○尾張旭市警防業務規程
平成30年9月14日
消防本部訓令第1号
目次
第1章 総則(第1条―第5条)
第2章 警防活動
第1節 警防活動の原則(第6条)
第2節 警防体制(第7条―第12条)
第3節 出動(第13条―第16条)
第4節 活動支援及び応援要請(第17条・第18条)
第5節 火災警戒区域等の設定(第19条)
第6節 警防活動の基準(第20条―第23条)
第7節 警防活動の報告(第24条)
第3章 警防業務(第25条―第29条)
第4章 雑則(第30条―第36条)
附則
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この訓令は、消防組織法(昭和22年法律第226号。以下「組織法」という。)、消防法(昭和23年法律第186号)その他の法令等に基づき火災、風水害、地震その他の災害(以下「災害」という。)による被害を軽減し、及び人命の救急救助を行うため、本市における警防活動及び警防業務(以下「警防業務等」という。)について必要な事項を定める。
(1) 警防活動 災害から生命及び財産を守るため、災害を警戒し、鎮圧し、及び防除することを目的とする活動をいう。
(2) 警防業務 警防調査、警防訓練その他警防活動を円滑に行うために必要な業務をいう。
(部隊の編成)
第3条 消防部隊に小隊を置き、その種別は指揮隊、消防隊、救助隊、救急隊及び災害の発生状況に応じて特別に組織される隊により編成するものとする。
2 小隊の主な任務は、次に定めるところによる。
(1) 指揮隊 指揮車等を活用して行う災害現場での指揮及び情報収集
(2) 消防隊 消防自動車等を活用して行う警防活動
(3) 救助隊 救助工作車等を活用して行う人命救助
(4) 救急隊 救急自動車等を活用して行う救急業務
3 消防部隊に現場指揮本部長を置き、副署長を充てる。副署長に事故あるときは、消防司令の階級にある者がその任務を代理する。
4 小隊に小隊長を置き、消防士長以上の階級にある者を充てる。
(警防の責務)
第4条 消防長は、消防署長(以下「署長」という。)を指揮監督し、警防業務等を統括する。
2 署長は、警防施策について万全の対策を採るため、警防業務等の体制の確立を図るとともに、副署長を指揮監督しなければならない。
3 副署長は、消防部隊を総括するとともに、警防体制の効率的な運用の推進を図らなければならない。
4 小隊長は、隊員の任務に応じて、警防業務等を完遂するための指導に努めなければならない。
5 隊員は、災害に対応できる警防活動能力を保持するため、担当する警防業務等を把握し、常に知識及び技術の向上並びに体力の練成に努めなければならない。
(安全管理の責務)
第5条 消防長及び署長は、警防業務等に応じた安全対策を推進し、職員の安全確保に努めるものとする。
2 副署長は、災害現場の状況に応じ、活動環境及び部隊活動の安全確保のために万全の対策を採らなければならない。
3 小隊長は、警防活動に際して災害の特殊性、危険性、事故事案等を分析し、隊員の安全確保に努めなければならない。
4 隊員は、自己の安全確保が警防活動の基本であることを認識した上で、単独行動を避けるとともに、隊員相互の連絡を密にしなければならない。
第2章 警防活動
第1節 警防活動の原則
第6条 警防活動の原則は、次のとおりとする。
(1) 人命の救出救助を最優先とすること。
(2) 大規模な火災により広範囲に延焼拡大するおそれがあるときは、消防部隊を増強して鎮火を図ること。
(3) 現場指揮本部長の統括指揮の下、消防部隊は相互に連携を図り、活動に係る情報を共有し、組織的な活動を行うこと。
(4) 消防部隊は、災害現場において活動の阻害物質(危険物、ガス、火薬、化学薬品等をいう。)及び障害物について、積極的に情報収集を行い、適切に対処すること。
(5) 消防対象物(消防法第2条第3号に規定する消防対象物をいう。)の使用制限、破壊等の必要があるときは、必要最小限にとどめること。
(6) 被害の拡大防止及び二次災害の防止に努めること。
(7) 出動した消防部隊は、その警防活動業務を正確に遂行し、活動終了後には、第二災害に対応できるよう迅速に出動体制を整えること。
第2節 警防体制
(消防警防本部の設置)
第7条 消防長は、大規模な災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、指揮体制の強化及び効率的な警防活動の推進を図るため、消防本部に消防警防本部(以下「警防本部」という。)を設置するものとする。
2 警防本部の設置及び運用については、消防長が別に定める。
(現場指揮本部の設置)
第8条 現場指揮本部長は、災害の状況に応じて消防部隊の掌理に最も適した位置に、現場指揮本部を設置する。
2 現場指揮本部は、現場指揮本部長、指揮隊長及び指揮隊員により組織する。
3 現場指揮本部長は、現場指揮本部を設置したときは、その旨を瀬戸・尾張旭消防指令センター(以下「指令センター」という。)に報告しなければならない。
