○登別市生きることを支えあう自殺対策条例
平成30年3月28日
条例第3号
(目的)
第1条 この条例は、誰もが自殺に追い込まれることのない社会を目指すことが重要な課題となっている社会情勢に鑑み、登別市における自殺対策に関する基本理念及び自殺対策を推進するための基本的事項を定め、市等の責務を明らかにすることにより、すべての市民が社会から孤立することのない、生きることを支えあう社会的包摂の実現に寄与することを目的とする。
(基本理念)
第2条 自殺対策は、自殺対策基本法(平成18年法律第85号。以下「法」という。)第12条に規定する基本的かつ総合的な自殺対策の大綱(以下「大綱」という。)を踏まえ、自殺は防ぐことのできる社会的な問題として認識し、実施されなければならない。
2 自殺対策は、自殺が多様かつ複合的な原因及び背景を有するものであること並びに自殺の予防が可能であることを踏まえ、生きることへの包括的な取組として、実施されなければならない。
3 自殺対策は、自殺が個人的な問題としてのみ捉えられるべきものではなく、社会的要因が背景にあることを踏まえ、地域の実情に応じて包括的に実施されなければならない。
4 自殺対策は、自殺の事前予防、自殺発生の危機への対応及び自殺が発生した後又は自殺が未遂に終わった後の事後対応の各段階に応じた効果的な施策として実施されなければならない。
5 自殺対策は、医療機関、社会福祉機関、学校、事業主、民間の団体等(以下「関係機関等」という。)と、市、国、道及び他の地方公共団体との相互の密接な連携及び協力のもとに実施されなければならない。
(市の責務)
第3条 市は、前条に定める基本理念にのっとり、自殺対策について、関係機関等との連携のもと、自殺に関する現状を把握し、市の状況に応じて必要な施策を策定し、及び実施するものとする。
(関係機関等の責務)
第4条 関係機関等は、地域社会の一員であることを自覚し、市が実施する自殺対策に協力するよう努めるものとする。
2 関係機関等は、その活動を通じて自殺対策に直接関係すること又は寄与し得る立場にあることを認識し、自殺対策に関する正しい知識の理解と関心を深めるよう努めるものとする。
(市民の責務)
第5条 市民は、一人一人が自殺対策に関する正しい知識の理解と関心を深めるよう努めるものとする。
(概況の公表)
第6条 市は、毎年度、市における自殺に関する概況及び地域情勢を集約し、公表するものとする。
(市民の理解の増進)
第7条 市は、教育活動、広報活動等を通じて、市民の理解と関心を深めるために必要な施策を講ずるものとする。
(人材の養成等)
第8条 市は、自殺対策の役割を担う人材の養成及び資質の向上に必要な施策を講ずるものとする。
(心の健康づくりの相談体制)
第9条 市は、心の健康の保持及び増進のため、包括的な相談支援体制の整備に必要な施策を講ずるものとする。
(自殺予防の推進)
第10条 市は、自殺をする危険性が高い者及び場所の把握に努め、自殺予防に必要な施策を講ずるものとする。
(自殺未遂者に対する支援)
第11条 市は、自殺未遂者の把握に努め、再び自殺を図ることのないよう、自殺未遂者に対する適切な支援を行うために必要な施策を講ずるものとする。
(自殺者の親族等に対する支援)
第12条 市は、自殺者又は自殺未遂者の親族等が受ける深刻な心理的影響が緩和されるよう、当該親族等に対する適切な支援を行うために必要な施策を講ずるものとする。
(自殺予防対策連絡会)
第13条 市は、包括的な自殺対策について、検討及び協議するため、登別市自殺予防対策連絡会(以下「自殺予防対策連絡会」という。)を置く。
2 自殺予防対策連絡会に関し必要な事項は、別に定める。
(計画の策定)
第14条 市は、市の状況に応じた自殺対策を包括的かつ計画的に推進するため、法第13条第2項に規定する計画(以下「計画」という。)を策定するものとする。
2 市は、計画の策定又は変更をするときは、自殺予防対策連絡会と協議しなければならない。
(計画の評価)
第15条 市は、計画の期間が終了したとき又は大綱が見直されたときは、計画について評価を行い、市における自殺に関する概況及び自殺対策に関する施策の実施状況を公表するものとする。
(財政上の措置)
第16条 市は、自殺対策を推進するために、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
附則
この条例は、平成30年4月1日から施行する。