○七尾市公害防止条例

平成16年10月1日

条例第162号

目次

第1章 総則(第1条・第2条)

第2章 事業者の責務(第3条―第8条)

第3章 市の責務(第9条―第15条)

第4章 市民の責務(第16条)

第5章 公害防止に関する規制措置(第17条・第18条)

第6章 地下水に関する規則(第19条―第23条)

第7章 公害の防止に関する施策(第24条―第33条)

第8章 雑則(第34条―第37条)

第9章 罰則(第38条―第40条)

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、法令及びふるさと石川の環境を守り育てる条例(平成16年石川県条例第16号。以下「県条例」という。)に特別の定めがあるもののほか、公害を未然に防止することを基調とする市の施策に関し必要な事項を定めることにより市民の健康を保護するとともに、生活環境の保全を図り、もって市民福祉の向上に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「公害」とは、事業活動その他人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤沈下及び悪臭によって、人の健康又は生活環境に係る被害が生ずることをいう。

2 この条例において「ばい煙等」とは、ばい煙、粉じん、汚水、廃液、騒音、振動及び悪臭をいう。

3 この条例において「生活環境」には、人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含むものとする。

4 この条例において「特定施設」とは、ばい煙等を発生し、又は排出する施設であって規則で定めるものをいう。

5 この条例において「特定工場」とは、特定施設を設置する工場又は事業場をいう。

6 この条例において「揚水設備」とは、動力を用いて地下水(温泉法(昭和23年法律第125号)による温泉を除く。以下同じ。)を採取するための設備をいう。

第2章 事業者の責務

(基本的責務)

第3条 事業者は、その事業活動に伴って生ずる公害を防止するため、その責任と負担において必要な措置を講じなければならない。

(最大努力義務)

第4条 事業者は、法令、県条例又はこの条例に違反しない場合においても、そのことを理由として、公害の防止について最大限の努力をすることを怠ってはならない。

(協力義務)

第5条 事業者は、市が実施する公害防止に関する施策に協力しなければならない。

(監視及び点検の義務)

第6条 事業者は、公害の発生源、発生原因及び発生状況を点検するとともに常時監視しなければならない。

(公害防止技術の研究及び開発)

第7条 事業者は、常に公害の防止に関する技術の研究及び開発に努めなければならない。

2 事業者は、従業員に対し、公害の防止に関し必要な教育及び訓練を計画的に実施し、公害防止に対する積極的な意欲の高揚を図らなければならない。

(環境の整備等)

第8条 事業者は、その有する敷地内を良好な環境に整備するよう常に努めなければならない。

第3章 市の責務

(基本的責務)

第9条 市は、公害の発生源、発生原因及び発生状況等を常時監視し、あらゆる施策を通じて公害の防止に努めることにより、健康で安全な市民生活を確保するとともに、良好な生活環境を保全しなければならない。

2 市は、公害又は生活環境の保全に関する苦情について市民の相談に応じ、必要あるときは、他の地方公共団体及び関係行政機関と協力してその適切な処理に努めるものとする。

3 市は、公害を防止するため、都市緑地保全等、都市施設を整備するとともに、工場、事業場その他公害を発生させるおそれのある施設の移転、集団化等の促進に努めるものとする。

(指導勧告)

第10条 市は、公害防止のため、公害を発生させ、又は発生させるおそれのある者に対し必要かつ適切な助言、指導及び勧告を行うものとする。

(自然環境の保護)

第11条 市は、公害の防止に関する他の施策とあいまって良好な環境を確保するため緑地の保全その他自然環境の保護に努めるものとする。

(知識の普及)

第12条 市は、市民及び事業者に対し、公害に対する知識を普及し、公害防止の思想を高めるよう努めるものとする。

(連合的広域行政の促進)

第13条 市は、近隣の自治体と連携を密にして、広域的な公害行政を促進するよう努めるものとする。

(公表)

第14条 市は、公害の状況に関して定期的にその結果を公表しなければならない。

(健康調査)

