○根羽村自然環境保全条例
平成16年3月10日
条例第1号
根羽村自然環境保全条例
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、村のすぐれた自然(地下資源を含む。以下同じ。)を永く後世に伝えるとともに、自然のもたらす限りない恩恵を永遠に享受できるよう自然環境及び生活環境の保全を図り、もって住みよい郷土の実現を期することを目的とする。
(1) 環境保全 住民が健康で安全かつ快適な生活を営むことのできる自然環境及び生活環境を保全することをいう。
(2) 自然環境 土地、大気、水、温泉及び動植物その他の生態系をめぐる環境をいい、湖沼及び森林、その他の環境資源とこれらの景観を含むものをいう。
(3) 生活環境 人の生活にかかる環境、人の生活に密接に関係のある財産並びに動植物及びその生育環境等居住を中心として形成される環境をいう。
(4) 公害 大気の汚染、水質の汚濁、騒音、振動、悪臭、地盤沈下及び土壌汚染によって人の健康、自然との調和が損なわれ、又は生活環境に被害が生ずることをいう。
(5) 開発行為 保健休養地開発、ゴルフ場開発、スキー場開発、宅地等開発及び地下水採取等で生活環境及び自然環境を破壊するおそれのある行為で規則で定めるものをいう。
(6) 事業者 前号に規定する開発行為を行う法人又は個人
(7) 廃棄物 ごみ、粗大ごみ、燃がら、汚泥、ふん尿、廃油、動物の死体、その他の汚物又は不要物で固形又は液状のものをいう。
(1) 自然の保護及び自然環境の保全に関する知識の普及及び思想の高揚を図ること。
(2) 自然環境の保全のため必要な措置を講じること。
(3) 公害の発生源、発生原因及び発生状況を監視するとともに、その原因及び影響調査に関すること。
(4) 廃棄物の処置に関する総合的な施策を講ずること。
(事業者の責務)
第4条 事業者は、村の自然環境及び生活環境の保全に関する施策に協力しなければならない。
2 事業者は、開発によって生ずる自然の破壊(自然環境の破壊を含む。以下同じ。)を防止するため、自然の改変を最小限にとどめるとともに、その責任において、植生の回復その他自然環境の保全のために適切な措置を講じなければならない。
3 事業者は、開発によって生ずる廃棄物については、生活環境を保全するため適切な処置をしなければならない。
(村民の責務)
第5条 村民(滞在者及び旅行者を含む。以下同じ。)は、村の自然環境の保全に関する施策に協力するとともに、自然環境の保全に努め、その活動によって生ずる廃棄物を適切に処理し、快適な生活環境を確保するように努めなければならない。
(自然環境の保全基準及び廃棄物の処理基準)
第6条 村長は、村の自然環境を保護するため、自然環境の保全基準を定めなければならない。
2 村長は、村の自然環境を保護するため、事業活動又は人の活動によって発生あるいは排出される廃棄物の処理基準を定めなければならない。
第2章 審議会
(審議会の設置)
第7条 自然環境の保全に関する重要事項を調査審議するため根羽村自然環境保全審議会(以下「審議会」という。)を設置する。
(任務)
第8条 審議会は、この条例において審議会の意見を聴くこととされているもののほか村長の諮問に応じて自然環境の保全等について調査審議するものとする。
(組織)
第9条 審議会の委員は、10名以内で組織し、次に掲げる者のうちから村長が委嘱する。
(1) 村議会議員
(2) 知識経験を有する者
(任期)
第10条 委員の任期は2年とし再任を妨げない。ただし、委員が欠けたため補充された委員の任期は、前任者の残任期間とする。
(会長及び副会長)
第11条 審議会に、会長及び副会長1名をおき、委員が互選する。
2 会長は、審議会を代表し会務を総理する。
3 副会長は、会長を補佐し会長に事故あるときは、その職務を代理する。
(会議)
第12条 会議は、会長が招集し会長が議長となる。
2 会議は、委員の過半数が出席しなければ開くことができない。
3 会議の議事は、出席委員の可否により決し、可否同数の場合は会長の決するところによる。ただし、採決しがたい場合は両論を尊重することができる。
(庶務)
第13条 審議会に幹事を置き、村職員のうちから村長が任命する。
2 幹事は、審議会の庶務に従事する。
第3章 水資源の利用及び開発等の規制
(水資源の規制)
第14条 事業者は、その事業に必要な地下水以外の水資源の利用にあたっては、根羽村公共物管理条例の定めるところによる。
(地下水採取の制限)
第15条 地下水(温泉法(昭和23年法律第125号)による温泉を除く。以下同じ。)を使用する事業者は、使用量を最小限にとどめ地下水源の枯渇、附近の減水若しくは枯渇及び地盤沈下の弊害を未然に防止するように努めなければならない。
(1) 住所及び氏名又は名称並びに法人にあっては、代表者の氏名
(2) 地下水の用途
(3) 取水施設の設置場所
(4) 取水施設の深さ及び揚水機の位置
(5) ストレーナーの位置、揚水機の種類仕様及び吐出口径
2 前項の申請書には取水施設の位置を示す図面、その他村長の定める書類を添付しなければならない。なお、取水施設を設置しようとする土地が当該当事者以外の者の所有である場合は、その土地の承諾書を添付しなければならない。
(1) 地下水の合理的な利用に支障がないと認められること。
