○岡谷市公害防止条例
昭和47年4月1日
条例第5号
目次
第1章 総則(第1条―第5条)
第2章 公害の防止に関する施策(第6条―第16条)
第3章 公害の防止に関する規制
第1節 工場等に関する規制(第17条―第40条)
第2節 自動車の排出ガス等に関する規制等(第41条―第45条)
第4章 環境保全の措置(第46条―第48条)
第5章 雑則(第49条・第50条)
第6章 罰則(第51条―第54条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、国の法令及び長野県条例(以下「国の法令等」という。)に定めがある場合のほか、公害防止について必要な事項を定めることにより、市民の健康を保護するとともに生活環境を保全することを目的とする。
2 この条例にいう「生活環境」には、人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含むものとする。
(1) 燃料その他の物の燃焼に伴い発生するいおう酸化物
(2) 燃料その他の物の燃焼又は熱源としての電気の使用に伴い発生するばいじん
(3) 物の燃焼、合成、分解その他の処理(機械的処理を除く。)に伴い発生する物質のうち、人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある物質(第1号に掲げるものを除く。)で規則で定めるもの
4 この条例において「ばい煙発生施設」とは、工場又は事業場(以下「工場等」という。)に設置される施設でばい煙を発生し、及び排出するもののうち、その施設から排出されるばい煙が大気の汚染の原因となるものであって規則で定めるものをいう。
5 この条例において「粉じん」とは、物の破砕、選別その他の機械的処理又はたい積に伴い発生し、又は飛散する物質をいう。
6 この条例において「粉じん発生施設」とは、工場等に設置される施設で粉じんを発生し、及び排出し、又は飛散させるもののうち、その施設から排出され、又は飛散する粉じんが大気の汚染の原因となるものであって規則で定めるものをいう。
(1) 人の健康に係る被害を生ずるおそれがある物質として規則で定める物質を含むこと。
(2) 水素イオン濃度その他の水の汚染状態(熱によるものを含み、前号に規定する物質によるものを除く。)を示す項目として規則で定める項目に関し、生活環境に係る被害を生ずるおそれがある程度のものであること。
8 この条例において「騒音発生施設」とは、工場等に設置される施設のうち、著しい騒音を発生する施設であって規則で定めるものをいう。
9 この条例において「振動発生施設」とは、工場等に設置される施設のうち、著しい振動を発生する施設であって規則で定めるものをいう。
10 この条例において「悪臭発生施設」とは、工場等に設置される施設のうち、不快なにおいの原因となり、著しく生活環境をそこなうおそれがある物質を排出する施設であって規則で定めるものをいう。
11 この条例において「規制基準」とは、ばい煙発生施設、粉じん発生施設、汚水等排出施設、騒音発生施設、振動発生施設若しくは悪臭発生施設(以下「ばい煙等発生施設」という。)又はばい煙等発生施設を設置する工場等から発生し、排出し、又は飛散するばい煙、粉じん、汚水、廃液、騒音、振動又は悪臭(以下「ばい煙等」という。)の量、濃度又は大きさの許容限度をいう。
(事業者の責務)
第3条 事業者は、その事業活動に伴って生ずるばい煙、汚水、廃棄物等の処理等公害を防止するために必要な措置を講ずるとともに、国、県又は市が実施する公害の防止に関する施策に協力する責務を有する。
2 事業者は、物の製造加工等に際して、その製造、加工等に係る製品が使用されることによる公害の発生の防止に資するように努めなければならない。
(市の責務)
第4条 市は、地域の自然的、社会的条件に応じた公害の防止に関する施策を策定し、及びこれを実施する責務を有する。
(市民の責務)
第5条 市民は、国、県又は市が実施する公害防止に関する施策に協力するとともに、自らも公害を発生させることのないように努めなければならない。
第2章 公害の防止に関する施策
(施策の推進)
第6条 市は、市政全般にわたり公害の防止について特に配慮するとともに、公害の防止に関する施策を総合的かつ計画的に推進するものとする。
(規制の措置)
