未満の犬であり、係留していない状態で制御できる場合
(2) その種類、健康状態等に応じて適正に運動させること。
(3) その種類、年齢その他特性に応じたしつけを行うこと。
(4) 公共の場所等にふんをしたときは、直ちに当該ふんを持ち帰ること。
(5) 飼養又は保管をしている場所の出入口付近又は他人の見やすい場所に、規則で定めるところにより、飼養又は保管をしている旨を掲示すること。
(猫の飼養等)
第9条 猫の飼い主は、その所有し、又は占有する猫について、屋内で飼養するよう努めなければならない。
2 所有者が判明しない猫に対し継続して給餌を目的とする行為を行う者は、猫の繁殖を防止すること、並びにその行為を行う周辺地域の生活環境を損なわないようにすること及び住民等の理解を得ることに努めなければならない。
(飼い主等に対する指導及び助言)
第10条 市長は、動物の健康若しくは安全を保持し、又は動物による人の生命等に対する侵害若しくは生活環境の保全上の支障を防止するため必要があると認めるときは、飼い主に対し、必要な指導又は助言をするものとする。
2 市長は、第6条第1項第2号に規定する繁殖を防止するための措置について、飼い主に対し、必要な指導又は助言をするものとする。
3 市長は、第6条第1項第3号に規定する感染を予防するための措置について、飼い主に対し、必要な指導又は助言をするものとする。
4 市長は、動物の飼養、保管又は給餌若しくは給水に起因した騒音又は悪臭の発生、動物の毛の飛散、多数の昆虫の発生等によって周辺地域の生活環境が損なわれている事態が生じていると認めるときは、当該事態を生じさせている者に対し、必要な指導又は助言をするものとする。
第3章 動物の収容等
(犬の収容)
第11条 市長は、第8条第1号の規定に違反して係留されていない犬があると認めるときは、これを収容することができる。
2 市長は、収容しようとしている犬がその飼い主又はその他の者の土地、建物等に入った場合で、これを収容するためやむを得ないと認めるときは、合理的に必要と判断される限度において、職員をしてその場所(人の居住する建物を除く。)に立ち入らせることができる。ただし、当該土地、建物等の所有者又はこれに代わるべき者が拒んだときは、その限りでない。
3 前項の規定により立入りをする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者から請求があったときは、これを提示しなければならない。
4 何人も、第1項の規定による犬の収容のために設置した器具を移動し、又は破損してはならない。
(犬又は猫の引取り)
第12条 動物の愛護及び管理に関する法律施行規則(平成18年環境省令第1号。次項において「省令」という。)第21条の2第7号に規定する犬又は猫の所有者が引取りを求める相当の事由がないと認められる場合として条例、規則等に定める場合は、市長が定める。
2 省令第21条の3第2号に規定する所有者の判明しない犬又は猫の引取りを求める相当の事由がないと認められる場合として条例、規則等に定める場合は、市長が定める。
3 市長は、法第35条第1項本文(同条第3項において準用する場合を含む。)の規定により犬又は猫を引き取るときは、引き取るべき日時及び場所を指定し、並びにこれを引き取るために必要な指示をすることができる。
(負傷した犬、猫等の措置)
第13条 市長は、公共の場所等において、疾病にかかり、又は負傷した犬、猫等を発見した者から通報があった場合において、その所有者が判明しないときは、これを収容するものとする。
2 市長は、前項の規定により犬、猫等を収容したときは、その状態等に応じた必要な処置を講ずるものとする。
2 市長は、前項に規定する犬、猫等の所有者が判明したときは、その所有者に対し、判明した日から2日以内にこれを引き取るべき旨を通知するものとする。
(譲渡)
第15条 市長は、法第35条第1項本文の規定により引取りをした犬及び猫並びに前条第4項本文の規定により処分することができる犬、猫等を、その飼養を希望する者で、適正飼養ができると認めるものに譲渡することができる。
(犬及び猫の繁殖制限)
第16条 犬又は猫の飼い主は、その所有し、又は占有する犬又は猫がみだりに繁殖してこれに適正飼養を受ける機会を与えることが困難となるようなおそれがあると認める場合には、その繁殖を防止するため、生殖を不能にする手術その他の措置を講じなければならない。
2 市長は、前項に規定する措置が適切になされるよう、必要な指導及び助言をするように努めなければならない。
第4章 緊急時の措置等
(事故発生時の措置)
