○尾張旭市男女共同参画推進条例
平成25年12月20日
条例第34号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第7条)
第2章 性別による権利侵害の禁止等(第8条・第9条)
第3章 基本的施策(第10条―第20条)
第4章 意見及び相談の対応(第21条・第22条)
第5章 男女共同参画審議会(第23条)
第6章 雑則(第24条)
附則
私たちのまち尾張旭市は、男女が真に対等な市民として、性別に関わりなく持てる力を発揮し、人権を尊重し、平和で豊かな地域づくりと誰もが喜びと責任を分かち合えるまちづくりを通して、男女共同参画社会の実現に向けて取り組んでいます。
しかし、今もなお、性別による固定的な役割分担意識を背景として、男女が共に持てる力を十分に発揮することを阻害する社会制度及び慣行が根強く残っており、本市においても男女共同参画社会の実現にいまだ多くの課題があります。
そのため、男女共同参画社会を実現するに当たり、市、市民、事業者及び教育関係者が協働して様々な課題解決に積極的に取り組み、まち中に元気があふれ、市民一人一人が輝くまち尾張旭市を実現するため、この条例を定めます。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、尾張旭市における男女共同参画の推進に関する基本理念を定め、市、市民、事業者及び教育関係者の責務を明らかにするとともに、男女共同参画の推進に関する施策の基本となる事項を定めることにより、当該施策を総合的かつ計画的に推進し、男女共同参画社会を実現することを目的とします。
(1) 男女共同参画 男女が社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的な利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うことをいいます。
(2) 市民 市内に住所を有する者及び市内に通勤又は通学する者をいいます。
(3) 事業者 市内において営利、非営利を問わず事業を行う個人及び法人をいいます。
(4) 教育関係者 市内においてあらゆる教育に携わる者をいいます。
(5) セクシュアル・ハラスメント 性的な言動又は性別による固定的役割分担意識に基づく言動により、相手に不快感若しくは不利益を与え、又は生活環境を害することをいいます。
(6) ドメスティック・バイオレンス 配偶者、恋人等親密な関係にある又は親密な関係にあった異性から振るわれる身体的又は精神的な苦痛を与えられる暴力的行為をいいます。
(7) 積極的改善措置 第1号に規定する機会に係る男女間の格差を改善するため必要な範囲内において、男女のいずれかに対し、当該機会を積極的に提供することをいいます。
(基本理念)
第3条 男女共同参画の推進は、次に掲げる事項を基本理念として、家庭、地域、学校、職場その他の社会のあらゆる分野において取り組まれなければなりません。
(1) 男女の個人としての尊厳が重んじられ、直接的であるか間接的であるかを問わず性別を理由に差別的取扱いを受けることなく、その個人としての能力を発揮する機会が確保され、その他の男女の人権が尊重されること。
(2) 性別による固定的役割分担意識に基づく社会における制度又は慣行が、男女の社会における活動の自由な選択に対して影響を及ぼすことのないよう配慮されること。
(3) 男女が社会の対等な構成員として、市における施策又は事業者における方針の立案及び決定に、共同して参画する機会が確保されること。
(4) 家族を構成する男女が相互の協力と社会の支援の下に、子育て、介護その他の家庭生活における活動と地域、学校、職場その他の社会のあらゆる分野における活動とを両立できるよう配慮されること。
(5) 男女共同参画の推進に向けた取組は、国際的な視野を持って行われること。
(市の責務)
第4条 市は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」といいます。)にのっとり、男女共同参画の推進に関する施策(積極的改善措置を含みます。以下同じです。)を総合的に策定し、及び実施しなければなりません。
2 市は、市民、事業者、教育関係者、国及び他の地方公共団体と連携を図りながら、協力して男女共同参画の推進に取り組まなければなりません。
(市民の責務)
第5条 市民は、基本理念にのっとり、家庭、地域、学校、職場その他の社会のあらゆる分野において、男女共同参画の推進に努めるとともに、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するものとします。
(事業者の責務)
第6条 事業者は、基本理念にのっとり、その事業を行うに当たっては、男女共同参画の推進に努めるとともに、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するものとします。
(教育関係者の責務)
第7条 教育関係者は、基本理念にのっとり、家庭教育、学校教育、社会教育その他のあらゆる教育の場において、男女共同参画の推進に努めるとともに、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するものとします。