(現場指揮体制)
第9条 現場指揮体制は、次のとおりとする。
(1) 第1次指揮体制 副署長を現場指揮本部長とする体制をいう。
(2) 第2次指揮体制 署長を現場指揮本部長とする体制をいう。
2 第1次指揮体制の場合における現場指揮本部長は、署長が現場に到着したときは、警防活動の概要を報告しなければならない。
3 前項の規定により報告を受けた署長は、指揮体制の強化を図る必要があると認めるときは、第2次指揮体制への指揮権の移行を宣言し、現場指揮本部長の任務に就くとともに、その旨を指令センターに報告しなければならない。
4 現場指揮本部長が災害現場に到着するまでの間又は現場指揮本部長が別の災害現場等で活動中のときは、災害現場に先に到着した消防部隊の小隊長が指揮を統括する。
(現場指揮本部長の任務)
第10条 現場指揮本部長の任務は、次のとおりとし、災害現場における消防部隊の中枢として最大の効果を発揮できるよう努めなければならない。
(1) 災害状況の把握、警防活動方針の決定及び警防活動状況の把握
(2) 消防部隊が行う活動任務の指定及び指揮統制
(3) 応援部隊の増強又は活動部隊の縮小の決定
(4) 警戒区域の設定及び解除
(5) 被災関係者及び関係機関との連絡
(6) 第二災害発生時の出動対応及び転戦指示
(7) その他現場の状況による必要な事項
(指揮隊長の任務)
第11条 指揮隊長は、現場指揮本部長の警防活動方針に基づき各隊が相互に密接な連携を図れるよう隊員を指揮し、効果的に警防活動を行えるよう努めなければならない。
(小隊長等の任務)
第12条 小隊長は、指揮隊長の命令を受け、隊員を指揮し、その隊員の担当任務を直ちに決定し、効果的な警防活動が行えるよう努めなければならない。
2 隊員は、小隊長から命令を受けた担当任務を正確に把握し、修得した技術を最大限に発揮するとともに資機材を効果的に活用して警防活動に努めなければならない。
第3節 出動
(出動及び出動指令の原則)
第13条 消防部隊の出動は、出動指令によるものとし、消防長が別に定める。
2 出動指令は、指令センターが覚知した順に行うものとする。ただし、災害が同時に多発したときは、適切な消防部隊を選択した上で、出動指令を行うものとする。
(出動時の留意事項)
第14条 消防部隊の出動に際しては、次に掲げる事項に留意しなければならない。
(1) 無線等を活用して災害現場の誤認を防ぐこと。
(2) 災害現場までの経路、消防部隊への活動下命を正確に把握し、現場到着時間の短縮に努めること。
(出動の区分)
第15条 消防部隊の出動区分は、消防長が別に定める。
(管轄区域外への出動)
第16条 管轄区域外への出動は、次の各号のいずれかに該当する場合に行うものとする。
(1) 組織法第39条第2項の規定による消防相互応援協定による応援要請があったとき。
(2) 組織法第44条の規定による緊急消防援助隊の出動要請があったとき。
(3) その他消防長又は署長が必要と認めたとき。
2 消防長又は署長は、前項の規定により管轄区域外へ出動したときは、速やかに当該出動区域の関係市町村等との連絡に努めるものとする。
第4節 活動支援及び応援要請
(警防活動における活動支援隊)
第17条 現場指揮本部長は、警防活動中の隊員の二次災害等を防止するため、支援隊を指定し、資機材搬送、補給その他必要と認める活動を行わせることができる。
(部隊の応援要請)
第18条 署長又は現場指揮本部長は、効果的な警防活動のために必要と認めるときは、本市以外の機関の部隊に応援要請することができる。
第5節 火災警戒区域等の設定
第19条 災害現場等において必要があると認めるときは、現場指揮本部長は消防法第23条の2の規定による火災警戒区域を、消防吏員は同法第28条の規定による消防警戒区域を設定し、住民等の退去、立入りの制限等適切な処置を行わなければならない。
2 指揮隊長又は小隊長は、緊急に必要があるとして前項の処置を行ったときは、その状況を現場指揮本部長に報告しなければならない。
3 火災警戒区域等の設定は、次のとおりとする。
(1) 境界は、ロープ等で明示する。
(2) 設定の理由、範囲、出火防止処置等を市民に周知する。
(3) 区域内に警戒員を配置する。
(4) 設定者、時刻、理由、範囲等を消防長又は署長に報告するものとし、解除したときも、また、同様とする。
第6節 警防活動の基準
(不測の事態に対する応急処置)
第20条 小隊長又は隊員は、警防活動中における不測の事態が発生した場合において、自己の判断により応急的な処置を行ったときは、直ちに現場指揮本部長に報告しなければならない。
(再燃の防止)
第21条 現場指揮本部長は、火災現場から引き揚げるときは、再燃防止のための必要な処置を行い、確実に鎮火したことを確認しなければならない。
2 現場指揮本部長は、鎮火後、引き続き警戒する必要があるときは、消防隊を指定して現場の警戒を実施させるものとする。