第7条 市長は、公害の防止について必要な規制の措置を講ずるものとする。
(地域の開発等における配慮)
第8条 市長は、地域の開発及び整備に関する施策の策定の実施に当たっては、公害の防止について必要な配慮をするものとする。
(公害の防止に関する施設の整備等の推進)
第9条 市長は、公害の防止に必要な事業及び公共的な処理施設その他公害防止に資する公共施設の整備の事業を推進する措置を講ずるものとする。
(調査、監視、測定等の体制の整備)
第10条 市長は、公害の防止の措置を推進するために、必要な調査、監視及び測定等の体制の整備に努めるものとする。
(知識の普及等)
第11条 市長は、公害に関する知識の普及を図るとともに、公害の防止の思想を高めるように努めるものとする。
(苦情の処理及び被害者の措置)
第12条 市長は、関係行政機関と協力して、公害に関する苦情の適切な処理に努めるものとする。
2 市長は、公害による被害者が発生したとき、又は被害者が発生するおそれがあると認めた場合は、必要な措置を講ずるものとする。
(公害防止協定等)
第13条 市長が公害防止のために必要があると認めるときは、事業者はその防止に係る協定等を締結するよう努めるものとする。
(援助)
第14条 市長は、事業者が行う公害防止のための施設の設置若しくは改善に必要な資金のあっせん又は補助その他の援助に努めるものとする。
(公害監視員の設置)
第15条 市長は、公害対策の効果的な推進に資するため、公害監視員をおくことができる。
(自然環境の保護)
第16条 市長は、他の施策と相まって公害の防止に資するよう、緑地の保全その他自然環境の保護に努めるものとする。
第3章 公害の防止に関する規制
第1節 工場等に関する規制
(規制基準)
第17条 規制基準は、規則で定める。
2 前項の規制基準は、それぞれ住居が集合している地域その他の地域であって、大気の汚染等を防止することにより市民の健康の保護と生活環境を保全する必要があると認める地域(以下「規制地域」という。)を設けて指定するものとする。
3 市長は、第1項に規定する規制基準を定めようとするときは、あらかじめ岡谷市環境審議会の意見を聴かなければならない。これを変更し、又は廃止しようとするときも、また、同様とする。
(平成6条例11・一部改正)
(規制基準がない公害の認定)
第18条 市長は、規制基準の定めがない場合であっても現に被害が発生し、又は発生するおそれがあるときは、公害と認定することができる。
(ばい煙等発生施設設置の届出)
第19条 規制地域において、工場等にばい煙等発生施設を設置しようとする者は、規則で定めるところにより、市長に届出なければならない。
(経過措置)
第20条 一の施設がばい煙等発生施設となった際現に規制地域において工場等にその施設を設置している者(設置の工事をしている者を含む。)は、当該施設がばい煙等発生施設となった日から30日以内に規則で定めるところにより、前条に基づき市長に届出なければならない。
(変更の届出)
第21条 前2条の規定により届出をした者は、その届出に係る事項の変更をしようとするときは、規則で定めるところによりその旨を市長に届出なければならない。また、その届出に係る施設の使用を廃止したときも、また、同様とする。
(ばい煙又は汚水等の排出の制限)
第25条 規制地域において、ばい煙発生施設又は汚水等排出施設を設置する工場等から、ばい煙又は汚水等を排出する者(以下「ばい煙等排出者」という。)は、規制基準に適合しないばい煙又は汚水等を排出してはならない。
2 前項の規定は、一の施設がばい煙発生施設又は汚水等排出施設となった際、現に工場等にその施設を設置している者(設置の工事をしている者を含む。)の当該施設に係るばい煙又は汚水等については、当該規制基準が定められた日から6月間(当該施設が規則で定める施設である場合にあっては、1年間)は、適用しない。
(ばい煙又は汚水等排出施設に係る改善命令)
第26条 市長は、ばい煙等排出者が規制地域において、規制基準に適合しないばい煙又は汚水等を排出するおそれがあると認めるときは、その者に対し、期限を定めて当該ばい煙発生施設、汚水等排出施設の構造、使用の方法、ばい煙若しくは汚水等の処理の方法の改善を命じ、又は施設の使用の一時停止若しくは汚水等の排出の一時停止を命ずることができる。
