○岡谷市公文例

昭和40年10月29日

訓令第12号

目次

第1 公文書の概念

1 公文書の定義

2 公文書の使命

3 公文書の特質

4 公文書の種類

5 公文書の一般的形式

第2 普通文書

1 起案についての原則

2 照会文書

3 回答文書

4 通知文書

5 依頼文書

6 送付文書

7 報告文書

8 復命文書

9 申請文書

10 願及び届文書

11 進達及び副申文書

12 通達文書

13 陳情書

14 あいさつ状

15 賞状、表彰状及び感謝状

16 書簡文

第3 令達文書

1 条例

2 規則

3 条例、規則の書式

4 条例、規則の書式例

(1) 新設の形式

(2) 一部改正の一般的形式

(3) 一部改正の具体的書式例

(4) 全部改正の書式例

(5) 廃止の書式例

(6) 附則の書式例

5 規程

6 訓令

7 告示

8 公告

9 訓及び内訓

10 指令

11 達

第4 議案

1 意義

2 作成上の注意

第1 公文書の概念

1 公文書の定義

国、地方公共団体の機関又は公務員がその職務上作成すべき文書をいう。

2 公文書の使命

公文書は、公務上の意思を正確に表現して通知され、又は通達され、若しくは公布されて実行の基準となる。更にそれが保存されて安定した記録となり、官公庁の信頼性、安定性、永続性を保つのである。

3 公文書の特質

(1) 法令、規程等の拘束

私文書は、なんらの拘束もなく思ったままの表現で自由に書けばよいが、公文書はそういうわけにはいかない。すなわち次のような拘束を受けなければならない。

ア 国又は上級官庁からのもの

各種の法令に従うとともに、監督官庁からの各種通達及び通知などに反することはできない。

イ 内部諸規程からのもの

規模の大きい複雑な組織を、統一的に運用していくため、市が自己の必要に基づいて設定した文書取扱要綱などに従わなければならない。

(2) 公文書の特色

公文書が有効適切に成立するためには、必ず備えなければならない次のような原則がある。

ア 正確

官公庁の文書事務は、その公益性の高い点から考えても、行政上の責任を明確にしておくため、まず第一に正確でなければならない。

イ 簡易、平易

かつては、いわゆる「官庁用語」といわれる厳格な文語体及び漢字が用いられて、ややもすれば難解な文書になり、これが公文書の権威を高めるゆえんであるかのように考えられていたが、新憲法以来公文書にも常用漢字及び現代かなづかいなどが用いられるようになり、既に本市においては簡単明りょうな文書を作り、分かりやすい用字、用語を用いることをモットーとして実際に行われているわけであるが、特に市民に対するものについては、一層理解されやすいように常用漢字であっても、難しいものはかな書きにすることが望ましい。

