○大津町工業用水道給水施設等設置基準

平成2年9月28日

工水告示第1号

目次

第1章 総則(第1条・第2条)

第2章 工事の設計及び施工基準(第3条~第17条)

第3章 その他(第18条・第19条)

附則

第1章 総則

(趣旨)

第1条 この基準は、大津町工業用水道に係る給水施設の構造及び材料等に関する基準について必要な事項を定めるものとする。

(定義)

第2条 この基準において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 給水施設 配水管から分岐した給水管及びこれに附属する給水用具(受水槽を設置する場合にあつては、その受水槽まで、直結配管とする場合は、流量計までとする。以下「施設」という。)をいう。

(2) 給水工事 給水施設の新設、増設、改造又は撤去の工事(以下「工事」という。)をいう。

第2章 工事の設計及び施工基準

(計画給水量)

第3条 施設の計画給水量は、受水槽式にあつては、使用水量の時間的変化及び受水槽の容量を考慮して定めること。また、直結式給水で時間均等使用の場合の計画給水量は、1日最大給水量を基準とするが、不均等使用の場合は時間的変化を考慮すること。

(給水方式)

第4条 給水方式は、次の各号に適合していなければならない。

(1) 給水方式は、原則として受水槽式給水とする。

(2) 工場内のタンクに揚水するためにポンプを設置する場合は、配水管に直結せず、必ず受水槽を設け受水槽に落し込んでから、これをポンプ揚水するようにしなければならない。

(構造及び材質)

第5条 施設の構造及び材料は、使用者が必要とする水量を充分供給でき、水圧、土圧その他の荷重に対して安全であつて、将来の維持管理に支障がないものであること。

2 施設に用いられる機器及び材料は、日本工業規格(JIS)、日本工業用水協会規格(JIWA)、日本水道協会規格(JWWA)によるか、又は「電気用品取締規則」による型式承認のあつたものを使用するものとする。ただし、規格のないものについては、形質、寸法、安全性及び強度が使用目的に十分適合するものか、あるいは同一目的に使用される規格品以上のものとする。

(管径)

第6条 給水管の管径は、分岐しようとする配水管の管径より小口径で当該給水装置の使用水量及び使用の状況に適合した大きさでなければならない。

(配管)

第7条 給水管の配管は、次の各号に適合しなければならない。

(1) 給水管には、配水管と直結するポンプを設置してはならない。

(2) 給水管の布設位置は、流量計の設置に便利な箇所を選定すること。

(3) 管路は、建物の土台やコンクリートたたきなどの下を横断するような配管は、できるだけ避けるようにすること。

(4) 下水、汚水桝など工業用水が汚染される恐れのある箇所からはできるだけ遠ざけるようにすること。

(5) 受水槽の直上流には、給水管の洗管水及び配水管における水質事故における汚水が、受水槽へ流入するのを防ぐため、排水設備を設けることが望ましい。

(管種)

第8条 給水管は、ダクタイル鋳鉄管、鋼管、硬質塩化ビニール管、強化プラスチック複合管などを用い、その品質、形状、寸法は、それぞれの規格に適合するものであること。

2 給水管の管種選定は、次の要件を考慮し行うこと。

(1) 内圧 最大静水圧と水撃圧に対して安全であること。通常は規格の最大使用静水頭以下で用いること。

(2) 外圧 埋設の場合は土圧、路面荷重を考慮し、そのほかの場合は実状に合わせて計算し十分な安全率をも考慮すること。

(3) 管径 必要管径の大小により、それぞれに適合する管種を選び、流量の経年変化も考慮すること。

(4) 埋設条件 埋設場所や他埋設物の状態、土質(支持力、不等沈下の有無、化学腐食性など)及び地下水の状況を考慮すること。

(5) 施工性 継手の構造、施工の難易性、水密性、たわみ性、伸縮性、管の重量等を考慮すること。

(6) 経済性 管及び継手費、管布設工事費、維持管理費等を考慮すること。

(埋設深)

