○秋田県環境基本条例

平成九年十二月二十六日

秋田県条例第六十号

秋田県環境基本条例をここに公布する。

秋田県環境基本条例

目次

前文

第一章 総則(第一条―第七条)

第二章 環境の保全に関する基本的施策

第一節 施策の基本方針(第八条)

第二節 環境基本計画等(第九条―第十一条)

第三節 環境の保全のための施策等(第十二条―第二十五条)

第四節 地球環境保全(第二十六条・第二十七条)

第三章 秋田県環境審議会(第二十八条―第三十四条)

附則

秋田県は、緑の山々が連なる奥羽山脈や原生的ブナ林を有する白神山地、静かなたたずまいの十和田湖や田沢湖など、四季折々の色彩あふれる豊かな自然を擁し、日本海に向かって肥よくな平野が開けている。このすぐれた環境の中、私たちは、さわやかな空気や清らかな水に触れ合いながら、個性的で豊かな伝統や文化をはぐくんできた。

しかし、資源やエネルギーの大量消費などを伴う都市化の進展や生活様式の変化は、生活の利便性を高める一方で環境への負荷を増大させ、その結果、地域の環境のみならず地球全体の環境そのものに影響を及ぼしている。

もとより、私たちは、良好な環境の下で、健康で文化的な生活を営む権利を有するとともに、その環境を守り、より質の高いものとして将来の世代に継承していく義務を有する。

私たちは、自らの日常生活や経済活動のあり方を見つめ直し、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築に向け、互いに協力し、不断の努力により、自主的かつ積極的に環境の保全に取り組む必要がある。

ここに、私たちは、環境を守ることが幸福につながることを深く認識し、県民すべての参加の下に人と自然が共存する豊かでうるおいのある環境を保全するため、この条例を制定する。

第一章 総則

(目的)

第一条 この条例は、環境の保全について、基本理念を定め、並びに県、市町村、事業者及び県民の責務を明らかにするとともに、環境の保全に関する施策の基本となる事項を定めることにより、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の県民の健康で文化的な生活の確保に寄与するとともに人類の福祉に貢献することを目的とする。

(定義)

第二条 この条例において「環境への負荷」とは、人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。

2 この条例において「地球環境保全」とは、人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野性生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとともに県民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。

3 この条例において「公害」とは、環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下(鉱物の掘採のための土地の掘削によるものを除く。)及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。以下同じ。)に係る被害が生ずることをいう。

(基本理念)

第三条 環境の保全は、広く県民が健全で恵み豊かな環境の恵沢を享受するとともにその環境が将来の県民に継承されるように、適切に行われなければならない。

2 環境の保全は、すべての者が環境の保全に関する行動を自主的かつ積極的に行うことによって、健全で恵み豊かな環境を維持しつつ、環境への負荷の少ない健全な経済の発展を図りながら持続的に発展することができる社会が構築されるように行われなければならない。

3 地球環境保全は、地域における事業活動及び日常生活が地球全体の環境に影響を及ぼしていることにかんがみ、すべての者の事業活動及び日常生活において推進されなければならない。

(県の責務)

第四条 県は、環境の保全に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及びこれを実施する責務を有する。

2 県は、市町村が行う環境の保全に関する施策について、総合調整を行うとともに、助言その他の必要な支援を行うように努めなければならない。

(市町村の責務)

第五条 市町村は、その区域の自然的社会的条件に応じた環境の保全に関する施策を策定し、及びこれを実施する責務を有する。

(事業者の責務)

第六条 事業者は、その事業活動を行うに当たっては、これに伴って生ずるばい煙、汚水、廃棄物等の処理その他の公害を防止し、又は自然環境を適正に保全するために必要な措置を講ずる責務を有する。

2 事業者は、環境の保全上の支障を防止するため、物の製造、加工又は販売その他の事業活動を行うに当たって、その事業活動に係る製品その他の物が廃棄物となった場合にその適正な処理が図られることとなるように必要な措置を講ずる責務を有する。