(粉じん発生施設に係る基準の遵守義務)
第27条 規制地域において、粉じん発生施設を設置している者は、粉じんに係る規制基準又は当該粉じん発生施設について、規則で定める構造並びに使用及び管理に関する基準を遵守しなければならない。
2 第17条第3項の規定は、構造等の基準を定める場合について準用する。
(騒音等発生施設に係る規制基準の遵守義務)
第29条 規制地域に騒音発生施設、振動発生施設又は悪臭発生施設(以下「騒音等発生施設」という。)を設置している者は、騒音、振動又は悪臭(以下「騒音等」という。)に係る規制基準を遵守しなければならない。
(騒音等発生施設に係る改善勧告又は改善命令)
第31条 市長は、規制地域に設置されている騒音等発生施設を設置する工場等から発生し、又は排出される騒音等が当該規制基準に適合しないことによりその工場等の周辺の生活環境がそこなわれると認めるときは、当該騒音等発生者に対し、期限を定めて、その事態を除去するために必要な限度において騒音等の防止の方法を改善し、又は当該施設の使用の方法若しくは配置を変更すべきことを勧告することができる。
3 前項の規定による命令を受けた者は、その命令に基づく改善を行ったときは、速やかにその旨を市長に届出なければならない。
(測定等)
第32条 市長は、規制基準を遵守させるために必要があると認めるときは、ばい煙等発生施設を設置する工場等を有する者に対し、ばい煙、粉じん、汚水等の量若しくは濃度又は騒音、振動、悪臭の大きさ若しくは濃度を測定し、その結果を記録させることができる。
(規制地域以外の区域における工場等の設置及び変更の認可)
第33条 規制地域以外の区域において、規則で定めるばい煙等発生施設を有する工場等を設置(増設を含む。)又は変更をしようとする者は、規則で定める申請書を市長に提出し、認可を受けなければならない。
2 市長は、前項の規定による申請書の提出があった場合は、当該申請に係る工場等から発生する大気の汚染等が規制基準をこえないものと認めるときは、認可をしなければならない。
3 市長は、前項の認可をするに当たっては、公害防止のために必要な条件を付すことができる。
4 前3項の規定は、規制地域以外の区域における工場等でばい煙等発生施設の設置又は変更の場合に準用する。
(地盤沈下の防止)
第34条 工場等に揚水設備を設けて地下水を採取する者は、地下水の採取に伴う地盤の沈下を防止するように努めなければならない。
(産業廃棄物の処理)
第35条 工場等を設置している者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない。
2 工場等を設置している者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物の再生利用等を行うことによりその減量に努めるとともに、物の製造、加工、販売等に際して、その製造、加工、販売等に係る製品、容器等が廃棄物となった場合においてその適正な処理が困難になることのないようにしなければならない。
3 市長は、必要な限度において工場等を設置している者に対し、当該工場等から生ずる産業廃棄物の種類及び量並びに収集、運搬処分の方法等に関し、報告を求めることができる。
(土壌の汚染の防止)
第36条 工場等を設置している者は、ばい煙、粉じん又は汚水等であって、人の健康に係る被害を生ずるおそれがある物質を含む物を排出し、これに起因する土壌の汚染を生じさせないようにしなければならない。
(排出水の地下浸透防止の措置)
第37条 工場等から排出水を排出する者は、有害物質を含む汚水等(これを処理したものを含む。)が地下にしみ込むことにならないよう適切な措置をしなければならない。
(公害防止管理者)
第38条 工場等を設置している者は、当該工場等における公害の発生の防止に当たらせるため、公害防止管理者を置くように努めるものとする。
(事故時の措置)
第39条 工場等からばい煙等を発生させる者は、ばい煙等を発生する施設又はばい煙等を処理する施設その他の施設について故障、破損その他の事故が発生し、ばい煙等が著しく発生したときは、直ちに、その事故について応急の措置を講じ、かつ、その事故を速やかに復旧するように努めなければならない。