(2) 地下水を使用することが必要かつ適当と認められること。
(3) 他の水をもって換えることが困難なこと。
(4) その他法律等で定める基準に適合していること。
2 村長は前項の規定による審査に基づき、申請のあった日から40日以内に事業者に対し当該事業について許可の可否を決定し、通知しなければならない。ただし、村長は特別な理由がある場合に、この期限を延長することができる。
(完了の届出)
第19条 前条第2項の規定により許可を受けた事業者は、取水施設の完成日から15日以内にその旨を村長に届け出なければならない。
(変更の申請等)
第20条 第18条第2項の規定により許可を受けた事業者が、すでに許可を受けた事項で次に掲げる事項を変更しようとするときは、村長の許可を受けなければならない。
(1) 事業者の変更
(2) 事業者の氏名又は名称、住所又は所在地
(3) 地下水の用途又は施設の設置場所
(4) 取水施設の深さ及び揚水機の位置
(5) ストレーナーの位置、揚水機の種類及び吐出口径
(6) 取水施設の所有権又は占有権
(7) その他必要と認められる事項
2 現に地下水を採取していた者で、引き続き地下水を採取するため第16条の規定による規模以上のものに変更しようとする事業者は、村長の許可を受けなければならない。
(取水施設の廃止)
第21条 この条例に規定する取水施設を廃止したときは、ただちに村長に届け出なければならない。
第4章 開発行為の規制
(開発の制限)
第22条 事業者は、土地の形質変更を努めて避けるなど、当該開発に起因する災害を未然に防止し、住民の健全な生活環境を確保しなければならない。
3 村長は、前項に規定する計画書を受理したときは当該開発行為の影響を受けると予測される関係住民の意見を聴くものとする。なお、関係住民により組織された団体又は住民の自主的な活動を行う地域住民組織(「以下自治組織」という。以下同じ。)の意見はその代表者が文書により提出するものとする。
(許可等)
第23条 事業者は、第2条に規定する開発行為を行おうとする場合は、あらかじめ村長の許可を受けなければならない。
3 長野県知事の許可を受けた事業者で、村長が別に規則で定める団体又は法人及び農用地整備公団法(昭和49年法律第43号)に基づき農用地整備公団が行う事業にはこの規定を適用しない。
4 第1項の規定による許可を受けた事業者及び特定事業者が行う災害復旧のための応急措置にかかるものについては、規則で定める様式により村長に通知するものとする。
(1) 住所及び氏名又は名称並びに法人にあっては、代表者の氏名
(2) 事業の目的及び種類
(3) 事業を行う場所及び規模
(4) 工事の予定期間及び施工者
2 前項の申請には付近の状況及び施設の規模等を示す図面、その他村長の定める書類を添付しなければならない。
(1) 規則に定める自然環境保全基準、廃棄物処理基準に適合していること。
(2) 環境保全に重大な影響を及ぼすおそれのないこと。
(3) 関係住民及び自治組織の意見が反映された計画であること。
(4) その他法律等で定める基準が適合していること。
2 前項の許可には、条件を付すことができる。
(1) 工事に着手し又は完了したとき。
(2) 工事を中止しようとするとき。
第5章 協定
(1) 開発方針及び開発計画に関する事項
(2) 道路の造成に関する事項
(3) 自然の保護及び植生に関する事項
(4) 水資源利用に関する事項
(5) 廃棄物の処理に関する事項
(6) その他村長が必要と認めた事項
(自然環境保全協定の履行)
第29条 前条の規定により協定を締結した事業者等は、協定を忠実に履行しなければならない。
第6章 違反行為及びその処分等
(勧告)
第31条 村長は、第28条の規定により協定を締結した事業者等が、その許可及び規定に違反する行為をしようとし、あるいはしたと認められるときは、当該協定等の履行の確保について、期限を定めて必要な措置をとるよう勧告することができる。
(措置命令等)
第32条 村長は、前条の規定による勧告を受けた事業者が、定められた期限内に必要な措置をとらないときは、当該事業者に対し、期限を定めて当該措置をとるべきことを命ずることができる。
第7章 雑則
(立入調査)
第33条 村長は、この条例の施行に必要な範囲において、職員をして開発行為を行っている場所に立入り、当該場所にある物件又は当該地において行われている行為の状況を調査させることができる。
2 前項の場合において職員は、その身分を示す証明書を携帯し、必要によりこれを提示しなければならない。
3 土地の所有者もしくは占有者は、正当な理由がない限り、第1項の規定による立入その他の行為を拒み、又は妨げてはならない。
2 村長は、第30条に規定する工事の中止又は現状回復命令を受けた事業者がその命令に従わないときは、違反行為等を公表することができる。
3 前2項の規定による公表の手段及び時期は、村長が別に定める。
(補則)
第35条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、村長が別に定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。ただし、第15条以降の規定は公布の日から起算して2月を越えない範囲内において、規則で定める日から施行する。