○秋田県バリアフリー社会の形成に関する条例

平成十四年三月二十九日

秋田県条例第十三号

秋田県バリアフリー社会の形成に関する条例をここに公布する。

秋田県バリアフリー社会の形成に関する条例

目次

前文

第一章 総則(第一条―第六条)

第二章 バリアフリー社会の形成に関する施策(第七条―第十七条)

第三章 生活関連施設の整備等

第一節 生活関連施設の整備(第十八条―第二十一条)

第二節 特定生活関連施設の整備(第二十二条―第二十八条)

第三節 旅客車両等、公共工作物及び住宅の整備(第二十九条―第三十一条)

第四章 秋田県バリアフリー社会形成審議会(第三十二条―第三十六条)

第五章 雑則(第三十七条―第三十九条)

附則

私たちは、豊かな自然と雪国の風土の中で多彩な文化を培い、共に助け合う地域社会を築いてきた。

しかし、若者の流出や少子化による人口減少と急速な高齢化に加え、就業構造の変化、核家族化の進行等は人々の意識や価値観に変化をもたらし、地域社会は大きく変わりつつある。

さらに、近年、高齢者、障害者等を含むすべての県民が安全かつ快適に生活できる社会を目指すための取組が強く求められてきている。

このような私たちを取り巻く環境の中で、一人ひとりが個人として尊重され、安全に安心して生活を営むことのできる社会を構築するためには、県民が一体となって、様々な障壁を取り除いていく必要がある。

ここに、県民が、思いやりや助け合いの心をはぐくみ、共に生きることを確かめ合い、力を合わせて高齢者、障害者等が安全かつ快適な日常生活又は社会生活を営むことを困難にする様々な障壁が取り除かれたバリアフリー社会を形成するため、この条例を制定する。

第一章 総則

(目的)

第一条 この条例は、高齢者、障害者等が生活し、又は社会活動を行う上でこれを困難にする様々な障壁が取り除かれ、安全かつ快適な日常生活又は社会生活が確保されるように配慮された社会を形成するため、県、事業者及び県民の責務を明らかにするとともに、当該社会の形成に関する基本方針及び施策の基本的な事項を定め、もって県民の福祉の増進に資することを目的とする。

(定義)

第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

 高齢者、障害者等 高齢者、障害者、妊産婦その他日常生活又は社会生活において身体の機能上の制限等を受ける者をいう。

 バリアフリー社会 高齢者、障害者等が生活し、又は社会活動を行う上でこれを困難にする様々な障壁が取り除かれ、安全かつ快適な日常生活又は社会生活が確保されるように配慮された社会をいう。

 生活関連施設 病院、集会場、百貨店、官公庁の庁舎、道路、公園その他の不特定かつ多数の者の利用に供する施設で規則で定めるものをいう。

 特定生活関連施設 生活関連施設のうち特に整備が必要な施設で規則で定めるものをいう。

 旅客車両等 一般旅客の用に供する鉄道の車両、自動車等で規則で定めるものをいう。

 公共工作物 信号機、公衆電話所その他の公共の用に供する工作物で規則で定めるものをいう。

 施設等 生活関連施設、旅客車両等、公共工作物及び住宅をいう。

(県の責務)

第三条 県は、市町村と連携し、事業者及び県民の協力を得て、バリアフリー社会の形成に関する総合的な施策を策定し、及びこれを実施するものとする。

2 県は、自ら設置し、又は管理する施設等について、県民の意見を聴き、高齢者、障害者等が安全かつ円滑に利用できるように整備するものとする。

(事業者の責務)

第四条 事業者は、その事業活動を行うに当たっては、バリアフリー社会の形成のために自ら設置し、又は管理する施設等の整備その他の必要な措置を講ずるとともに、県が実施するバリアフリー社会の形成に関する施策に協力するように努めるものとする。

(県民の責務)

