○奈良県自然環境保全条例

昭和四十九年三月三十日

奈良県条例第三十二号

奈良県自然環境保全条例をここに公布する。

奈良県自然環境保全条例

目次

第一章 総則(第一条―第九条)

第二章 自然環境保全基本方針(第十条)

第三章 奈良県自然環境保全審議会(第十一条―第十九条)

第四章 自然環境保全地域

第一節 指定等(第二十条―第二十二条)

第二節 保全(第二十三条―第二十六条)

第五章 景観保全地区、環境保全地区及び保護樹木

第一節 指定等(第二十七条)

第二節 保全(第二十八条―第三十条)

第六章 雑則(第三十一条―第三十五条)

第七章 罰則(第三十六条―第四十一条)

附則

第一章 総則

(目的)

第一条 この条例は、自然環境保全法(昭和四十七年法律第八十五号)その他の自然環境の保全を目的とする法令と相まつて、自然環境を保全することが特に必要な区域等の自然環境の適正な保全を総合的に推進することにより、広く県民が自然環境の恵沢を享受するとともに、将来の県民にこれを継承できるようにし、もつて現在及び将来の県民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。

(平八条例七・一部改正)

(財産権の尊重及び他の公益との調整)

第二条 自然環境の保全に当たつては、関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、県土の保全その他の公益との調整に留意しなければならない。

(県、事業者及び県民の責務)

第三条 県、事業者及び県民は、奈良県環境基本条例(平成八年十二月奈良県条例第七号)第三条の基本理念にのつとり、自然環境の適正な保全が図られるように、それぞれの立場において努めなければならない。

(平八条例七・全改、平一一条例一二・一部改正)

(基礎調査)

第四条 県は、地形、地質、植生及び野生動物に関する調査その他自然環境の保全のために講ずべき施策の策定に必要な基礎調査を行うものとする。

(地域開発施策等における配慮)

第五条 県は、地域の開発及び整備その他の自然環境に影響を及ぼすと認められる施策の策定及びその実施に当たつては、自然環境の適正な保全について配慮しなければならない。

(平八条例七・全改)

第六条から第九条まで 削除

(平八条例七)

第二章 自然環境保全基本方針

(自然環境保全基本方針)

第十条 知事は、自然環境の保全を図るための基本方針(以下「自然環境保全基本方針」という。)を定めなければならない。

2 自然環境保全基本方針には、次の各号に掲げる事項を定めるものとする。

 自然環境の保全に関する基本構想

 自然環境保全地域の指定その他この地域に係る自然環境の保全に関する施策に関する基本的な事項

 その他自然環境の保全に関する重要事項

3 知事は、自然環境保全基本方針を定めようとするときは、あらかじめ、奈良県自然環境保全審議会の意見をきかなければならない。

4 知事は、自然環境保全基本方針を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

5 前二項の規定は、自然環境保全基本方針の変更について準用する。

第三章 奈良県自然環境保全審議会

(設置)

第十一条 自然環境保全法第五十一条第一項の規定に基づく審議会その他の合議制の機関として、奈良県自然環境保全審議会(以下「審議会」という。)を置く。

(平一一条例一二・追加)

(組織)

第十一条の二 審議会は、委員二十五人以内で組織する。

2 委員は、次の各号に掲げる者のうちから知事が委嘱する。

 学識経験のある者

 県議会の議員

 市町村の長

 関係行政機関の職員

(昭四九条例一四・平四条例一七・平一〇条例七・一部改正、平一一条例一二・旧第十一条繰下・一部改正)

(所掌事務)

第十二条 審議会は、この条例奈良県立自然公園条例(昭和四十一年十二月奈良県条例第二十三号)奈良県立公園条例(昭和二十九年四月奈良県条例第九号)奈良県希少野生動植物の保護に関する条例(平成二十一年三月奈良県条例第五十号)、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(平成十四年法律第八十八号)及び温泉法(昭和二十三年法律第百二十五号)の規定によりその権限に属する事項を調査審議するほか、知事の諮問に応じ、自然環境の保全に関する重要事項を調査審議する。

(平四条例一七・平一五条例三二・平二一条例五〇・平二七条例七六・一部改正)

(委員の任期)

第十三条 委員の任期は、二年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

2 委員は、再任されることができる。

(会長)