4 公文書の種類

公文書の種類は、便宜上、普通文書と令達文書とに区分される。なお、普通文書は、対内文書と対外文書に区分される。

(1) 対内文書 庁内各課及び機関相互において収発する一般文書

(2) 対外文書 前記以外の一般文書

5 公文書の一般的形式

(1) 文書の年次、記号及び番号

ア 通常その文書の差し出し課(所)等を明らかにするため、課の頭文字による記号が付けられる。

イ 文書番号は、発信年月日及び題名とともにその文書の同一性を表示するために付けられ、その事案が完結するまで同一番号を用いる。

ウ 文書番号は、毎年4月に起こす。軽易な文書には番号を付さないで、号外で処理することができる。

(2) 発信年月日

文書の日付は、原則として決裁が完了し、その文書が施行される日すなわち浄書を終わり、発送する日を記入する。

(3) 発信者及びあて先

ア 発信者名は、原則として市長名を用いる。ただし、次の場合は、それぞれに定める発信者名を用いることができる。

(ア) 往復文書で、軽易なものは、市役所名を用いる。

(イ) 対内文書で課の所管事項について他の課又は出先機関に発する文書は、課長名を用いる。

(ウ) 対外文書のうち、本市の課又は課長あての照会、その他に対する回答文書で、その内容が課長専決事項に該当するものにあっては、課名又は課長名を用いる。

(エ) 会計管理者本来の職務権限により発するものは、会計管理者名を用いる。

イ 市が発したことが明瞭な場合を除き、職名等に「岡谷市」を冠するものとする。また県外に発するものにあっては、「長野県」を冠すること。

ウ 発信者名の記載に当たって法規文、公示文、令達文等特殊な文書を除き、差し支えない限り氏名は省略する。

ただし、市長名、副市長名をもって発するものについては、この限りでない。

エ 発信者名が市長の場合は、原則として発信者名の下に( )書で担当部課等を明示する。

(4) 件名(標題)

ア 件名は、その文書の内容が一見してすぐ理解できるように簡潔に表現したものでなければならない。

イ 文書の性格が分かるように末尾に(照会)(回答)(通知)(報告)(伺)等括弧書きする。

(例)

用いるもの

今後用いないもの

・・・・・について(照会)

・・・・・について(回答)

・・・・・・・の件

・・・・・・・に関する件

(5) 本文

ア 文の書き初めを次のように統一して書きます。

用いるもの

今後用いないもの

/このこと/上記のこと/}

{/首題の件/標記の件/

イ 文書の主体を構成するものであるから、分かりやすいよう整理して書き、文体は「である」又は「ます」を基調とする口語体を用いる。

ウ 内容の複雑なものは、本文に「次のとおり」又は「別紙(別添)のとおり」等と記載し、その次に箇条書にする。

なお、添付された参考資料等が多数の場合には、必ずその添付物件の目録を記載することがよい。

(6) 公印、契印、割印

ア 公印は、岡谷市公印規則により多くの種類のものが定められているが、使用する文書区分に誤りのないようにする。

イ 施行文書には、相当の公印を押さなければならない。ただし、印刷したものは省略できる。

ウ 施行文書のうち重要なもの(法令その他特に文書の真実性や公信性が必要なもの。)は、原議書と契印する。契印する場所は、文書の上部ほぼ中央とする。

ただし、印刷したものは省略できる。

エ 契約書、登記文書など2枚以上にわたり、とじ替えを禁ずる文書は、その一連の続きをはっきりさせるために、袋とじとし、その公印により割印を押さなければならない。

オ 公印の使用については、その厳正を期すため定めてある、公印取扱者において、決裁済文書及び施行文書を照合のうえ押印し、特別の理由のあるものについて、公印取扱者の承認を得て自から押印することができる。

第2 普通文書

1 起案についての原則

(1) 起案者(責任者)の自覚をもつこと。

起案に当たり、初めから修正されることを計算に入れて、誰かが直してくれるだろうなどと安易な気持をもたないこと。起案者自身が市の意思を決定するのだという自覚をもって起案する必要がある。また修正を受けたならば、なぜそのように修正されたかをよく研究してそれ以後は、同じことを繰り返さないよう注意することが大切である。

(2) 受け取る身になって起案すること。

起案文書が決裁されると、その内容は市の意思表示として相手に伝えられます。したがって、内容は、誤解を受けないよう、分かりやすく、誤りのないように書かなければならない。

(3) 簡潔に要領よく起案すること。

起案文書を決裁する立場に立って考えてみると、要点をよくとらえ、個条書きなどにしてきれいに整理してあると、上司が判断を下す場合にも大きな助けとなり、決裁や合議にもムダな時間をとられないで済むことになる。

(4) 決裁後は修正をしてはならない。

決裁後状況の変化等により起案の内容を修正する必要が生じた場合は、その修正につき再決裁を受けること。起案者だからといって勝手に決裁文書の修正はできないものである。また単なる字句の修正も同様の手続が必要であることに留意し、起案の際こうしたことのないよう十分注意しなければならない。