第9条 給水管の埋設深さは、次のとおりとする。ただし、使用者の私有地内において、路面荷重、凍結などを考慮する必要がないときは、この限りでない。

(1) 公道に布設する場合は、1.2メートル以上とする。ただし、工事施工上やむを得ないとき、又は道路管理者が特に認めた場合は60センチメートル以上とすることができる。

(2) 公道以外の道路にあつては、公道に準ずるものとする。

(3) 敷地内の埋設深さは、60センチメートル以上とする。

(管の布設)

第10条 給水管の布設は、次の各号に適合しなければならない。

(1) 給水管は、できるだけ水平に布設しなければならない。

(2) 給水管の布設は、建物の土台又はコンクリートたたき等の下を横断する布設は、できるだけ避けなければならない。

(3) 給水管の布設は、他の埋設物から30センチメートル以上離さなければならない。また、下水、汚水桝など工業用水が汚染される恐れのある箇所からは、できるだけ遠ざけるようにすること。

(4) 鋳鉄管及び鋳鉄異形管は、工事の施工上やむを得ないと町長が認めた場合を除き、切断又は変形して使用してはならない。

(接合方法)

第11条 給水管の接合は、次に掲げる方法により行うこと。

(1) 鋳鉄管は、メカニカル継手及びフランジ継手を用いて接合しなければならない。

(2) 塩化ビニールライニング鋼管は、樹脂コーティング管継手を用いて接合しなければならない。

(3) ビニール管は、加熱工法又は冷管工法とし、ビニール管用接合剤を用いて接合しなければならない。

(4) 亜鉛メッキ鋼管は、鋼管用継手類に麻、白ペン又は適当な接合剤を使用し、すべてネジ込み接合しなければならない。

(5) 管種の異なつた給水管を接合するときは、適合する各種ユニオン、接合管を用いて接合しなければならない。

2 前項に掲げるものの他の特殊継手を使用する場合は、町長の承認を得なければならない。

3 給水管は、上水道管及びその他給水する工業用水の汚染の原因となる恐れのある管と接続、連結してはならない。

(給水管の保護)

第12条 給水管は、次に掲げる方法により保護しなければならない。

(1) 埋設する給水管の周囲は、良質の砂をもつて保護したうえ土砂で埋戻し、給水管を保護しなければならない。

(2) 給水管の露出した部分(屋内を含む。)が凍結及び破損の恐れのあるときは、その部分を麻布又はフェルト等の保温材あるいは適当な保護工を施さなければならない。

(3) 給水管の露出した部分は、外力、水衝等の衝撃、振動を防ぐため建造物に固定しなければならない。

(4) 水路、開渠等の横断は、伏越しを原則とするが、上越して給水管を布設するときは、高水位以上の高さに架設し、給水管折損の恐れがある場合は、給水管の保護のため、さや管又は支柱を設ける等の適切な措置を施さなければならない。

(5) 電食又は酸、アルカリ等によつて侵される恐れのある箇所には、耐食性の給水管を使用するか、防食テープを巻くなど防食のための適切な措置をしなければならない。

(6) ビニール管は、ガソリン、クレオソート、塗料等の有機溶剤を含むものにより侵される恐れのある場所で使用してはならない。

(7) 給水管の曲管部又は管末部等の接合箇所が離脱する恐れのある箇所は、離脱防止継手を用いるか、コンクリートで保護するなどの適切な措置を講じなければならない。

(8) 給水管には、水撃作用によつて管に損傷を与えるような機械器具を直結してはならない。特に異常な高圧を生ずる場合は、器具に近接してエアチャンバなどを設けること。

(9) 不当沈下等が起こる恐れのある場所には伸縮継手を用いるか、その他の適切な措置を講じなければならない。

(10) 給水管に過大な流速が生じメーター等が損傷する恐れのあるときは、定流量弁を使用するなどの適切な措置を講じなければならない。

(11) 浄化槽その他汚水が侵入する恐れのある箇所からは、1メートル以上の間隔をおいて配管しなければならない。

(12) 2階立上がり工事の場合は、必ずユニオンを切り込まなければならない。

(止水栓及び仕切弁の設置)

第13条 配水管から分岐した給水管で口径50ミリメートル以上のものには、メーターの前後に止水栓又は仕切弁を設けなければならない。

(メーターの取付)