第十四条 審議会に会長を置き、委員の互選によつてこれを定める。

2 会長は、会務を総理する。

3 会長に事故があるときは、会長があらかじめ指名する委員がその職務を代理する。

(昭四九条例一四・一部改正)

(会議)

第十五条 審議会の会議(以下「会議」という。)は、会長が招集し、その議長となる。

2 会議は、委員の半数以上が出席しなければ開くことができない。

3 会議の議事は、出席した委員の過半数をもつて決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

(部会)

第十六条 審議会は、必要に応じ、部会を置くことができる。

2 部会に属すべき委員は、会長が指名する。

3 部会に部会長を置き、その部会に属する委員の互選によつてこれを定める。

4 部会長は、部会の事務を掌理する。

5 部会長に事故があるときは、部会に属する委員のうちから部会長があらかじめ指名する委員が、その職務を代理する。

6 審議会は、その定めるところにより部会の決議をもつて審議会の決議とすることができる。

(専門委員)

第十七条 審議会に、専門の事項を調査させるため、専門委員を置くことができる。

2 専門委員は、学識経験のある者のうちから、知事が委嘱する。

3 専門委員は、当該専門の事項に関する調査が終了したときは、解任されるものとする。

(幹事)

第十八条 審議会に、幹事を置く。

2 幹事は、県の職員のうちから知事が任命する。

3 幹事は、会長の命を受け、審議会の会務を処理する。

(委任)

第十九条 この章に定めるもののほか、審議会の運営に関し必要な事項は、会長が審議会にはかつて定める。

第四章 自然環境保全地域

第一節 指定等

(県自然環境保全地域の指定)

第二十条 知事は、次の各号のいずれかに該当する区域のうち、自然的社会的諸条件から見てその区域における自然環境を保全することが特に必要なものを奈良県自然環境保全地域(以下「県自然環境保全地域」という。)として指定することができる。

 高山性植生又は亜高山性植生が相当部分を占める森林又は草原の区域(これと一体となつて自然環境を形成している土地の区域を含む。)

 すぐれた天然林が相当部分を占める森林の区域(これと一体となつて自然環境を形成している土地の区域を含む。)

 地形若しくは地質が特異であり、又は特異な自然の現象が生じている土地の区域及びこれと一体となつて自然環境を形成している土地の区域

 その区域内に生存する動植物を含む自然環境がすぐれた状態を維持している湖沼、湿原又は河川の区域

 植物の自生地、野生動物の生息地その他の規則で定める土地の区域でその区域における自然環境が前各号に掲げる区域における自然環境に相当する程度を維持しているもの

2 知事は、前項の県自然環境保全地域の指定に際しては、次に掲げる区域を除外しなければならない。

 自然公園法(昭和三十二年法律第百六十一号)第十条の規定により国立公園又は国定公園として指定された区域及び奈良県立自然公園条例第三条第一項の規定により奈良県立自然公園として指定された区域

 都市公園法(昭和三十一年法律第七十九号)に基づき設置された都市公園の区域

 奈良県立公園条例第二条の規定により奈良県立公園として指定された区域

 都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第二章の規定により風致地区として定められた区域

 古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法(昭和四十一年法律第一号)第四条の規定により歴史的風土保存地区として指定された区域

 近畿圏の保全区域の整備に関する法律(昭和四十二年法律第百三号)第五条の規定により近郊緑地保全区域として指定された区域

 文化財保護法(昭和二十五年法律第二百十四号)第百九条又は第百十条の規定により指定され、又は仮指定された史跡、名勝又は天然記念物及びこれらを保存するために必要な地域として同法第百二十八条の規定により定められた区域

3 知事は、県自然環境保全地域の指定をしようとするときは、あらかじめ、関係市町村の長及び審議会の意見をきかなければならない。この場合においては、次条第一項に規定する県自然環境保全地域に関する保全計画の案についても、あわせてその意見をきかなければならない。

4 知事は、県自然環境保全地域を指定しようとするときは、あらかじめ、規則で定めるところにより、その旨を公告し、その案を当該公告の日から二週間公衆の縦覧に供しなければならない。

5 前項の規定による公告があつたときは、当該区域に係る住民及び利害関係人は、同項の縦覧期間の満了の日までに縦覧に供された案について、知事に意見書を提出することができる。