2 照会文書

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3 回答文書

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4 通知文書

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5 依頼文書

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6 送付文書

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7 報告文書

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8 復命文書

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9 申請文書

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10 願及び届文書

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11 進達及び副申文書

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12 通達文書

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13 陳情書

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14 あいさつ状

(1) あいさつ状とは、式典などの場合に、主催者や来賓が式典等の意義やそれについての自己の感想、祝いのことば等を読みあげる場合に用いる文書をいう。

あいさつ状は、式辞、告辞、祝辞、答辞、訓辞、弔辞等に分けられている。

式辞 主催者が、式典の始めにその式典の意義などを述べる場合に用いる。

告辞 学校、研修会等の卒業式、修了式、送別会等にその機関の長又は主催者が、別れのことばや今後の心がまえ、激励のことばなどを述べる場合に用いる。

祝辞 祝辞は、おおむね次の順序で作成する。

(ア) 盛会、隆盛を祝する。

(イ) 当局者の労をねぎらい、たたえる。

(ウ) 今後の努力、発展を祈る。

答辞 告辞、祝辞等を受けた者が、謝恩、感謝等のことばを述べる場合に用いる。

弔辞 葬儀などに際し、故人の生前の業績、功労に対し、その死をいたみ霊前において読みあげる場合に用いる。

(2) 作成上の注意

あいさつ文は、目でなく耳を通して理解されるものであるから、できるだけ分かりやすく、しかも心のこもったものであるように努める。

それぞれの内容に応じ、千差万別であるから、あいさつを述べる人の立場等をよく考え、形式及び内容を決定すべきである。

15 賞状、表彰状及び感謝状

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16 書簡文

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第3 令達文書

1 条例

(1) 条例は地方自治法第14条の規定により市議会の議決を経て制定する法規であり、規定できる事項は、同法第2条第2項の事務に関するもので、法令に違反しない限りにおいて制定することができる。

(2) 作成上の注意

ア 内容上の注意

立案に当たっては、書式、用字用語等に注意し、文体は、分かりやすく、やさしく表現し、内容も解釈上疑義が生じないように、次の点に注意する必要がある。

① 法的に条例として規定化すべき事項であるか、又はすることができる事項であるか。

② その条例の目的、趣旨は、市の行政上施策として適切であり、有効であるか。

③ 目的実現の方法として、条例制定以外に方法はないか。

④ 制定した後も終始不断に実施していく自信と方策があるか。

⑤ 法令で示された範囲を超えないか、内容に漏れている点はないか。

⑥ 国の法体系、県の法構成に合致しているか。

⑦ 他の地方公共団体との均衡は、欠いていないか。

⑧ 予算の関係はどうか。(予算を伴うときには同時にその処置をしなければならない。)

⑨ 表現は、その条例の制定目的を達成するうえに最も正確適切であり、しかも全体として整っているか。

⑩ 法令にある条文をそのまま規定したり、同じ内容の規定を置いたりしてはいないか。

⑪ 行政法的な注意だけでなく、私法的な注意も十分払われているか。

⑫ 使用料、手数料等については、財源の面からその額を決定するだけでなく、本来の公益性の面からも検討されているか。

⑬ 将来に負担を残すことはないか。

⑭ 経過的処置を必要としないか。

⑮ 罰則規定は、他の一般の刑罰体系と矛盾していないか、また制裁の限度は、他の同様の義務違反との間に均衡が保たれているか。

イ 形式上の注意

条例でも規則でもその対象になる人々に守られ実施されなければ、内容が、どんなに立派なものでも何にもならない。

同時にそれが正しく守られる、つまり制定者が考えていたとおりに守られることが必要である。

① 正確で分かりやすいこと。

② 一定の形式があるので、それに従って作成すること。

③ 文章は「である」体で書くこと。

④ 法令上の慣用語があるので、それを用いること。

(3) 立案の形式

条例、規則は、制定、全部改正、一部改正及び廃止の形式がある。

ア 新しく制定する場合

従来規程化されていなかったものを新しく規程化する場合である。

イ 全部を改正する場合

法律の改正、その他制度の改正等により、既存の条例、規則の全般にわたり内容を一新する場合である。

(現在余り使われていない形式である。)