第14条 メーターは、給水管と同口径を標準とし、給水栓より低位置に設置しなければならない。

2 メーターは、水平に設置しなければならない。

3 メーターの設置場所は、乾燥した敷地内の点検に便利、かつ、損傷の恐れのない位置に設置しなければならない。

4 メーターの取り付け部は、所定のメーターユニオン若しくはメーターフランジを使用しなければならない。

5 50ミリメートル以下のメーターを取り付ける給水装置には、必ず町長が指定したリングバルブをメーターの手前に取付けなければならない。

6 小型メーターの取付位置は、地表面よりメーター上部まで60ミリメートルを標準とし、大型メーターの場合は210~500ミリメートルを標準とする。

7 メーターは、町長が指定した鉄蓋又はコンクリート蓋により保護しなければならない。

8 大型メーターは、煉瓦積、コンクリートブロック積又はコンクリート造りとし二つ割り取付平付鉄蓋を施さなければならない。

(給水受口の設備)

第15条 受水槽等の施設へ給水する場合は、給水口は落し込みとするか、又は適切な逆流防止措置を講じなければならない。

2 給水管の出口は、タンクの満水面からその管径以上の高さに設けること。ただし、管径が50ミリメートル以下の場合は、その高さを50ミリメートルとすること。

3 吐き水口と越流管の間隔は、給水管の管径以上とすること。

4 受水槽側壁と吐水口中心までの距離は、呼び径の2倍以上とすること。

(受水槽以下の施工基準)

第16条 受水槽以下の装置は、工業用水供給の立場から受水槽の構造は原則として建築基準法第36条、同法施行令第129条の2及び建設省告示第1597号によるものとし、受水者における維持管理を適正、かつ、容易にするように、次のとおり施工しなければならない。ただし、この基準に定めのない事項については、給水装置設計施工基準によるものとする。

(1) 受水槽の設置 受水槽は次の場合に設置するものとする。

 常時一定の水圧を必要とする場合

 一時に大量の水を必要とする場合

 断水、減水時でも一定量の用水を必要とする場合

(2) 受水槽の種類 受水槽は、地上式、半地下式及び地下式の3種類とする。

 地下2階以下及び地盤面より3メートル以上引き落す場合は、副受水槽の設置の必要性について協議し、町長の了解を得なければならない。

 副受水槽は、配水管より地下式受水槽に直接給水管を導入した場合によるもので、配水管の圧力低下等を防止するため、給水管を立ち上げた位置に設置し、一旦受水後に地下式受水槽に送水するための槽である。

(3) 受水槽の設置位置 受水槽の設置は、次の事項を考慮し位置の選定を行うこと。

 明るく換気が良く管理しやすい場所に設置し、し尿浄化槽等の汚染の恐れのある場所に近接しない場所とする。

 原則として地下1階(3メートル)までとする。

 低位置に設ける場合は、雨水及び汚水の流入を防止する措置を講じなければならない。

 崩壊の恐れのあるのり肩、のり先の近くには設置しないこと。

(4) 受水槽の材質及び構造 受水槽は、次に定める材質、構造で設置するものとする。

 受水槽は、次の3種類とし、これ以外のものを使用する場合は、あらかじめ町長の承認を得ること。また、いずれのものについても水質の保全、漏水及び汚染のない水密性のものとすること。