6 知事は、前項の規定により縦覧に供された案について異議がある旨の意見書の提出があつたとき、又は当該県自然環境保全地域の指定に関し広く意見をきく必要があると認めたときは、公聴会を開催するものとする。

7 知事は、県自然環境保全地域を指定する場合には、その旨及びその区域を告示しなければならない。

8 県自然環境保全地域の指定は、前項の規定による告示によつてその効力を生ずる。

9 第三項前段第七項及び前項の規定は県自然環境保全地域の指定の解除及びその区域の変更について、第三項後段及び第四項から第六項までの規定は県自然環境保全地域の区域の拡張について、それぞれ準用する。

(平一七条例二四・一部改正)

(県自然環境保全地域に関する保全計画の決定)

第二十一条 県自然環境保全地域に関する保全計画(県自然環境保全地域における自然環境の保全のための規制又は施設に関する計画をいう。以下同じ。)は、知事が決定する。

2 県自然環境保全地域に関する保全計画には、次の各号に掲げる事項を定めるものとする。

 保全すべき自然環境の特質その他当該地域における自然環境の保全に関する基本的な事項

 当該地域における自然環境の特質に即して特に保全を図るべき土地の区域(以下「特別地区」という。)の指定に関する事項

 当該地域における自然環境の保全のための規制に関する事項

 当該地域における自然環境の保全のための施設に関する事項

3 知事は、県自然環境保全地域に関する保全計画を決定したときは、その概要を告示しなければならない。

4 前条第三項前段及び前項の規定は県自然環境保全地域に関する保全計画の廃止及び変更について、前条第四項から第六項までの規定は県自然環境保全地域に関する保全計画の決定及び変更(第二項第二号又は第三号に掲げる事項に係る変更に限る。)について、それぞれ準用する。

(県自然環境保全地域に関する保全事業の執行)

第二十二条 県自然環境保全地域に関する保全事業(県自然環境保全地域に関する保全計画に基づいて執行する事業であつて、当該地域における自然環境の保全のための施設で規則で定めるものに関するものをいう。以下同じ。)は、県が執行する。

2 市町村その他公共的団体は、知事の承認を受けて、県自然環境保全地域に関する保全事業の一部を執行することができる。

第二節 保全

(特別地区)

第二十三条 知事は、県自然環境保全地域に関する保全計画に基づいてその区域内に、特別地区を指定することができる。

2 第二十条第七項及び第八項の規定は、特別地区の指定及び指定の解除並びにその区域の変更について準用する。

3 知事は、特別地区を指定し、又はその区域を拡張するときは、あわせて、当該県自然環境保全地域に関する保全計画に基づいて、その区域内において次項の許可を受けないで行うことができる木竹の伐採(第十項に規定する行為に該当するものを除く。)の方法及びその限度を指定するものとする。県自然環境保全地域に関する保全計画で当該特別地区に係るものの変更(第二十一条第二項第三号に掲げる事項に係る変更以外の変更を除く。)をするときも、同様とする。

4 特別地区内においては、次の各号に掲げる行為は、知事の許可を受けなければ、してはならない。ただし、非常災害のために必要な応急措置として行う行為、第一号から第五号まで若しくは第七号に掲げる行為で森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)第二十五条第一項の規定により指定された保安林の区域若しくは同法第四十一条の規定により指定された保安施設地区(第二十五条第一項において「保安林等の区域」という。)内において同法第三十四条第二項(同法第四十四条において準用する場合を含む。)の許可を受けた者が行う当該許可に係るもの又は第六号に掲げる行為で前項の規定により知事が指定する方法により当該限度内において行うものについては、この限りでない。

 建築物その他の工作物を新築し、改築し又は増築すること。

 宅地を造成し、土地を開墾し、その他土地の形質を変更すること。

 鉱物を掘採し、又は土石を採取すること。

 水面を埋め立て、又は干拓すること。

 河川、湖沼等の水位又は水量に増減を及ぼさせること。

 木竹を伐採すること。

 知事が指定する湖沼又は湿原及びこれらの周辺一キロメートルの区域内において当該湖沼若しくは湿原又はこれらに流水が流入する水域若しくは水路に汚水又は廃水を排水設備を設けて排出すること。

