○練馬区住宅宿泊事業の適正な運営に関する条例

平成30年3月12日

条例第9号

(目的)

第1条 この条例は、住宅宿泊事業法(平成29年法律第65号。以下「法」という。)に基づき規定すべき事項および法に定めるもののほか住宅宿泊事業の実施に関し必要な事項を定めることにより、住宅宿泊事業の適正な運営を確保し、住宅宿泊事業に起因する事象による生活環境の悪化を防止することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、つぎの各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 計画地 住宅宿泊事業を営もうとする住宅がある建物に係る土地の区域をいう。

(2) 近隣住民 つぎに掲げる者をいう。

 計画地に存する建物において居住し、または事業を営む者

 計画地に接する敷地内に存する建物において居住し、または事業を営む者

 計画地が幅員6メートル以下の道路に接する場合は、当該接する道路の部分の境界線の反対側の境界線に接する敷地内に存する建物において居住し、または事業を営む者

2 前項に規定するもののほか、この条例で使用する用語の意義は、法で使用する用語の例による。

(区の責務)

第3条 練馬区(以下「区」という。)は、この条例の目的を達成するため、住宅宿泊事業の適正な運営の確保に必要な助言、指導および監督を行うものとする。

2 区は、この条例の目的を達成するため、警察、消防その他の関係行政機関と連携し、または協力するよう努めるものとする。

(住宅宿泊事業者等の責務)

第4条 住宅宿泊事業者および住宅宿泊管理業者は、住宅宿泊事業の実施に当たり、つぎに掲げる責務を有する。

(1) 届出住宅がある建物内および届出住宅の周辺地域の生活環境への悪影響を防止するため、必要な措置を講じなければならない。

(2) 宿泊者の衛生の確保および安全の確保のため、必要な措置を講じなければならない。

(3) 苦情および問合せに適切かつ迅速に対応するため、必要な体制を整備しなければならない。

(4) 紛争等が生じたときは、その解決に努めなければならない。

(宿泊者の責務)

第5条 宿泊者は、届出住宅がある建物内および届出住宅の周辺地域の生活環境に悪影響を及ぼさないよう努めなければならない。

(住宅宿泊事業の実施の制限)

第6条 法第18条の規定により、区の区域内の住居専用地域等(都市計画法(昭和43年法律第100号)第8条第1項第1号に掲げる第1種低層住居専用地域、第2種低層住居専用地域、第1種中高層住居専用地域、第2種中高層住居専用地域および田園住居地域をいう。以下同じ。)においては、月曜日の正午から金曜日の正午までの期間は、住宅宿泊事業の実施を制限する。ただし、国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)第3条に定める休日(以下「休日」という。)の前日の正午から休日の翌日の正午までの期間その他区長が定める期間については、この限りでない。

2 計画地が住居専用地域等の内外にわたる場合において、当該計画地の過半が住居専用地域等に属するときは、当該計画地の全部について、前項の規定を適用する。

(近隣住民への説明等)

第7条 法第3条第1項に規定する住宅宿泊事業を営む旨の届出(以下本則において「届出」という。)をしようとする者(以下「届出者」という。)は、住宅宿泊事業を営もうとする住宅ごとに、当該届出をしようとする日の15日前までに、練馬区規則(以下「規則」という。)で定めるところにより、近隣住民に対し、説明会の開催等必要な措置を講じ、つぎに掲げる事項について説明しなければならない。

(1) 商号、名称または氏名

(2) 法人である場合においては、その代表者の氏名

(3) 未成年者である場合においては、その法定代理人の氏名(法定代理人が法人である場合にあっては、その商号または名称およびその代表者の氏名)

(4) 住宅宿泊事業を営もうとする住宅の所在地

(5) 住宅宿泊事業を営もうとする住宅の規模および構造

(6) 住宅宿泊管理業務の委託をする場合においては、委託をしようとする住宅宿泊管理業者の商号、名称または氏名

(7) 苦情および問合せを受けるための連絡先

(8) 前各号に掲げるもののほか、区長が必要と認める事項

2 住宅宿泊事業者は、前項各号に掲げる事項に変更があるときは、規則で定めるところにより、近隣住民に対し、その旨を説明し、または通知しなければならない。

3 区長は、届出者または住宅宿泊事業者に対し、前2項の規定による説明等の実施に関して、必要な助言または指導を行うことができる。

4 届出者または住宅宿泊事業者は、第1項または第2項の規定による説明等により近隣住民との間に紛争等が生じたときは、誠意をもって近隣住民と協議を行い、自主的に解決するよう努めなければならない。

(届出)

