○中井町環境基本条例
平成18年12月22日
条例第29号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第6条)
第2章 環境の保全及び創造に関する基本的施策(第7条―第9条)
第3章 環境の保全及び創造を推進するための施策(第10条―第17条)
第4章 環境審議会(第18条)
附則
前文
私たちのまち中井は、起伏に富んだ大磯丘陵の西に位置し、丘陵地に広がる畑地と谷戸地の水田は、今も里山風景を色濃く残し、豊富な地下水を飲料水として利用するなど、豊かな自然に恵まれており、人、商業、工業、農業など様々な産業と文化の調和のとれたまちとして発展してきた。
しかしながら、こうした発展に伴う社会経済活動の拡大や生活様式の変化により、廃棄物の増大や、ごみの不法投棄、自動車排出ガスによる大気汚染、生活排水による水質汚濁など、私たちの生活に密接に関係する問題が生じてきている。
さらに、これらの問題は、地球温暖化、オゾン層の破壊、海洋汚染など、地球的規模へと拡大し、私たちの生命の源である地球環境までも脅かすまでに至つている。
私たちは、自らが環境に負荷を与えている存在であることを自覚し、これまでの社会経済活動や生活様式を見直すとともに、環境の保全及び創造を図るため、積極的に行動していかなければならない。
このような認識のもとに、町、町民(滞在者を含む。)及び事業者が一体となつて環境の保全及び創造に努めることにより、現に有する美しい環境を損なうことなく、人と自然が共に生きる、環境への負荷の少ない持続的に発展することが可能なまち中井を実現するため、ここに、この条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、環境の保全及び創造について、基本理念を定め、並びに町、町民(滞在者を含む。以下同じ。)及び事業者の責務を明らかにするとともに、環境の保全及び創造に関する施策の基本的事項を定めることにより、当該施策を総合的かつ計画的に推進し、もつて現在及び将来の町民の健康で安全かつ快適で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。
(1) 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であつて、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。
(2) 地球環境の保全 人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であつて、人類の福祉に貢献するとともに町民の健康で安全かつ快適で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。
(基本理念)
第3条 環境の保全及び創造は、町民が健全で恵み豊かな環境の恵沢を享受するとともに、これを将来の世代へ継承していくことを旨として行わなければならない。
2 環境の保全及び創造は、自然と人とが共生する、豊かな環境を維持し、環境への負荷の少ない健全な経済の発展を図りながら、持続的に発展することのできる社会が構築されることを旨として、行わなければならない。
3 環境の保全及び創造は、町、町民及び事業者がそれぞれの責務を自覚し、その責務を果たすため、自主的かつ積極的に行われなければならない。
4 地球環境の保全は、人類共通の重要な課題であることを認識し、町、町民及び事業者が、すべての日常生活及び事業活動において、積極的に行われなければならない。
(町の責務)
第4条 町は、前条に定める環境の保全及び創造についての基本理念(以下「基本理念」という。)にのつとり、環境の保全及び創造に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、これを実施しなければならない。
2 町は、町の施策を実施するに当たつては、基本理念にのつとり、環境への負荷の低減その他の環境の保全及び創造に努めなければならない。
3 町は、広域的な取組を必要とする環境の保全及び創造に関する施策を実施するに当たつては、国及び他の地方公共団体との連携及び協力に努めなければならない。
(町民の責務)
第5条 町民は、基本理念にのつとり、その日常生活に伴う環境への負荷の低減その他の環境の保全及び創造に積極的に取り組むよう努めなければならない。
2 町民は、町が実施する環境の保全及び創造に関する施策に積極的に協力するよう努めなければならない。
(事業者の責務)
第6条 事業者は、基本理念にのつとり、事業活動を行うに当たつては、その事業活動が環境に与える影響を認識し、環境への負荷の低減その他の環境の保全及び創造に資するための、必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
2 事業者は、町が実施する環境の保全及び創造に関する施策に積極的に協力するよう努めなければならない。
第2章 環境の保全及び創造に関する基本的施策
(環境基本計画)
第7条 町長は、環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、環境の保全及び創造に関する基本的な計画(以下「環境基本計画」という。)を定めなければならない。
2 環境基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
(1) 環境の保全及び創造に関する目標及び施策の方向
(2) 前号に掲げるもののほか、環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項
3 町長は、環境基本計画を定めるに当たつては、町民、事業者又はこれらの者の組織する団体(以下「町民等」という。)の意見を聴いた上で、中井町環境審議会に諮問しなければならない。
4 町長は、環境基本計画を定めたときは、速やかにこれを公表しなければならない。
5 前2項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。
(施策の方針)
第8条 町は、環境の保全及び創造に関する施策を実施するに当たつては、次に掲げる事項が確保されるように努めなければならない。
(1) 人の健康が保護され、及び生活環境が保全されるように、大気、水、土壌等を良好な状態で保持すること。
(2) 健全な自然生態系が保持されるように、森林、農地、水辺地等を適正に保全すること。
(3) 人と自然との豊かな触れ合いが保持されるように、美しい景観及び歴史的な文化遺産等を保護すること。
(4) 地球環境の保全に配慮すること。
(実施状況等の公表)
第9条 町長は、環境の保全及び創造に関する施策の実施状況等について毎年度報告書を作成し、これを公表しなければならない。
第3章 環境の保全及び創造を推進するための施策
(町民等の意見の反映)
第10条 町は、環境の保全及び創造に関する施策について、町民等の意見を反映することができるよう必要な措置を講ずるものとする。
(環境教育及び環境学習の推進等)
第11条 町は、環境の保全及び創造に関する教育及び学習の充実を図り、町民等の環境に対する理解と認識が深められる機会を提供するよう努めるとともに、環境の保全及び創造に関する広報の充実に努めるものとする。
(町民等の活動への支援)
第12条 町は、町民等が取り組む環境の保全及び創造に関する活動の支援に努めるものとする。
(情報の提供)
第13条 町は、町民等に対して環境の状況その他の環境の保全及び創造に関する必要な情報を適切に提供するよう努めるものとする。
(規制等の措置)
第14条 町は、環境の保全上の支障を防止するために必要な規制又は誘導の措置を講ずるものとする。
(調査研究の実施等)
第15条 町は、環境の保全及び創造に関する施策を適正に実施し、環境の状況を把握するため必要な調査及び研究に努めるものとする。
(財政上の措置)
第16条 町は、環境の保全及び創造に関する施策を推進するために、必要な財政上の措置を講ずるように努めるものとする。
(推進体制の整備)
第17条 町は、環境の保全及び創造に関する施策を総合的に調整し、推進するために必要な体制を整備するものとする。
第4章 環境審議会
(環境審議会)
第18条 環境基本法(平成5年法律第91号)第44条の規定に基づき、環境の保全及び創造に関する基本的事項等を調査審議するため、中井町環境審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、町長の諮問に応じ、次に掲げる事項を調査審議する。
(1) 環境基本計画の策定及び変更に関すること。
(2) 前号に掲げるもののほか、環境の保全及び創造に関する基本的事項及び重要事項
3 審議会は、環境の保全及び創造に関する事項について必要があると認めるときは、町長に意見を述べることができる。
4 審議会は、委員12人で組織する。
5 前各項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成19年4月1日から施行する。
(中井町特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)
2 中井町特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(昭和41年中井町条例第9号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略