(風水害等の活動基準)
第22条 風水害による災害が発生したときの活動基準は、尾張旭市地域防災計画(以下「地域防災計画」という。)に定めるところによる。
(震災時の活動基準)
第23条 震災が発生し、又は発生のおそれがあるときの活動基準は、地域防災計画に定めるところによる。
第7節 警防活動の報告
第24条 署長は、災害へ消防部隊が出動したときは、次に掲げるいずれかの報告書に必要事項を記載し、消防長に報告しなければならない。
(1) 火災活動報告書
(2) 救助活動報告書
(3) 警戒活動報告書
(4) その他活動報告書
第3章 警防業務
(警防調査)
第25条 署長は、警防活動を円滑に遂行するため、次に掲げる調査を実施しなければならない。
(1) 地理水利調査
(2) 夜間の消防用活動空地等の調査
(3) 林野地区調査
(4) 前3号に掲げるもののほか必要な事項
2 署長は、警防活動上支障がある事項又は人命に危険のおそれがある事項の報告を受けたときは、その旨を消防長及び関係する課等の長に報告するものとする。
(警防計画)
第26条 署長は、消防活動を効率的に実施するため、次に掲げる警防計画を策定するものとする。
(1) 火災防ぎょ計画
(2) 毒劇物等保有施設警防計画
(3) その他必要と認める計画
(特別警報等の処置)
第27条 署長又は副署長は、特別警報(大雨、暴風等をいう。)により重大な災害が発生するおそれがあると認めるとき、又は特別警報に至らない異常気象により、警防活動上支障があると認めるときは、次の処置を行わなければならない。
(1) 消防隊その他の部隊の出向制限(警戒及び広報に従事する場合を除く。)及び出動体制の強化
(2) 通行止め箇所及び地理水利の再確認
(3) 消防車両その他関係車両への必要な装備及び資機材の増強
(4) その他必要と認める事項
(消防特別警戒)
第28条 署長は、火災等の災害に対処するため特に必要があると認めるときは、消防特別警戒を実施するものとする。
2 前項の消防特別警戒を実施する際は、次に掲げる事項に注意するものとする。
(1) 火災等の発生防止及び人的危険の排除
(2) 警防活動障害の排除
(3) 災害発生時の初動体制の強化
(4) 応急救護体制の強化
(5) 多数傷病者発生時の搬送体制の強化
(6) 警察等関係機関との連絡体制の確立
(7) 主催者等との連絡体制の確立
(消防訓練)
第29条 署長は、警防活動を効果的に推進するため、計画的に消防訓練を実施しなければならない。
2 署長は、警防活動上特に必要があると認めるときは、特定の消防部隊を指定して消防訓練を実施するものとする。
3 副署長は、警防活動、消防機械器具の操作等の習熟を図るため、計画的に消防訓練を実施しなければならない。
第4章 雑則
(受傷事故の報告)
第30条 署長は、警防業務等において職員の受傷事故が発生したときは、速やかに事故内容を調査し、消防長に報告しなければならない。
(警防活動検討会)
第31条 署長は、警防活動の知識の習得及び警防技術の向上を図るため、検討が必要な災害事案等を抽出し、必要に応じて検討会を開催するものとする。
2 前項による検討会を開催したときは、その検討結果について報告書により消防長に報告しなければならない。
3 副署長は、前項の警防活動検討結果に基づき、消防部隊の知識及び技術の向上を目的とした対策を講じなければならない。
(始業点検等)
第32条 署長は、当直勤務を開始するときは、消防部隊に消防車両及び資機材の点検を実施させるとともに、消防車両の運行後又は資機材の使用後に外観及び積載品の点検を実施させなければならない。
2 点検は、次に掲げる点検表により実施しなければならない。
(1) 自動車運行前点検表
(2) はしご車日常点検表
(3) ブーム付タンク車日常点検表
(1) 車両細部点検 3か月に1回以上
(2) はしご車月例点検 1か月に1回以上
(3) 救助工作車クレーン点検 1か月に1回以上
(4) ブーム付タンク車月例点検 1か月に1回以上
2 点検は、次に掲げる点検表により実施しなければならない。
(1) 車両細部点検表
(2) はしご車月例点検表
(3) 救助工作車クレーン点検表
(4) ブーム付タンク車月例点検表
(資機材の点検)
第34条 署長は、消防部隊に、次に掲げる資機材の点検を毎月実施させなければならない。
(1) 緊急消防援助隊用資機材
(2) 特殊災害用資機材
(3) 前2号に掲げるもののほか署長が必要と認めるもの
(市民等への訓練指導等)
第35条 署長は、市民、事業所等から訓練の指導及び協力を求められたときは、努めてこれに応じるものとする。
(委任)
第36条 この訓令に定める文書の様式その他必要な事項は、消防長が定める。
附則
この訓令は、平成30年10月1日から施行する。
附則(令和5年3月31日消本訓令第2号)
この訓令は、発訓の日から施行する。