5 前項の許可には、当該県自然環境保全地域における自然環境の保全のために必要な限度において条件を附することができる。

6 知事は、第四項各号に掲げる行為で規則に定める基準に適合しないものについては、同項の許可をしてはならない。

7 特別地域内において非常災害のために必要な応急措置として第四項各号に掲げる行為をした者は、その行為をした日から起算して十四日以内に、知事にその旨を届け出なければならない。

8 特別地区が指定され、若しくはその区域が拡張された際当該特別地区内において第四項第一号から第六号までに掲げる行為に着手し、又は同項第七号に規定する湖沼若しくは湿原が指定された際同号に掲げる行為に着手している者は、その指定又は区域の拡張の日から起算して六月間は、同項の規定にかかわらず、引き続き当該行為をすることができる。

9 前項に規定する者が同項の期間内に当該行為について知事に届け出たときは、第四項の許可を受けたものとみなす。

10 次の各号に掲げる行為については、第四項及び第七項の規定は、適用しない。

 県自然環境保全地域に関する保全事業の執行として行う行為

 法令に基づいて国又は地方公共団体が行う行為のうち、県自然環境保全地域における自然環境の保全に支障を及ぼすおそれがないもので規則で定めるもの

 通常の管理行為又は軽易な行為のうち、県自然環境保全地域における自然環境の保全に支障を及ぼすおそれがないもので規則で定めるもの

(野生動植物保護地区)

第二十四条 知事は、特別地区内における特定の野生動植物の保護のために特に必要があると認めるときは、県自然環境保全地域にする保全計画に基づいて、その区域内に、当該保護すべき野生動植物の種類ごとに、野生動植物保護地区を指定することができる。

2 第二十条第七項及び第八項の規定は、野生動植物保護地区の指定及び指定の解除並びにその区域の変更について準用する。

3 何人も、野生動植物保護地区内においては、当該動植物保護地区に係る野生動植物(動物の卵を含む。)を捕獲し、又は採取してはならない。ただし、次の各号に掲げる場合は、この限りでない。

 前条第四項の許可を受けた行為(第三十三条第一項の後段の規定による協議に係る行為を含む。)を行うためにする場合

 非常災害のために必要な応急措置を行うためにする場合

 県自然環境保全地域に関する保全事業を執行するためにする場合

 法令に基づいて国又は地方公共団体が行う行為のうち、県自然環境保全地域における自然環境の保全に支障を及ぼすおそれがないもので規則で定めるものを行うためにする場合

 通常の管理行為又は軽易な行為のうち、県自然環境保全地域における自然環境の保全に支障を及ぼすおそれがないもので規則で定めるものを行うためにする場合

 前各号に掲げるもののほか、知事が特に必要があると認めて許可した場合

4 前条第五項の規定は、前項第六号の許可について準用する。

(普通地区)

第二十五条 県自然環境保全地域の区域のうち特別地区に含まれない区域(以下「普通地区」という。)内において次の各号に掲げる行為をしようとする者は、知事に対し、規則で定めるところにより、行為の種類、場所、施行方法及び着手予定日その他規則で定める事項を届け出なければならない。ただし、第一号から第三号までに掲げる行為で森林法第三十四条第二項本文の規定に該当するものを保安林等の区域内においてしようとする者は、この限りでない。

 その規模が規則で定める基準をこえる建築物その他の工作物を新築し、改築し、又は増築すること(改築又は増築後において、その規模が規則で定める基準をこえるものとなる場合における改築又は増築を含む。)

 宅地を造成し、土地を開墾し、その他土地の形質を変更すること。

 鉱物を掘採し、又は土石を採取すること。

 水面を埋め立て、又は干拓すること。

 特別地区内の河川、湖沼等の水位又は水量に増減を及ぼさせること。

2 知事は、前項の規定による届出があつた場合において、県自然環境保全地域における自然環境保全のために必要があると認めるときは、その届出をした者に対して、その届出があつた日から起算して三十日以内に限り、当該自然環境の保全のために必要な限度において、その届出に係る行為を禁止し、若しくは制限し、又は必要な措置をとるべき旨を命ずることができる。

3 知事は、第一項の規定による届出があつた場合において、実地の調査をする必要があるとき、その他前項の期間内に同項の処分をすることができない合理的な理由があるときは、その理由が存続する間、同項の期間を延長することができる。この場合においては、同項の期間内に、第一項の規定による届出をした者に対して、その旨及び期間を延長する理由を通知しなければならない。