3 前二項に定めるもののほか、事業者は、環境の保全上の支障を防止するため、物の製造、加工又は販売その他の事業活動を行うに当たって、その事業活動に係る製品その他の物が使用され又は廃棄されることによる環境への負荷の低減に資するように努めるとともに、その事業活動において、再生資源その他の環境への負荷の低減に資する原材料、役務等を利用するように努めなければならない。

4 前三項に定めるもののほか、事業者は、その事業活動に関し、これに伴う環境への負荷の低減その他環境の保全に自ら努めるとともに、県又は市町村が実施する環境の保全に関する施策に協力する責務を有する。

(県民の責務)

第七条 県民は、環境の保全上の支障を防止するため、その日常生活に伴う環境への負荷の低減に努めなければならない。

2 前項に定めるもののほか、県民は、環境の保全に自ら努めるとともに、県又は市町村が実施する環境の保全に関する施策に協力する責務を有する。

第二章 環境の保全に関する基本的施策

第一節 施策の基本方針

第八条 県は、環境の保全に関する施策の策定及び実施に当たっては、基本理念にのっとり、次に掲げる事項の確保を旨として、総合的かつ計画的に行わなければならない。

 人の健康が保護され、及び生活環境が保全され、並びに自然環境が適正に保全されるよう、大気、水、土壌その他の環境の自然的構成要素が良好な状態に保持されること。

 生態系の多様性の確保、野性生物の種の保存その他の生物の多様性の確保が図られるとともに、森林、農地、水辺地等における多様な自然環境が地域の自然的社会的条件に応じて体系的に保全されること。

 人と自然との豊かな触れ合いが保たれること。

第二節 環境基本計画等

(環境基本計画)

第九条 知事は、環境の保全に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、環境の保全に関する基本的な計画(以下「環境基本計画」という。)を定めなければならない。

2 環境基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

 環境の保全に関する総合的かつ長期的な目標及び施策の方向

 前号に掲げるもののほか、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

3 知事は、環境基本計画を定めるに当たっては、あらかじめ、県民の意見を反映することができるように必要な措置を講じなければならない。

4 知事は、環境基本計画を定めようとするときは、秋田県環境審議会の意見を聴かなければならない。

5 知事は、環境基本計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

6 前三項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。

(県の施策の策定等に当たっての配慮)

第十条 県は、施策の策定及び実施に当たっては、環境基本計画との整合性の確保を図ることにより環境の保全について配慮しなければならない。

(環境の状況等の公表)

第十一条 知事は、毎年、環境の状況、環境の保全に関して講じた施策の概況等を公表しなければならない。

第三節 環境の保全のための施策等

(県民の意見の反映)

第十二条 県は、環境の保全に関する施策に県民の意見を反映することができるように必要な措置を講ずるものとする。

(情報の提供)

第十三条 県は、個人及び法人の権利利益の保護に配慮しつつ環境の状況その他の環境の保全に関する必要な情報を適切に提供するように努めるものとする。

(環境の保全に関する教育及び学習の振興等)

第十四条 県は、環境の保全に関する教育及び学習の振興並びに環境の保全に関する広報活動の充実により、事業者及び県民が環境の保全についての理解を深めるとともにこれらの者の環境の保全に関する行動が積極的に行われるように、必要な措置を講ずるものとする。

(資源の循環的な利用等の促進)

第十五条 県は、資源の循環的な利用、エネルギーの有効な利用並びに廃棄物の減量及び適正な処理が促進されるように必要な措置を講ずるものとする。

(自発的な活動の促進)

第十六条 県は、事業者、県民又はこれらの者の組織する民間の団体が自発的に行う緑化活動、再生資源に係る回収活動その他の環境の保全に関する活動が促進されるように、必要な措置を講ずるものとする。

(環境影響評価の推進)

第十七条 県は、土地の形状の変更、工作物の新設その他これらに類する事業を行う事業者が、その事業の実施に当たりあらかじめその事業に係る環境への影響について自ら適正に調査、予測又は評価を行い、その結果に基づき、その事業に係る環境の保全について適正に配慮することを推進するため、必要な措置を講じなければならない。

(環境管理の促進)