第五条 県民は、バリアフリー社会の形成に自ら積極的に取り組むとともに、県が実施するバリアフリー社会の形成に関する施策に協力するように努めるものとする。

2 県民は、高齢者、障害者等のために整備された施設等、物品又はサービスの高齢者、障害者等による利用を妨げないようにしなければならない。

(県、事業者及び県民の連携)

第六条 県、事業者及び県民は、バリアフリー社会の形成に関するそれぞれの責務を自覚し、連携してバリアフリー社会の形成に努めるものとする。

第二章 バリアフリー社会の形成に関する施策

(基本方針)

第七条 県は、次に掲げる基本方針に基づき、バリアフリー社会の形成に取り組むものとする。

 県民がバリアフリー社会の形成のための施策に協力して自ら積極的に取り組むように意識の高揚を図ること。

 高齢者、障害者等が社会のあらゆる分野の活動に参加できるように支援体制を整備すること。

 高齢者、障害者等が自由に行動し、安全かつ円滑に利用できるように施設等の整備を促進すること。

(基本計画の策定)

第八条 知事は、前条の基本方針に基づき、バリアフリー社会の形成の基本となる計画(以下「基本計画」という。)を策定するものとする。

2 基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

 バリアフリー社会の形成に関する目標

 バリアフリー社会の形成に関する施策の方向

 前二号に掲げるもののほか、バリアフリー社会の形成に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための重要事項

3 知事は、基本計画を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表するものとする。

(積雪への配慮)

第九条 県は、積雪地域であることに配慮して、高齢者、障害者等の安全な日常生活又は社会生活が確保されるよう除雪、防雪等の措置を構ずるように努めるものとする。

(安全の確保)

第十条 県は、高齢者、障害者等の安全な日常生活又は社会生活が確保されるよう防犯、防災及び交通安全に関する施策の推進に努めるものとする。

(啓発活動)

第十一条 県は、事業者及び県民に対し、バリアフリー社会の形成に関する理解を深め、自主的な取組を促進するため、広報その他の啓発活動を行うものとする。

(情報の提供等)

第十二条 県は、バリアフリー社会の形成に関する情報を収集し、適時に、事業者及び県民に提供するものとする。

2 県は、高齢者、障害者等が日常生活又は社会生活に関する情報を円滑に活用することができる手段の確保に努めるものとする。

(学校教育の充実等)

第十三条 県は、児童及び生徒がバリアフリー社会の形成に関する理解を深め、思いやりのある心をはぐくむよう教育の充実に努めるものとする。

2 県は、事業者及び県民がバリアフリー社会の形成に関する活動に取り組むことができるよう学習の機会の提供に努めるものとする。

3 県は、バリアフリー社会の形成に関する専門的な知識及び技能を有する者の育成に努めるものとする。

(支援活動の促進)

第十四条 県は、バリアフリー社会の形成に関し、ボランティア活動その他の県民による支援活動を促進するための施策を推進するものとする。

(調査等の促進及び成果の普及)

第十五条 県は、バリアフリー社会を形成するため、施設等、物品及びサービスに係る調査、研究及び技術開発を促進するとともに、これらの成果の普及を図るものとする。

(技術的援助等)

第十六条 県は、バリアフリー社会の形成に関する施策の推進上必要があると認めるときは、事業者及び県民に対し、技術的援助を行い、又は予算の範囲内において必要な経費の一部を助成することができる。

(表彰)

第十七条 知事は、バリアフリー社会の形成に著しい功績があると認められる者に対し、表彰を行うことができる。

第三章 生活関連施設の整備等

第一節 生活関連施設の整備

(整備基準の策定)

第十八条 知事は、生活関連施設の構造及び設備に関し、高齢者、障害者等が安全かつ円滑に利用できるようにするために必要な基準(以下「整備基準」という。)を定めるものとする。

2 整備基準は、出入口、廊下、階段、エレベーター、便所、駐車場その他知事が必要と認めるものについて、生活関連施設の種類及び規模に応じて規則で定める。

(整備基準の遵守)

