○忍野村風致地区条例
平成25年3月26日
条例第6号
(目的)
第1条 この条例は、都市計画において定められた風致地区(面積が10ヘクタール以上で2以上の市町村の区域にわたるものを除く。以下同じ。)について都市計画法(昭和43年法律第100号)第58条第1項及び風致地区内における建築等の規制に係る条例の制定に関する基準を定める政令(昭和44年政令第317号)の規定に基づき、都市の風致を維持するため必要な事項を定めることを目的とする。
(許可を要する行為)
第2条 風致地区内において、次に掲げる行為をしようとする者は、あらかじめ、規則で定めるところにより、村長の許可を受けなければならない。
(1) 建築物その他の工作物(以下「建築物等」という。)の新築、改築、増築又は移転
(2) 宅地の造成、土地の開墾その他の土地の形質の変更(以下「宅地の造成等」という。)
(3) 木竹の伐採
(4) 土石の類の採取
(5) 水面の埋立て又は干拓
(6) 建築物等の色彩の変更
(7) 屋外における土石、廃棄物(廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第2条第1項に規定する廃棄物をいう。)又は再生資源(資源の有効な利用の促進に関する法律(平成3年法律第48号)第2条第4項に規定する再生資源をいう。)の堆積(以下「土石等の堆積」という。)
(1) 都市計画事業の施行として行う行為
(2) 国、県若しくは村又は当該都市計画施設を管理することとなる者が当該都市施設又は市街地開発事業に関する都市計画に適合して行う行為
(3) 非常災害のため必要な応急措置として行う行為
(4) 建築物の新築、改築又は増築で、新築にあっては建築物全体の床面積が、改築又は増築にあっては建築物の改築又は増築に係る部分の床面積の合計が10平方メートル以下であるもの(新築、改築又は増築後の建築物の高さが10メートルを超えることとなるものを除く。)
(5) 建築物の移転で、移転に係る建築物の床面積が10平方メートル以下であるもの
(6) 次に掲げる工作物(建築物以外の工作物をいう。以下同じ。)の新築、改築、増築又は移転
ア 風致地区内において行う工事に必要な仮設の工作物
イ 水道管、下水道管、井戸その他これらに類する工作物で地下に設けるもの
ウ 消防又は水防の用に供する望楼及び警鐘台
エ その他の工作物で、新築、改築、増築又は移転に係る部分の高さが1.5メートル以下であるもの
(7) 面積が10平方メートル以下の土地の形質の変更で、高さが1.5メートルを超えるのりを生ずる切土又は盛土を伴わないもの
(8) 次に掲げる木竹の伐採
ア 間伐、枝打ち、整枝等木竹の保育のため通常行われる木竹の伐採
イ 枯損した木竹又は危険な木竹の伐採
ウ 自家の生活の用に充てるために必要な木竹の伐採
エ 仮植した木竹の伐採
(9) 土石の類の採取で、その採取による地形の変更が第7号の土地の形質の変更と同程度のもの
(10) 面積が10平方メートル以下の水面の埋立て又は干拓
(11) 建築物等のうち、屋根、外壁、煙突、門、塀、橋、鉄塔その他これらに類するもの以外のものの色彩の変更
(12) 土石等の堆積で、その面積が10平方メートル以下であり、かつ、高さが1.5メートル以下であるもの
(13) 前各号に掲げるもののほか、次に掲げる行為
ア 法令又はこれに基づく処分による義務の履行として行う行為
イ 建築物の存する敷地内で行う行為。ただし、次に掲げる行為を除く。
(ア) 建築物の新築、改築、増築又は移転
(イ) 工作物のうち、当該敷地に存する建築物に附属する物干場、受信用の空中線系(その支持物を含む。)その他これらに類する工作物以外のものの新築、改築、増築又は移転
(ウ) 高さが1.5メートルを超えるのりを生ずる切土又は盛土を伴う宅地の造成等
(エ) 高さが5メートルを超える木竹の伐採
(オ) 土石の類の採取で、その採取による地形の変更が(ウ)の宅地の造成等と同程度のもの
(カ) 建築物等の色彩の変更で第11号に該当しないもの
ウ 認定電気通信事業又は有線一般放送の業務(共同聴取業務に限る。以下この号において同じ。)の用に供する線路又は空中線系(その支持物を含む。以下同じ。)のうち、高さが15メートル以下であるものの新築(有線一般放送の業務の用に供する線路又は空中線系に係るものに限る。)、改築、増築又は移転
エ 農林漁業を営むために行う行為。ただし、次に掲げる行為を除く。
(ア) 建築物の新築、改築、増築又は移転
(イ) 用排水施設(幅員が2メートル以下の用排水路を除く。)又は幅員が2メートルを超える農道若しくは林道の設置
(ウ) 宅地の造成又は土地の開墾
(エ) 森林の択伐又は皆伐(林業を営むために行うものを除く。)
(オ) 水面の埋立て又は干拓
(1) 独立行政法人都市再生機構
(2) 独立行政法人労働者健康福祉機構