第十八条 県は、その事業活動に係る環境への負荷の低減を図るために事業者が自主的に行う環境の保全に関する方針の策定及び目標の設定並びにその方針及び目標を達成するための計画の作成、実施及び実施状況の点検等からなる環境管理が促進されるように、必要な措置を講ずるものとする。

(規制の措置)

第十九条 県は、公害を防止するため、公害の原因となる行為に関し、必要な規制の措置を講じなければならない。

2 県は、自然環境の保全を図るため、自然環境の適正な保全に支障を及ぼすおそれがある行為に関し、必要な規制の措置を講じなければならない。

3 前二項に定めるもののほか、県は、環境の保全上の支障を防止するため、必要な規制の措置を講ずるように努めなければならない。

(誘導的措置)

第二十条 県は、事業者又は県民が自らの活動に係る環境への負荷の低減のための施設の整備その他の適切な措置をとるように誘導することにより環境の保全上の支障を防止するため、必要な措置を講ずるように努めるものとする。

(環境の保全に関する施設の整備等の推進)

第二十一条 県は、緩衝地帯その他の環境の保全上の支障を防止するための公共的施設の整備及び絶滅のおそれのある野生動植物の保護増殖その他の環境の保全上の支障を防止するための事業を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。

2 県は、下水道、廃棄物の公共的な処理施設、環境への負荷の低減に資する交通施設(移動施設を含む。)その他の環境の保全上の支障の防止に資する公共的施設の整備及び森林の整備その他の環境の保全上の支障の防止に資する事業を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。

3 県は、公園、緑地その他の公共的施設の整備その他の自然環境の適正な整備及び健全な利用のための事業を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。

4 県は、前二項に定める公共的施設の適切な利用を促進するための措置その他のこれらの施設に係る環境の保全上の効果が増進されるために必要な措置を講ずるものとする。

(地域の特性を生かした快適な環境の保全)

第二十二条 県は、水と緑に親しむことができる生活空間、良好な景観、歴史的文化的な環境その他の地域の特性を生かした快適な環境を保全するため、必要な措置を講ずるものとする。

(調査研究の実施及び監視等の体制の整備)

第二十三条 県は、環境の保全に関する施策の策定に必要な調査研究を実施するものとする。

2 県は、環境の状況を把握し、及び環境の保全に関する施策を適正に実施するために必要な監視等の体制を整備するものとする。

(推進体制の整備)

第二十四条 県は、市町村、事業者及び県民と連携して環境の保全に関する施策を推進するための体制を整備するため、必要な措置を講ずるものとする。

(国及び他の地方公共団体との協力)

第二十五条 県は、広域的な取組が必要とされる環境の保全に関する施策について、国及び他の地方公共団体と協力して、その推進に努めるものとする。

第四節 地球環境保全

(地球環境保全に資する施策の推進等)

第二十六条 県は、地球環境保全に資する施策を推進するものとする。

2 県は、国等と連携して、地球環境保全に関する情報及び技術の提供等を行うことにより地球環境保全に関する国際協力の推進に努めるものとする。

(地球環境保全に資するための行動の促進)

第二十七条 県は、事業者及び県民の地球環境保全に資するための行動が促進されるように必要な措置を講ずるものとする。

第三章 秋田県環境審議会

(設置及び所掌事務)

第二十八条 環境基本法(平成五年法律第九十一号)第四十三条第一項及び自然環境保全法(昭和四十七年法律第八十五号)第五十一条第一項の規定に基づく合議制の機関として、秋田県環境審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、次に掲げる事務をつかさどる。

 環境基本計画に関し、第九条第四項に規定する事項を処理すること。

 知事の諮問に応じ、環境の保全に関する基本的事項及び重要事項を調査審議すること。

 前二号に掲げるもののほか、法令又は他の条例の規定によりその権限に属する事務

3 審議会は、環境の保全に関する基本的事項及び重要事項について、知事に意見を述べることができる。

(平一二条例六六・平一五条例一六・一部改正)

(組織及び委員の任期)

第二十九条 審議会は、委員四十人以内で組織する。

2 委員は、環境の保全に関し学識経験のある者及び水質汚濁防止法施行令(昭和四十六年政令第百八十八号)第七条第一号の国の関係地方行政機関の長等(以下「国の関係地方行政機関の長等」という。)のうちから、知事が任命する。