第十九条 生活関連施設の新築等(新築、新設、増築、改築及び用途の変更(施設の用途を変更して生活関連施設とする場合を含む。)をいう。以下同じ。)をしようとする者は、当該生活関連施設(当該新築等に係る部分に限る。)について整備基準を遵守しなければならない。ただし、地形又は敷地の状況、建築物の構造その他やむを得ない事由により整備基準を遵守することが困難であると知事が認める場合は、この限りでない。

2 生活関連施設を所有し、又は管理する者(以下「生活関連施設所有者等」という。)は、当該生活関連施設を整備基準に適合させるように努めなければならない。

(維持保全)

第二十条 生活関連施設所有者等は、整備基準に適合している部分の機能を維持するように努めなければならない。

(適合証の交付)

第二十一条 生活関連施設所有者等は、規則で定めるところにより、知事に対し、その所有し、又は管理する生活関連施設が整備基準に適合することを証する証票(以下「適合証」という。)の交付を請求することができる。

2 知事は、前項の規定による請求があった場合において、当該生活関連施設が整備基準に適合していると認めるときは、当該請求をした者に対し適合証を交付するものとする。

3 知事は、適合証の交付を受けている者の同意を得て、当該適合証に係る生活関連施設が整備基準に適合している旨を公表することができる。

第二節 特定生活関連施設の整備

(協議)

第二十二条 特定生活関連施設の新築等をしようとする者は、その計画(整備基準に適合させるべき部分を含まない計画を除く。)について、規則で定めるところにより、あらかじめ、知事に協議しなければならない。当該協議の内容の変更(規則で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときも同様とする。

2 知事は、前項の規定による協議があった場合において、当該協議に係る特定生活関連施設が整備基準に適合しないと認めるときは、当該協議をした者に対し、必要な指導及び助言を行うことができる。

(工事完了の届出)

第二十三条 前条第一項の規定による協議をした者は、当該協議に係る工事が完了したときは、規則で定めところにより、速やかにその旨を知事に届け出なければならない。

(完了検査)

第二十四条 知事は、前条の規定による届出があったときは、当該届出に係る特定生活関連施設の整備基準への適合の状況について検査を行うものとする。

2 知事は、前項の検査を行った場合において、当該特定生活関連施設が整備基準に適合していないと認めるときは、当該届出をした者に対し、必要な指導及び助言を行うことができる。

(立入調査)

第二十五条 知事は、前条及び次条(第四項を除く。)から第二十八条までの規定の施行に必要な限度において、当該職員に特定生活関連施設若しくはその工事現場に立ち入り、整備基準への適合状況を調査させ、又は関係者に質問させることができる。

2 前項の規定により立入調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

3 第一項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(勧告)

第二十六条 知事は、特定生活関連施設の新築等をしようとする者が第二十二条第一項の規定による協議をすることなく当該新築等の工事に着手したときは、その者に対し、当該協議をすべきことを勧告することができる。

2 知事は、第二十二条第一項の規定により協議をした者が当該協議の内容と異なる工事を行ったときは、その者に対し、当該協議の内容に従った工事を行うべきことその他の必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。

3 知事は、第二十二条第二項又は第二十四条第二項の規定による指導及び助言を受けた者が、正当な理由なく、当該指導及び助言に従わないときは、その者に対し、当該指導及び助言に従うべきことその他の必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。

4 知事は、前条第一項の規定による立入調査を正当な理由なく拒み、妨げ、又は忌避した者に対し、立入調査に応ずべきことを勧告することができる。

(公表)

第二十七条 知事は、前条の規定による勧告を受けた者が、正当な理由なく、当該勧告に従わないときは、その旨及び当該勧告の内容を公表することができる。この場合においては、あらかじめ、当該勧告を受けた者に意見を述べる機会を与えなければならない。

