○南砺市中小企業・小規模事業者振興基本条例

平成27年3月20日

条例第3号

南砺市の産業は、農業では、銘柄米の生産のほか、里芋、干柿等の特産品づくりにも取り組んでいる。工業では、アルミニウム、建築資材、工作機械等の製造業のほか食品加工業も盛んである。また、観光産業では、世界遺産に登録された合掌造集落等の歴史遺産があり、伝統的産業では、国の伝統的工芸品に指定されている井波彫刻及び越中和紙(五箇山和紙)のほか、城端絹織物等がある。さらに、クリエイティブ産業等も育っている。

こうした産業を支えているのは、市内事業者の大多数を占める中小企業及び従業員の少ない小規模事業者であり、地域の先人のたゆまぬ努力によって築き上げられたものである。そして、中小企業・小規模事業者は、地域の雇用と経済を支え、技術、伝統及び文化の継承並びにまちづくりとのかかわりについても、地域社会と市民生活を支える大きな役割を担ってきた。

人口の減少、超高齢社会の到来、経済活動のグローバル化の進展等、経済・社会構造が大きく変化している。その中で、持続可能なまちづくりを進めていくためには、中小企業・小規模事業者の役割とあり方について、市民、事業者、経済団体等及び市が共通認識を持ち、協働により中小企業・小規模事業者の振興に向けた取組を実施していくことが重要である。

ここに、市は、市民、事業者及び経済団体等と連携を図りつつ、中小企業・小規模事業者の振興を市政の重点課題と位置付け、振興に向けて基本理念を明らかにし、地域全体で共有しつつ、地域社会の発展と市民生活を豊かにする施策として総合的に実施するため、この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、南砺市の発展に果たす重要な役割を中小企業・小規模事業者が担っていることに鑑み、中小企業・小規模事業者の振興について基本となる事項を定め、中小企業・小規模事業者の振興に関する総合的な施策を推進するとともに、市民、事業者、経済団体等及び市が、それぞれの役割等を明らかにし、相互理解を深め、市民の暮らしと調和した地域産業及び地域経済の発展を促し、もって市民生活の向上を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 事業者 市内で事業を営む法人その他団体及び個人をいう。

(2) 中小企業 中小企業基本法(昭和38年法律第154号)第2条第1項に規定する中小企業者であって、市内に事務所又は事業所を有するものをいう。

(3) 小規模事業者 中小企業基本法第2条第5項に規定する小規模企業者であって、市内に事務所又は事業所を有するものをいう。

(4) 経済団体等 次に掲げるものをいう。

 市内に事務所を有する商工会法(昭和35年法律第89号)に基づく商工会

 市内に本店又は支店を有する銀行、信用金庫その他金融機関

 市内に本店又は支店等を有する農業協同組合法(昭和22年法律第132号)に基づく農業協同組合

 その他経済活動の発展に寄与する市内の団体等及びこれらに準ずる団体等で市長が特に認めるもの

(5) 大企業 中小企業・小規模事業者以外の事業者で市内に事務所又は事業所を有するものをいう。

(6) 市民 市内に在住、在勤又は在学する者をいう。

(基本方針)

第3条 中小企業・小規模事業者の振興は、中小企業・小規模事業者自らの創意工夫及び自主的な努力を尊重しつつ、その特性に応じた総合的な施策を市民、事業者、経済団体等及び市の連携と協働の下に一体となって推進することを基本とする。

2 中小企業・小規模事業者の振興は、国、県その他公共団体と連携を図りながら推進するものとする。

(基本的施策)

第4条 市は、第1条の目的を達成するため、前条の基本方針に基づき、次に掲げる施策を行うものとする。

(1) 経営安定の促進及び経営革新への支援

(2) 創業又は新事業の創出の促進

(3) 女性、高齢者及び障害者を含めた雇用の促進並びに職場環境の改善への支援

(4) 若い労働力及び人材の確保並びに育成への支援

(5) 市内商工業の活性化の推進及び農業の産業化への支援

(6) 産業間の連携への支援

(7) 販路及び受注機会拡大への支援

(8) 各産業及び伝統工芸等の技術伝承等の環境整備への支援

(9) 地域資源、再生可能エネルギー等の活用の促進

(10) 産学官の連携への支援

(11) 経済団体等と連携した融資制度への支援

(12) 商店街等のまちづくり環境整備への支援

(13) 前各号に掲げるもののほか、市長が必要と認める施策

(市の役割)