第15条 市は、必要に応じて公害が市民の健康に及ぼす影響について調査しなければならない。

第4章 市民の責務

(市民の責務)

第16条 市民は、公害を発生させることのないよう常に努力し、市が実施する公害の防止に関する施策に協力しなければならない。

第5章 公害の防止に関する規制措置

(規制基準の設定)

第17条 市長は、特定施設から発生し、又は排出されるばい煙等について規則で定めるところにより規制基準を定めるものとする。

2 市長は、前項の基準を定めようとするときは、七尾市環境審議会の意見を聴かなければならない。これを変更し、又は廃止しようとするときも、同様とする。

(規制基準の遵守等)

第18条 特定施設において、ばい煙等を排出しているものは規制基準を遵守しなければならない。

第6章 地下水に関する規制

(地下水を採取する地域)

第19条 地下水採取に関する規制を行う地域(以下「指定地域」という。)は、当該地域内において、地下水を採取することにより、地盤が沈下し、これに伴う被害が生ずる地域とし、規則で定める。

2 前項の地域の指定に当たっては、七尾市環境審議会の意見を聴かなければならない。

(地下水の採取の許可)

第20条 指定地域内において揚水設備により、地下水を採取しようとする者は、揚水設備ごとに規則で定めるところにより、市長の許可を受けなければならない。

2 市長は、地下水採取許可申請書の提出のあった者について、協議が成立することをもって許可する。

3 市長は、県条例第64条第1項の規定により地下水採取許可申請書の提出のあった者については、特に必要な関係書類の提出を求めることができる。

(揚水設備設置の届出)

第21条 前条の許可を受け揚水設備を設置しようとする者又は設置している者は、規則で定めるところにより、市長に届け出なければならない。

(揚水設備等の変更の届出)

第22条 前条に係る揚水設備の構造の変更又は氏名の変更若しくは廃止をしようとするときも、同様とする。

(地下水の採取制限)

第23条 市長は、地下水の採取による地盤沈下を防止するために必要があると認めるときは、採取者に対し、地下水の採取を制限又は停止を勧告することができる。

第7章 公害の防止に関する施策

(特定工場の設置の届出等)

第24条 特定工場を設置しようとするものは、規則で定めるところにより市長に届け出なければならない。

2 前項の規定による届出をしたものが、当該特定工場に係る事業を開始しようとするときも規則で定めるところにより、市長に届け出なければならない。

3 市長は、前項の規定による届出があった場合においては、当該特定工場が届出の内容に適合しているかどうか、規制基準に違反するおそれがないかどうかについて確認しなければならない。

4 第1項及び第2項による届出をしたものは、前項の規定による確認を受けた後でなければ、当該特定工場の使用を開始してはならない。

(経過措置)

第25条 一の施設が特定施設となった際、現にその施設を設置している者(設置の工事をしているものを含む。)は、当該施設が特定施設となった日から30日以内に前条第1項による届出をしなければならない。

(改善命令等)

第26条 市長は、特定工場が規制基準に適合していないと認めるときは、当該特定工場を設置している者に対し、期限を定めて規制基準に適合させるために必要な限度において公害の防止に関する改善を勧告することができる。

第27条 市長は、前条の規定による勧告を受けた者が、その勧告に従わないときは、期限を定めて、その勧告に係る措置を採るべきことを命じ、又は施設の使用若しくは作業の停止を命ずることができる。

2 前項の規定にかかわらず、第25条による届出をした者の当該届出に係る特定施設については、特定施設となった月から6箇月間は適用しない。

第28条 市長は、第24条第1項又は第2項の規定による届出をしないで特定工場を設置している者に対し、当該特定工場における作業の停止を命ずることができる。

(ばい煙等の減少計画)

第29条 市長は、必要があると認めるときは、事業者に対し規則で定めるところにより、ばい煙等の減少のための措置に関する計画の提出を求めることができる。

(事故届等)