(3) 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構
(4) 独立行政法人水資源機構
(5) 独立行政法人中小企業基盤整備機構
(6) 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構
(7) 独立行政法人環境再生保全機構
(適用除外)
第3条 次に掲げる行為については、前条の規定は、適用しない。この場合において、これらの行為をしようとする者は、あらかじめ、村長にその旨を通知しなければならない。
(1) 高速自動車国道若しくは道路法(昭和27年法律第180号)による自動車専用道路の新設、改築、維持、修繕若しくは災害復旧(これらの道路とこれらの道路以外の道路(道路運送法(昭和26年法律第183号)による一般自動車道を除く。)とを連絡する施設の新設及び改築を除く。)又は道路法による道路(高速自動車国道及び自動車専用道路を除く。)の改築(小規模の拡幅、舗装、勾配の緩和、線形の改良その他道路の現状に著しい変更を及ぼさないものに限る。)、維持、修繕若しくは災害復旧に係る行為
(2) 道路運送法による一般自動車道及び専用自動車道(鉄道若しくは軌道の代替に係るもの又は一般乗合旅客自動車運送事業の用に供するものに限る。)の造設(これらの自動車道とこれらの自動車道以外の道路(高速自動車国道及び道路法による自動車専用道路を除く。)とを連絡する施設の造設を除く。)又は管理に係る行為
(3) 自動車ターミナル法(昭和34年法律第136号)によるバスターミナルの設置又は管理に係る行為
(4) 河川法(昭和39年法律第167号)第3条第1項に規定する河川又は同法第100条第1項の規定により指定された河川の改良工事の施行又は管理に係る行為
(5) 独立行政法人水資源機構法(平成14年法律第182号)第12条第1項(同項第4号を除く。)に規定する業務に係る行為(前号に掲げるものを除く。)
(6) 砂防法(明治30年法律第29号)による砂防工事の施行又は砂防設備の管理(同法に規定する事項が準用されるものを含む。)に係る行為
(7) 地すべり等防止法(昭和33年法律第30号)による地すべり防止工事の施行に係る行為
(8) 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律(昭和44年法律第57号)による急傾斜地崩壊防止工事の施行に係る行為
(9) 森林法(昭和26年法律第249号)第5条第1項に規定する地域森林計画に定める林道の新設及び管理に係る行為
(10) 森林法第41条第1項に規定する保安施設事業の施行に係る行為
(11) 国有林野内において行う国民の保健休養の用に供する施設の設置又は管理に係る行為
(12) 土地改良法(昭和24年法律第195号)による土地改良事業の施行に係る行為(水面の埋立て及び干拓を除く。)
(13) 地方公共団体又は農林漁業を営む者が組織する団体が行う農業構造、林業構造又は漁業構造の改善に関し必要な事業の施行に係る行為(水面の埋立て及び干拓を除く。)
(14) 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が行う鉄道施設の建設(駅、操車場、車庫その他これらに類するもの(以下「駅等」という。)の建設を除く。)又は管理に係る行為
(15) 鉄道事業法(昭和61年法律第92号)による鉄道事業者又は索道事業者が行うその鉄道事業又は索道事業で一般の需要に応ずるものの用に供する施設の建設(鉄道事業にあっては、駅等の建設を除く。)又は管理に係る行為
(16) 軌道法(大正10年法律第76号)による軌道の敷設(駅等の建設を除く。)又は管理に係る行為
(17) 航空法(昭和27年法律第231号)による航空保安施設で公共の用に供するもの又は同法第96条に規定する指示に関する業務の用に供するレーダー若しくは通信設備の設置又は管理に係る行為
(18) 気象、地象又は洪水その他これらに類する現象の観測又は通報の用に供する施設の設置又は管理に係る行為
(19) 国又は地方公共団体が行う有線電気通信設備又は無線設備の設置又は管理に係る行為
(20) 電気通信事業法(昭和59年法律第86号)による認定電気通信事業の用に供する線路又は空中線系及びこれらに係る電気通信設備を収容するための施設の設置又は管理に係る行為
(21) 放送法(昭和25年法律第132号)による基幹放送の業務の用に供する線路又は空中線系及びこれらに係る電気通信設備を収容するための施設の設置又は管理に係る行為
(22) 電気事業法(昭和39年法律第170号)による電気事業の用に供する電気工作物の設置(発電の用に供する電気工作物の設置を除く。)又は管理に係る行為