ウ 一部を改正する場合

既存の規程の内容を一部変更する場合である。

2つ以上の条例、規則を同時に、おおむね同じ動機で改正する場合又は共通した改正事項を扱う場合には、1件の一部改正で処理する。

また、一部改正条例、規則は、その施行と同時に既存の条例、規則の中に溶け込んでしまい附則だけは残される。したがって、その附則を改正する場合には「○○○条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例」と題して改正を行う。

エ 廃止する場合 

既存の条例、規則を廃止する場合の形式である。

新たな条例、規則の制定により既存の条例、規則を廃止する場合、その他新たな条例、規則の一部に実体的な部分として吸収されてしまって、既存の条例、規則を存続させて置く必要のない場合等に、附則で、当該条例、規則を廃止する旨の規定が置かれる。なお、既存の条例、規則の廃止に当たっては、新たな条例、規則の制定により廃止する必要の生じた条例、規則だけに限られ、関連のない条例、規則は単独に廃止しなければならない。

また、2つ以上の条例、規則を廃止する場合には、「○○○条例(規則)等を廃止する条例(規則)」と題し、条を起こし、それぞれ列記する。

2 規則

(1) 規則は、地方自治法第15条及びその他の法令に基づいて長が、その権限に属する事務に関し法令に違反しない限りにおいて制定するもので、(議会の権限に属する事項、他の執行機関の権限に属する事項については、これを制定することはできない。)条例の施行について規定するものも含まれる。

条例とは別個の法形式であって、必ずしも上下の関係にあるものではなく、それぞれの専属的所管事項をもっているが、条例施行のためその委任に基づき制定される規則は、条例より劣るとされている。

(2) 地方自治法第138条の4第2項により、普通地方公共団体の委員会は、地方公共団体の条例等に違反しない限りにおいて規則を制定できることとされている。

規則と委員会の規則とは、各執行機関の所掌事務が明確に定められている限り、両者の間に矛盾抵触がおきる余地はない。

(3) 作成上の注意

作成上の注意事項、形式等については、条例と全く同様である。

3 条例、規則の書式

(1) 公布文

条例(規則)を公布する場合は、公布する旨の公布権者の意思を表する文章(公布文)に市長が署名することになっている(地方自治法第16条第4項)また、公布文は、法規の一部を構成するものでないから条例の場合公布文は、議会の議決を経るべきものではない。

(2) 条例(規則)番号

ア 条例(規則)番号は、条例、規則の別に暦年ごとに番号を起こし、公布の順に従って、制定、改廃の別なく一連番号が付けられる。

イ 条例(規則)の同一性は、その公布された年とこの番号とによって表示されるもので、一部改正されても同一性を失うものではないから改正される既存の条例(規則)の番号は変わらない。

(3) 題名

題名は、内容を適切かつ簡潔に表現し、他のものと紛らわしいものは避る。また、題名を言っただけでその条例なり規則なりの内容が推則でき、しかも長すぎて理解しにくくならないようにする。

また、条例の委任に基づいて制定される規則には、「○○条例施行規則」とする。その他の場合には「岡谷市市税条例」「岡谷市組織規則」というように通常「岡谷市」という文字を上に付ける。

(4) 目次

目次は条例(規則)の本則が、編、章、節等により構成されている場合にだけ内容を一目で明らかにするために付けるものである。

(5) 本則

条例(規則)の構成は、通常本則と附則から成り立っている。本則は、附則以外の部分を指し、条例(規則)の実質的内容が書かれている。その規定の順序としては、まず、総則的事項(目的、趣旨、用語の定義、適用の範囲等)が置かれ、次に執行の順序、事務の取扱順序等に従って規定され、最後に損害賠償、罰則等の規定が置かれたのち、条例ならば手続上の規定を委任するために、委任規定を配置する。