4 第一項の規定による届出をした者は、その届出をした日から起算して三十日を経過した後でなければ、当該届出に係る行為に着手してはならない。

5 知事は、当該県自然環境保全地域における自然環境の保全に支障を及ぼすおそれがないと認めるときは、前項の期間を短縮することができる。

6 次の各号に掲げる行為については、第一項から第三項までの規定は、適用しない。

 非常災害のために必要な応急措置として行う行為

 県自然環境保全地域に関する保全事業の執行として行う行為

 法令に基づいて国又は地方公共団体が行う行為のうち、県自然環境保全地域における自然環境の保全に支障を及ぼすおそれがないもので規則で定めるもの

 通常の管理行為又は軽易な行為のうち、県自然環境保全地域における自然環境の保全に支障を及ぼすおそれがないもので規則で定めるもの

 県自然環境保全地域が指定され、又はその区域が拡張された際着手している行為

(中止命令)

第二十六条 知事は、県自然環境保全地域における自然環境の保全のために必要があると認めるときは、第二十三条第四項若しくは第二十四条第三項の規定に違反し、若しくは第二十三条第五項(第二十四条第四項において準用する場合を含む。)の規定により許可に附せられた条件に違反した者、前条第一項の規定による届出をせず同項各号に掲げる行為をした者又は同条第二項の規定による処分に違反した者に対して、その行為の中止を命じ、又は相当の期限を定めて、原状回復を命じ、若しくは原状回復が著しく困難である場合に、これに代わるべき必要な措置をとるべき旨を命ずることができる。

第五章 景観保全地区、環境保全地区及び保護樹木

第一節 指定等

(景観保全地区等の指定)

第二十七条 知事は、森林、草生地、山岳、高原、丘陵、古墳、溪谷、池沼、河川等により形成される県の代表的な自然景観を維持するために必要な地区を景観保全地区として指定することができる。

2 知事は、道路の沿道、市街地及びこれらの周辺で、良好な環境を保全するために積極的に緑化等の推進を図ることが必要な地区を環境保全地区として指定することができる。

3 知事は、由緒、由来のある樹木及び地域住民に親しまれてきた樹木を保護樹木として指定することができる。

4 第一項の景観保全地区及び第二項の環境保全地区(以下「保全地区」という。)並びに前項の保護樹木の指定に際しては、次に掲げる区域又は樹木を除外しなければならない。

 自然環境保全法第十四条の規定により原生自然環境保全地域として指定された区域及び同法第二十二条の規定により自然環境保全地域として指定された区域

 第二十条の規定により県自然環境保全地域として指定された区域

 第二十条第二項各号に規定する区域又は天然記念物等

5 第二十条第三項前段及び第四項から第八項までの規定は保全地区及び保護樹木の指定について、同条第三項前段第七項及び第八項の規定は保全地区及び保護樹木の指定の解除及び変更について、同条第四項から第六項までの規定は保全地区の区域の拡張について、それぞれ準用する。

第二節 保全

(行為の届出)

第二十八条 保全地区内において次の各号に掲げる行為をしようとする者又は保護樹木の現状を変更することとなる行為をしようとする者は、当該行為の着手の日の五十日前までに知事に対し、規則で定めるところにより、行為の種類、場所、施行方法及び着手予定日その他規則で定める事項を、届け出なければならない。ただし、第一号第三号第四号及び第六号に掲げる行為で森林法第三十四条第二項本文の規定に該当するものを保安林等の区域内においてしようとする者は、この限りでない。

 その規模が規則で定める基準をこえる建築物その他の工作物を新築し、改築し、又は増築すること(改築又は増築後において、その規模が規則で定める基準をこえるものとなる場合における改築又は増築を含む。)

 建築物その他の工作物の色彩を変更すること。

 宅地を造成し、土地を開墾し、その他土地の形質を変更すること。

 木竹を伐採すること。

 野焼きをし、又は野草を刈り取ること。

 鉱物を掘採し、又は土石を採取すること。

 水面を埋め立て、又は干拓すること。

2 次の各号に掲げる行為については、第一項の規定は、適用しない。

 非常災害のために必要な応急措置として行う行為

 法令に基づいて国又は地方公共団体が行う行為のうち保全地区の景観又は環境の保全に支障を及ぼすおそれがないもので規則で定めるもの

 通常の管理行為又は軽易な行為のうち保全地区の景観又は環境の保全に支障を及ぼすおそれがないもので規則で定めるもの

 保全地区が指定され又はその地区が拡張された際着手している行為

(助言及び勧告)