3 委員の任期は、二年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

(平一五条例一六・平一九条例一八・一部改正)

(会長)

第三十条 審議会に、会長を置く。

2 会長は、委員の互選によって定める。

3 会長は、審議会を代表し、会務を総理する。

4 会長に事故があるときは、会長があらかじめ指名する委員が、その職務を代理する。

(会議)

第三十一条 審議会は、会長が招集する。

2 会長は、審議会の議長となる。

3 審議会は、委員の過半数が出席しなければ、会議を開くことができない。

4 審議会の議事は、出席した委員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

(部会)

第三十二条 審議会に、部会を置く。

2 部会に属すべき委員は、会長が指名する。この場合において、水質汚濁防止法(昭和四十五年法律第百三十八号)第二十一条第一項の事務に係る事項について調査審議する部会にあっては、その委員に、国の関係地方行政機関の長等を含まなければならない。

3 部会に部会長を置き、会長の指名する委員がこれに当たる。

4 審議会は、その定めるところにより、部会の決議をもって審議会の決議とすることができる。

5 第三十条第三項及び第四項並びに前条の規定は、部会長及び部会の会議について準用する。

(平一五条例一六・一部改正)

(専門委員)

第三十三条 審議会に、専門の事項を調査させるため必要があるときは、専門委員を置くことができる。

2 専門委員は、学識経験のある者のうちから、知事が任命する。

3 専門委員は、当該専門の事項に関する調査が終了したときは、解任されるものとする。

(委任規定)

第三十四条 この章に定めるもののほか、審議会の運営に関し必要な事項は、会長が審議会に諮って定める。

附 則

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。

(秋田県環境審議会条例の廃止)

2 秋田県環境審議会条例(平成六年秋田県条例第三十二号)は、廃止する。

(委員に関する経過措置)

3 この条例の施行の際現に前項の規定による廃止前の秋田県環境審議会条例第三条第二項の規定により任命されている委員は、第二十九条第二項の規定により任命されたものとみなす。この場合において、当該委員の任期は、同条第三項の規定にかかわらず、平成十年一月十八日までとする。

(秋田県公害防止条例の一部改正)

4 秋田県公害防止条例(昭和四十六年秋田県条例第五十二号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(秋田県立自然公園条例の一部改正)

5 秋田県立自然公園条例(昭和三十三年秋田県条例第三十八号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(秋田県自然環境保全条例の一部改正)

6 秋田県自然環境保全条例(昭和四十八年秋田県条例第二十三号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

附 則(平成一二年条例第六六号)

1 この条例は、平成十二年四月一日から施行する。

2 従前の秋田県環境審議会は、この条例の施行の日において、この条例の規定に基づく秋田県環境審議会となり、同一性をもって存続するものとする。

附 則(平成一五年条例第一六号)

(施行期日)

1 この条例は、平成十五年六月一日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の日の前日においてこの条例による改正前の秋田県環境基本条例第二十八条第一項の秋田県環境審議会の委員である者の任期は、この条例による改正後の秋田県環境基本条例第二十九条第三項の規定にかかわらず、同日に満了する。

(特別職の職員で非常勤のものの報酬および費用弁償に関する条例の一部改正)

3 特別職の職員で非常勤のものの報酬および費用弁償に関する条例(昭和三十一年秋田県条例第三十五号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(秋田県立自然公園条例の一部改正)

4 秋田県立自然公園条例(昭和三十三年秋田県条例第三十八号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(秋田県自然環境保全条例の一部改正)

5 秋田県自然環境保全条例(昭和四十八年秋田県条例第二十三号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

附 則(平成一九年条例第一八号)

この条例は、平成十九年六月一日から施行する。

秋田県環境基本条例

平成9年12月26日 条例第60号

(平成19年6月1日施行)

体系情報
第6編 生活環境/第2章 環境管理
沿革情報
平成9年12月26日 条例第60号
平成12年3月29日 条例第66号
平成15年3月11日 条例第16号
平成19年3月13日 条例第18号