ア 章、節等の区分

本則に規定する条文の数がおおむね30以上にわたるときは、内容を分かりやすくするために、同種の事項を規定した条文を一まとめにして章、節等に区分する。その数が少ない場合章、節を設けることは、かえって、いたずらに複雑にすることになる。

イ 条項等の区分

本則は、通常、異なる事項ごとに「条」に区分される。

更に細分する必要があるときは順次「項」「号」「ア、イ、ウ等」「(ア)、(イ)、(ウ)等」に区分する。これらのうち「項」は、通常条文の段落であると理解され、第1項に限り項番号「1」を付けない。

本則の内容が特に簡単な場合には「条」を設けず、1つの項だけで済ませることがある。

ウ 見出し

条文の内容を一目で理解できるように各条ごとに見出しを付ける。見出しは、通常各条ごとに付けるが、連続して同じ範囲の事項を内容とする条が2条以上ある場合(この場合はそれらの条を一まとめにして頭初の条文にだけ付ける。)及び附則で重要又は複雑な場合を除いては見出しを付けない。

エ 法令名、条項等の引用

① 法令名の引用

条文中に他の法令又は条例等を引用する場合には、その題名の次に括弧書で法令にあっては、公布年及び法令番号、条例(規則)にあっては、公布年、団体名及び条例(規則)番号を記載する。この場合、同一の条例(規則)のうちで1つの法令又は条例等を2回以上引用するときには、最初に引用する部分の法令番号又は条例番号の次に(以下「法」という。)又は(以下「条例」という。)のように記載し、2回目からは、公布年、法令番号は省略するのが通常である。またこの場合には題名を略称とすることも差し支えない。

② 条項等の引用

条文中に他の条、項、号を引用するときは、通常の場合には「第○条」、「第○条 第○項」、「第○条 第○項 第○号」と引用する。

同一の条文中で2度以上同じ条文等を引用する場合は、2度目からは、「同条」「同項」のようにする。

先行する条のすべてを引用する場合で、引用される条が4条以上であるときは、「前各条」を、3条以下であるときは「前3条」、「前2条」又は「前条」を用いる。項又は号の場合も同様である。「ア、イ、ウ等」の区分の段階では、「アからウまで」、「イ及びウ」又は「ウ」というようにする。

先行する条の一部を引用する場合で、引用される条が4条以上であるときは、「第○条から前条まで」というように、3条以下であるときは「前3条」、「前2条」又は「前条」を用いる、項又は号の場合も同様である。

直後の条項等を引用する場合には、「次条」、「次項」、「次号」と表現する。ただし、「前2条」等に対応する「次2条」等とは表現しない。

オ 前段、後段

1つの条、項又は号中に文章が2つあり、後の文章が「ただし」で始まっていない場合がある。この場合には始めの文章を「前段」後の文章を「後段」という。

「後段」は、「この場合において」という書き出しで始まる例が多い。

カ 本文、ただし書

1つの条、項又は号の中に2つの文章がある場合で後の方の文章が「ただし」で始まるときに、前の方の文章を「本文」といい、後の「ただし」で始まる文章を「ただし書」という。

ただし書は、通常、本文に対し、その除外例又は制限的若しくは例外的な規定をしようとする場合に用いられるもので、文章の末尾が「この限りでない。」というように結ばれる例が多い。

(6) 附則

ア 附則は、本則に対応し、本則との関係について種々の調整を図る技術的な性質をもった内容が規定される。したがって、本則に規定されている事項と全然関係のない事項を附則に定めてはならない。