(23) ガス事業法(昭和29年法律第51号)によるガス工作物の設置(液化石油ガス以外の原料を主原料とするガスの製造の用に供するガス工作物の設置を除く。)又は管理に係る行為
(24) 水道法(昭和32年法律第177号)による水道事業若しくは水道用水供給事業若しくは工業用水道事業法(昭和33年法律第84号)による工業用水道事業の用に供する施設又は下水道法(昭和33年法律第79号)による下水道の排水管若しくはこれを補完するため設けられるポンプ施設の設置又は管理に係る行為
(25) 道路交通法(昭和35年法律第105号)による信号機の設置又は管理に係る行為
(26) 文化財保護法(昭和25年法律第214号)第27条第1項の規定により指定された重要文化財、同法第78条第1項の規定により指定された重要有形民俗文化財、同法第92条第1項に規定する埋蔵文化財又は同法第109条第1項の規定により指定され、若しくは同法第110条第1項の規定により仮指定された史跡名勝天然記念物の保存に係る行為
(27) 都市公園法(昭和31年法律第79号)による都市公園又は公園施設の設置又は管理に係る行為
(28) 自然公園法(昭和32年法律第161号)による公園事業又は県立自然公園のこれに相当する事業の執行に係る行為
(29) 鉱業法(昭和25年法律第289号)第3条第1項に規定する鉱物の掘採に係る行為
(1) 建築物等の新築については、次に該当するものであること。
ア 仮設の建築物等
(ア) 当該建築物等の構造が、容易に移転し、又は除却することができるものであること。
(イ) 当該建築物等の規模及び形態が、新築の行われる土地及びその周辺の土地の区域における風致と著しく不調和でないこと。
イ 地下に設ける建築物等 当該建築物等の位置及び規模が、新築の行われる土地及びその周辺の土地の区域における風致の維持に支障を及ぼすおそれが少ないこと。
ウ その他の建築物等
(ア) 建築物にあっては、当該建築物の建ぺい率が10分の4以下であること。ただし、土地の状況により支障がないと認められる場合においては、この限りでない。
(イ) 建築物にあっては、当該建築物の外壁又はこれに代わる柱の面から敷地の境界線までの距離が、道路に接する部分にあっては2メートル、その他の部分にあっては1メートル以上であること。ただし、土地の状況により支障がないと認められる場合においては、この限りでない。
(ウ) 建築物にあっては、当該建築物の高さが10メートル以下であること。ただし、当該建築物の位置、規模、形態及び意匠が、新築の行われる土地及びその周辺の土地の区域における風致と著しく不調和でなく、かつ、敷地について風致の維持に有効な措置が行われることが確実と認められる場合においては、この限りでない。
(エ) 建築物にあっては当該建築物の位置、規模、形態及び意匠が、工作物にあっては当該工作物の位置、規模、形態及び意匠が、新築の行われる土地及びその周辺の土地の区域における風致と著しく不調和でないこと。
(オ) 建築物にあっては、その敷地が造成された宅地又は埋立て若しくは干拓が行われた土地であるときは、木竹が保全され、又は適切な植栽が行われる土地の面積の当該敷地の面積に対する割合が10パーセント以上であること。ただし、土地の状況により支障がないと認められる場合においては、この限りでない。
(2) 建築物等の改築については、次に該当するものであること。
ア 建築物にあっては、改築後の建築物の高さが改築前の建築物の高さを超えないこと。
イ 建築物にあっては改築後の建築物の形態及び意匠が、工作物にあっては改築後の工作物の規模、形態及び意匠が、改築の行われる土地及びその周辺の土地の区域における風致と著しく不調和でないこと。
(3) 建築物等の増築については、次に該当するものであること。
ア 仮設の建築物等
(ア) 当該増築部分の建築物等の構造が、容易に移転し、又は除却することができるものであること。
(イ) 増築後の建築物等の規模及び形態が、増築の行われる土地及びその周辺の土地の区域における風致と著しく不調和でないこと。
イ 地下に設ける建築物等 増築後の建築物等の位置及び規模が、増築の行われる土地及びその周辺の土地の区域における風致の維持に支障を及ぼすおそれが少ないこと。
ウ その他の建築物等
(ア) 建築物にあっては、増築後の建築物の建ぺい率が10分の4以下であること。第1号ウ(ア)ただし書の規定は、この場合について準用する。
(イ) 建築物にあっては、当該増築部分の外壁又はこれに代わる柱の面から敷地の境界線までの距離が、道路に接する部分にあっては2メートル、その他の部分にあっては1メートル以上であること。第1号ウ(イ)ただし書の規定は、この場合について準用する。
(ウ) 建築物にあっては、増築後の建築物の高さが10メートル以下であること。第1号ウ(ウ)ただし書の規定は、この場合について準用する。