第2章 性別による権利侵害の禁止等
(性別による権利侵害の禁止)
第8条 何人も、次に掲げる男女共同参画を阻害する行為を行ってはなりません。
(1) 性別を理由にした差別的取扱い
(2) セクシュアル・ハラスメント
(3) ドメスティック・バイオレンス
(市民に広く表示する情報への配慮)
第9条 何人も、市民に広く表示する情報において、次に掲げる表現を行わないように配慮し、その情報が社会に及ぼす影響を考慮しなければなりません。
(1) 性別による固定的な役割分担を正当化し、及び助長する表現
(2) 男女間の直接的であるか間接的であるかを問わず身体的又は精神的な暴力を正当化し、及び助長する表現
(3) 過度の性的な表現
第3章 基本的施策
(基本計画の策定)
第10条 市は、男女共同参画の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、男女共同参画の推進に関する基本的な計画(以下「基本計画」といいます。)を定めるものとします。
2 市は、基本計画を定めるに当たり、あらかじめ尾張旭市男女共同参画審議会(以下「審議会」といいます。)の意見を聴くものとします。
3 市は、基本計画を定めるに当たり、市民、事業者及び教育関係者の意見を反映するよう努めるものとします。
4 基本計画の変更については、前2項の規定を準用します。
5 市は、基本計画を定めたとき又は変更したときは、これを公表するものとします。
(施策の策定等に当たっての配慮)
第11条 市は、あらゆる施策の策定及び実施に当たり、男女共同参画の推進に努めなければなりません。
(積極的改善措置)
第12条 市は、社会のあらゆる分野の活動において、男女間に参画する機会の格差が生じている場合は、市民、事業者及び教育関係者と協力し、積極的改善措置を行うよう努めるものとします。
(市民、事業者及び教育関係者の理解を深めるための措置)
第13条 市は、男女共同参画に関する市民、事業者及び教育関係者の理解を深めるため、広報活動等を行うとともに、家庭教育、学校教育、社会教育その他の教育のあらゆる分野において、男女共同参画に関する教育及び学習を促進するための必要な措置を行うよう努めるものとします。
(雇用の分野における男女共同参画の推進)
第14条 市は、市民及び事業者が実施する雇用の分野における男女共同参画の推進に関する活動を支援するため、情報提供その他の必要な措置を行うよう努めるものとします。
(家庭生活とそれ以外の活動との両立支援)
第15条 市は、男女が共に子育て、介護その他の家庭生活における活動と地域、学校、職場その他の社会のあらゆる分野における活動とを両立することができるよう、環境整備などの必要な支援を行うものとします。
(市民活動等への支援)
第16条 市は、男女共同参画を推進する活動を行う市民及び団体等に対し、必要な情報の提供及び支援を行うものとします。
(国際的協調)
第17条 市は、国際的な理解及び協調の下に男女共同参画を推進するため、国際的な視野を持って、情報の収集その他必要な措置を行うよう努めるものとします。
(調査研究)
第18条 市は、男女共同参画の推進に関する施策を策定し、及び実施するため必要な調査研究を行うものとします。
(推進体制の整備)
第19条 市は、男女共同参画の推進に関する施策を実施するため必要な推進体制を整備するものとします。
(実施状況の公表)
第20条 市は、毎年度、男女共同参画の推進に関する施策の実施状況に関する報告書を作成し、これを公表するものとします。
第4章 意見及び相談の対応
(市が実施する施策に対する申出)
第21条 市民、事業者及び教育関係者は、市に対し、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策及び男女共同参画に影響を及ぼすと認められる施策についての意見を申し出ることができます。
2 市は、前項の規定による申出があった場合は、適切な処理を行うとともに、その内容について市長が必要と認めるときは、審議会に報告し意見を聴くものとします。
(権利侵害の相談の申出)
第22条 市民、事業者及び教育関係者は、市に対し、男女共同参画を阻害する性別による権利の侵害に関する相談を申し出ることができます。
2 市は、前項の規定による申出があったときには、必要に応じて当該申出に係る関係機関と連携し、適切な措置を行うものとします。
第5章 男女共同参画審議会
(審議会)
第23条 男女共同参画の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、審議会を置きます。
2 審議会は、市長からの諮問に応じ、基本計画の策定及び変更その他男女共同参画の推進に関する重要事項を調査し、又は審議します。
3 審議会は、前項の規定により調査し、又は審議した事項に関しては、市長に意見を述べることができます。
4 前3項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定めます。
第6章 雑則
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成26年4月1日から施行します。