(特定生活関連施設に関する報告等)

第二十八条 知事は、特定生活関連施設を所有し、又は管理する者に対し、整備基準への適合の状況について報告を求め、又は必要な指導及び助言を行うことができる。

第三節 旅客車両等、公共工作物及び住宅の整備

(旅客車両等の整備)

第二十九条 旅客車両等を所有し、又は管理する者は、当該旅客車両等について、高齢者、障害者等が安全かつ円滑に利用できるよう整備に努めるとする。

(公共工作物の整備)

第三十条 公共工作物を設置し、又は管理する者は、当該公共工作物について、高齢者、障害者等が安全かつ円滑に利用できるよう整備に努めるものとする。

(住宅の整備)

第三十一条 県民は、その所有する住宅について、居住者の身体機能の状況に応じて安全かつ快適に生活できるよう整備に努めるものとする。

2 住宅を供給する事業者は、高齢者、障害者等が安全かつ快適に生活できるように配慮された住宅の供給に努めるものとする。

第四章 秋田県バリアフリー社会形成審議会

(設置及び所掌事務)

第三十二条 知事の諮問に応じ、バリアフリー社会の形成に関する重要事項を調査審議させるため、秋田県バリアフリー社会形成審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、バリアフリー社会の形成に関する重要事項について、知事に意見を述べることができる。

(組織及び委員の任期)

第三十三条 審議会は、委員十五人以内で組織する。

2 委員は、学識経験のある者のうちから、知事が任命する。

3 委員の任期は、二年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

(会長)

第三十四条 審議会に会長を置く。

2 会長は、委員の互選によって定める。

3 会長は、審議会を代表し、会務を総理する。

4 会長に事故があるときは、会長があらかじめ指名する委員が、その職務を代理する。

(会議)

第三十五条 審議会は、会長が招集する。

2 会長は、審議会の議長となる。

3 審議会は、委員の過半数が出席しなければ、会議を開くことができない。

4 審議会の議事は、出席した委員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

(委任規定)

第三十六条 この章に定めるもののほか、審議会の運営に関し必要な事項は、会長が審議会に諮って定める。

第五章 雑則

(国等に関する特例)

第三十七条 国、地方公共団体その他これらに準ずるものとして規則で定めるもの(以下「国等」という。)については、第三章第二節の規定は、適用しない。ただし、国等は、特定生活関連施設の新築等をしようとするときは、規則で定めるところにより、あらかじめ、知事に通知しなければならない。

2 知事は、前項ただし書の規定による通知があった場合において必要があると認めるときは、国等に対し、整備基準に適合させることその他の必要な措置を講ずるよう要請することができる。

(市町村の条例との関係)

第三十八条 生活関連施設に関し、市町村の条例により、この条例の規定による整備と同等以上の整備が行われると知事が認めるときは、当該生活関連施設の整備については、規則で定めるところにより、第三章第一節及び第二節の規定の全部又は一部を適用しない。

(規則への委任)

第三十九条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

附 則

(施行期日)

1 この条例は、平成十五年四月一日から施行する。ただし、第七条第八条第四章及び附則第三項の規定は、平成十四年六月一日から施行する。

(経過措置)

2 第二十二条第一項の規定は、この条例の施行の日前に新築等の工事に着手した者については、適用しない。

(特別職の職員で非常勤のものの報酬および費用弁償に関する条例の一部改正)

3 特別職の職員で非常勤のものの報酬および費用弁償に関する条例(昭和三十一年秋田県条例第三十五号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(秋田県の事務処理の特例に関する条例の一部改正)

4 秋田県の事務処置の特例に関する条例(平成十一年秋田県条例第七十一号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

秋田県バリアフリー社会の形成に関する条例

平成14年3月29日 条例第13号

(平成15年4月1日施行)

体系情報
第5編 健康福祉/第2章 地域・家庭福祉
沿革情報
平成14年3月29日 条例第13号