第30条 事業者は、事故によりばい煙等を著しく発生させたときは、直ちにその事故について応急措置を講じ、規則で定めるところにより市長に届け出なければならない。

2 市長は、前項による届出を受理したときは、速やかに確認し必要な措置方法について改善の勧告をすることができる。

(深夜騒音等の防止の措置)

第31条 市長は、深夜(午後11時から翌日午前6時までの時間をいう。)における営業又は作業に係る騒音により、その周辺の生活環境が著しく損なわれると認めるときは、当該営業を営む者又は当該作業を行う者に対し、その事態を除去するために必要な措置を講ずることができる。

2 市長は、商業宣伝を目的として拡声機を使用する放送に係る騒音により、その周辺の生活環境が著しく損なわれると認めるときは、当該拡声機を使用して放送する者に対し、その事態を除去するために必要な措置を講ずることができる。

(予期しない公害に対する措置)

第32条 市長は、この条例に規定するもののほか、公害が発生し、また発生するおそれのあるときは、その事態を発生させた者に対し必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。

(公害防止協定の締結)

第33条 市長は、規則で定める規模以上の工場又は事業場を既に設置している者又は新設しようとする者と公害発生防止及び環境の保全の協定(「公害防止協定」という。)を結ばなければならない。

2 市長は、前項の公害防止協定を締結する場合は、市民の健康及び生活環境に与える被害を防止するため必要と認めるときは、工場又は事業場の操業の停止を含む必要な措置を講ずる旨を規定しなければならない。

3 市長及び事業者は、前項で定めた公害防止協定の事項を遵守しなければならない。

第8章 雑則

(報告及び立入検査等)

第34条 市長は、この条例の施行に必要な限度において事業者に対し、ばい煙等発生施設の状況その他必要な事項の報告を求め、又は当該職員及び必要に応じ市長の委嘱する者に事業者の工場又は事業場その他の場所に立ち入り、当該施設その他の物件を検査させることができる。

2 前項の規定により立入検査をする職員及び市長の委嘱を受けた者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。

3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(和解あっせん)

第35条 市長は、公害にかかる紛争が生じ、当事者から要請があった場合は和解のあっせんをすることができる。

2 前項の規定により、和解のあっせんをする場合において、当該紛争が重要であると認めるときは、審議会の意見を聴かなければならない。

(援助)

第36条 市長は、事業者が行う公害防止のための施設の整備改善を促進するため、必要な資金のあっせん及び助言に努めるものとする。

(委任)

第37条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

第9章 罰則

(罰則)

第38条 第20条第1項の規定による許可を受けない者並びに第26条又は第27条の規定による命令に違反した者は、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

第39条 次の各号のいずれかに該当する者は、5万円以下の罰金に処する。

(1) 第21条及び第22条の規定による届出をしないで地下水を採取している者

(2) 第24条第1項又は第2項による届出をしない者及び同条第4項の規定による確認を受けないで使用開始している者

(3) 第25条の規定による届出を怠った者

(4) 第30条第1項の規定による届出を怠った者

(5) 第34条第1項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者

(両罰規定)

第40条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業員が、その法人又は人の業務に関し、前2条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、当該法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。

(施行期日)

1 この条例は、平成16年10月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の日(以下「施行日」という。)の前日までに、合併前の七尾市公害防止条例(昭和49年七尾市条例第12号)、七尾市環境審議会条例(平成6年七尾市条例第21号)、田鶴浜町公害防止条例(昭和54年田鶴浜町条例第7号)、中島町公害防止条例(昭和48年中島町条例第22号)又は能登島町地下水資源の保全及び採取適正化条例(昭和58年能登島町条例第11号)(以下これらを「合併前の条例」という。)の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、それぞれこの条例の相当規定によりなされた処分、手続その他の行為とみなす。

3 施行日の前日までにした行為に対する罰則の適用については、なお合併前の条例の例による。

七尾市公害防止条例

平成16年10月1日 条例第162号

(平成16年10月1日施行)

体系情報
第8編 生/第4章 環境保全/第2節 公害対策
沿革情報
平成16年10月1日 条例第162号