○能美市債権管理条例

令和2年3月23日

条例第1号

(目的)

第1条 この条例は、市の債権管理に関する事務の統一的な処理基準を定めることにより、公正かつ公平な市民の負担の確保及び市の債権管理の一層の適正化を図り、もって健全で持続可能な行財政運営に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 市の債権 金銭の給付を目的とする市の権利をいう。

(2) 市税 市の債権のうち、地方税法(昭和25年法律第226号)の規定に基づく徴収金に係る債権をいう。

(3) 公債権 市の債権のうち、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第231条の3第1項に規定する分担金、使用料、加入金、手数料、過料その他の普通地方公共団体の歳入に係る債権をいう。

(4) 強制徴収公債権 公債権のうち、法第231条の3第3項その他の法令の規定に基づき地方税又は国税の滞納処分の例により処分することができる歳入に係る債権をいう。

(5) 非強制徴収公債権 公債権のうち、強制徴収公債権以外の債権をいう。

(6) 私債権 市の債権のうち、市税及び公債権以外の債権をいう。

(7) 非強制徴収債権 非強制徴収公債権及び私債権をいう。

(8) 市長等 市長及び地方公営企業法(昭和27年法律第292号)第8条第2項の規定により管理者の権限を行う市長をいう。

(他の法令等との関係)

第3条 市の債権の管理については、法令、条例又はこれらに基づく規則に特別の定めがある場合を除くほか、この条例の定めるところによる。

(市長等の責務)

第4条 市長等は、法令、条例又はこれらに基づく規則の定めるところにより、市の債権の適正な管理及び事務処理を行わなければならない。

(台帳の整備)

第5条 市長等は、市の債権を適正に管理するために、規則で定める事項を記載した台帳を整備しなければならない。

(督促)

第6条 市長等は、市の債権について、履行期限までに履行しない者があるときは、法令、条例又はこれらに基づく規則の定めるところにより、期限を指定してこれを督促しなければならない。

2 前項の規定による督促は、履行期限後30日以内に行わなければならない。

(延滞金)

第7条 市長等は、公債権について、前条の規定による督促をした場合において、当該督促をした金額が2,000円以上であるときは、当該金額に同条第1項の履行期限の翌日から納付の日までの期間の日数に応じ、当該金額(1,000円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)につき年14.6パーセント(当該履行期限の翌日から1月を経過する日までの期間については、年7.3パーセント)の割合を乗じて計算した延滞金額(その額に100円未満の端数があるとき、又はその全額が1,000円未満であるときは、その端数金額又はその全額を切り捨てる。)を加算して徴収するものとする。

2 前項に規定する年当たりの割合は、じゅん年の日を含む期間についても、365日当たりの割合とする。

3 市長等は、市税及び公債権について、市税は能美市税条例(平成17年能美市条例第50号)第21条に規定する納期限までに、公債権は前条第1項に規定する履行期限までに納付しなかったことについてやむを得ない事由があると認める場合においては、これらの延滞金を減額し、又は免除することができる。

(遅延損害金)

第8条 市長等は、私債権について、履行期限の翌日から納付の日までの期間の日数に応じ、当該債権の金額につき民法(明治29年法律第89号)第404条に規定する法定利率の割合に乗じて計算した遅延損害金(その額に100円未満の端数があるときは、その端数金額を切り捨てる。)を加算して徴収するものとする。

2 前項に規定する年当たりの割合は、じゅん年の日を含む期間についても、365日当たりの割合とする。

3 市長等は、私債権について、履行期限までに納付しなかったことについてやむを得ない事由があると認める場合においては、当該私債権に係る遅延損害金を減額し、又は免除することができる。

(滞納処分等)

第9条 市長等は、市税及び強制徴収公債権について、第6条の規定による督促を受けた者が規則に定める指定した期限までに履行しないときは、滞納処分を行わなければならない。

2 市長等は、前項の規定にかかわらず、法令、条例又はこれらに基づく規則に定める事由に該当するときは、徴収猶予、換価の猶予又は滞納処分の停止を行うものとする。

(強制執行等)

第10条 市長等は、非強制徴収債権について、第6条の規定による督促をした後、相当の期間を経過してもなお履行されないときは、次に掲げる措置をとらなければならない。ただし、第13条に規定する徴収停止の措置をとる場合又は第14条の規定により履行期限を延長する場合その他特別の事情があると認める場合は、この限りでない。

(1) 担保の付されている非強制徴収債権(保証人の保証がある債権を含む。)については、当該債権の内容に従い、その担保を処分し、若しくは競売その他の担保権の実行の手続をとり、又は保証人に対して履行を請求すること。