(ア) コンクリート製のものであること。

(イ) 鋼板製(防錆、耐塩素、防臭塗装を施すこと。)のものであること。

(ウ) 合成樹脂製のものであること。

 受水槽を建築物の内部に設ける場合は、次により設置すること。

(ア) 外部から受水槽の天井、底及び周壁の保守点検及び清掃を容易に行うことができるよう設けること。

(イ) 内部の保守点検及び清掃を容易に行うことができる構造とし、必要なマンホール及びステップを取り付けること。

(ウ) マンホールは、内径60センチメートル以上なければならない。ただし、受水槽の天井が蓋を兼ねる場合は、この限りでない。

(エ) マンホールは、雨水、汚水の流入を防止する水密性の蓋をし、施錠をしなければならない。

(オ) マンホール換気孔及び越流管は、雨水、塵埃及び小動物が入らない構造とすること。

(カ) 天井、底及び周壁は、建築物の他の部分と兼用しないこと。

(キ) 水が滞留しない装置であること。

(ク) 高架槽の揚水管は、給水管の反対側に設けること。

(ケ) 底部は、清掃がしやすいよう水勾配をとること。

(コ) 高水位(HWL)と上壁との間隔は、30センチメートル以上とすること。

(サ) 低水位(LWL)と槽底との間隔は、15センチメートル以上とすること。

 受水槽を建築物の外部に設ける場合は、槽の底が地盤面下にありかつ当該受水槽から、し尿浄化槽、排水管(受水槽の水枝管又はオーバーフロー管に接続する排水管を除く。)、ガソリンタンクその他の衛生上有害なものの貯留又は処理に供するものまでの水平距離が5メートル未満である場合(受水槽の底が地盤面又は地盤面上にあるものを含む。ただし、当該有害施設等からの水平距離が5メートル以上の場合は除く。)は、前記(ア)から(サ)を適用し、水平距離5メートル以上の場合においては、(イ)から(サ)を適用する。

(5) 受水槽の有効容量 受水槽の有効容量は、使用水量及び使用時間等を考慮して決めるもので、次の式を標準とし算定する。

有効容量=時間最大使用水量×24時間

(6) 高架槽の設置 高架槽は、次に定める要領で設置すること。

 高架槽は頑丈にして内部に熱及び光が透射しないこと。

 空虚時に風圧及び満水時に地震に対して安全であること。

 高架槽の高さが8メートル以上となる場合(単独構築)は、建築基準法の適用を受けるので所要の手続きを行うこと。

 高架の受水槽の場合の有効容量は、次式を標準とする。

有効容量=1日最大使用水量×0.5~1.0時間

(7) 受水槽の設置にあたつては、次の付属設備を設けること。

 高架槽には、フロートスイッチを取り付け、槽内の水位により自動的に電気回路が開閉し、揚水ポンプが自動的に作動するような装置とすること。

 槽には、越流管(オーバーフロー管)を設けること。その取り付けに際しては、槽にほこりその他衛生上有害な物が入らない構造とし、出口には目の細い防虫網を設けること。

 越流管の口径は、配水管の最大動水圧時における給水量を飲み込み得る大きさを標準とする。

 槽には満水、渇水及び故障等による越流防止、並びにポンプの保安のため警報装置を設置すること。

 受水槽には、その最低部に排水に便利などろ吐き管(水抜き管)を設けること。

 槽には、満水時の波立ち防水のための波立ちしやへい板を設けること。

 槽の前には、水撃作用を防止するため、長さ最低1メートル以上、給水管の口径より2サイズ以上のエアーチャンバー及び水撃抑止器を設けなければならない。

(撤去工事)

第17条 配水管から取り出した給水管を撤去する場合は、次の各号によるものとする。

(1) 配水管から分岐した給水管を撤去する場合は、分水栓を使用して分岐したものについては、分水栓止めとする。

(2) 丁字管を使用して分岐したものについては、丁字管を撤去し、配水管を原形に復さなければならない。

(3) 前2号にかかわらず、舗装その他の工事上止むを得ないと町長が認めた場合は、この限りでない。

(4) 給水管からさらに分岐した給水管を撤去する場合は、分岐箇所を栓止めしなければならない。

第3章 その他

(施設の明示)

第18条 工業用水道の施設で、地下に埋設する給水管には、他の水道給水施設などと識別のため、道路の地下に埋設する導水管に準じて、将来の地下工事にあたり、工業用水道管と識別できるように白色テープを剥離しないように貼付るか、退色の恐れのないペイント等で白色で明示しなければならない。

(その他の基準)

第19条 この基準に定めのないものについては、町長が指示するところによらなければならない。

この設置基準は、平成2年10月1日から適用する。

大津町工業用水道給水施設等設置基準

平成2年9月28日 工業用水道課管理告示第1号

(平成2年9月28日施行)