○南砺市五箇山景観条例

平成28年3月18日

条例第4号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第6条)

第2章 五箇山景観計画

第1節 五箇山景観計画の策定(第7条)

第2節 重点景観形成地区(第8条)

第3節 行為の規制等(第9条―第14条)

第4節 五箇山景観資産(第15条・第16条)

第5節 眺望景観の保全(第17条・第18条)

第3章 景観づくりへの住民参加(第19条―第21条)

第4章 表彰、助成等(第22条―第25条)

第5章 南砺市五箇山景観審議会(第26条・第27条)

第6章 公表(第28条)

第7章 雑則(第29条)

附則

庄川沿いの深い谷間に抱かれた五箇山には、世界文化遺産に登録された合掌造り集落を生んだ厳しくも豊かな自然環境、そこに息づく生活空間及び長い歴史の中で培われた固有の伝統文化が一体となり、五箇山ならではの歴史的環境が形成されている。この地に広がる唯一無二の景観を、私たち市民共有のかけがえのない「たから」として守り育て、次の世代へと受け継ぐため、ここに南砺市五箇山景観条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、五箇山における景観の保全及び育成について基本理念を明らかにし、これを総合的に推進する上で基本となる事項を定めることにより、五箇山らしい良好な景観を次の世代に受け継ぐとともに、魅力ある地域づくりに寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 五箇山 世界文化遺産「白川郷・五箇山の合掌造り集落」の緩衝地帯である旧平村及び旧上平村の区域をいう。

(2) 景観づくり 五箇山の良好な景観を保全及び育成することをいう。

(3) 市民 市内に在住し、在勤し、又は在学する個人、市内に拠点を有する法人等をいう。

(4) 事業者 市内に事務所又は事業所を有する個人又は法人その他市内で事業を営む団体をいう。

(5) 景観計画区域 総合的な景観づくりのために策定する五箇山景観計画の対象となる区域をいう。

(6) 建築物 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物をいう。

(7) 広告物 屋外広告物法(昭和24年法律第189号)第2条第1項に規定する屋外広告物及びこれを掲出する物件をいう。

(8) 工作物 土地又は建築物に定着する工作物のうち、建築物及び広告物以外のものをいう。

(基本理念)

第3条 景観づくりは、郷土に対する誇りと愛着を育み、魅力及び風格ある地域づくりに寄与することを基本として行わなければならない。

2 景観づくりは、五箇山に固有の自然環境、その中で培われた生活空間、伝統文化及び産業並びにそれらの魅力をかした観光等の社会経済活動及び地域間交流と密接に結びついたものであることから、五箇山の住民及び関係者の意向を踏まえ、適正なルールを共有することを通じて進めなければならない。

3 景観づくりは、市、市民及び事業者がそれぞれの役割を認識し、それぞれの積極的な取組並びに相互の理解及び連携の下に協働して行わなければならない。

(市の責務)

第4条 市は、この条例の目的を達成するため、基本的かつ総合的な施策に努め、市民及び事業者の意見が反映されるよう必要な措置を講ずるとともに、景観づくりに関する知識の普及に努めなければならない。

2 市は、五箇山における公共施設の整備に当たっては、景観づくりに先導的な役割を果たすものとする。

(市民の責務)

第5条 市民は、自ら景観づくりの主体であることを認識し、相互に協力して積極的に景観づくりに寄与するよう努めなければならない。

2 市民は、市が五箇山で行う公共事業の施行に際し、景観づくりに関する市の施策に積極的に参加し、相互に協力しなければならない。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、その事業活動を進めるに当たっては、五箇山の地域特性に配慮し、積極的に景観づくりに寄与するよう努めなければならない。

2 事業者は、市が実施する景観づくりの施策に協力するよう努めなければならない。

第2章 五箇山景観計画

第1節 五箇山景観計画の策定

(五箇山景観計画の策定)

第7条 市長は、景観づくりを総合的かつ計画的に進めるため、その基本となる五箇山景観計画を定めなければならない。

2 五箇山景観計画には、次に掲げる事項を定めるものとする。

(1) 景観計画区域

(2) 景観づくりに関する基本的な方針

(3) 景観づくりのための行為の制限に関する事項

(4) その他市長が必要と認める事項

3 市長は、五箇山景観計画を定めようとするときは、あらかじめ第26条に規定する南砺市五箇山景観審議会(以下第17条までにおいて「審議会」という。)の意見を聴かなければならない。

4 市長は、五箇山景観計画を定めたときは、これを告示しなければならない。

5 前2項の規定は、五箇山景観計画の変更について準用する。

第2節 重点景観形成地区

(重点景観形成地区の指定等)

第8条 市長は、重点的に景観形成を図ることを目的として、五箇山を代表する景観を有する地区又は将来に向けて景観づくりを行おうとする地区を重点景観形成地区に指定することができる。