2 市長は、前項に規定する事故が発生した場合において、当該事故に係る工場等の周辺の区域における人の健康がそこなわれ、又はそこなわれるおそれがあると認めるときは、当該工場等からばい煙等を発生させる者に対し、その事故の拡大又は再発の防止のため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(工場等の公害の防止に関する措置の勧告)
第40条 市長は、工場等から発生するばい煙等により公害が発生し、又は発生するおそれがあると認めるときは、この節に定めるもののほか工場等の移転又はその事態を除去するために必要な措置をとるべきことを勧告することができる。
第2節 自動車の排出ガス等に関する規制等
(自動車の使用者等の義務)
第41条 自動車(道路運送車両法(昭和26年法律第185号)第2条第2項に規定する自動車及び同条第3項に規定する原動機付自転車をいう。以下同じ。)の使用者その他自動車の装置の整備について責任を有する者又は自動車の運転をする者は、当該自動車から発生する排出ガス及び騒音の低減を図るため必要な整備を行い、又は適正な運転をするようにしなければならない。
(拡声機の使用の制限)
第42条 何人も、病院又は学校の周辺の地域、その他の騒音を防止することにより市民の生活環境を保全する必要がある地域であって規則で定める区域においては、商業宣伝を目的として拡声機を使用してはならない。
(深夜における営業者等の騒音)
第43条 風俗営業、興行場営業又は飲食店営業を営む者は、当該営業に係る深夜(午後11時から翌日の午前6時までの時間をいう。)における騒音により、その周辺の生活環境をそこなうことのないようにしなければならない。
(ばい煙又は悪臭が生ずる物の焼却の制限)
第44条 何人も住居が集合している地域においては、みだりにゴム、皮革、合成樹脂、廃油その他の燃焼に伴って著しくばい煙又は悪臭を発生する物を野外で多量に焼却してはならない。
第4章 環境保全の措置
(緑化の推進)
第46条 工場等を設置している者は、環境を保全するため規則で定めるところにより樹木の植樹、花きの植栽及びこれらの保存を行い緑化に努めなければならない。
(生活汚水の処理)
第47条 生活又は事業に起因する汚水を排出する者は、汚水ます又はろ過池等の設置により衛生的な処理に努めるものとする。
(し尿浄化槽の維持管理)
第48条 し尿浄化槽を設置する者は、常に適正な維持管理を行い、公共用水域の浄化と環境の保全に努めなければならない。
第5章 雑則
(報告及び検査)
第49条 市長は、この条例施行に必要な限度において、ばい煙等発生施設を設置する者に対し、公害の防止に関する状況その他必要な事項の報告を求め、又はその職員に工場等その他の場所に立入りばい煙等発生施設その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
(補則)
第50条 この条例の施行に関し、必要な事項は、別に定める。
第6章 罰則
第51条 次の各号の一に該当する者は、10万円以下の罰金に処する。
(1) 第22条の規定によるばい煙又は汚水等排出施設に係る計画変更命令に違反した者
(2) 第26条第1項の規定によるばい煙又は汚水等排出施設に係る改善若しくは一時停止命令に違反した者
(3) 第31条第2項の規定による騒音発生施設に係る改善又は変更命令に違反した者
第52条 次の各号の一に該当する者は、5万円以下の罰金に処する。
(1) 第25条第1項の規定によるばい煙又は汚水等の排出の制限に違反した者
(2) 第28条第1項の規定による粉じん発生施設の規制基準適合命令又は一時停止命令に違反した者
(3) 第39条第2項の規定による事故時の措置の命令に違反した者
2 過失により前項第1号の罰を犯した者は、4万円以下の罰金に処する。
第53条 次の各号の一に該当する者は、3万円以下の罰金に処する。
(2) 第20条の規定による経過措置に基づく届出をせず又は虚偽の届出をした者
(3) 第23条の規定によるばい煙又は汚水等排出施設に係る実施の制限に違反した者
(4) 第49条の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ若しくは忌避した者
附則
この条例は、公布の日から起算して9箇月をこえない範囲内において規則で定める日から施行する。
附則(平成6年条例第11号)
この条例は、平成6年8月1日から施行する。