第5条 市は、市民、事業者及び経済団体等と連携を図りながら、経済・社会情勢の変化に対応した中小企業・小規模事業者の振興のための適切な施策を推進し、財政上の措置並びに国、県等との連携及び協力に努めるものとし、必要に応じて国、県等に対し施策の充実及び改善の要請を行うものとする。

2 市は、小規模事業者の振興に関する施策については、資金、人材等の確保が特に必要であると思われる小規模事業者の事情に配慮するものとする。

3 市は、工事の発注、物品及び役務の調達等に当たっては、予算の適正な執行に留意しつつ、中小企業・小規模事業者の受注機会の増大に努めるものとする。

(中小企業・小規模事業者の役割)

第6条 中小企業・小規模事業者は、経済・社会情勢の変化に対応して自主的に事業活動の向上及び改善に努めるものとする。

2 中小企業・小規模事業者は、事業活動を行うに当たっては、経営基盤の強化、人材の育成及び雇用環境の充実を図り、従業員が生きがい及び働きがいを得ることができる職場づくりに自主的な努力をするものとする。

3 中小企業・小規模事業者は、市が実施する中小企業・小規模事業者振興策に協力するよう努めるものとする。

4 中小企業・小規模事業者は、市内の他の事業者及び経済団体等との連携に努めるとともに、市内で生産、製造及び加工される製品並びに市内で提供される役務の利用に努めるものとする。

5 中小企業・小規模事業者は、地域社会を構成する一員としての社会的責任を自覚し、暮らしやすい地域社会の実現に貢献するよう努めるものとする。

(経済団体等の役割)

第7条 経済団体等は、中小企業・小規模事業者の経営の向上及び改善に積極的に取り組むとともに、市が実施する中小企業・小規模事業者振興策に相互に連携を図りながら協力するよう努めるものとする。

(大企業の役割)

第8条 大企業は、中小企業・小規模事業者の振興が市の経済活動の発展に重要な役割を果たすことを理解し、中小企業・小規模事業者との連携を図るとともに、市が実施する中小企業・小規模事業者振興策に協力するよう努めるものとする。

2 大企業は、市内における中小企業・小規模事業者及び経済団体等との連携に努めるとともに、市内で生産、製造及び加工される製品並びに市内で提供される役務の利用に努めるものとする。

3 大企業は、地域社会を構成する一員としての社会的責任を自覚し、暮らしやすい地域社会の実現に貢献するよう努めるものとする。

(市民の役割)

第9条 市民は、中小企業・小規模事業者の振興が市民生活の安定及び向上並びに地域社会の活性化に資する役割を理解し、中小企業・小規模事業者の健全な発展及び育成に協力し、また、労働力の提供に努めるものとする。

2 市民は、消費者として市内で生産、製造及び加工される製品の購買又は消費並びに市内で提供される役務の利用に努めるものとする。

(人材の確保及び育成の支援)

第10条 市は、中小企業・小規模事業者の事業の展開に必要な人材の確保及び育成を図るため、就業の支援、職業能力の開発その他必要な施策を講ずるものとする。

2 市は、学校教育における勤労観及び職業観の醸成が、中小企業・小規模事業者の人材の確保及び育成に資することに鑑み、必要な施策を講ずるものとする。

(南砺市産業振興会議)

第11条 市は、第1条の目的の達成及び第4条に規定する基本的施策の実施についての審議を行うため、南砺市産業振興会議(以下「会議」という。)を設置する。

2 市は、会議において審議される施策等に対し、市民、事業者、経済団体等と協働してその実現に向けて取り組むものとする。

3 前2項に定めるもののほか、会議の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。

(委任)

第12条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

附 則

この条例は、平成27年4月1日から施行する。

南砺市中小企業・小規模事業者振興基本条例

平成27年3月20日 条例第3号

(平成27年4月1日施行)