○岩手県犯罪のない安全で安心なまちづくり条例
平成19年3月19日
条例第8号
岩手県犯罪のない安全で安心なまちづくり条例をここに公布する。
岩手県犯罪のない安全で安心なまちづくり条例
本県においては、これまで人と人とが触れ合い、助け合うことにより、顔の見える地域社会が維持されてきた。
しかしながら、近年、都市化や国際化、情報化などにより社会経済情勢が大きく変化し、地域の連帯意識や人間関係の希薄化が懸念される中で、全国的に子どもや高齢者等が被害を受ける事件が多発しており、犯罪のない社会を願う県民の意識は高まりつつある。
このような状況に対処するためには、行政、県民及び事業者が、犯罪のない安全で安心なまちづくりにそれぞれ取り組むとともに、相互に連携し、協力して「地域の絆」を再生し、自助、共助及び公助による取組を推進することが必要である。
ここに、私たちは、ふるさと岩手を、住む人、訪れる人、誰にとっても、犯罪のない安全で安心な地域社会として将来に引き継いでいくよう、たゆまぬ努力を傾けることを決意し、この条例を制定する。
(目的)
第1条 この条例は、犯罪のない安全で安心なまちづくり(以下「安全で安心なまちづくり」という。)について、基本理念を定め、並びに県の責務並びに県民及び事業者(以下「県民等」という。)の役割を明らかにするとともに、その施策の基本となる事項を定めることにより、安全で安心して暮らすことができる社会の実現に寄与することを目的とする。
(基本理念)
第2条 安全で安心なまちづくりは、自らの安全は自ら守るという意識及び互いに守り合い、支え合うという意識の下に行われる県民等の自主的な活動を基本としなければならない。
2 安全で安心なまちづくりは、県、市町村及び県民等が適切な役割分担の下に、相互に連携し、及び協力することにより推進されなければならない。
(県の責務)
第3条 県は、前条に規定する基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、安全で安心なまちづくりに関する総合的な施策を推進するものとする。
(県民の役割)
第4条 県民は、基本理念にのっとり、施錠の励行等による日常生活における安全の確保に自ら努めるとともに、安全で安心なまちづくりに関する活動を推進するよう努めるものとする。
(事業者の役割)
第5条 事業者は、基本理念にのっとり、事業活動における安全の確保に自ら努めるとともに、安全で安心なまちづくりに関する活動を推進するよう努めるものとする。
(市町村との連携等)
第6条 県は、安全で安心なまちづくりに関する施策の推進に当たっては、市町村と緊密な連携を図るものとする。
2 県は、市町村が実施する安全で安心なまちづくりに関する施策について、情報の提供、技術的な助言その他の必要な協力を行うものとする。
(県民等の自主的な活動の促進)
第7条 県は、県民等が行う安全で安心なまちづくりに関する活動が促進されるよう、広報、啓発活動その他の必要な措置を講ずるものとする。
2 県は、県、市町村及び県民等が意見を交換し、及び相互に連携して安全で安心なまちづくりを推進するための体制を整備するものとする。
3 県は、安全で安心なまちづくりについての県民等の関心及び理解を深めるため、犯罪のない安全で安心なまちづくり推進期間を設け、第1項に規定する措置を重点的に講ずるものとする。
4 県は、安全で安心なまちづくりに関し、顕著な功績のあった者を表彰するものとする。
(情報の提供)
第8条 県は、市町村及び県民等に対し、安全で安心なまちづくりの推進のため、犯罪の発生状況等に関する情報を速やかに提供するものとする。
(児童等の安全の確保)
第9条 知事、教育委員会及び公安委員会は、共同して、学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する学校(大学を除く。)、同法第124条に規定する専修学校(高等課程に限る。)及び児童福祉法(昭和22年法律第164号)第7条第1項に規定する児童福祉施設(以下「学校等」という。)並びに通学、通園等の用に供されている道路及び児童、生徒、幼児等(以下「児童等」という。)が日常的に利用している公園、広場等(以下「通学路等」という。)における児童等の安全の確保に関する指針を定めるものとする。
2 学校等を設置し、又は管理する者は、前項の指針に基づき、当該学校等において、児童等の安全を確保するために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
3 通学路等を管理する者、児童等の保護者、学校等を管理する者及び地域住民は、第1項の指針に基づき、当該通学路等において、児童等の安全を確保するために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
4 県は、前2項に規定する者に対し、児童等の安全を確保するための取組について、情報の提供、助言その他の必要な措置を講ずるものとする。
(一部改正〔平成19年条例81号〕)
(児童等の安全教育の充実)
第10条 県は、学校等、家庭及び地域社会と連携して、児童等が犯罪に遭わないようにするための教育及び児童等が規範意識を持つことができるようにするための教育を充実するよう努めるものとする。
(高齢者等の安全の確保)
第11条 県は、市町村及び県民等と連携して、犯罪による被害を受けるおそれが高い高齢者、女性等の安全を確保するために必要な措置を講ずるものとする。
(犯罪の防止に配慮した道路等及び住宅)
第12条 県は、犯罪の防止に配慮した道路、公園、駐車場及び駐輪場(以下「道路等」という。)並びに住宅の普及に努めるものとする。
2 知事及び公安委員会は、共同して、犯罪の防止に配慮した道路等及び住宅の構造、設備等に関する指針を定めるものとする。
3 道路等を設置し、又は管理する者は、前項の指針に基づき、当該道路等の構造、設備等について、犯罪の防止のために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
4 住宅を設計し、又は建築する事業者及び共同住宅を所有し、又は管理する者は、第2項の指針に基づき、当該住宅の構造、設備等について、犯罪の防止のために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(犯罪の防止に配慮した店舗等)
第13条 深夜(午後10時から翌日の午前5時までの間をいう。)において営業する店舗(以下「深夜営業店舗」という。)、遊技場、大規模な商業施設及び金融機関の店舗のうち、公安委員会規則で定めるものにおいて事業を営む者及び当該店舗等を管理する者は、当該店舗等の構造及び設備又は管理運営について、犯罪の防止のために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
2 深夜営業店舗、遊技場、大規模な商業施設又は金融機関の店舗の集積する区域のうち、公安委員会規則で定めるものにおいて事業を営む者により組織される団体は、当該区域における犯罪の防止のために、啓発活動その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
3 県は、前2項に規定する者及び団体に対し、犯罪の防止のために、情報の提供、助言その他の必要な措置を講ずるものとする。
(犯罪の防止に配慮した事業活動等)
第14条 自動車、原動機付自転車又は自転車(以下「自動車等」という。)の販売を業とする者は、購入者に対し、自動車等に係る盗難被害を防止するために必要な情報を提供するよう努めるものとする。
2 自動販売機を設置し、又は管理する者は、犯罪の防止に配慮した構造を有する自動販売機の設置その他の犯罪の防止のために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
3 空地又は空家を所有し、又は管理する者は、当該空地又は空家について、さくを設置し、出入口を施錠する等犯罪の防止のために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
附則
この条例は、平成19年4月1日から施行する。
附則(平成19年12月18日条例第81号)
この条例は、学校教育法等の一部を改正する法律(平成19年法律第96号)の施行の日から施行する。
附則(令和6年3月27日条例第12号)抄
1 この条例は、令和6年4月1日から施行する。