第17条 犬の飼い主は、その飼い犬が人の生命等を侵害したときは、適切な応急措置及び新たな事故の発生を防止する措置をとるとともに、その事故及びその後の措置について、被害を与えた日から起算して10日以内に、規則で定めるところにより、市長に届け出なければならない。
2 犬の飼い主は、その飼い犬が人をかんだときは、直ちに、当該犬に狂犬病の疑いがあるかどうかについての獣医師の検診を受けなければならない。
(措置命令)
第18条 市長は、第8条第1号の規定に違反している犬の飼い主があるとき、又は犬が人の生命等を侵害したとき、若しくは侵害するおそれがあると認めるときは、当該犬の飼い主に対し、次に掲げる措置をとるべきことを命ずることができる。
(1) 第8条第1号の規定に違反している犬の飼い主に対しては、飼い主以外の者に接触しないよう、当該犬を係留すること。
(2) 犬に口輪を装着すること。
(3) その他犬による人の生命等に対する侵害を防止するため必要な措置をとること。
(立入調査等)
第19条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、飼い主その他の関係者から当該動物の飼養の状況、保管の方法その他必要な事項に関し報告を求め、又は市長が指定する職員に当該動物の飼養若しくは保管をしている土地若しくは建物その他関係のある場所に立ち入らせ、及び当該動物の飼養の状況等に関し調査させ、若しくは質問させることができる。
2 前項の規定による立入り及び調査又は質問をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、飼い主その他の関係者から請求があったときは、これを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入り及び調査又は質問を行う権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
第5章 雑則
(1) 生後91日未満の犬 1頭につき500円
(2) 生後91日以上の犬
ア 体重30キログラム未満 1頭につき2,500円
イ 体重30キログラム以上 1頭につき3,500円
(3) 生後91日未満の猫 1匹につき500円
(4) 生後91日以上の猫 1匹につき2,500円
(1) 返還に要する手数料 1頭又は1匹につき4,000円
(2) 飼養及び管理に関する手数料 1頭又は1匹につき1日当たり350円
3 納付された手数料は、還付しないものとする。
(手数料の免除)
第21条 市長は、次の各号のいずれかに該当する場合は、手数料を免除することができる。
(1) 官公署から事務上の必要により請求があった場合
(2) 身体障害者補助犬に係る請求があった場合
(3) その他市長が特別の理由があると認める場合
(動物愛護管理員)
第22条 法第37条の3第1項に規定する動物愛護管理担当職員として、動物愛護管理員を置く。
2 前項の動物愛護管理員に関し必要な事項は、市長が定める。
(動物愛護推進員)
第23条 市長は、犬、猫等の動物の愛護、適正飼養等の推進について熱意及び識見を有する者のうちから、法第38条第1項の動物愛護推進員を委嘱することができる。
2 前項の動物愛護推進員は、法第38条第2項に掲げるもののほか、次に掲げる活動を行う。
(1) 飼い主に対し、その求めに応じて、動物の適正飼養に関する助言をすること。
(2) 飼い主になろうとする者に対し、その求めに応じて、飼養等の目的、環境等に適した動物の選び方に関する必要な助言をすること。
(委任)
第24条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
第6章 罰則
第25条 第18条の規定による命令に違反した者は、10万円以下の罰金に処する。
第26条 次の各号のいずれかに該当する者は、5万円以下の罰金又は科料に処する。
(1) 第17条第1項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
付則
(施行期日)
1 この条例は、令和3年6月1日から施行する。
(那覇市飼い犬条例の廃止)
2 那覇市飼い犬条例(昭和49年那覇市条例第1号)は、廃止する。
4 この条例の施行の際現に旧条例の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、この条例の相当規定によりなされた処分、手続その他の行為とみなす。
5 この条例の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(那覇市手数料条例の一部改正)
6 那覇市手数料条例(平成24年那覇市条例第71条)の一部を次のように改正する。
(次のよう略)