(エ) 建築物にあっては、増築後の建築物の形態及び意匠が、増築の行われる土地及びその周辺の土地の区域における風致と著しく不調和でないこと。
(4) 建築物等の移転については、次に該当するものであること。
ア 建築物にあっては、移転後の建築物の外壁又はこれに代わる柱の面から敷地の境界線までの距離が、道路に接する部分にあっては2メートル、その他の部分にあっては1メートル以上であること。第1号ウ(イ)ただし書の規定は、この場合について準用する。
イ 工作物にあっては、移転後の工作物の位置が移転の行われる土地及びその周辺の土地の区域における風致と著しく不調和でないこと。
(5) 宅地の造成等については、次に該当するものであること。
ア 木竹が保全され、又は適切な植栽が行われる土地の面積の宅地の造成等に係る土地の面積に対する割合が、10パーセント以上であること。ただし、土地の状況により支障がないと認められる場合においては、この限りでない。
イ 宅地の造成等に係る土地及びその周辺の土地の区域における木竹の生育に支障を及ぼすおそれが少ないこと。
ウ 1ヘクタールを超える宅地の造成等にあっては、次に掲げる行為を伴わないこと。
(ア) 高さが3メートルを超えるのりを生ずる切土又は盛土。ただし、土地の状況により支障がないと認められる場合においては、この限りでない。
(イ) 都市の風致の維持上特に枢要な森林で、あらかじめ、村長が指定したものの伐採
エ 1ヘクタール以下の宅地の造成等でウ(ア)に規定する切土又は盛土を伴うものにあっては、適切な植栽を行うものであること等により当該切土又は盛土により生ずるのりが当該土地及びその周辺の土地の区域における風致と著しく不調和とならないものであること。
(6) 木竹の伐採については、木竹の伐採が次のいずれかに該当し、かつ、伐採の行われる土地及びその周辺の土地の区域における風致を損なうおそれが少ないこと。
イ 森林の択伐
ウ 伐採後の成林が確実であると認められる森林の皆伐(前号ウ(イ)の規定により村長が指定した森林に係るものを除く。)で、伐採区域の面積が1ヘクタール以下のもの
(7) 土石の類の採取については、採取の方法が、露天掘りでなく(必要な埋戻し又は植栽をすること等により風致の維持に著しい支障を及ぼさない場合を除く。)、かつ、採取を行う土地及びその周辺の土地の区域における風致の維持に支障を及ぼすおそれが少ないこと。
(8) 水面の埋立て又は干拓については、次に該当するものであること。
ア 適切な植栽を行うものであること等により行為後の地貌が当該土地及びその周辺の土地の区域における風致と著しく不調和とならないものであること。
イ 当該行為に係る土地及びその周辺の土地の区域における木竹の生育に支障を及ぼすおそれが少ないこと。
(9) 建築物等の色彩の変更については、当該変更後の色彩が、当該変更の行われる建築物等の存する土地及びその周辺の土地の区域における風致と著しく不調和でないこと。
(10) 土石等の堆積については、堆積を行う土地及びその周辺の土地の区域における風致の維持に支障を及ぼすおそれが少ないこと。
2 第2条第1項の許可には、都市計画上必要な条件を付することができる。この場合において、この条件は、当該許可を受けた者に不当な義務を課するものであってはならない。
(1) この条例の規定又はこれに基づく処分に違反した者
(2) この条例の規定又はこれに基づく処分に違反した工事の注文主若しくは請負人(請負工事の下請人を含む。)又は請負契約によらないで自らその工事をしている者若しくはした者
(3) 第2条第1項の許可に付した条件に違反している者
(4) 詐欺その他不正な手段により、第2条第1項の許可を受けた者
2 前項の規定により必要な措置を執ることを命じようとする場合において、過失がなくて当該措置を命ずべき者を確知することができないときは、村長は、その者の負担において、当該措置を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者にこれを行わせることができる。この場合においては、相当の期限を定めて、当該措置を行うべき旨及びその期限までに当該措置を行わないときは、村長又はその命じた者若しくは委任した者が当該措置を行う旨を、あらかじめ、公告しなければならない。
(委任)
第8条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
(罰則)
第9条 第7条第1項の規定による村長の命令に違反した者は、50万円以下の罰金に処する。
第10条 次の各号のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金に処する。
(1) 第2条第1項の規定に違反した者
(2) 第4条第2項の規定により許可に付せられた条件に違反した者
附則
この条例は、平成25年4月1日から施行する。