○秋田県水源森林地域の保全に関する条例

平成二十六年三月二十八日

秋田県条例第六十一号

秋田県水源森林地域の保全に関する条例をここに公布する。

秋田県水源森林地域の保全に関する条例

(目的)

第一条 この条例は、水源森林地域の保全について、基本理念を定め、並びに県、土地所有者等及び県民の責務を明らかにするとともに、水源森林地域における適正な土地利用の確保を図るための措置その他必要な事項を定めることにより、水源森林地域の森林の水源のかん養の機能の維持増進を図ることを目的とする。

(定義)

第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

 水源森林地域 第九条第一項の規定により指定された地域をいう。

 土地所有者等 水源森林地域内の土地の所有者、占有者及び管理者をいう。

(基本理念)

第三条 水源森林地域の保全は、水が県民共有の貴重な財産であり、公共性の高いものであることに鑑み、森林の有する水源のかん養の機能の維持増進が図られるように推進されなければならない。

(県の責務)

第四条 県は、前条に定める基本理念にのっとり、水源森林地域の保全に関する施策を実施するものとする。

(土地所有者等の責務)

第五条 土地所有者等は、第三条に定める基本理念にのっとり、水源森林地域における適正な土地利用の確保に配慮するとともに、県及び市町村が実施する水源森林地域の保全に関する施策に協力するように努めるものとする。

(県民の責務)

第六条 県民は、第三条に定める基本理念にのっとり、水源森林地域の保全に対する関心と理解を深め、県及び市町村が実施する水源森林地域の保全に関する施策に協力するように努めるものとする。

(市町村との協力)

第七条 県は、市町村が実施する水源森林地域の保全に関する施策に協力するとともに、水源森林地域の保全に関して必要があると認めるときは、市町村に協力を求めるものとする。

(国との連携)

第八条 県は、国と連携して水源森林地域の保全に関する施策を推進するとともに、水源森林地域の保全に関して必要があると認めるときは、国に対し必要な措置を講ずるように要請するものとする。

(水源森林地域の指定)

第九条 知事は、水源のかん養の機能の維持増進を図るため保全する必要がある森林の存する地域を水源森林地域として指定することができる。

2 知事は、水源森林地域の指定をしようとするときは、あらかじめ、当該地域を管轄する市町村の長の意見を聴かなければならない。

3 知事は、水源森林地域を指定しようとするときは、あらかじめ、規則で定めるところにより、その旨を公告し、当該指定の案(以下「指定案」という。)を、当該公告の日から起算して二週間公衆の縦覧に供しなければならない。

4 前項の規定による公告があったときは、水源森林地域に指定しようとする地域内の土地の所有者、占有者及び管理者並びに利害関係人は、同項の縦覧期間満了の日までに、規則で定めるところにより、知事に指定案についての意見書を提出することができる。

5 知事は、指定案に異議がある旨の前項の意見書の提出があったときは、規則で定めるところにより、当該提出をした者の意見を聴取するものとする。

6 知事は、水源森林地域の指定をするときは、その旨及び当該指定に係る地域を告示するとともに、第二項の市町村の長に通知しなければならない。

7 水源森林地域の指定は、前項の規定による告示によってその効力を生ずる。

8 第二項から前項までの規定は、水源森林地域の指定の変更又は解除について準用する。

(土地の所有権等の移転等の届出)

第十条 水源森林地域内の土地の所有権又は地上権その他規則で定める使用及び収益を目的とする権利(以下「所有権等」という。)を有する者は、当該土地の所有権等の移転又は設定をする契約(以下「土地売買等の契約」という。)を締結しようとするときは、当該土地売買等の契約を締結しようとする日の三十日前までに、規則で定めるところにより、次に掲げる事項を知事に届け出なければならない。

 土地売買等の契約の当事者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)

 土地売買等の契約に係る土地の所在地及び面積

 土地売買等の契約に係る土地の所有権等の種別及び内容

 土地売買等の契約を締結しようとする日

 土地売買等の契約に係る土地の所有権等の移転又は設定の後における土地の利用目的

 前各号に掲げるもののほか、規則で定める事項

2 前項の規定は、土地売買等の契約の当事者の一方又は双方が国又は地方公共団体である場合その他規則で定める場合は、適用しない。

3 前条第一項の規定による指定(当該指定の変更を含む。)の日から起算して三十日を経過する日までの間に当該指定に係る水源森林地域(当該指定の変更にあっては、当該変更後の水源森林地域)内の土地について土地売買等の契約を締結しようとする場合における第一項の規定の適用については、同項中「当該土地売買等の契約を締結しようとする日の三十日前までに」とあるのは、「あらかじめ」とする。

4 第一項(前項の規定により読み替えて適用する場合を含む。次条から第十四条までにおいて同じ。)の規定による届出をした者は、当該届出に係る土地売買等の契約を締結する日までの間において、同項各号に掲げる事項に変更が生じたときは、速やかに、規則で定めるところにより、その旨を知事に届け出なければならない。

(市町村長への通知等)

第十一条 知事は、前条第一項又は第四項の規定による届出があったときは、その内容を当該届出に係る土地が所在する市町村の長に通知するものとする。

2 知事は、必要があると認めるときは、前条第一項又は第四項の規定による届出に係る土地の利用に関し、関係市町村の長に意見を求めることができる。

(報告及び立入調査)

第十二条 知事は、第十条第一項及び第四項第十四条並びに第十五条第一項の規定の施行に必要な限度において、土地所有者等に対し、報告若しくは資料の提出を求め、又はその職員に、土地売買等の契約に係る土地に立ち入り、当該土地の利用が水源のかん養の機能の維持に及ぼす影響を調査させ、若しくは関係者に質問させることについて協力を求めることができる。

2 前項の規定により立入調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

(助言)

第十三条 知事は、第十条第一項又は第四項の規定による届出があったときは、当該届出をした者に対し、当該届出に係る土地の利用に関し、当該土地を含む水源森林地域内の森林の水源のかん養の機能の維持増進を図るために必要な事項について助言を行うものとする。

2 第十条第一項又は第四項の規定による届出をした者は、前項の規定による助言を受けたときは、当該助言の内容を当該届出に係る土地の所有権等の移転又は設定を受けようとする者に伝達するものとする。

3 知事は、第十条第一項又は第四項の規定による届出に係る土地の所有権等の移転又は設定を受けようとする者に対し、直接に、第一項の事項について助言を行うことができる。

(勧告)

第十四条 知事は、水源森林地域内の土地の所有権等を有する者が第十条第一項又は第四項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたときは、その者に対し、期限を定めて、当該届出を行い、又は当該虚偽の届出の内容を是正すべきことを勧告することができる。

(公表)

第十五条 知事は、前条の規定による勧告を受けた者が、正当な理由なく、当該勧告に従わないときは、その旨及び当該勧告の内容を公表することができる。

2 知事は、前項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ、前条の規定による勧告を受けた者に意見を述べる機会を与えなければならない。

(市町村の条例との関係)

第十六条 水源森林地域において、市町村の条例により、この条例の規定による適正な土地利用の確保を図るための措置と同等以上の措置が講じられると知事が認めるときは、当該水源森林地域(当該市町村の区域内のものに限る。)については、規則で定めるところにより、第十条から前条までの規定を適用しない。

(規則への委任)

第十七条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

この条例は、平成二十六年四月一日から施行する。ただし、第十条から第十六条までの規定は、同年十月一日から施行する。

秋田県水源森林地域の保全に関する条例

平成26年3月28日 条例第61号

(平成26年10月1日施行)