2 市長は、前項の規定により重点景観形成地区を指定しようとするときは、あらかじめ当該地区の住民の意見を聴くとともに、審議会の意見を聴かなければならない。

3 市長は、重点景観形成地区を指定しようとするときは、あらかじめその旨を公告し、その案を当該公告の日から2週間縦覧に供さなければならない。

4 前項の公告があったときは、当該地区の住民及び利害関係人は、同項の規定による縦覧期間満了の日までに、縦覧に供された案について市長に意見書を提出することができる。

5 市長は、前項の意見書が提出されたときは、その要旨を審議会に提出しなければならない。

6 市長は、重点景観形成地区を指定したときは、その旨及びその区域を告示しなければならない。

7 重点景観形成地区の指定は、前項の規定による告示の日の翌日からその効力を生ずる。

8 第2項から前項までの規定は、重点景観形成地区の解除及び変更について準用する。

第3節 行為の規制等

(景観計画区域内における行為の届出)

第9条 景観計画区域内における景観づくりに支障を及ぼすおそれのある次に掲げる行為については、規則の定めるところにより、当該行為に着手する60日前までに市長に届け出なければならない。

(1) 建築物及び工作物の新築、増築、改築若しくは移転又は外観を変更することとなる修繕、模様替え若しくは色彩の変更

(2) 広告物の表示

(3) 宅地造成その他土地の区画形質の変更

(4) 土石の採取

(5) 車道の開設

(6) 森林、木竹等の伐採

(7) 土石、再生資源等の堆積

(8) 前各号に掲げるもののほか、景観づくりに支障を及ぼすおそれがあるものとして規則に定める行為

(9) その他景観づくりに支障を及ぼすおそれのある行為で、市長が必要と認めるもの

(届出に対する指導、助言又は勧告)

第10条 市長は、前条の規定による届出があった場合において、その届出に係る行為が五箇山景観計画に定められた当該行為についての制限に適合しないと認めるときは、その届出をした者に対し、その届出に係る行為に関し設計の変更その他の必要な措置をとるよう指導、助言又は勧告を行うことができる。

2 前項の指導、助言又は勧告は、届出のあった日から30日以内に行わなければならない。

3 市長は、第1項の勧告を行うときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。

(景観計画区域内における届出を要しない行為の基準)

第11条 景観計画区域内において、事前の届出を要しない行為の基準については、規則で定める。

(重点景観形成地区内における届出を要しない行為の基準)

第12条 重点景観形成地区内において、事前の届出を要しない行為の基準については、規則で定める。

(届出行為に関する報告の徴収及び協定の締結)

第13条 市長は、第9条の規定による届出があった場合において、景観づくりに必要があると認めるときは、当該届出をした者に対し必要な報告を求めることができる。

2 市長は、第9条の規定による届出があった場合において、景観づくりに必要があると認めるときは、当該届出をした者に対し、規則に定める内容の協定の締結を求めることができる。

(立入調査)

第14条 市長は、第9条の規定による届出の有無にかかわらず、景観づくりに必要があると認めるときは、その必要の限度において、職員を実地に立ち入らせ、その状況を調査させることができる。

2 前項の職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者から請求があるときは、これを提示しなければならない。

第4節 五箇山景観資産

(五箇山景観資産の指定)

第15条 市長は、景観づくりに寄与する建築物、工作物及び樹木等のうち、特にその維持、保全及び継承を図る必要があると認めるものを五箇山景観資産に指定することができる。

2 市長は、前項の規定により五箇山景観資産の指定をしようとするときは、あらかじめ当該建築物、工作物及び樹木等の所有者、使用者、管理者等(以下「所有者等」という。)の同意を得た上で、審議会の意見を聴くものとする。

3 市長は、五箇山景観資産を指定したときは、速やかにその旨を告示するとともに、当該景観資産の所有者等に通知するものとする。

4 五箇山景観資産の所有者等は、当該景観資産の景観づくりにおける重要性を認識し、その維持、保全及び継承に努めるものとする。

5 第2項及び第3項の規定は、五箇山景観資産の指定を解除する場合について準用する。

(継承の届出)

第16条 五箇山景観資産の所有又は使用の権利の継承を受けた者は、規則で定めるところにより、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。

第5節 眺望景観の保全

(眺望点の指定)

第17条 市長は、五箇山らしい優れた景観を眺望できる地点を眺望点として指定することができる。

2 市長は、前項の規定により眺望点を指定しようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴くものとする。

3 市長は、眺望点を指定したときは、速やかにその旨を告示するものとする。

(眺望景観の保全及び育成に向けた取組)

第18条 市、市民及び事業者は、良好な眺望景観の重要性を認識し、その保全及び育成に取り組むものとする。

2 市、市民及び事業者が、眺望点から望むことのできる範囲内において建築行為等を行うときは、その価値を尊重し、眺望点から望む景観の維持に配慮するものとする。

3 市長は、眺望点から望む景観を保全する上で特に必要な場合は、重点景観形成地区の指定等の保全措置を講ずるものとする。

第3章 景観づくりへの住民参加

(景観づくりに関する協定の締結)