第8条 届出者は、法第3条第3項に規定する住宅の図面に、国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則(平成29年国土交通省令第65号)第1条第1号および第3号に掲げる措置の内容を明示しなければならない。

2 届出者は、法第3条第3項に定めるもののほか、同条第2項の届出書に、つぎに掲げる書類を添付しなければならない。

(1) 近隣住民に説明した前条第1項各号に掲げる事項および説明の実施状況を記載した書類

(2) 廃棄物の処理が適正に行われることを証する書類

(3) 前2号に掲げるもののほか、住宅宿泊事業の適正な運営の確保のため区長が必要と認める書類

3 住宅宿泊事業者は、前項第1号に掲げる書類の内容のうち前条第1項第5号第7号もしくは第8号に掲げる事項または前項第2号もしくは第3号に掲げる書類の内容に変更があったときは、規則で定めるところにより、区長に届け出なければならない。

(賃貸人等への通知)

第9条 区長は、届出の内容につぎの各号に掲げる事項が含まれるときは、届出があった旨を当該各号に定める者に通知するものとする。

(1) 住宅宿泊事業法施行規則(平成29年厚生労働省・国土交通省令第2号。以下「省令」という。)第4条第3項第11号に掲げる事項が含まれるとき。 賃貸人

(2) 省令第4条第3項第12号に掲げる事項が含まれるとき。 賃貸人および転貸人

(3) 省令第4条第3項第13号に掲げる事項が含まれるとき。 管理組合(マンションの管理の適正化の推進に関する法律(平成12年法律第149号)第2条第3号に規定する管理組合をいう。)

(届出住宅の台帳の閲覧)

第10条 区長は、届出を受理したときは、規則で定めるところにより、届出の概要を記載した台帳を整備し、閲覧に供するものとする。

(宿泊者の衛生の確保)

第11条 住宅宿泊事業者は、届出住宅について、宿泊者の衛生の確保を図るため、法第5条に定めるもののほか、つぎに掲げる措置を講じなければならない。

(1) 居室、台所、玄関、浴室、洗面所、便所、廊下、階段等は、常に清潔にしておくこと。

(2) 寝具類については、つぎに掲げる措置を講ずること。

 布団および枕には、清潔なシーツ、布団カバー、枕カバー等を用いること。

 シーツ、布団カバー、枕カバー等は、宿泊者ごとに交換し、洗濯すること。

 布団および枕は、適当な方法により湿気を除くこと。

(3) 居室、洗面所等に、くし、コップ等を備え付ける場合には、清潔なものとし、宿泊者ごとに取り替えること。

(宿泊者の安全の確保)

第12条 住宅宿泊事業者は、届出住宅について、宿泊者の安全の確保を図るため、法第6条に定めるもののほか、つぎに掲げる措置を講じなければならない。

(1) ガス設備等(ガスその他の燃料を使用する設備をいう。以下同じ。)を設置する場合は、当該ガス設備等の使用上の注意事項について、書面の備付けその他の適切な方法により提示すること。

(2) 災害時の避難場所等について、書面の備付けその他の適切な方法により提示すること。

(宿泊者名簿の正確な記載の確保)

第13条 住宅宿泊事業者は、法第8条第1項の宿泊者名簿の作成に当たり正確な記載を確保するため、対面または情報通信技術を活用した手段により、宿泊者の本人確認を行わなければならない。

(宿泊者が配慮すべき事項の説明)

第14条 住宅宿泊事業者は、宿泊者に対し、法第9条第1項に定めるもののほか、臭気の発生防止のために配慮すべき事項について説明しなければならない。

2 前項の規定による説明は、書面の備付けその他の適切な方法により行わなければならない。

(住宅宿泊管理業者への準用)

第15条 第11条から前条までの規定は、住宅宿泊管理業務の委託がされた届出住宅において住宅宿泊管理業を営む住宅宿泊管理業者について準用する。

(委任)

第16条 この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成30年6月15日から施行する。ただし、次項および付則第3項の規定は、同年3月15日から施行する。

(準備行為)

2 住宅宿泊事業を営もうとする者が法附則第2条第1項前段の規定により区長に届出をしようとするときにおける第7条および第8条の規定による手続その他の行為は、この条例の施行の日前においても、第7条および第8条の規定の例によりすることができる。

3 前項の届出があったときにおける第9条の規定による通知および第10条の規定による台帳の閲覧に関し必要な行為は、この条例の施行の日前においても、第9条および第10条の規定の例によりすることができる。

練馬区住宅宿泊事業の適正な運営に関する条例

平成30年3月12日 条例第9号

(平成30年6月15日施行)