第二十九条 知事は、前条の届出があつた場合において必要と認めるときは、当該届出をした者に対し、必要な助言又は勧告をすることができる。

(緑化の助言及び勧告)

第三十条 知事は、保全地区内において特に積極的に緑化の推進を図る必要があると認めるときは、当該地区内の関係者に対し、必要な助言又は勧告をすることができる。

第六章 雑則

(報告及び検査等)

第三十一条 知事は、自然環境の保全のために必要な限度において、第二十三条第四項若しくは第二十四条第三項第六号の許可を受けた者若しくは第二十五条第二項の規定により行為を制限され、若しくは必要な措置をとるべき旨を命ぜられた者に対し、当該行為の実施状況その他必要な事項について報告を求め、又は職員に県自然環境保全地域、保全地区若しくは保護樹木の存する区域内の土地若しくは建物内に立ち入り、第二十三条第四項各号第二十四条第三項本文若しくは第二十五条第一項各号に掲げる行為若しくは第二十八条第一項各号に規定する行為の実施状況を検査させ、若しくはこれらの行為の自然環境に及ぼす影響を調査させることができる。

2 前項の職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。

(実地調査)

第三十二条 知事は、県自然環境保全地域若しくは保全地区の指定若しくはその区域の拡張、保護樹木の指定、保全計画(県自然環境保全地域に関する保全計画をいう。)の決定若しくは変更又は保全事業(県自然環境保全地域に関する保全事業をいう。)の執行に関し実地調査のため必要があるときは、県職員に他人の土地に立ち入り、標識を設置させ、測量させ、又は実地調査の障害となる木竹若しくはかき、さく等を伐採させ、若しくは除去させることができる。

2 知事は、県職員に前項の規定により行為をさせようとするときは、あらかじめ土地の所有者(所有者の住所が明らかでないときは、その占有者。以下同じ。)及び占有者並びに木竹又はかき、さく等の所有者にその旨を通知し意見書を提出する機会を与えなければならない。

3 第一項の職員は、日出前及び日没後においては、宅地又はかき、さく等で囲まれた土地に立ち入つてはならない。

4 第一項の職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。

5 土地の所有者若しくは占有者又は木竹若しくはかき、さく等の所有者は、正当な理由がない限り、第一項の規定による立ち入りその他の行為を拒み、又は妨げてはならない。

(国等に関する特例)

第三十三条 国の機関又は地方公共団体の行う行為については、第二十三条第四項又は第二十四条第三項第六号の許可を受けることを要しない。この場合において、当該国の機関又は地方公共団体は、その行為をしようとするときは、あらかじめ、知事に協議しなければならない。

2 国の機関又は地方公共団体は、第二十三条第七項第二十五条第一項又は第二十八条第一項の規定により届出を要する行為をしたときは、これらの規定による届出の例により知事にその旨を通知しなければならない。

(市町村長との協力)

第三十三条の二 知事は、自然環境の保全に関する施策の実施について、市町村長の協力が必要であると認めるときは、その協力を求め、又は市町村長から協力を求められたときは、その求めに応ずるよう努めるものとする。

(平一一条例一二・追加)

(配慮)

第三十四条 この条例の規定の適用に当たつては、当該地域に係る住民の農林業等生業の安定及び福祉の向上に配慮しなければならない。

(その他)

第三十五条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、知事が定める。

第七章 罰則

第三十六条 第二十六条の規定による命令に違反した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

(平四条例二八・一部改正)

第三十七条 次の各号の一に該当する者は、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

 第二十三条第四項又は第二十四条第三項の規定に違反した者

 第二十三条第五項(第二十四条第四項において準用する場合を含む。)の規定により許可に付せられた条件に違反した者

(平四条例二八・一部改正)

第三十八条 第二十五条第二項の規定による処分に違反した者は、三十万円以下の罰金に処する。

(平四条例二八・一部改正)