イ 附則に規定すべき事項及び順序は、おおよそ次のとおりである。

① 施行期日に関する規定

② 既存の条例、規則の廃止に関する規定

③ 当該条例、規則の施行に伴う経過的規定

④ 他の条例、規則の改正に関する規定

⑤ 当該条例、規則の有効期限に関する規定

⑥ その他の規定

ウ 施行期日

施行というのは、現実に住民に対して条例(規則)としての効力を発生することをいうのである。条例の場合、市長が議会に提案し、議会の議決によりその内容は確定し、公布によって初めて効力を生じ、住民の生活に作用する。

適用というのは、現実に発生した事実に対してその効力をさかのぼってさせることである。「施行」と「適用」は、将来に向かっては大体同様であるが、過去に向かっては非常に異なる。

施行期日をいつにするかは、立法政策上の問題であって、別に基準はない。しかし、法令は、一般の人に守られることが、最も大切であるから、守り得るように公布の日からある期間を置くことが必要である。

特に住民の権利義務に関する事項や罰則のあるものの場合は、周知期間を考慮して公布後一定の余裕を置くことが必要である。

その条例(規則)を公布の日から前にさかのぼって適用させることは、既に成立した状態に対し、あとから規制を加えてその安定性を害し、住民の利益を不当に侵害するおそれがある。したがって、さかのぼった方が住民に有利な場合、すなわち住民の義務を解除し、又は権利を与える場合等のほかは原則として、その適用を行うことはできない。

(7) 別表

ある事項を規定する場合に、普通の文章で書くよりも「表」にした方が内容が一目で理解できる場合がある。表については、横の区切りを項と呼び、たての区切りを欄と呼ぶ。表は、本則の各条文中に掲げられる場合も少なくないが、比較的内容の複雑な表は「別表」として、附則の次に置かれる。

ただし、一部改正の場合は、附則の前に置かれる。

また、別表として掲げる場合には、条文中に必ずその表の意味等を規定しなければならない。この場合において、別表の左上に「別表(第○条関係)」と表示する。

(8) 様式

様式は、事務取扱上の便宜からその表現形式を定めさせる必要があるとき、あるいは法制上一定の標示に意味をもたせる必要がある場合等に用いる。

様式は、別表(別表が設けられていないときは、附則)の次に置かれる。ただし、一部改正の場合は附則の前に置かれる。

4 条例規則の書式例

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5 規程

(1) 規程は、それ自体令達文書の一つの形式ではなく、規定の集団等の題名に用いられている。訓令、告示などにより「○○規程」という形で定められているのがその例である。その点地方自治法に規定されている規則とは、形式上からもその性質が全く異なっている。住民の権利義務に直接関係を有しない機関の内部的事項について定めるもののうち法令などにより規則として定めることを規定されていないものに用いられている場合が多い。したがって規程は、行政規則のうち規則として制定しないものについて訓令等という形式で定めるものであるといえる。この点では規則と規程の間には明らかな一線はない。

(2) 教育委員会、人事委員会、公平委員会などにあっては、それぞれの法律により規則制定権をもつが、このように規則という明確な一定の形式及び名称が定められていなくても、選挙管理委員会、監査委員、農業委員会等のように規則制定権をもたない機関の制定するものは、法規的性質をもつものであっても結局規程(地方自治法第138条の2の規定による「その他の規程」)として取り扱うことになる。この場合告示等の形式により公表することになる。

6 訓令

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7 告示

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8 公告

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9 訓及び内訓

訓令の例による。ただし、令達番号には「岡谷市」を冠しない。

10 指令

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11 達

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第4 議案

1 意義

普通地方公共団体の議会が議決しなければならない事件については、法令等の規定において個々に「○○○については、当該市町村の議会の議決を経て定める。」というような明示があるほか、総括的には地方自治法第96条に規定されている。

これらの事件が議決されるには、議会に議案が提出されなければならない。

2 作成上の注意

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岡谷市公文例

昭和40年10月29日 訓令第12号

(昭和40年10月29日施行)