第19条 景観計画区域内における一定の区域の土地、建築物又は工作物の所有者等は、当該区域における土地、建築物、工作物及び広告物の規模、壁面の位置、色彩又は形態の基準、緑化の基準その他景観づくりを行うために必要な事項について、景観づくりに関する協定を締結することができる。

(景観づくり協定の認定等)

第20条 市長は、前条の規定により締結された景観づくりに関する協定が、景観づくりを推進することを目的とするものであると認めるときは、これを景観づくり協定として認定することができる。

2 前項の認定を受けようとする者は、規則で定めるところにより市長に申請しなければならない。

3 景観づくり協定の認定を受けた者は、景観づくり協定において定められた事項を変更し、又はこれを廃止したときは、規則で定めるところにより速やかに市長に届け出なければならない。

4 市長は、景観づくり協定の内容が五箇山景観計画の趣旨に適合しなくなったと認めるときは、その認定を取り消すものとする。

(景観づくり地域団体の認定等)

第21条 市長は、優れた景観づくりを推進することを目的として組織された地域団体で、次の各号に掲げる全ての要件を満たすものを景観づくり地域団体として認定することができる。

(1) その活動が優れた景観づくりに有効と認められる団体

(2) その活動が当該地域の多数の住民に支持されていると認められる団体

(3) その他規則で定めるところにより規約等が定められている団体

2 前項の認定を受けようとする地域団体は、その代表者が、規則で定めるところにより市長に申請しなければならない。

3 市長は、景観づくり地域団体が第1項各号のいずれかに該当しなくなったと認めるとき、又は景観づくり地域団体として適当でなくなったと認めるときは、その認定を取り消すものとする。

第4章 表彰、助成等

(表彰)

第22条 市長は、優れた景観づくりに寄与していると認める建築物、工作物及び樹木等について、その所有者等を表彰することができる。

2 市長は、前項に定める者のほか、優れた景観づくりに貢献している個人、団体等を表彰することができる。

3 市長は、前2項の表彰を他の団体と共同して行うことができる。

(景観づくり協定に係る助成等)

第23条 市長は、景観づくり協定を締結した者に対し技術的援助を行い、又はその活動に要する経費の一部を予算の範囲内において助成することができる。

(景観づくり地域団体に係る助成等)

第24条 市長は、景観づくり地域団体に対し技術的援助を行い、又はその活動に要する経費の一部を予算の範囲内において助成することができる。

(景観づくりに係る助成等)

第25条 市長は、前2条の規定による助成等のほか、五箇山景観資産の保全等優れた景観づくりのために特に必要であると認めるもので規則に定めるものについては、技術的援助を行い、又はその活動等に要する経費の一部を予算の範囲内において助成することができる。

第5章 南砺市五箇山景観審議会

(審議会の設置)

第26条 景観づくりに関する重要事項を審議するため、南砺市五箇山景観審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、市長の諮問に応じ、次に掲げる事項について調査審議し、建議する。

(1) この条例の規定により、審議会の権限に属するとされた事項

(2) 景観づくりに関し市長が必要と認める事項

(審議会の組織)

第27条 審議会は、委員15人以内で組織する。

2 委員は、次に掲げる者のうちから、市長が委嘱する。

(1) 景観形成に関する学識を有する者

(2) 五箇山の住民を代表する者

(3) 関係団体を代表する者

(4) 関係行政機関の職員

(5) 公募による者

3 委員の任期は3年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

4 前3項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。

第6章 公表

(公表の手続)

第28条 市長は、第10条第1項の規定による勧告を受けた者が、正当な理由なく当該勧告に従わないときは、その事実を公表することができる。

2 市長は、前項の公表をしようとするときは、あらかじめ、当該勧告に従わない者に意見を述べる機会を与えるとともに、審議会の意見を聴かなければならない。

第7章 雑則

(委任)

第29条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

附 則

(施行期日)

1 この条例は、平成28年10月1日から施行する。ただし、第7条第26条及び第27条の規定は、平成28年4月1日から施行する。

(平村自然環境及び文化的景観の保全に関する条例及び上平村自然環境及び文化的景観の保全に関する条例の廃止)

2 次に掲げる条例は、廃止する

(1) 平村自然環境及び文化的景観の保全に関する条例(平成6年平村条例第18号)

(2) 上平村自然環境及び文化的景観の保全に関する条例(平成6年上平村条例第6号)

(経過措置)

3 この条例の施行の日の前日までに、前項各号の条例の規定によりなされた処分その他の行為は、それぞれこの条例の相当規定によりなされたものとみなす。

4 この条例の施行後、最初に委嘱された審議会の委員の任期は、第27条第3項の規定にかかわらず、平成31年3月31日までとする。

南砺市五箇山景観条例

平成28年3月18日 条例第4号

(平成28年10月1日施行)

体系情報
第3編 執行機関/第1章 長/第11節 地域振興
沿革情報
平成28年3月18日 条例第4号