第三十九条 次の各号の一に該当する者は、二十万円以下の罰金に処する。

 第二十五条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者

 第二十五条第四項の規定に違反した者

 第三十一条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による立入検査若しくは立入調査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者

 第三十二条第五項の規定に違反して、同条第一項の規定による立入りその他の行為を拒み、又は妨げた者

(平四条例二八・一部改正)

第四十条 第二十八条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、十万円以下の罰金に処する。

(平四条例二八・一部改正)

第四十一条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して第三十六条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して、各本条の罰金刑を科する。

附 則

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。ただし、第四章の規定は、規則で定める日から施行する。

(経過措置)

2 この条例施行の際現にこの条例による改正前の奈良県自然環境保全条例(以下「改正前の条例」という。)の規定に基づき指定されている景観保全地区及び環境保全地区並びに保護樹木は、この条例による改正後の奈良県自然環境保全条例(以下「改正後の条例」という。)第五章の規定により指定されたものとみなす。

3 この条例の施行の際現に改正前の条例第十一条第一項の規定による届出をしている行為については、改正後の条例第二十八条の規定による届出をした行為とみなす。

4 この条例の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(奈良県立公園条例の一部改正)

5 奈良県立公園条例(昭和二十九年四月奈良県条例第九号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(奈良県立都市公園条例の一部改正)

6 奈良県立都市公園条例(昭和三十五年三月奈良県条例第十一号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(奈良県附属機関に関する条例の一部改正)

7 奈良県附属機関に関する条例(昭和二十八年三月奈良県条例第四号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

附 則(昭和四九年条例第一四号)

この条例は、公布の日から施行する。

附 則(平成四年条例第一七号)

(施行期日)

1 この条例は、平成四年四月一日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の日以後平成五年十二月二十五日までの間に新たに委嘱され、又は任命される委員(第一条の規定による改正後の奈良県自然環境保全条例第十三条第一項ただし書に規定する補欠の委員を除く。)の任期は、同項本文の規定にかかわらず、同日までとする。

附 則(平成四年条例第二八号)

(施行期日)

1 この条例は、平成四年四月一日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

附 則(平成八年条例第七号)

(施行期日)

1 この条例は、平成九年四月一日から施行する。

附 則(平成一〇年条例第七号)

この条例は、平成十年四月一日から施行する。

附 則(平成一一年条例第一二号)

(施行期日)

第一条 この条例は、平成十二年四月一日から施行する。

(経過措置)

第二条 この条例による改正前のそれぞれの条例に規定する奈良県国土利用計画地方審議会、奈良県自然環境保全審議会、奈良県精神保健福祉審議会、奈良県環境審議会、奈良県職業能力開発審議会及び奈良県スポーツ振興審議会並びにその会長、副会長、委員、特別委員、部会長、専門委員及び臨時委員は、この条例による改正後のそれぞれの条例の規定による奈良県国土利用計画審議会、奈良県自然環境保全審議会、奈良県精神保健福祉審議会、奈良県環境審議会、奈良県職業能力開発審議会及び奈良県スポーツ振興審議会並びにその会長、副会長、委員、特別委員、部会長、専門委員及び臨時委員となり、同一性をもって存続するものとする。

附 則(平成一五年条例第三二号)

この条例は、平成十五年四月十六日から施行する。

附 則(平成一七年条例第二四号)

この条例は、平成十七年四月一日から施行する。

附 則(平成二一年条例第五〇号)

(施行期日)

1 この条例は、平成二十二年四月一日から施行する。ただし、第一章、第四十二条及び次項の規定は、平成二十一年四月一日から施行する。

附 則(平成二七年条例第七六号)

この条例は、平成二十七年五月二十九日から施行する。

奈良県自然環境保全条例

昭和49年3月30日 条例第32号

(平成27年5月29日施行)

体系情報
第5編 環境保全/第3章 自然保護
沿革情報
昭和49年3月30日 条例第32号
昭和49年12月14日 条例第14号
平成4年3月27日 条例第17号
平成4年3月27日 条例第28号
平成8年12月24日 条例第7号
平成10年3月27日 条例第7号
平成11年12月22日 条例第12号
平成15年3月28日 条例第32号
平成17年2月18日 条例第24号
平成21年3月27日 条例第50号
平成27年3月31日 条例第76号