(2) 債務名義のある非強制徴収債権(次号の措置により債務名義を取得したものを含む。)については、強制執行の手続をとること。

(3) 前2号に該当しない非強制徴収債権(第1号に該当する非強制徴収債権で同号の措置をとってなお履行されないものを含む。)については、訴訟手続(非訟事件の手続を含む。)により履行を請求すること。

(履行期限の繰上げ)

第11条 市長等は、市の債権について、履行期限を繰り上げることができる理由が生じたときは、遅滞なく、債務者に対し、履行期限を繰り上げる旨の通知をしなければならない。ただし、第14条第1項各号のいずれかに該当する場合その他特に支障があると認める場合は、この限りでない。

(債権の申出等)

第12条 市長等は、市の債権について、債務者が強制執行又は破産手続開始の決定を受けたこと等を知った場合において、市が債権者として配当の要求その他債権の申出をすることができるときは、直ちに、そのための措置をとらなければならない。

2 前項に規定するもののほか、市長等は、市の債権を保全するため必要があると認めるときは、債務者に対し、担保の提供(保証人の保証を含む。)を求め、又は仮差押え若しくは仮処分の手続をとる等必要な措置をとらなければならない。

(徴収停止)

第13条 市長等は、非強制徴収債権で履行期限後相当の期間を経過してもなお完全に履行されていないものについて、次の各号のいずれかに該当し、これを履行させることが著しく困難又は不適当であると認めるときは、以後その保全及び取立てをしないことができる。

(1) 法人である債務者がその事業を休止し、将来その事業を再開する見込みが全くなく、かつ、差し押さえることができる財産の価額が強制執行の費用を超えないと認められるとき。

(2) 債務者の所在が不明であり、かつ、差し押さえることができる財産の価額が強制執行の費用を超えないと認められるときその他これに類するとき。

(3) 債権金額が少額で、取立てに要する費用に満たないと認められるとき。

(履行延期の特約等)

第14条 市長等は、非強制徴収債権について、次の各号のいずれかに該当する場合は、その履行期限を延長する特約又は処分をすることができる。この場合において、当該債権の金額を適宜分割して履行期限を定めることを妨げない。

(1) 債務者が無資力又はこれに近い状態にあるとき。

(2) 債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であり、かつ、その現に有する資産の状況により、履行期限を延長することが徴収上有利であると認められるとき。

(3) 債務者について災害、盗難その他の事故が生じたことにより、債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であるため、履行期限を延長することがやむを得ないと認められるとき。

(4) 損害賠償金又は不当利得による返還金に係る債権について、債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であり、かつ、弁済につき特に誠意を有すると認められるとき。

(5) 貸付金に係る債権について、債務者が当該貸付金の使途に従って第三者に貸付けを行った場合において、当該第三者に対する貸付金に関し、第1号から第3号までのいずれかに該当する理由があることその他特別の事情により、当該第三者に対する貸付金の回収が著しく困難であるため、当該債務者がその債務の全部を一時に履行することが困難であるとき。

2 市長等は、履行期限後においても、前項の規定により履行期限を延長する特約又は処分をすることができる。この場合において、既に発生した履行の遅滞に係る損害賠償金その他の徴収金(以下「損害賠償金等」という。)に係る市の債権は、徴収すべきものとする。

(債権の放棄)

第15条 市長等は、非強制徴収債権について、次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該債権及びこれに係る損害賠償金等に係る債権を放棄することができる。

(1) 債務者が生活困窮状態(生活保護法(昭和25年法律第144号)の規定による保護を受け、又はこれに準ずる状態をいう。)にあり、資力の回復が困難で、相当の期間を経ても履行の見込みがないと認められるとき。

(2) 破産法(平成16年法律第75号)第253条第1項その他の法令の規定により、債務者がその責任を免れたとき。

(3) 第10条の規定により強制執行等の手続又は第12条の規定により債権の申出等の措置をとったにもかかわらず、なお完全に履行されなかった場合において、債務者が無資力又はこれに近い状態にあり、資力の回復が困難で、履行の見込みがないと認められるとき。

(4) 第13条の規定により徴収停止を行った場合において、相当の期間を経過した後においても、なお同条各号のいずれかに該当し、これを履行させることが困難又は不適当と認められるとき。

(5) 債務者が死亡し、その債務について限定承認があった場合、相続人全員が相続放棄した場合又は相続人が存在しない場合において、その相続財産の価額が強制執行をした場合の費用並びに他の優先して弁済を受ける市の債権及び市以外の者の権利の金額の合計額を超えないと見込まれるとき。

