○能美市公害防止条例
平成17年2月1日
条例第115号
目次
第1章 総則(第1条―第5条)
第2章 公害防止に関する施策(第6条―第19条)
第3章 環境保全審議会(第20条)
第4章 雑則(第21条・第22条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、ふるさと石川の環境を守り育てる条例(平成16年石川県条例第16号)及びその他の条例に特別の定めがある場合を除くほか、公害を未然に防止することを基調する市の施策に関し、必要な事項を定めることにより市民の健康を保護するとともに、生活環境の保全を図り、もって市民福祉の向上に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「公害」とは、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁、(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。)土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下(鉱物の堀採のための土地の堀さくによるものを除く。)及び悪臭によって人の健康又は生活環境に係る被害を生ずることをいう。
2 この条例にいう「生活環境」とは、人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含むものとする。
3 この条例において「ばい煙等」とは、ばい煙、粉じん、汚水、廃液、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下及び悪臭をいう。
(事業者の責務)
第3条 事業者はその事業活動に伴って生ずる公害を防止するため、その責任において必要な措置を講ずるとともに、進んで環境の浄化に努め、市が実施する公害の防止に関する施策に協力しなければならない。
2 事業者は、物の製造、加工等に際してその製造、加工等に係る製品が使用されることによる公害の発生の防止に関する技術の研究及び開発に努めなければならない。
3 事業者は、従業員に対し、公害の防止に関し必要な教育及び訓練を計画的に実施し、公害の防止に対する積極的な意欲の高揚を図らなければならない。
4 事業者は、その有する敷地内を良好な環境に整備するよう常に努めなければならない。
5 事業者は、公害の発生源、発生原因及び発生状況を点検するとともに、常時監視しなければならない。
6 事業者は、前項の規定により、ばい煙等を測定し、その結果を記録しておかなければならない。
(市の責務)
第4条 市は、あらゆる施策を通じて公害の防止に努めることにより、良好な生活環境を保全し、もって市民の健康で安全な生活を確保するものとする。
2 市は、公害又は生活環境の保全に関する苦情について市民の相談に応じ必要があるときは、他の地方公共団体及び関係行政機関と協力してその適切な処理に努めるとともに、公害防止のための調査研究を行うものとする。
3 市は、公害を防止するため、都市緑地の保全等都市施設を整備するとともに、工場、事業場その他の公害を発生させるおそれのある施設の移転、集団化等の促進に努めるものとする。
4 市は、公害の防止のため公害を発生させ、又は発生させるおそれのある者に対し、必要かつ適切な助言、指導及び勧告を行うものとする。
5 市は、公害の防止に関する他の施策と相まって良好な環境を確保するため緑地の保全その他自然環境の保護に努めるものとする。
6 市は、市民及び事業者に対し、公害に関する知識を普及し、公害の防止の思想を高めるよう努めるものとする。
7 市は、近隣の自治体と連携を密にして、広域的な公害行政を促進するよう努めるものとする。
(市民の責務)
第5条 市民は、公害を発生させることのないよう常に努力し、市が実施する公害の防止に関する施策に協力しなければならない。
第2章 公害の防止に関する施策
(工場新設等の届出)
第6条 物の製造若しくは加工等を目的とする工場若しくは動物の飼育を目的とする事業所(以下「工場等」という。)を新設し、又は増設しようとする事業者は、新設又は増設前60日までに、事業計画書、配置図及び法令又はこの条例の定める必要な書類を添えて、市長に届け出なければならない。
(規制基準の設定)
第7条 市長は、工場等から発生又は排出されるばい煙等の量、濃度若しくは程度の許容限度に関する基準(以下「規制基準」という。)を規則で定めることができる。
2 市長は、前項の規定により規制基準を定めようとするときは、能美市環境保全審議会の意見を聴かなければならない。これを変更し、又は廃止しようとするときも、同様とする。
3 工場等を設置しているもの又は設置しようとするものは、規制基準を遵守しなければならない。
(公害防止協定)
第8条 市長は、公害の発生のおそれのある工場等を既に設置している事業者又は新設若しくは増設しようとする事業者と公害の未然防止に関する協定を締結するものとする。