(6) 私債権の時効期間が満了したにもかかわらず、債務者が時効を援用するかどうかの意思を示さないとき。

(委任)

第16条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、令和2年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 第7条及び第8条並びに附則第5項の規定は、市税並びに公債権のうち能美市後期高齢者医療に関する条例(平成20年能美市条例第1号)に規定する後期高齢者医療保険料及び能美市介護保険条例(平成17年能美市条例第107号)に規定する介護保険料についてはこの条例の施行の日(以下「施行日」という。)以後に発生し、かつ、納期限となるものから適用する。

3 前項の規定にかかわらず、市税並びに公債権のうち能美市後期高齢者医療に関する条例に規定する後期高齢者医療保険料及び能美市介護保険条例に規定する介護保険料以外のもの及び私債権については令和3年4月1日以後に発生し、かつ、納期限となるものから適用する。

4 施行日前に発生した公債権のうち、同日以後に行う督促については、附則第6項の規定による改正前の能美市税条例第21条、附則第7項の規定による改正前の能美市手数料条例(平成17年能美市条例第54号)別表十六の部5の項、附則第8項の規定による改正前の能美市後期高齢者医療に関する条例第5条、附則第10項の規定による改正前の能美市介護保険条例第8条、附則第11項の規定による改正前の能美市農業集落排水処理施設条例(平成17年能美市条例第119号)第18条、附則第15項の規定による改正前の能美市公共下水道事業受益者負担に関する条例(平成17年能美市条例第148号)第10条及び附則第16項の規定による改正前の能美市公共下水道条例(平成17年能美市条例第149号)第27条に規定する督促手数料を徴収しないものとする。

(延滞金の割合の特例)

5 当分の間、第7条第1項に規定する延滞金の年14.6パーセントの割合及び年7.3パーセントの割合は、同項の規定にかかわらず、各年の延滞金特例基準割合(平均貸付割合(租税特別措置法(昭和32年法律第26号)第93条第2項に規定する平均貸付割合をいう。)に年1パーセントの割合を加算した割合をいう。以下同じ。)が年7.3パーセントの割合に満たない場合には、その年中においては、年14.6パーセントの割合にあってはその年における延滞金特例基準割合に年7.3パーセントの割合を加算した割合とし、年7.3パーセントの割合にあっては当該延滞金特例基準割合に年1パーセントの割合を加算した割合(当該加算した割合が年7.3パーセントの割合を超える場合には、年7.3パーセントの割合)とする。ただし、第7条第1項及びこの項本文に規定する延滞金の「年14.6パーセント」とあるのは、能美市道路占用料に関する条例(平成17年能美市条例第146号)及び能美市公共下水道事業受益者負担に関する条例においては「年14.5パーセント」とする。

(能美市税条例の一部改正)

6 能美市税条例の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(能美市手数料条例の一部改正)

7 能美市手数料条例の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(能美市後期高齢者医療に関する条例の一部改正)

8 能美市後期高齢者医療に関する条例の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(能美市国民健康保険高額療養費及び出産育児一時金貸付条例の一部改正)

9 能美市国民健康保険高額療養費及び出産育児一時金貸付条例(平成17年能美市条例第60号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(能美市介護保険条例の一部改正)

10 能美市介護保険条例の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(能美市農業集落排水処理施設条例の一部改正)

11 能美市農業集落排水処理施設条例の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(能美市営住宅条例の一部改正)

12 能美市営住宅条例(平成17年能美市条例第140号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(能美市特定公共賃貸住宅条例の一部改正)

13 能美市特定公共賃貸住宅条例(平成17年能美市条例第141号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(能美市道路占用料に関する条例の一部改正)

14 能美市道路占用料に関する条例の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(能美市公共下水道事業受益者負担に関する条例の一部改正)

15 能美市公共下水道事業受益者負担に関する条例の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(能美市公共下水道条例の一部改正)

16 能美市公共下水道条例の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(令和2年9月18日条例第31号)

(施行期日)

1 この条例は、令和3年1月1日から施行する。

(延滞金に関する経過措置)

2 改正後の能美市債権管理条例附則第5項の規定は、この条例の施行の日以後の期間に対応する延滞金について適用し、同日前の期間に対応する延滞金については、なお従前の例による。

能美市債権管理条例

令和2年3月23日 条例第1号

(令和3年1月1日施行)

体系情報
第6編 務/第4章 産/第1節 財産管理
沿革情報
令和2年3月23日 条例第1号
令和2年9月18日 条例第31号