2 事業者は、前項の協定に関し市長から協議の申出があったときは、速やかにこれに応じなければならない。
4 事業者は、前項の審議会の意見を尊重し、協定の締結に応ずるよう努めなければならない。
(ばい煙等の減少計画の提出)
第9条 市長は、公害防止のため必要と認める場合は事業者に対し、ばい煙等の減少に関する計画の提出を求めることができる。
(勧告)
第10条 市長は、公害を発生させ又は発生させるおそれがある事業者に対し、その防止について必要な勧告を行うことができる。
(事故届等)
第11条 事業者は、事故により公害を発生させたときは、直ちに操業を中止し、又は短縮するなど応急の措置を講じ、その状況を市長に届け出なければならない。
2 前項の規定による届出をした事業者は、速やかに当該事故の再発防止に関する計画を市長に提出しなければならない。
3 前項の規定により計画を提出した事業者は、当該計画に係る措置を完了した日から3日以内にその旨を市長に届け出なければならない。
(産業廃棄物の処理等)
第12条 事業者は、自らの責任においてその事業活動に伴って生じた産業廃棄物を適切に処理(他の者に処理を委託する場合を含む。)するように努め、当該処理に伴って人の健康又は生活環境に障害を及ぼさないようにしなければならない。
2 市長は、必要があると認めるときは、事業者に対して産業廃棄物の種類、発生量及び処理の方法等について報告を求めることができる。
(宅地等造成計画書の届出)
第13条 宅地等の造成を行う者又は土地の使用目的を変更する者(以下「宅地等造成者」という。)は、緑地の保全、排水処理等、適切な環境保全対策を講じなければならない。
2 市長が必要と認める場合には、宅地等造成者に対して、その工事着手前60日までに造成計画書、配置図その他必要な書類を提出させなければならない。
(地下水の採取制限)
第14条 市長は、地下水の採取により周辺の環境に異変が生じたとき、又は異変が生ずるおそれがあると認めるときは、採取者に対し、地下水の採取を制限又は停止することを要請することができる。
(浄化装置・畜舎の管理)
第15条 浄化装置・畜舎を設置している者は、常にその施設を整備し、汚水、汚物の処理について適切な措置を講じ、悪臭、水質汚濁その他の公害が発生することのないよう努めなければならない。
(屋外燃焼行為の禁止)
第16条 何人も住居が集合している地域及びその周辺において、ゴム、硫黄、ピッチ、皮革、合成樹脂、廃油その他著しくばい煙、有害ガス又は悪臭を発生するおそれのある物質を燃焼させてはならない。
(環境保全等)
第17条 何人も次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 自己の所有又は管理に属する土地の廃棄物、雑草の除去及び植樹の促進をはかり、環境の緑化と地域の生活環境の保全に努めなければならない。
(2) 海浜、河川、水路、道路その他の公共水域若しくは市が指定した場所以外の土地に廃棄物等を捨て、又は放置するなど、美観を損ねる行為をしてはならない。
(3) 土砂、木片等を運搬する者は、これらの作業にあっては積載物を著しく飛散させてはならない。
(4) 土砂の堀削、盛土、切土、整地などの行為により、公共用水域に著しく土砂を流出させ、水質を汚濁させ又は水底に土砂を堆積させてはならない。
(援助)
第18条 市長は、公害の防止施設の整備を促進するため、ばい煙等を処理する施設の設置又は改善につき必要な資金のあっせん、助言その他の援助に努めるものとする。
(和解あっせん)
第19条 市長は、公害に係る紛争が生じ、当事者から要請があった場合は、和解あっせんすることができる。
第3章 環境保全審議会
(審議会の設置)
第20条 市長の諮問に応じ環境保全及び公害対策に関する必要な事項を審議するため、能美市環境保全審議会(以下「審議会」と言う。)を置く。
2 審議会は、公害に関する基本的事項及びこの条例によりその権限に属する事項を調査審議する。
3 審議会は、前項に規定する事項に関し市長に意見を述べることができる。
4 審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則でこれを定める。
第4章 雑則
(報告及び検査)
第21条 市長は、この条例の施行に関し必要な限度において公害を発生させ、又は発生させるおそれがある事業者に対して、ばい煙等必要な事項の報告を求め、又は市の職員及び必要に応じ市長が委嘱する者に事業者の工場等を検査させることができる。
2 前項の規定により、立入検査をする職員及び市長の委嘱を受けた者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
(委任)
第22条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成17年2月1日から施行する。